2006/11/06 - 2006/11/08
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STAMP MANIAさん
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再び、香港・マカオスタンプラリー(?)に行ってきた。
深港西部通道開通と横琴口岸再開を期待していたのだが、どちらも未だ工事中で残念。
相変わらず“移動”に重点を置いた旅。
香港国際空港から市内へは、機場快線からバス・タクシーまで様々なアクセス手段がある。
今回は、空港が「島」にあることに着目して、船を使ったアクセスを試してみた。
実用性は・・・普通の旅行者にとっては限りなくゼロに近いであろう。(笑)
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 船
- 航空会社
- ANA
-
まずは空港島の対岸、屯門(Tuen Mun)に船で渡り、LRTと鉄道・連絡バスを乗り継いで尖沙咀へ向かう方法を試してみる。
空港が出来た頃の古いガイドブックには、空港から屯門へのフェリーがあると書いてあるものもあるが、現在、屯門へ向かうフェリーは東涌(Tung Chung)から出ている。
東涌のフェリー乗り場へは[S56]系統のバスで。
バス乗り場は、A系統やE系統のバスが発着するバスプールではなく、それより1本ターミナル寄りの道にある。
案内表示はあるので、迷うことはないだろう。
ちなみに、地下鉄東涌駅へ行く[S1]系統のバスも同じバス停から出ている。
香港国際機場アクセスガイド(繁体中文)
http://www.hongkongairport.com/chi/aguide/bus.html -
バスは15分ほどで東涌碼頭に到着。運賃HK$3.5。
バス停の目の前がフェリーターミナル。
といっても、コンクリート打ちっぱなしのいささか寂れた感じのする建物。
東涌は空港の開業に伴って整備された臨空新都市だと思っていたが、この建物はどう見ても空港開業よりはるか以前に出来たものだ。
東涌は空港開業以前から離島の村の一つとして存在していたのだろうか?
船は20〜30分毎と、かなり頻繁に運航している。
運航は大手フェリー会社の「新渡輪」。
船の運賃はHK$15。割引はないが、オクトパスも使える。
新渡輪
http://www.nwff.com.hk/ -
船はよくある高速船タイプ。
屯門までの所要時間は20分弱。
近いように見えるが、意外と距離はあるようだ。
左の窓側に座ると、離陸していく飛行機が見えて面白い。
※追記※
2007年7月1日、香港返還10周年に合わせて(という口実で遅れを誤魔化しているのだが)「深港西部通道」がようやく開通したようだ。
開通と同時に新界西部地区から3本の越境バスが走り始めたらしいが、そのうちの1本、CityBus(城巴)の[B3]系統が屯門碼頭〜深せん湾口岸を結んでいる。
香港の空港から深せんの南山区・蛇口方面に安くかつ速く行きたい場合、この航路は意外と使えるかもしれない。
城巴 [B3]系統(繁体中文)
http://www.citybus.com.hk/chi/RouSer/RouteSearch/busroute_info.asp?route=B3++++&routetype=D&company=5&routenumber=b3 -
屯門碼頭の目の前がLRT(軽鐵)の屯門碼頭站。
最低限の歩行距離でスムースな乗換が出来る。
模範的なLRTシステムである。
ここ以外にも、後から出来た九廣西鐵の駅との乗換えもよく考えられており、感心する。
最近日本でもLRTブームだが、単に段差を無くした路面電車を走らせれば良いというものではないことがよく分かる。
九廣西鐵の屯門站まで約15分。 -
屯門站で西鐵に乗り換えても良かったが、かなり面白い電車だと思ったので、一駅先の兆康(Siu Hong)站まで軽鐵に乗ることに。
路線図を見ると[505]系統が面白そうなルートを走っていたので屯門站で乗換える。
屯門站を出た電車は急カーブの分岐を左折し、路面に降りる。
路面といっても、車道との間には段差があり、自動車とは物理的に分離されている。
写真の奥に見える停留所は建安(Kin On)站。 -
しばらく走ると、電車は突如団地の中の分け入る。
一方通行の単線線路に旧勾配・急カーブが続く。
この単線区間には山景南(Shan King South)站・山景北(Shan King North)站の2駅がある。
日本ならば本線の駅まで歩いてしまう距離だが、こんな険しい線路を引いてまで団地の中にアクセスするあたり、やはり模範的LRTだ。
ただ、この線路を走るのは一系統、しかも北行きだけ。
確かに団地住民には便利だろうが、何のために引いたのかよく分からない路線だ。 -
屯門碼頭から兆康までの区間はいくつもの路線が複雑に入り乱れている。
そこかしこにデルタ状の分岐点があるが、その多くは平面交差。
一系統の運転頻度が数分毎、一つの線路に数系統が運転されていることを考えると、平面交差では渋滞しそうだが、そこはよく考えられている。
写真は石排(Shek Pai)站〜新圍(San Wai)站間の分岐点。
奥から手前へ向かって三系統が直進、一系統が右折する。
右折する電車が直進する電車を邪魔しないよう、右折車線が設けられている。
最低限の費用でスムースな運転を実現するための工夫だ。 -
軽鐵の運賃は複雑なので、旅行者はオクトパスを使った方が良い。
オクトパスには乗継割引のメリットもある。
指定区間から西鐵の駅まで乗車して西鐵に乗り換える場合、一定の条件で軽鐵の運賃分が無料になる。
普通に利用するなら、多くの場合で無料になるはず。
もちろん、屯門碼頭站から乗車して屯門站で乗り換える場合は無料、私はさらに兆康站まで軽鐵に乗ったが、無料だった。
オクトパスが無い場合、ホーム上の券売機で切符を買う。
軽鐵の駅に改札ゲートは無く、ホームにある改札機に自分でオクトパスをタッチする。
改札機は入場機と出場機に分かれており、乗る前に入場機にタッチ、降りた後に出場機にタッチする。 -
軽鐵の兆康站はデルタ線の真中を使った駅。
真中に三角形のホーム、デルタ線の三辺にそれぞれ片面ホーム。
これも乗換の移動距離を最低限にするための工夫だ。
非常に便利だが、信号も遮断機も無い線路を渡るので、乗客の責任は重大だ。
こういうシステムが日本で受け入れられるかどうかは微妙だろう。
最近新しく出来た九廣西鐵は屯門站と旺角地区西側の埋立地にある南昌(Nam Cheong)站を約30分で結ぶ。
今まで陸の孤島だった屯門・元朗地区が都心と結ばれ、地元住民はさぞ便利になったことだろう。
この鉄道、地下鉄を運営する地鐵公司の路線でもおかしくないが、何故か九龍と上水・羅湖を結ぶ九廣鐵路の路線。
この路線が出来てから、従来の九廣鐵路線を九廣東鐵と表記して区別している模様。
現在は南昌站という中途半端な場所が起点だが、都心方向に延伸して尖東站へ至り、東鐵と相互乗入するらしい。
さらに、錦上路〜元朗間から深せんへの分岐線を建設し、現在ホンハム駅を発着している本土直通列車を西鐵に移す計画も。
運営が九廣鐵路なのは、そういう事情があるからだろうか。
最近、地鐵公司と九廣鐵路の合併計画が持ち上がったが、たかが旅行者の立場でも気になるニュースだ。
※追記※
2007年12月、地鐵公司と九廣鐵路が合併した。
新会社は「港鐵」で、略称はMTR。
シンボルマークも旧地鐵公司のものと同じ。
港鐵
http://www.mtr.com.hk/ -
西鐵で都心へ向かうには、美孚(Mei Foo)站で地下鉄に乗換える方法もあるが、運営が別会社なので高くつく。
オクトパス利用者には何らかの割引があると思われるが、安さを重視する人は南昌站からの連絡バスを利用する。
バスは[K16]系統。
南昌站前のバスプールを出発し、尖東站K出口のバスターミナルに到着する。
途中にいくつかの停留所がある。
オクトパスを利用して西鐵・東鐵に乗り継げばバス代は無料。
ただし、渋滞していると結構時間がかかる。
30分はみておいた方が良いだろう。
写真は尖東站バスターミナルに停車中の[K16]系統バス。 -
尖東站のバスターミナルはシェラトンの裏という最高のロケーションにある。
有名(?)な重慶マンション(重慶大厦)はすぐ近く。
空港では前回の残金でオクトパスを購入できたので、レートの悪い空港両替所は避け、重慶マンションの両替商を利用。
他所のレートは一体何なんだ!!!と思うくらい好レートで両替できる。
一万円両替して千円分以上違うこともある。
ほとんどの店は手数料込のレートを表示しており、良心的だ。
ただし入口近くの店は物凄いボッタクリレート。
わずか数mで10%以上もレートが違うというのは、普通の感覚では理解できない。
重慶マンションの奥に足を踏み入れるとは、それほど抵抗のあることなのだろうか?
ちなみに私は重慶マンションに泊まったことすらあるが、かなり快適で驚いた。
「招待所」「ゲストハウス」などと呼ばれる簡易宿泊施設は、意外にも個室が主体で、冷房完備。
中にはバス・トイレ付の部屋まである。
重慶マンションは国際都市香港を実感できる数少ない場所だと思う。
いくら国際都市と言っても、街を歩いているのは大多数が中国系の人種だが、重慶マンションにはあらゆる人種・あらゆる文化が詰め込まれている。
日本で重慶マンションと言えば宿泊施設としてのイメージが強いが、低層階の商業エリアは観光スポットとしてもっと注目されてもいいと思う。 -
屯門ルートは屯門が目的地の人、あるいは鉄道マニア以外にはほとんど無意味だが、もう一つの船を使ったアクセスルートは、観光的にも面白いかもしれない。
但し、実用性の無さは屯門ルート以上だろう。(笑)
まず空港から[S1]系統のバスで東涌站に出て、駅前のバスターミナルから[3M]系統のバスに乗った。
このバスはランタオ島の山を越えて反対側の梅窩(Mui Wo)という町に行く。
だいたい1時間に1本ほどの運転頻度。
空港から梅窩に直行する[A35]系統のバスもある。
こちらも1時間に1本ほど。
どちらを利用するにしても予め時刻表を調べてからにした方が良い。
運賃は[A35]系統がHK$14、[S1]系統と[3M]系統を乗り継ぐとHK$13.3。
新大嶼山巴士有限公司(繁体中文)
http://www.newlantaobus.com/ -
東涌を出発したバスは、物凄く険しい山道を登っていく。
香港にこんな場所があったのか!と驚くような道だった。
峠を越えると眼下に海が広がる。
空気が霞んでいるのが残念だが、香港らしくない景色であることに変わりはない。
狭くて急な坂道を、かなりの速度で下っていく。
バスは海岸沿いの小さな町で乗客を拾いながら、梅窩の町へ向かう。
東涌から45分で銀鑛湾(Silver Mine Bay)に臨む港町、梅窩に到着。
写真は梅窩のフェリーターミナルから見た銀鑛湾。 -
バスはフェリー乗場前が終点なので、旅行者にも分かりやすい。
写真はフェリー乗場前のバスターミナル。
梅窩は小さな漁村、といった雰囲気。
都市規模的には高層マンションが林立する東涌とは比べるべくもないが、空港が出来る前はここがランタオ島の中心だったらしい。
ランタオ島南岸に点在する集落を結ぶバス路線がこのターミナルに集結し、乗客はここで中環への船に乗換える。
いわゆる「交通結節点」だ。
香港の交通機関は乗換のストレスを最小限に抑えるよう、過剰なまでの配慮されているが、離島でもそれは同じらしい。
地下鉄で都心と結ばれた東涌の発展スピードは凄まじいが、ランタオ島内は峠越えの道路が貧弱なので、南岸の村々と都心を結ぶ交通結節点としての機能は、今後も暫くは梅窩が担っていくことになるだろう。 -
梅窩と中環を結ぶ船は、普通船と高速船の二種類がある。
普通船といっても、キャビンは高速船と変わらないので、旅情には欠ける。
普通船はHK$11.3で所要55分、高速船はHK$22で所要22分。
運航会社は、東涌〜屯門航路と同じ「新渡輪」。
この航路、鄙びた漁村を出発した船が、やがて様々な船が行き交うビクトリアハーバーに分け入り、香港島の摩天楼が次第に近づいてくる、という高揚感が味わえる点が面白い。
ゴールが中環のど真ん中、香港で一番高い(多分)ビルの麓、というのも良い。
旧空港(啓徳機場)時代は、飛行機の右窓側席に座れば「香港へ来た!!」という高揚感を味わえたが、郊外に空港が移転した現在、香港への到着は非常に味気ないものになってしまった。
機場快線は論外、バスもそれなりに面白いが、都心へ入っていく時の高揚感はイマイチ。
この航路は香港到着の高揚感を味わえる、いまや唯一の交通手段ではないだろうか。 -
中環のフェリーターミナルから香港上海銀行前の広場へは、微妙に距離がある。
梅窩からの船が到着した桟橋の隣では、新しいスターフェリーターミナルが建設中だった。
今月中に供用開始されるらしい。
この場所、よく考えてみると「遠い」と不評の機場快線/東涌線の香港站よりさらに“沖”だ。
香港島へはいつもスターフェリーを使っていたが、こんな場所にターミナルが移転すると、ちょっと不便になりそうだ。
元のスターフェリーターミナルがどうなるのかは知らないが、香港のことだから多分埋め立てて市街地を沖合に広げるのだろう。
いずれビクトリアハーバーは運河になる? -
これが間もなく役目を終える中環のスターフェリー乗場への通路。
ここからの乗船も今回で最後になる。
頭上の広告看板が面白い。
広告主は、なんとライバル地鐵公司!!
尖沙咀へは速くて便利な地下鉄で、という意味のことが書かれているようだ。
この広告看板が、スターフェリーを利用する乗客の動線上に何枚も掲げられている。
ライバル企業の玄関先に堂々と広告を出すくらい、香港では当たり前なのだろうが、桟橋移転でスターフェリーの競争力低下が心配されるこのタイミングで派手な広告攻勢を仕掛けるとは、地鐵公司も容赦がない。 -
あまり実用的でない話ばかりなので、最後に普通の旅行者にもお勧めできる実用的な話を。
市内から空港へ向かうのに、バスは時間が読めなくて不安だが機場快線は高すぎる!という人に最適。
それなりにメジャーな方法だが、地下鉄東涌線と[S1]系統のバスを乗継いで行く。
所要時間は約1時間。
東涌線は地鐵公司の一般路線なので、茘景(Lai King)站で従来の地下鉄線から乗り継いでも運賃は通算される。
茘景站での乗換は簡単。
降りたホームの反対側に東涌行の列車が来るので、上下移動は全く必要ない。
尖沙咀〜東涌の運賃はオクトパス利用でHK$15.1、[S1]系統のバスがHK$3.5なので、合計HK$18.6。
オクトパス利用なら機場快線と地下鉄の無料乗継サービスがあるので一概に比較は出来ないが、5倍近い差だ。
機場快線の駅は不便な場所にあるので、そこからバスやタクシーを使うと総所要時間は意外とかかる。
荷物が少ないなら、渋滞区間を鉄道でパスできる東涌線利用が費用対効果では一番だと思う。 -
この方法、さらに安く上げることも出来る。
オクトパス利用が前提だが、市内の所々にある「特惠站」という機械を使う。
設置数は少ないが、設置場所は地鐵公司の公式サイトで公開されているので、予め調べておくと良い。
この機械にオクトパスをタッチして、当日中に指定の最寄駅(別の駅からの乗車はダメ)から地下鉄を利用すると、運賃がHK$2offになる。
写真は中港城にあった特惠站。
意外と目立たない場所にある。
頻繁に人がやってきてはオクトパスをタッチしていた。
港鐵特惠站(PDF)
http://www.mtr.com.hk/chi/whatsnew/images/Fare_Saver.pdf
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この旅行記へのコメント (2)
-
- ikebonさん 2007/07/17 21:09:33
- こんにちは!
- お久しぶりです。
STAMP MANIAさんの記事は、いつもこんなんあるんやと楽しみに見ています。
特に過去行かれている、インドネシア・バタム島の記事が妙に気になり、先日行ってきた次第です。
香港でも、LRTや数多い路線バス網。
それに空港から船。生活&安さに密着したチョイスがGoodです!
私も、重慶マンションの両替屋は過去2回共贔屓にさせて頂いております。
初回は初めての海外だったので、中に入るときはびびりましたね。宿泊もせねばなるまい。
いつも駆け足なので、改めて腰を据えて再訪したくなる不思議なエリアです。
- STAMP MANIAさん からの返信 2007/07/17 21:55:04
- RE: こんにちは!
- こちらこそ、お久しぶりです。
バタム島の旅行記、拝見しましたよ。
私のように移動が目的!?みたいな旅行をしていると、観光地に関する知識には疎くなるもので、バタム=工場の島、ビンタン=リゾートの島という印象だったんですが、バタムにも結構立派なリゾートがあるんですね。
重慶マンション、そういえば最近は泊まっていませんが、聞くところによると、まだまだ怪しげな雰囲気は残っているみたいですね。
今や数少なくなった、ディープな香港を感じることが出来る場所ですね。
初めて香港で重慶マンションに泊まった後、沢木耕太郎氏の『深夜特急』を読んだんですが、香港に到着した時の描写などは、完全に小説の中へ入り込むことが出来ました。
既にご存知かもしれませんが、もし重慶マンションにお泊りになるのでしたら、『深夜特急』はオススメです。
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