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ザンビア側のポストで簡素な手続きを終え、入国した。ザンビア側のポスト付近はジンバブエ側と比べ幾分寂れた感じがするのは、ジンバブエ側のポストが町に隣接しているからだろうか、それともビクトリアフォールズが観光客のベースになっている為、ザンビア側よりも産業があるからなのだろうか?ザンビア側では手を差し出しお金を乞う人も少なくなかった。いずれにせよ橋を挟んで両国は様相が大変異なっていた。<br /><br /> ザンビアに入国するとすぐ左手に国立公園の入口がある。そこで入場料を支払い公園内に入るが、「シバ刈り」の整備がなされていない。藪の中に獣道のような細い道が続いているような感じ、本当にここが国立公園であろうかと疑ってしまうほどだ。ビクトリアの滝が流れる右側からは滝つぼへ落ちる大音響が響き渡っているので、滝の近くに行くことができるのだろうと言う事はわかるが、一体何処まで近づけるのか皆目検討もつかなかった。兎にも角にも歩いて行けば滝の目の前まで行けるのだろうと確信のないまま、遊歩道を進んだ。<br /><br /> 暫く歩くと先が開けているのが見え、ようやく滝を見渡せる場所まで来たかと思い、足を急がせ、その場所まで行ったが、その場で愕然とした。滝の水量の凄まじさに暴風雨の如く遊歩道を飛沫が叩きつけている。いや、これは暴風雨以上だ。その先が飛沫でかすんでしか見えないが、橋のようなものがある。しかしのその先が何処につながっているのか、どうなっているのか打ち付ける水量でかき消され全く見えない。この光景を見てさすがに歩いていた足も止まり、前に進むのも躊躇してしまった。<br /><br /> 前に進むか否か暫く考えていると、後ろから観光客の人達がやって来て、やはりその先に進むのを躊躇した。お互いに目を合わせ、この先どうする?と目で訴えるようにしていると、後から来た二人の黒人の若者が何か二人で声を掛け合ったかと思うと「ウワーッ!」と叫びながら嵐の様な小橋へとあっという間に突っ走った。それはまるで敵地へと突撃する戦争映画のワンシーンのような光景だ。私や他の観光客は彼らの動向を、固唾を呑みながら見守っていた。彼らは「暴風雨」にもめげることなく走っていったが、橋の上の飛沫があまりにつよいせいか、橋の上で彼らの勢いも急激に落ち、顔を抑えながら、その水圧に押されているかのように揺ら揺らとなった。そして「土砂降り」の橋の先へ吸い込まれるように消えていった。<br /><br /> 彼らは無事なのだろうか?それを見ていたほかの人たちは言葉なく立ち尽くしていた。せっかくここまで来たのだ、行かなくてどうする?、と心を勇気付け自分も意を決し、一気に走って突撃した。橋に近付く辺りから、突然のにわか雨に遭遇したかの如く、大粒の飛沫が身体を上からも斜めからも叩きつけてきた。そして滝に落ちる水量で形成された風がモロに吹き上げ、下からそして横からも吹き付けてくる。私は橋の上で身動きができなくなった。今までの台風でも経験した事のない暴風雨ような状態、もう目も痛くて開けていられない。<br /><br /> 先に突撃した若者二人が橋の上で身動きが取れなくよろめいていた理由が良くわかった。流石世界3大瀑布のビクトリアの滝だけある。2キロ離れた場所でも雷鳴轟く様な爆音が聞こえる理由も頷けた。飛沫の強さによろめきながらも何とか足を一歩づつ前へと踏み出しながら、何とか橋を通り抜けた。そこは向こう岸と同様に空は晴れ渡っていたが、こちらからも相変わらず滝の姿をまともに見ることはできない。しかし時々瀑風の加減でその姿を垣間見ることができた。その水量と勢い、その迫力に自分自身が飲み込まれそうになる。<br /><br /> その後再びその橋を渡って戻ったわけだが、びしょ濡れの服は歩いていると2時間もせぬうちにカラカラに乾いてしまった。如何にこの大地が乾燥しているのかと言うことも身をもって体感した。乾期の時期に訪れさえすれば、水量も少ないのでビクトリアの滝の全体を見ることもできるのだろうが、雨季は乾期に味わうことのできないその迫力を体感できる。いずれにせよ、南部アフリカに訪れるのであれば、是非訪れて欲しい場所であることには違いない。<br /><br /><br />

南部アフリカに来てビクトリアの滝を見ずして帰るなかれ その2

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2004/04/15 - 2004/04/30

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worldspan

worldspanさん

ザンビア側のポストで簡素な手続きを終え、入国した。ザンビア側のポスト付近はジンバブエ側と比べ幾分寂れた感じがするのは、ジンバブエ側のポストが町に隣接しているからだろうか、それともビクトリアフォールズが観光客のベースになっている為、ザンビア側よりも産業があるからなのだろうか?ザンビア側では手を差し出しお金を乞う人も少なくなかった。いずれにせよ橋を挟んで両国は様相が大変異なっていた。

 ザンビアに入国するとすぐ左手に国立公園の入口がある。そこで入場料を支払い公園内に入るが、「シバ刈り」の整備がなされていない。藪の中に獣道のような細い道が続いているような感じ、本当にここが国立公園であろうかと疑ってしまうほどだ。ビクトリアの滝が流れる右側からは滝つぼへ落ちる大音響が響き渡っているので、滝の近くに行くことができるのだろうと言う事はわかるが、一体何処まで近づけるのか皆目検討もつかなかった。兎にも角にも歩いて行けば滝の目の前まで行けるのだろうと確信のないまま、遊歩道を進んだ。

 暫く歩くと先が開けているのが見え、ようやく滝を見渡せる場所まで来たかと思い、足を急がせ、その場所まで行ったが、その場で愕然とした。滝の水量の凄まじさに暴風雨の如く遊歩道を飛沫が叩きつけている。いや、これは暴風雨以上だ。その先が飛沫でかすんでしか見えないが、橋のようなものがある。しかしのその先が何処につながっているのか、どうなっているのか打ち付ける水量でかき消され全く見えない。この光景を見てさすがに歩いていた足も止まり、前に進むのも躊躇してしまった。

 前に進むか否か暫く考えていると、後ろから観光客の人達がやって来て、やはりその先に進むのを躊躇した。お互いに目を合わせ、この先どうする?と目で訴えるようにしていると、後から来た二人の黒人の若者が何か二人で声を掛け合ったかと思うと「ウワーッ!」と叫びながら嵐の様な小橋へとあっという間に突っ走った。それはまるで敵地へと突撃する戦争映画のワンシーンのような光景だ。私や他の観光客は彼らの動向を、固唾を呑みながら見守っていた。彼らは「暴風雨」にもめげることなく走っていったが、橋の上の飛沫があまりにつよいせいか、橋の上で彼らの勢いも急激に落ち、顔を抑えながら、その水圧に押されているかのように揺ら揺らとなった。そして「土砂降り」の橋の先へ吸い込まれるように消えていった。

 彼らは無事なのだろうか?それを見ていたほかの人たちは言葉なく立ち尽くしていた。せっかくここまで来たのだ、行かなくてどうする?、と心を勇気付け自分も意を決し、一気に走って突撃した。橋に近付く辺りから、突然のにわか雨に遭遇したかの如く、大粒の飛沫が身体を上からも斜めからも叩きつけてきた。そして滝に落ちる水量で形成された風がモロに吹き上げ、下からそして横からも吹き付けてくる。私は橋の上で身動きができなくなった。今までの台風でも経験した事のない暴風雨ような状態、もう目も痛くて開けていられない。

 先に突撃した若者二人が橋の上で身動きが取れなくよろめいていた理由が良くわかった。流石世界3大瀑布のビクトリアの滝だけある。2キロ離れた場所でも雷鳴轟く様な爆音が聞こえる理由も頷けた。飛沫の強さによろめきながらも何とか足を一歩づつ前へと踏み出しながら、何とか橋を通り抜けた。そこは向こう岸と同様に空は晴れ渡っていたが、こちらからも相変わらず滝の姿をまともに見ることはできない。しかし時々瀑風の加減でその姿を垣間見ることができた。その水量と勢い、その迫力に自分自身が飲み込まれそうになる。

 その後再びその橋を渡って戻ったわけだが、びしょ濡れの服は歩いていると2時間もせぬうちにカラカラに乾いてしまった。如何にこの大地が乾燥しているのかと言うことも身をもって体感した。乾期の時期に訪れさえすれば、水量も少ないのでビクトリアの滝の全体を見ることもできるのだろうが、雨季は乾期に味わうことのできないその迫力を体感できる。いずれにせよ、南部アフリカに訪れるのであれば、是非訪れて欲しい場所であることには違いない。


同行者
一人旅
交通手段
高速・路線バス
航空会社
マレーシア航空
  • 世界三大瀑布のビクトリアフォールズ。ちょうど雨期だったので凄まじい水飛沫で全く見えません。大量<br />の水が落下する為、風邪が滝壺から吹き上げ、近くの公園から見ると暴風雨のような状態で進む道が見えません。これで携帯がポシャッてしまいました。あまりの暴風雨の為傘は全く無意味です。カッパならまだましかも。カッパは公園内で販売されています。ずぶ濡れになっても二時間も歩けばすぐに乾くので心配無用!<br />

    世界三大瀑布のビクトリアフォールズ。ちょうど雨期だったので凄まじい水飛沫で全く見えません。大量
    の水が落下する為、風邪が滝壺から吹き上げ、近くの公園から見ると暴風雨のような状態で進む道が見えません。これで携帯がポシャッてしまいました。あまりの暴風雨の為傘は全く無意味です。カッパならまだましかも。カッパは公園内で販売されています。ずぶ濡れになっても二時間も歩けばすぐに乾くので心配無用!

  • ビクトリアの滝は高さ108m、最大幅約1700m。リビングストーンにより1855年に発見されました。ビクトリアの滝を鑑賞するなら、ジンバブエ側よりも大瀑布を体感できるザンビア側のほうがお勧めです。ザンビアから行く場合はビクトリアの滝の手前の町、リビングストーンがベースとなりますが、約5キロ離れています。

    ビクトリアの滝は高さ108m、最大幅約1700m。リビングストーンにより1855年に発見されました。ビクトリアの滝を鑑賞するなら、ジンバブエ側よりも大瀑布を体感できるザンビア側のほうがお勧めです。ザンビアから行く場合はビクトリアの滝の手前の町、リビングストーンがベースとなりますが、約5キロ離れています。

  • こんな所でバンジーをしています

    こんな所でバンジーをしています

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