2006/10/14 - 2006/10/14
152位(同エリア194件中)
まみさん
2006/10/14(土)第7日目:ブダペストからセンテンドレ日帰り
中央広場、マジパン博物館、ブラゴヴェシュテンスカ教会、フェレンツィ美術館、コヴァーチ・マルギット美術館、丘の上のカトリック教会、セルビア正教会&博物館
シュカンゼン(野外博物館)で約2時間半
ブダペストに戻った後:バッチャーニ広場付近で夜景撮影
数あるセンテンドレのギャラリーの中でも、少なくとも陶芸のコヴァーチ・マルギット美術館はぜひ行くべきだ、という声がたくさんありました。
そんなにイイのかしら。
陶芸は好きですが、どちらかというと絵画の方が好きなので、そこまで強く薦められなければ、行く気にならなかったかもしれません。
でも、ここは素直に、行くことにしましょう。
他にもセンテンドレで目をつけていた美術館は、フェレンツィ美術館です。
フェレンツィ・カーロイ(1862〜1917)はハンガリーの20世紀最大の印象派画家だそうです。
印象派なら比較的好きになれる作品が多いので、はずれが少ないでしょう。「20世紀最大の画家」などと言われてしまったら、期待が沸きます。
ちなみに、センテンドレのフェレンツィ美術館は、カーロイだけでなくフェレンツィ一家の美術館ともいうべきで、カーロイの双子の妹、ゴブラン織物作家ノエーミ、彫刻家ベーニ、画家ヴァレールとその妻の作品も展示されているそうです。
アーティスト一家なのですね。
センテンドレには他にも面白そうな美術館がいくつもありますが、優先順位を決めないと、時間のかけ方を失敗してしまいます。
というわけで、センテンドレでおさえておきたいと絞った美術館はこの2つでした。
センテンドレの町中散策は、当初の予定を変更して、半日しかかけないことにしました。
しかも、午後には、最も楽しみにしていた野外博物館へ行くので、やや気ぜわしい散策です。
この2つの美術館が見つけやすいところにあったのは幸いでした。
ハンガリーを代表する女流陶芸家コヴァーチ・マルギット(1902〜1977)の美術館は、なるほど、あれだけ強く薦められるだけのことはある、と、ものすごく納得しました。
作品の数も豊富ですし、展示方法も見やすくて、とても良いです。
もちろん、なによりもその作品が魅力的でした。とても可愛らしいのです。
その可愛らしさも、ピカチュウのような日本的な分かりやすい可愛らしさではなく(そういうのも大好き@)、海外の絵本の挿絵のような可愛らしさ。
うまく表現できないですが、たとえば目だけパーツとして取り上げたらギロッとしていたり、鋭くて、可愛いとは言いづらいのに、でも、全体的にみると、なかなか愛らしいのです。
陶芸の人形たちの仕草やポーズも、作者の女性らしい優しさがにじみでていました。
どこか心があったかくなる作品ばかりでした。
サロメがヨハネの首を盆にのせている作品ですら、どこかほのぼのと感じられたくらいです(少なくとも私にはね@)
フェレンツィ美術館は、フェー(中央)広場のすぐそばにあります。
そろそろ美術館の1つでも入ろうか、と思ったときに、ちょうど目に入りました。
マジパン博物館を除き、センテンドレで最初に入ったミュージーアムです。
20世紀最大の印象派画家といわれるフェレンツィ・カーロイ。
作品はなかなか好みでした。
でも、実はもっと気に入ったのは、カーロイの双子の妹のフェレンツィ・ノエーミの作品でした。
ゴブラン織りだけでなく、絵画もありました。
目に入ってすぐに、ノエーミの名を確認するまでもなく、女性の作品に違いないと思いました。
とてもやさしい目で人々を見つめていると思ったからです。
とても独特な人物の絵を描きます。
だから、この後の美術館で、彼女の作品はすぐに分かりました。
また、働いている人々の絵が多かったです。
部屋の隅に立っていた館員に「写真を撮っていいか」と聞くと、快く許可してくれたので、ノエーミの作品ばかりカメラに収めてきました。
おかげで、フェレンツィ・カーロイの作品の方は、どんなのがあったか、すっかり忘れてしまいました。
コヴァーチ・マルギット美術館の方は撮影禁止でしたので、買ったカタログから気に入った作品の写真を抜粋しましょう。
カタログの値段は、940フォーリントでした。
(2006年10月現在、1フォーリント=約0.6円)
また、入場料は、フェレンツィ美術館が400フォーリント、コヴァーチ美術館が700フォーリントでした。
鑑賞時間は、フェレンツィ美術館が11:15〜11:30、コヴァーチ美術館が11:45〜12:05でした。
ゆっくり見たと思ったわりには、そんなに時間がかかっていませんでした。
-
フェレンツィ・ノエーミの作品
センテンドレのフェレンツィ美術館にて
タイトルはさしずめ「花に水をやる人」あたりかな。
たしかこれはゴブラン織り用の下絵でした。 -
フェレンツィ・ノエーミの作品
センテンドレのフェレンツィ美術館にて
これはガラスに光が反射してしまって写真を撮りづらかったのではじめ撮る気はなかったのですが、美術館の係員のお気に入りのようで「これは撮らないの?」と言われてしまえばね@
タイトルは「ひまわり」だった気がするのですが……。 -
フェレンツィ・ノエーミの作品
センテンドレのフェレンツィ美術館にて
タイトルは「まどろみ」かな。 -
フェレンツィ・ノエーミの作品
センテンドレのフェレンツィ美術館にて
これはエデンの園、ですね。
働く人の絵が多いフェレンツィ・ノエーミですが、こういう絵もありました。 -
フェレンツィ・ノエーミの作品
センテンドレのフェレンツィ美術館にて
タイトルは「秋」だったかなぁ。 -
コヴァーチ・マルギット美術館の入口へ
チケット売り場は通りを挟んで反対側の書籍売り場です。 -
コヴァーチ・マルギット美術館の入口前にある彫刻
聖人か、巡礼者、というかんですね。
この顔つき。マルギットらしい優しい作品です。 -
コヴァーチ・マルギットのレリーフ
ろくろを回す少年
美術館の建物のある壁にありました。 -
コヴァーチ・マルギットの写真
コヴァーチ・マルギット美術館のカタログから
1902年11月30日、ジェール生まれ
1977年6月4日、ブダペスト没
1972年、コヴァーチ・マルギットは、彼女の生誕70年記念に、生涯の多くの重要な作品をセンテンドレのペスト州美術館理事会に寄付しました。
その作品を展示する常設の美術館は、1973年に設立されました。
それがセンテンドレのコヴァーチ・マルギット博物館です。 -
「母と子」
1958年作、84cm
コヴァーチ・マルギット美術館のカタログから
母親像の、子供を見る目、顔の角度、子供を抱く手。すべてに母親の愛情が感じられます。
マルギットは生涯いくつも、このように愛情溢れる母子像を作成しています。 -
「ピレモンとバウキス」
1970年作、70cm
コヴァーチ・マルギット美術館のカタログから
イエスにキスする裏切りのユダ
にしては、かなり独特〜!
と思っていましたが、タイトルを見たら、「ピレモンとバウキス」。
って誰?
ピレモンは、使徒パウロによる改心者で、新約聖書には、パウロによるピレモンへの手紙やピレモン書があります。
バウキスはピレモンの妻です。
と思ったのですが、後でもう一度、ピレモンとバウキスのペアで調べてみたら、なんとギリシャ神話版「おしどり夫婦」のことでした@
いずれにせよ、この彫刻、キスをしかけている方は、女性でありやしたか〜!
調べるまで両方とも男性かと思っちゃいました。
女性の彫刻が一見、男性に見える───でも、全体的にやはり愛らしい作品だと思うのです。
カタログの写真に、ドライフラワーを散らしてみました@ -
「乳を与える母」
1948年作、80cm
コヴァーチ・マルギット美術館のカタログから
マルギットの重要な課題である母子像の3作目だそうです。
服装も独特で、印象的です。 -
「漁師の妻たち」
1968年作、50cm
コヴァーチ・マルギット美術館のカタログから
最初は、尼僧たちかと思いました。
暗いローブをまとう漁師の妻たち。心配そうに彼方を見つめています。 -
「センテンドレへのオマージュ」
1968年作、93cm
コヴァーチ・マルギット美術館のカタログから
カタログの表紙です。
この作品の写真が表紙に使われているわけは、作品のタイトルから納得です。
右の小さな塔には、センテンドレの紋章が描かれています。
ギリシャ十字を頭に掲げる四人の女性像は、センテンドレの4つのセルビア教会を表わしています。
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この旅行記へのコメント (7)
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- 4nobuさん 2007/03/24 13:26:48
- 懐かしいセンテンドレ
- ご無沙汰いたしております。
ずい分昔1994年にツアーで行きましたので懐かしいセンテンドレです。
通常の観光ルートどおりにマルギット美術館を見てそのあとの自由時間に何気なく、ですから予備知識なく、フェレンツィ美術館に入りいい絵が沢山でびっくりしました。
その後のイコン美術館もです。まあこれまでもイコンは「一応は見る」という感覚でしたがそれからはじっくりと見るようになりました。
イコンの立派な美術館がフランクフルトにもありますが、どうしてかセンテンドレの方が今でも印象が深いです。
それから陶芸の人物像マルギットですが私は評判ほどにはいいと思えず、(昨年日本でも展示があった)バルラッハの方が暖かさと共にその力強さでは群を抜いてるような気がします。すみません余計なことで。
- まみさん からの返信 2007/03/27 20:14:57
- RE: 懐かしいセンテンドレ
- 4nobuさん、こんにちは。書き込みありがとうございます。お返事が遅くなってしまいました。
フェレンツィ美術館は本当に素敵な美術館でしたね。
フェレンツィ一家の作品が展示されているので、いろんな傾向の作品がありました。
最初、フェレンツィ・カーロイだけかと思っていたのですが、あまりに違うので途中で気付いたのです@
マルギットは4nobuさんの好みではなかったですか。まあ人それぞれですね。
バルラッハはちょっと調べてみましたが、エルンスト・パルラッハでしょうか。であればドイツの彫刻家ですね。
私もこの方の作品はいいなと思いました。
好みの範囲は結構広いかもしれません@
- 4nobuさん からの返信 2007/03/28 15:41:00
- RE: RE: 懐かしいセンテンドレ
- まみさん 今日は
すみません。知ったかぶりでついえらそうの事を書いて。
それにバルラッハは木彫りで陶芸ではありませんから比較するのはおかしいですね。しかし雰囲気がよく似たもので連想してしまいました。
マルギットが全然気にいらないわけではありません。好ましいのですが期待が大きかったからそれほどではと思っただけなのです。それに陶器なのに写真を撮らせないなんて(日本もですが)文明度の低い国だと憮然。どうも言い訳ばかりですね。
ご存知でしょうがハンブルグにバルラッハだけの美術館があります。先日の日本に来てたのより素晴らしいのが並んでいます。近くにいかれたらお寄りになられることをお薦めします。
プロフィールを拝見したら1人旅がお好きのご様子。
私もですが1人だと旅の密度が濃くなるような気がしますし。写真を気兼ねなく撮れるのがいいですね。それに私は1人が決して嫌いでない(別の言い方をすればわがまま?)からです。
4nobu
-
- 萌愛さん 2006/12/18 13:03:18
- なぜかギュスターヴ・モロー
- をこの絵で彷彿した私です(タッチとか違うんですが)
カーロイさんの絵も見て見たいです。
モチロン 本物を!羨ましいぃ〜!
- まみさん からの返信 2006/12/19 12:04:02
- RE: なぜかギュスターヴ・モロー
- 萌愛さん、こんにちは。書き込みありがとうございます。
ギュスターヴ・モローですか。ほおお。
私が覚えているモローの絵は、裸同然の薄いベールの服にたくさんの宝石をまとったサロメを、ものすごくこまかーく描いた絵なので、萌愛さんの自由な発想にびっくり。
しかしこの絵に限れば、幻想的な雰囲気は通じるところがあるかもしれません。
モローに絵にブルートーンのものってありましたっけ?
そのあたりかな?
いやぁ、現地に行って、本物が見られるのはもちろん一番ですが、こうして写真を撮れるのもデジカメの醍醐味ですね〜。
こんな風にうらやましがらせちゃうのもね。
でもやっぱり自分の記憶があてにならないから、日記にいくら、お気に入りの画家の絵の印象を書き留めていても、思い出せないことが多いです。なので写真は助かります。
現に、フェレンツィ・カーロイさんの絵は、全然思い出せませーん(泣)。
-
- shinesuniさん 2006/12/09 00:47:05
- この絵いいですね^^
- ぜひ本物見に行ってみたいです。
ところでこの続きは...
_ ∩
( ゚∀゚)彡 続き!続き!
⊂彡
首を長くしてお待ちしております shinesuni
- まみさん からの返信 2006/12/09 23:22:37
- RE: この絵いいですね^^
- shinesuniさん、こんにちは。書き込みありがとうございます。
フェレンツィ・ノエーミ。
なかなか日本では紹介されませんよね。
こういう地元では知られているのに日本ではめったに出会えない画家を知るのも、東欧旅行の醍醐味でもあります。
コヴァーチ・マルギットの良さも、すごーい納得してしまいました。
カタログは旅行記に載せようと思って買ってきたんです。
shinesuniさんも、コヴァーチ・マルギットの作品はご覧になりました?
同じように、ペーチでも、チョントヴァーリのカタログを買いました。
まだ先ですし、旅行記用に写真を撮るのもこれからですが、私自身も早く続きが書きたくてうずうず@
ペーチはまさしく、shinesuniさんの旅行記がきっかけで行くことにしたところです@
ありがとうございます@
続きを楽しみにしているとのお言葉に励まされます。
センテンドレの野外博物館の旅行記は、私のこだわりでカタログをきちんと読んで作成してるのでもうちょっと時間がかかるため、先にブダペストの夜景をアップしました@
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