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アラン イニシュモア島<br /><br />目を覚ますと風がうなっている。ほんとうに風の強い島だ。風との闘い、いや風に逆らわずにいたほうがいいようだ。<br /><br />朝食はアイリッシュ・ブレックファスト。ベーコンとソーセージと卵に、マッシュルームとトマトがつく。これがアイリッシュなのかな。ほかでもそうだったから。<br />朝食後、支払いを済ませて、「さよなら」を言って港に向かった。<br /><br />ところが風が強いから船は欠航、急ぐのなら飛行機がある、と男達がいう。船が欠航するくらいの風の日に飛行機はもっと怖いと、もう一日泊ることにする。<br /><br />港に来たついでだから博物館をゆっくり見る。島の写真、船が着けられる浜もある。シングの「海に騎りゆく人々」の説明や映像が並んでいる。海草を燃やして薬にしていたのが展示されている。海草を燃やして沃素を取ったのだろうか。ここの売店でイェイツの作品を何冊か買った。時間だ出来たら、のんびり読書をしよう。<br /><br />B&Bに戻り、船が欠航なのでもうひと晩お願いしたい、というと同じ部屋にしてくれた。荷物を置き、もう一度ドン・エンガスへの車の手配を頼んだ。ほどなく昨日と同じ車が迎えに来た。今日は私達2人だけ。<br /><br />ドン・エンガスの入口で、私達をおろし車は帰って行った。昨日とかわってお店も閉まっている。風のせいだろうか。ドン・エンガスの入口から道がなだらかなのぼりとなって続いている。道の両側には石垣が続いている。上っているのは私達以外、人っ子一人いない。<br /><br />風は相変わらず激しく打ちつける。ドン・エンガスについた。なるほど、石積みが馬蹄形に積み重なっている。風に足をとられながら、這うようにして石積みの上からおそるおそる這いつくばるようにして海をのぞく。波が逆巻いている。風にさらわれて、海に落ちてしまいそうだ。<br />「ここで風にさらわれても、だれも気がつかないだろうね。二人の日本人が行方行不明になったって、後でホテルで気がつくくらいだよ。もうそのときはそれこそ分からずじまいだね。」<br /><br />またまた這いつくばるようにして降り口に向かう。降り口を過ぎると風はさらわれるような恐ろしい風ではなくなる。坂を下りながら、遠くにまるで竜のように断崖をかけ上っていく波を見ていた。石積みの道がカーブをつくり、雨にぬれた石がなんとも落ち着いたムードを醸している。一方、石の原の向こうに雨にぬれた一軒家がぽつんと立っているのが見える。なんとも荒涼とした風景だ。<br /><br />風と雨の中を歩き回る。土地の人もカサもささずに歩いている。これがここの習慣なんだろう。この風じゃぁ、カサをさすだけ無駄だから。<br />昼食にはまたあのシーフード レストランへ行った。客はほとんどいない。<br />午後からかなり遠くまで歩いていった。中学生ぐらいの男の子達と会った。学校の帰りみたいだった。どこから来たのか、から始まって、風はいつも強いなど、話をした。あれがイニシュニアだとかイニシュシュマーンとかも教えてくれた。<br /><br />宿に戻り、私はさっき買ったイェイツを、Papasanは玄関から外をスケッチしている。<br />イェイツの本の一冊は伝説を集めたもの。ゴブリンやドワーフ、フェアリーがやたらと出てくる。レブラホーンは出てこなかった。<br /><br />絵本も買った。これは悪い継母に白鳥にされてしまった王子と王女の話。白鳥にされた兄弟のため口をきかずにイラクサを編む妹王女のお話はどこかにあったが、これはハッピーエンド。しかし、こちらは兄弟姉妹全員白鳥にされ、北の海やさびしい原野をさまようのだ。そしてのろいの300年近く経って、年取った白鳥たちを救ったのは神父、神の慈悲で白鳥は天国で永遠の眠りにつく。なんとも哀れなお話。たぶんキリスト教が入ってきてこう代わったのだろう。<br /><br />日本から飛行機の中で読もうと思って、高橋哲雄著「アイルランド歴史紀行」という文庫を持ってきた。この本によると、アイルランドに入ってきた聖職者達は、地元の伝説や昔話を否定したり、排除したりはしなかった。むしろそれを大いに取り入れて、キリスト教の普及に努めた。このおかげで、妖精たちも生き残れたのである。<br /><br />本の中で、アイルランドには「レブラホーンが通るよ」といった交通標識があると写真が載っていたので旅の間、探したが、見つけられなかった。<br /><br />夕食にまたあのシーフード レストランへ行った。3度目である。店の人も大歓迎してくれた。ここも潮の干満の差は大きい。見ているとよくわかる。<br /><br /><br />写真:ドン・エンガスから下りる道。

妖精の国エリン 4

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1999/04/08 - 1999/04/23

1264位(同エリア1476件中)

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9

buchijoyce

buchijoyceさん

アラン イニシュモア島

目を覚ますと風がうなっている。ほんとうに風の強い島だ。風との闘い、いや風に逆らわずにいたほうがいいようだ。

朝食はアイリッシュ・ブレックファスト。ベーコンとソーセージと卵に、マッシュルームとトマトがつく。これがアイリッシュなのかな。ほかでもそうだったから。
朝食後、支払いを済ませて、「さよなら」を言って港に向かった。

ところが風が強いから船は欠航、急ぐのなら飛行機がある、と男達がいう。船が欠航するくらいの風の日に飛行機はもっと怖いと、もう一日泊ることにする。

港に来たついでだから博物館をゆっくり見る。島の写真、船が着けられる浜もある。シングの「海に騎りゆく人々」の説明や映像が並んでいる。海草を燃やして薬にしていたのが展示されている。海草を燃やして沃素を取ったのだろうか。ここの売店でイェイツの作品を何冊か買った。時間だ出来たら、のんびり読書をしよう。

B&Bに戻り、船が欠航なのでもうひと晩お願いしたい、というと同じ部屋にしてくれた。荷物を置き、もう一度ドン・エンガスへの車の手配を頼んだ。ほどなく昨日と同じ車が迎えに来た。今日は私達2人だけ。

ドン・エンガスの入口で、私達をおろし車は帰って行った。昨日とかわってお店も閉まっている。風のせいだろうか。ドン・エンガスの入口から道がなだらかなのぼりとなって続いている。道の両側には石垣が続いている。上っているのは私達以外、人っ子一人いない。

風は相変わらず激しく打ちつける。ドン・エンガスについた。なるほど、石積みが馬蹄形に積み重なっている。風に足をとられながら、這うようにして石積みの上からおそるおそる這いつくばるようにして海をのぞく。波が逆巻いている。風にさらわれて、海に落ちてしまいそうだ。
「ここで風にさらわれても、だれも気がつかないだろうね。二人の日本人が行方行不明になったって、後でホテルで気がつくくらいだよ。もうそのときはそれこそ分からずじまいだね。」

またまた這いつくばるようにして降り口に向かう。降り口を過ぎると風はさらわれるような恐ろしい風ではなくなる。坂を下りながら、遠くにまるで竜のように断崖をかけ上っていく波を見ていた。石積みの道がカーブをつくり、雨にぬれた石がなんとも落ち着いたムードを醸している。一方、石の原の向こうに雨にぬれた一軒家がぽつんと立っているのが見える。なんとも荒涼とした風景だ。

風と雨の中を歩き回る。土地の人もカサもささずに歩いている。これがここの習慣なんだろう。この風じゃぁ、カサをさすだけ無駄だから。
昼食にはまたあのシーフード レストランへ行った。客はほとんどいない。
午後からかなり遠くまで歩いていった。中学生ぐらいの男の子達と会った。学校の帰りみたいだった。どこから来たのか、から始まって、風はいつも強いなど、話をした。あれがイニシュニアだとかイニシュシュマーンとかも教えてくれた。

宿に戻り、私はさっき買ったイェイツを、Papasanは玄関から外をスケッチしている。
イェイツの本の一冊は伝説を集めたもの。ゴブリンやドワーフ、フェアリーがやたらと出てくる。レブラホーンは出てこなかった。

絵本も買った。これは悪い継母に白鳥にされてしまった王子と王女の話。白鳥にされた兄弟のため口をきかずにイラクサを編む妹王女のお話はどこかにあったが、これはハッピーエンド。しかし、こちらは兄弟姉妹全員白鳥にされ、北の海やさびしい原野をさまようのだ。そしてのろいの300年近く経って、年取った白鳥たちを救ったのは神父、神の慈悲で白鳥は天国で永遠の眠りにつく。なんとも哀れなお話。たぶんキリスト教が入ってきてこう代わったのだろう。

日本から飛行機の中で読もうと思って、高橋哲雄著「アイルランド歴史紀行」という文庫を持ってきた。この本によると、アイルランドに入ってきた聖職者達は、地元の伝説や昔話を否定したり、排除したりはしなかった。むしろそれを大いに取り入れて、キリスト教の普及に努めた。このおかげで、妖精たちも生き残れたのである。

本の中で、アイルランドには「レブラホーンが通るよ」といった交通標識があると写真が載っていたので旅の間、探したが、見つけられなかった。

夕食にまたあのシーフード レストランへ行った。3度目である。店の人も大歓迎してくれた。ここも潮の干満の差は大きい。見ているとよくわかる。


写真:ドン・エンガスから下りる道。

同行者
カップル・夫婦
交通手段
タクシー
航空会社
ヴァージン アトランティック航空
  • 石積みの妙

    石積みの妙

  • 石積みの妙2

    石積みの妙2

  • ドンエンガス<br />打ちつける風雨の中で健気に咲いていた。

    ドンエンガス
    打ちつける風雨の中で健気に咲いていた。

  • シーフードレストラン

    シーフードレストラン

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