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澄んだ蒼い海と広がる空に憧れ、思い付いたように職場の同僚と、小笠原への旅へ出た。しかし、小笠原へは、25時間の船旅が立ちはだかっている。船が少々苦手なため、かなり不安な旅立ちとなった。しかも、天気図によれば、ちょうど進路を台風が横切るという最悪の状況である。小笠原は、そう簡単には訪れることは出来ないので、今回は、時間の許す限り、小笠原を堪能することにした。初日は、父島をレンタルバイクで巡る。境浦、扇浦、コペペ海岸、小港海岸と回り、ジョンビーチとジニービーチに向かう道を途中の中山峠まで歩く。その後、父島の最高峰である中央山からの展望を楽しみ、初寝浦展望台、長崎展望台、宮之浜と走り、最後に夕陽で有名な三日月山展望台を訪れた。<br /><br />(2022.07.26投稿)

小笠原への旅【1】~美しき父島を巡る~

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2000/07/20 - 2000/07/21

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旅行記グループ 伊豆諸島

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旅猫

旅猫さん

澄んだ蒼い海と広がる空に憧れ、思い付いたように職場の同僚と、小笠原への旅へ出た。しかし、小笠原へは、25時間の船旅が立ちはだかっている。船が少々苦手なため、かなり不安な旅立ちとなった。しかも、天気図によれば、ちょうど進路を台風が横切るという最悪の状況である。小笠原は、そう簡単には訪れることは出来ないので、今回は、時間の許す限り、小笠原を堪能することにした。初日は、父島をレンタルバイクで巡る。境浦、扇浦、コペペ海岸、小港海岸と回り、ジョンビーチとジニービーチに向かう道を途中の中山峠まで歩く。その後、父島の最高峰である中央山からの展望を楽しみ、初寝浦展望台、長崎展望台、宮之浜と走り、最後に夕陽で有名な三日月山展望台を訪れた。

(2022.07.26投稿)

旅行の満足度
5.0
観光
4.5
ホテル
3.5
グルメ
3.0
交通
2.5
同行者
友人
一人あたり費用
5万円 - 10万円
交通手段
徒歩 バイク
旅行の手配内容
個別手配
  • 出発は竹芝桟橋。手続きを終え、丸1日以上お世話になる『おがさわら丸』に乗り込んだ。天気は上々、どんな旅となるか楽しみである。

    出発は竹芝桟橋。手続きを終え、丸1日以上お世話になる『おがさわら丸』に乗り込んだ。天気は上々、どんな旅となるか楽しみである。

  • そして、10時に竹芝桟橋を出航。いよいよ、小笠原への旅が始まった。東京の景色とも、しばしの別れである。甲板では、多くの乗客が景色を楽しんでいた。

    そして、10時に竹芝桟橋を出航。いよいよ、小笠原への旅が始まった。東京の景色とも、しばしの別れである。甲板では、多くの乗客が景色を楽しんでいた。

  • 出航してまもなく、前方にレインボーブリッジが見えてきた。

    出航してまもなく、前方にレインボーブリッジが見えてきた。

  • 東京湾を南下し、房総半島の州崎沖を通過。すると、急に船の揺れが大きくなった。東京湾を抜け、外海へと出たのである。その後、『おがさわら丸』は、伊豆諸島の島々を遠くに眺めながら、一路父島を目指す。途中、噴煙を上げる島が見えた。6月に噴火した三宅島のようだ。

    東京湾を南下し、房総半島の州崎沖を通過。すると、急に船の揺れが大きくなった。東京湾を抜け、外海へと出たのである。その後、『おがさわら丸』は、伊豆諸島の島々を遠くに眺めながら、一路父島を目指す。途中、噴煙を上げる島が見えた。6月に噴火した三宅島のようだ。

  • 八丈島が後ろに見えなくなると、後は海と空ばかりとなった。絵の具を溶かしたような青い海が延々と広がっている。紫みを帯びた青い色。まさに、群青色である。いや、紺碧の海と言うべきか。この後、船の針路を台風が横切り、夕方から夜にかけて大荒れとなる。生きた心地がしなかった上、苦しいほどの船酔いに見舞われた。

    八丈島が後ろに見えなくなると、後は海と空ばかりとなった。絵の具を溶かしたような青い海が延々と広がっている。紫みを帯びた青い色。まさに、群青色である。いや、紺碧の海と言うべきか。この後、船の針路を台風が横切り、夕方から夜にかけて大荒れとなる。生きた心地がしなかった上、苦しいほどの船酔いに見舞われた。

  • 翌朝、昨夜の嵐が嘘のように穏やかな天気であった。そして、左前方に、ようやく小笠原諸島が見えてきた。一番最初に現れたのは、聟島列島である。目指す父島は、まだまだずっと南である。

    翌朝、昨夜の嵐が嘘のように穏やかな天気であった。そして、左前方に、ようやく小笠原諸島が見えてきた。一番最初に現れたのは、聟島列島である。目指す父島は、まだまだずっと南である。

  • 台風の影響で少々遅れたものの、ようやく父島が近付いて来た。そして、大根山が見えてくると、父島二見港はもうすぐである。

    台風の影響で少々遅れたものの、ようやく父島が近付いて来た。そして、大根山が見えてくると、父島二見港はもうすぐである。

  • 歓迎の文字と島の人たちに迎えられ、おがさわら丸は二見港に着岸した。25時間余りの長い船旅もようやく終わった。さすがに疲れたが、どこまでも広がる大海原は気持ち良く、とても綺麗であった。

    歓迎の文字と島の人たちに迎えられ、おがさわら丸は二見港に着岸した。25時間余りの長い船旅もようやく終わった。さすがに疲れたが、どこまでも広がる大海原は気持ち良く、とても綺麗であった。

  • 港の近くでは、ハイビスカスが咲いていた。その花は、南の島へ来たことを実感させてくれる。それにしても、暑い。肌が焼けるようである。

    港の近くでは、ハイビスカスが咲いていた。その花は、南の島へ来たことを実感させてくれる。それにしても、暑い。肌が焼けるようである。

  • とりあえず、港の目の前にある宿に荷物を置き、早速父島を巡ることにする。父島を回るには、レンタルバイクが欠かせない。強い日差しが照りつける中、バイクを走らせ、まず目指したのは境浦海岸である。そこには、第二次世界大戦末期、米海軍による魚雷攻撃を受けて座礁した貨物船『濱江丸』の残骸が沈んでいる。澄んだ美しい海であるが、戦争の傷跡は今も残っている。

    とりあえず、港の目の前にある宿に荷物を置き、早速父島を巡ることにする。父島を回るには、レンタルバイクが欠かせない。強い日差しが照りつける中、バイクを走らせ、まず目指したのは境浦海岸である。そこには、第二次世界大戦末期、米海軍による魚雷攻撃を受けて座礁した貨物船『濱江丸』の残骸が沈んでいる。澄んだ美しい海であるが、戦争の傷跡は今も残っている。

    境浦海岸 ビーチ

    美しい海に沈む戦争の傷跡 by 旅猫さん
  • 境浦海岸の先にあった扇浦で、バイクを止めて一泳ぎする。どの海岸へ行っても人影は少なく、そして、景色も素晴らしい。

    境浦海岸の先にあった扇浦で、バイクを止めて一泳ぎする。どの海岸へ行っても人影は少なく、そして、景色も素晴らしい。

    扇浦 ビーチ

    だれでも楽しめる海水浴場 by 旅猫さん
  • その後、さらに走って訪れたのはコペペ海岸である。美しい砂浜と、穏やかな海が素晴らしい場所であった。

    その後、さらに走って訪れたのはコペペ海岸である。美しい砂浜と、穏やかな海が素晴らしい場所であった。

    コペペ海岸 自然・景勝地

    思わず泳ぎたくなる美しい海岸 by 旅猫さん
  • コペペ海岸の先にある小港海岸に流れ込む八瀬川を渡る。そこでバイクを降りて山道を登って行くと、素晴らしい景色が眼下に広がった。小港海岸と先ほど訪れたコペペ海岸である。

    コペペ海岸の先にある小港海岸に流れ込む八瀬川を渡る。そこでバイクを降りて山道を登って行くと、素晴らしい景色が眼下に広がった。小港海岸と先ほど訪れたコペペ海岸である。

  • さらに登って行くと、中山峠と言う場所に出た。その先には、父島で一番美しいと言われるジョンビーチとジニービーチがあるのだが、かなり遠いらしいので、ここで引き返すことにした。

    さらに登って行くと、中山峠と言う場所に出た。その先には、父島で一番美しいと言われるジョンビーチとジニービーチがあるのだが、かなり遠いらしいので、ここで引き返すことにした。

    中山峠 名所・史跡

    小笠原で山を実感できる場所 by 旅猫さん
  • 再びバイクに乗り、次に訪れたのは、父島の最高峰である中央山である。そこには展望台があり、360度の景色が楽しめた。展望台付近には、太平洋戦争の時に設けられたレーダー施設の跡もあり、戦争がこの島でもあったことを静かに語り継いでいる。

    再びバイクに乗り、次に訪れたのは、父島の最高峰である中央山である。そこには展望台があり、360度の景色が楽しめた。展望台付近には、太平洋戦争の時に設けられたレーダー施設の跡もあり、戦争がこの島でもあったことを静かに語り継いでいる。

    中央山 自然・景勝地

    その名のとおり、父島の真ん中にある山 by 旅猫さん
  • さらにバイクを走らせ、今度は東海岸へと向かう。しばらくして辿り着いたのは、初寝浦展望台への入口。そこから歩いて展望台へと向かったが、なかなか大変な道程であった。苦労して訪れた初寝浦展望台からは、眼下に初寝浦の砂浜が見えた。そこまで歩いて行けるらしいが、帰りの登りを考えると怖いので諦める。

    さらにバイクを走らせ、今度は東海岸へと向かう。しばらくして辿り着いたのは、初寝浦展望台への入口。そこから歩いて展望台へと向かったが、なかなか大変な道程であった。苦労して訪れた初寝浦展望台からは、眼下に初寝浦の砂浜が見えた。そこまで歩いて行けるらしいが、帰りの登りを考えると怖いので諦める。

    初寝浦展望台 名所・史跡

    苦労して訪れた人へのご褒美 by 旅猫さん
  • 入口へ戻り、さらに進むと長崎展望台があった。そこからは、無人島である兄島が望めた。手前の海を、船が過ぎて行く。その船が進む先にある兄島瀬戸は、潮の流れがとても速いそうだ。

    入口へ戻り、さらに進むと長崎展望台があった。そこからは、無人島である兄島が望めた。手前の海を、船が過ぎて行く。その船が進む先にある兄島瀬戸は、潮の流れがとても速いそうだ。

    長崎展望台 名所・史跡

    兄島瀬戸を望む好展望地 by 旅猫さん
  • 二見港の北側、兄島瀬戸に面した宮之浜までやって来た。そこは、浅瀬に珊瑚があるため素足では歩けない。しかし、浜からも、その硝子のように透き通った海が見え、とても美しかった。

    二見港の北側、兄島瀬戸に面した宮之浜までやって来た。そこは、浅瀬に珊瑚があるため素足では歩けない。しかし、浜からも、その硝子のように透き通った海が見え、とても美しかった。

    宮之浜 自然・景勝地

    注意が必要な浜辺 by 旅猫さん
  • 小笠原での初日。最後に訪れたのは、父島で最も夕陽が美しく見えるという三日月山展望台である。ウェザーステーションとも呼ばれているが、気象観測ドームが近くにあるからだそうだ。そこからは、夕陽だけでなく、運が良ければ鯨を観ることも出来るそうである。その夕陽を観るために、人が集まってきた。

    小笠原での初日。最後に訪れたのは、父島で最も夕陽が美しく見えるという三日月山展望台である。ウェザーステーションとも呼ばれているが、気象観測ドームが近くにあるからだそうだ。そこからは、夕陽だけでなく、運が良ければ鯨を観ることも出来るそうである。その夕陽を観るために、人が集まってきた。

    三日月山展望台 名所・史跡

  • さすがに鯨は観ることが出来なかったが、展望台からの眺めもなかなか綺麗であった。

    さすがに鯨は観ることが出来なかったが、展望台からの眺めもなかなか綺麗であった。

  • しばらくすると、陽が傾いて来た。遮るものも無く、地球の丸さを時間出来る素晴らしい眺めである。海も空も、只々広かった。

    しばらくすると、陽が傾いて来た。遮るものも無く、地球の丸さを時間出来る素晴らしい眺めである。海も空も、只々広かった。

  • この日は残念ながら、水平線に沈む夕陽を観ることは出来なかった。それでも、心洗われる素晴らしい眺めに、夕陽が消えるまで、その場にずっと佇んでいた。

    この日は残念ながら、水平線に沈む夕陽を観ることは出来なかった。それでも、心洗われる素晴らしい眺めに、夕陽が消えるまで、その場にずっと佇んでいた。

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この旅行記へのコメント (4)

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  • ツーリスト今中さん 2013/08/13 08:51:19
    小笠原。。。
    2000年の小笠原。
    旅行記にされていたんですね。
    フィルム写真を取り込んだのでしょうか?

    夏の小笠原、写真やコメントからは暑さよりも藍さが際立つ、そんな感じです。小笠原ならではの貴重な景色をありがとうございます。
    船は大変だけれどやっぱり空港は作らない方がと旅行記拝見して改めて思います。

    私は年末年始に母と行きました。
    旅猫さんが行った時より、もう少し前でした。
    元日が海開きでその日に母島だったかなあ。
    それは凄く鮮明に覚えいるのですが他の景色や
    陸地も歩いた筈なのですが殆んど記憶がありません。
    船酔いならぬ長旅の船中で飲み過ぎて酔っ払いだったせいかな。。。
    (情けない、、、)

    旅猫さんの旅行記見てやっぱりまた行かなくっちゃと改めて思いました。




    旅猫

    旅猫さん からの返信 2013/08/13 23:02:42
    RE: 小笠原。。。
    ツーリスト今中さん、こんばんは!
    いつもありがとうございます。

    この旅行記は、4トラに登録してすぐの頃に投稿したものです。
    今回、改めてコメントを書き直し、写真も追加して再投稿しました。
    フィルムを写真屋に持ち込んで、データ化してもらったものです。

    小笠原の景色は、北海道とはまた違った素晴らしさ、雄大さがありますね。
    そして、何と言っても海の美しさですね。
    この大自然を守るには、空港は絶対に入りませんね。
    船で大変な思いをして辿り着くからこそ、その良さが分かるというものです。

    船酔いじゃなく、酒酔いですか(^^;
    それもまた気持ち悪そうですねぇ

    また、ぜひ訪れてみてください!
    続きの南島と母島も順次アップしますので、
    良かったら見てやってください。
    北海道の3冊目も、週末までにアップします!
    旅猫
  • まきぽん24さん 2007/07/07 17:04:40
    海の色がすごい!!
    旅猫さん こんにちは
    お誘いを受けてやってきました(笑)

    素晴らしい海の色ですね。
    船旅はとても苦手なのだけど(修学旅行で一泊の船中泊で死ぬ思いをしたことがあります・・・)
    こんな海と出会えるのであれば
    挑戦してみようかな・・・なんて

    ビーチや時間帯によっていろんな表情を見せる海って
    ほんとに心癒されますよね。

    旅猫

    旅猫さん からの返信 2007/07/08 00:29:10
    RE: 海の色がすごい!!
    まきぽん24さん、こんばんは!
    書き込みありがとうございます。

    >素晴らしい海の色ですね。
    絵の具を溶かしたような青や、空のように澄んだ色など、いろいろな海の色が楽しめましたよ。
    眺めているだけで癒されました。
    美しすぎる夕焼けも素晴らしかったです。

    実は、旅猫も船旅は苦手なのです(^^;
    連絡船や遊覧船程度なら大丈夫なのですが。。。
    この時も、小笠原の魅力に勝てず、無理やり行ったようなものです(笑)
    往きは、台風の影響もあって地獄のようでしたが(^^;
    でも、行って良かったと思える素晴らしいところですよ!

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