2006/08/21 - 2006/08/21
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もろずみさん
真田信幸(のちに信之)は真田昌幸の嫡男で初代松代藩主。
父と同じく幼い頃は武田家で過ごし、武田氏滅亡後上田に戻る。
徳川家康の股肱の臣・本田忠勝の娘・小松姫を娶ったことから、豊臣方についた父・昌幸や弟・幸村と敵対するが、家康の信頼を得て準譜代としての地位を確立して真田の家名を残す。
関ヶ原後は昌幸・幸村の助命に奔走したり、上田藩を相続するほど。
波乱の生涯であったが97才の長寿を全う。真田家は明治維新まで松代藩主として残った。希代の政治手腕であった。
池波正太郎の「真田太平記」は幸村が主人公のようであるが、後半は冷静沈着な兄・信幸が秀逸でした。
江戸期を通して真田家が松代で生き残ったのは全て信幸あってのこと。
そんな松代藩の城下を歩いてみました。
- 交通手段
- 自家用車
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-
松代のお城が復元されたと知ったのは最近のこと。と言っても天守があるわけでないので半信半疑。
一度は見ておきたいと思ったので寄ってみました。
まずは北不明門。城の搦手に当たります。 -
城内は広場のようになっています。まぁ公園風。
こちらが正面入り口とも言える太鼓門です。
やはりまだ新しい感じがします。 -
松代城は戦国時代は武田軍の最前線基地で、当時は海津城と呼ばれました。
武田信玄の小説では良く出てくる名前です。
ここから川中島へと出掛けて行くわけ。 -
城内の井戸。
この場所は千曲川に接しているので水利は良さそうですが、治水工事で川筋を変えたので掘られた井戸だったようです。
結構細かい復元がなされてますね。 -
城の大手に当たる太鼓門の外は堀になっています。
蓮の花が咲いていて、ここから見る城が一番見映えがしますね。 -
堀にかかる太鼓門前橋と橋詰門。その右奥が正面から見る太鼓門です。
明治で廃城になった松代城を図面に基づいて当時の寸法で復元したものです。
その姿は江戸末期のものだそうです。 -
真田宝物館にあった松代城のジオラマ。
これで本丸の中に御殿が建つと往時の姿になるわけですね。
以前松代に来たのは20年以上も前。城跡があることすら知りませんでした。
復元されたのは2年前のことです。 -
松代藩は初代藩主・真田信幸が入ってから幕末までずっと真田家が統治してきました。
正真正銘の城下町です。その面影が町筋にも見えます。
しなの鉄道を渡ると栗菓子の老舗。 -
その隣が「池田満寿夫美術館」です。
彫刻は良くわかりませんが、前庭にあったモニュメントを撮ってみました。
なにかビーナスを表現しているようです。 -
かなり高位の藩士の屋敷でしょう。
ぐるりと塀に囲まれていて、塀の瓦には六文銭。 -
まず向かうのは真田家の菩提寺である長国寺。
門構えは質素ですが後に森を控えたかなり大きなお寺のようです。 -
禅宗の寺らしい本堂の屋根の上には六文銭と、寺には不釣り合いな大きなシャチホコ。
なるほど藩主の菩提寺という威風を感じます。 -
本堂の裏手が歴代藩主の墓所になっています。
その手前に初代・信之(信幸)と4代の霊廟が建っています。
こちらが信幸の霊廟です。内部は非公開。 -
霊廟を見ると鶴の彫刻があります。
左甚五郎・作と伝えられる彩色された見事な彫刻です。 -
そしてここが真田信幸の墓標。墓地の一番奥にありました。
初代からずらりと墓標が建っていますが、周囲は森で静寂そのもの。凛とした空気を感じます。 -
一般の墓地は本堂に向かって左手にあります。
藩財政を立て直し、松代藩の復興に尽くした重臣・恩田木工の墓もここにありました。
藩主と同じ寺に眠るというのは名誉なことです。それだけの功臣であったということ。 -
歴史を追うとどうしても掃苔録になってみたり、抹香臭い寺巡りになりますね。
信之の側室・右京の菩提寺ということで、しっとりしたお寺です。 -
続いては町の真ん中にある時の鐘。
これはかなり古い鐘楼でのようでした。 -
側室の菩提寺に先にお詣りしましたが、正室・小松殿の菩提寺である大英寺にも寄ります。
沼田時代に戦装束で敵となった義父・昌幸と問答したという武勇伝を持つ小松殿は、徳川家康の養女(実父は謀臣・本田忠勝)なので葵紋があります。 -
歩いてみると町割がいかにも城下町です。時々桝型に道が曲がっていたりして、道路は広いのに見通しは良くないです。
旧横田家住宅は中級藩士の屋敷です。長屋門があってそれなりに立派。中は茅葺きの住居です。 -
武家屋敷が建ち並ぶ一画。
このように景観を重視した町並を残しています。
まるで江戸時代の松代を歩いているようです。
※20数年前は、溝があってかなりの水量の流れになっていましたが今は歩道に整備されてましたね。 -
町を一周するかたちで辿り着いたのは象山神社。
幕末の開明家。佐久間象山を祀っています。それだけに学問成就を願う善男善女がお詣りしそうです。 -
松代の町で良く見かける「エコール・ド・マツシロ」のマーク。
これは佐久間象山の書です。もちろんキャッチコピーは象山先生が考えたわけでなく、先生の書のアルファベットを選別して並べたものです。
結構お洒落ですね。 -
象山神社の脇からの遊歩道は歴史散策の道。
この町はずいぶんと整備されて居るなぁという印象。
歩いていて楽しい町になっています。 -
メインの観光スポットに入ってきました。
まずは文武学校。松代藩の藩校です。
佐久間象山もここで学んだのかな? -
校名の通り、文武両道を目指すので弓道場。
剣術や槍術の道場もありますが、そんなに広くはないです。
一昨年行った会津の藩校は水練場や天文台まであって広かったけど、復元した建物でしたからね。 -
整然と建物が並んでいて、ちょっとしたテーマパーク。
隣に小学校がありますが、ひょっとしてそちらも藩校跡地かも知れません。 -
中庭には珍しいことにカリンの木が植えられていました。
藩校だけでも一つの研究テーマになりそう。今まで行ったのは会津と鶴岡だけかな。
全国にそれほど残っていないと聞いたことがありますが、ここは正真正銘江戸時代のまま。 -
そして真田邸(新御殿)ですが、残念なことに改修工事中でした。
庭園は見ることができますが御殿がないと普通の庭にしか見えません。
ここはいずれ再訪しましょう。 -
御殿の前に恩田木工の像が建ってました。ここが恩田邸の跡だそうです。
家老職でしたから藩主邸の目の前に屋敷を構えていたようです。 -
最期は真田宝物館でお勉強です。
古文書や武具、大名家の調度品など盛りだくさんでした。まさに宝の山。
松代藩真田家というテーマなので、真田太平記の時代のものは一部です。その辺が物足りないかな。 -
なかなか見所があって楽しい散策ができました。
松代の名物といえば「おやき」ですね。
ひと息ついていたら、何となく真田太平記を追ってみたくなりました。
ということで今回の旅のテーマも決まりました。
あとの行程は自ずと決まってくるというわけです。
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この旅行記へのコメント (4)
-
- コクリコさん 2006/09/07 23:54:06
- おやき
- もろずみさん、こんばんは。
最後の「おやき」を見たらお腹が空いてきました。
私の家の真ん前に長野出身の高齢の女性が住んでいて、以前は時々おやきをご馳走して下さったんですよ〜美味しかった。今その方は篠の井のケアハウスに入所されているので「おやき」とは縁がなくなりました。
もろずみさんの写真の腕前が良いのか、実物もその通りなのか、松代良いですね。
日本の城下町や古い町並みって「絵葉書に写っている部分だけ」が多くてがっかりすることが多いのですが、松代はずーっと町並みが続いているみたいですね。
真田あり、武田あり、佐久間象山ありでもろずみさんの世界ですね。
頭の中で色々なことが駆け巡りわくわくしたでしょう?
ふーむ、ここにも左甚五郎作品が登場するのですね。
- もろずみさん からの返信 2006/09/09 00:07:42
- RE: おやき
- コクリコさん、こんにちは。
「おやき」って独特ですよね。松代のはおいしいですよ。
善光寺門前の店は私にとって当たりがないです。
観光地の中途半端な味とでも言いますか。
松代に興味持たれました?
武家屋敷も昔はこんなに整然としてなかったです。
まず町が変わったことに驚きました。素直に町の努力を認めます。
歴史探訪の旅が確かに私には向いているみたい。
わくわく感が伝わりました?嬉しいな。
普通に訪れたら退屈な町かも知れませんけどね。
あと、左甚五郎の鶴はどうやら本物の甚五郎らしいです。
夜な夜な飛んだので足を鎖でつないだという言い伝えもあるようですよ。
-
- めぐみ☆さん 2006/09/03 06:19:46
- 松代!!
- もろずみさん、お早うございます。
長野・松代…良いところですね。
真田六文銭の家紋… ん〜行ってみたいです。
お寺もシットリとして静かに佇んで。。
時間を忘れて散策できそうですね!
高校野球の長野代表は、この街の高校でしたね。
「松代」=応援団のバス(50台?)を思い出してしまいました。
青春18切符で日帰りの旅が出来そう。
次回売り出しの時、行ってみようかな〜
気の利いた感想が書けなくて^_^;
- もろずみさん からの返信 2006/09/05 20:57:28
- RE: 松代!!
- 唐八景さん、返事が遅れてすみません。
松代良いでしょう?
観光に力を入れているのですが人気が今ひとつの町です。
善光寺門前や小布施、須坂の影に隠れてます。
その分しっとり感がありました。
あちこちに「祝甲子園出場」とありましたが、夢破れて・・・
そんな物悲しさがまた田舎町の良さですよね。
あ、別にセンチメンタルジャーニーではありませんよ。
青春18は無理があるかも知れません。
信越本線は横川で終わってます。
その先はバスで軽井沢に行って、しなの鉄道になります。
交通の便は決してよくありませんので行かれるなら車がお勧めです。
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