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ローマは意外に小さい。バチカンには3度行って、1度目はバス、2度目は地下鉄、3度目はタクシー(朝8時頃に行った)だったが、次に行く機会があれば、やはりタクシーで朝早くに行きたい。テルミニからでも1万5千Lit、ヴェネチア広場からだと1万Litしかしないし、朝早くのサンピエトロ寺院は観光客が少なくて写真を撮りやすい。ただし、寺院内ではフラッシュ撮影は慎みたい。クーポラに上がるエレベーターも8時から営業している。(エレベーターは英語でliftと書いてある)<br /><br />  初めての時はローマを午前中だけでぐるりと回る観光バスを利用した。その時、最後に回ったサンピエトロ寺院に感動して、ここでツアーから離れてゆっくり回る事にしたのだが、肝心のヴァチカン博物館はガイドブックに13時までと書いてあったのに、11時で入場の列を締め切っていて入館出来なかったのだ。この時ばかりは再びローマにこれます様に願わずにはいられなかった。これに懲りて、イタリアで博物館にいくのは必ず午前中にする事にしている。<br /><br />  2度目に行った時はまずヴァチカン博物館に入った。モデルコースが1時間半、3時間、3時間半、5時間コースと4つあって、その大きさにはとにかく圧倒される。エジプト美術館等を端折って見たとしても長時間だ。バチカンだけに日程に1日取っていて正解だった。実際、朝早くから出掛けたのだが、1時間近い待ち時間と見学2時間の後、ヴァチカン博物館とシスティーナ礼拝堂の間にあるカフェテリアに到着した時にはちょうど昼食時になっていた。ここで食事すると、安上がりの割にくつろげる。しかも足も疲れてきていて、ちょうど良い休憩時間だ。ただ、所詮はカフェテリアなので、注文したカプチーノはインスタントだった。<br /><br />  昼食時にバチカンから日本に電話しようとしたら、テレホンカードが使えなかった。まさかと思ったが、予想通りにバチカン市国専用のテレフォンカードが売られていて、これ以外は使えなかった。ただ、売られているのは3000Lit(当時の価値で150円)のカードだけで日本に電話するにはちょっと短すぎる。<br /><br />  バチカン博物館の収蔵物はすごいけれど、廊下部分のフレスコ画が素晴らしいのを除けば、美術に疎い私には数が多すぎて、かえって食傷気味になってしまった。しかし、最後はシスティーナ礼拝堂だけは特別で、それまでに見た物の印象が薄れてしまった。「さすが、ミケランジェロ」としか、私はこれを表現する言葉を持ち合わせていないし、美味しい食べ物を「まったりとして」なんて言ってみたところで、はて、まったりとしてとはどんな感じなのだろうか思う様で、書いても仕方がない気がする。とにかく、行って見てみよう。「さすが、ミケランジェロ」と思うかもしれない。<br /><br />  私は「アダムの創造」を見て、私たちはどこに行くのだろうか、神の手が届かなくなってしまって、これからどうすれば良いのだろうかと切ないような孤独を感じた。<br /><br /><br />  博物館で凝った肩や苦しくなった胸の為に最高の場所がヴァチカンに用意されている。それがクーポラだ。エレベーターで行くのと階段で行く方法があるが、悪い事は言わないから、7000Litを払ってエレベーターに乗ろう。エレベーターに乗っても、まだまだ十分過ぎるくらいの階段昇降運動が残されている。両親と入った時は既に2度目で、様子が分かっていたので、私は足の弱い母を下に置いて、歩いて登ろうと健脚を誇る父を説得してエレベーターに乗った。実際、父は下から歩いてこなくて良かったと納得していた。何しろ高さ132m、マンションで言えば40階分の高さを擦り減った石段や窮屈な螺旋階段で上らなければいけないのだ。エレベーターを使っても、寺院本体の屋根の高さ迄なので、ここからクーポラの頂上まではかなり歩く事を覚悟しておこう。<br /><br />  寺院の外側(祭壇右手)から乗ったエレベーターが着く場所は寺院の屋根の部分だと思うが、ここにはバチカン直営の土産物屋さんがあって、シスターが売り子をしている。10年ほど前に日本人のシスターがここで働いている事が新聞に載っていたが、8年前には本当に会えた。しかし、今はどうしているのか判らない。<br /><br />  クーポラの上からは下の写真の様にサンマルコ広場が見渡せる。バチカンだけではなくローマ市内全域が見渡せるから、高いところが好きな方には見逃せない場所だ。ただし、日没時までしか開いていないので、夜景を楽しむと言う訳にはいかないようだ。<br /><br />  エレベーターで降りると寺院の中で祭壇左手に出てくる。寺院の中を見まわすと、いつでも聖ピエトロ像の前に人だかりができていて、皆が像の足をさすったり、キスをしたりしている。年月とは凄いもので、このキスの為に足の小指が半分近く溶けてなくなっている。ここに溶けるような熱いキスは実在したのだ。(なんか違うかな)

バチカン博物館

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1995/05/11 - 1996/05/24

642位(同エリア873件中)

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KAKU-SAN

KAKU-SANさん

ローマは意外に小さい。バチカンには3度行って、1度目はバス、2度目は地下鉄、3度目はタクシー(朝8時頃に行った)だったが、次に行く機会があれば、やはりタクシーで朝早くに行きたい。テルミニからでも1万5千Lit、ヴェネチア広場からだと1万Litしかしないし、朝早くのサンピエトロ寺院は観光客が少なくて写真を撮りやすい。ただし、寺院内ではフラッシュ撮影は慎みたい。クーポラに上がるエレベーターも8時から営業している。(エレベーターは英語でliftと書いてある)

初めての時はローマを午前中だけでぐるりと回る観光バスを利用した。その時、最後に回ったサンピエトロ寺院に感動して、ここでツアーから離れてゆっくり回る事にしたのだが、肝心のヴァチカン博物館はガイドブックに13時までと書いてあったのに、11時で入場の列を締め切っていて入館出来なかったのだ。この時ばかりは再びローマにこれます様に願わずにはいられなかった。これに懲りて、イタリアで博物館にいくのは必ず午前中にする事にしている。

2度目に行った時はまずヴァチカン博物館に入った。モデルコースが1時間半、3時間、3時間半、5時間コースと4つあって、その大きさにはとにかく圧倒される。エジプト美術館等を端折って見たとしても長時間だ。バチカンだけに日程に1日取っていて正解だった。実際、朝早くから出掛けたのだが、1時間近い待ち時間と見学2時間の後、ヴァチカン博物館とシスティーナ礼拝堂の間にあるカフェテリアに到着した時にはちょうど昼食時になっていた。ここで食事すると、安上がりの割にくつろげる。しかも足も疲れてきていて、ちょうど良い休憩時間だ。ただ、所詮はカフェテリアなので、注文したカプチーノはインスタントだった。

昼食時にバチカンから日本に電話しようとしたら、テレホンカードが使えなかった。まさかと思ったが、予想通りにバチカン市国専用のテレフォンカードが売られていて、これ以外は使えなかった。ただ、売られているのは3000Lit(当時の価値で150円)のカードだけで日本に電話するにはちょっと短すぎる。

バチカン博物館の収蔵物はすごいけれど、廊下部分のフレスコ画が素晴らしいのを除けば、美術に疎い私には数が多すぎて、かえって食傷気味になってしまった。しかし、最後はシスティーナ礼拝堂だけは特別で、それまでに見た物の印象が薄れてしまった。「さすが、ミケランジェロ」としか、私はこれを表現する言葉を持ち合わせていないし、美味しい食べ物を「まったりとして」なんて言ってみたところで、はて、まったりとしてとはどんな感じなのだろうか思う様で、書いても仕方がない気がする。とにかく、行って見てみよう。「さすが、ミケランジェロ」と思うかもしれない。

私は「アダムの創造」を見て、私たちはどこに行くのだろうか、神の手が届かなくなってしまって、これからどうすれば良いのだろうかと切ないような孤独を感じた。


博物館で凝った肩や苦しくなった胸の為に最高の場所がヴァチカンに用意されている。それがクーポラだ。エレベーターで行くのと階段で行く方法があるが、悪い事は言わないから、7000Litを払ってエレベーターに乗ろう。エレベーターに乗っても、まだまだ十分過ぎるくらいの階段昇降運動が残されている。両親と入った時は既に2度目で、様子が分かっていたので、私は足の弱い母を下に置いて、歩いて登ろうと健脚を誇る父を説得してエレベーターに乗った。実際、父は下から歩いてこなくて良かったと納得していた。何しろ高さ132m、マンションで言えば40階分の高さを擦り減った石段や窮屈な螺旋階段で上らなければいけないのだ。エレベーターを使っても、寺院本体の屋根の高さ迄なので、ここからクーポラの頂上まではかなり歩く事を覚悟しておこう。

寺院の外側(祭壇右手)から乗ったエレベーターが着く場所は寺院の屋根の部分だと思うが、ここにはバチカン直営の土産物屋さんがあって、シスターが売り子をしている。10年ほど前に日本人のシスターがここで働いている事が新聞に載っていたが、8年前には本当に会えた。しかし、今はどうしているのか判らない。

クーポラの上からは下の写真の様にサンマルコ広場が見渡せる。バチカンだけではなくローマ市内全域が見渡せるから、高いところが好きな方には見逃せない場所だ。ただし、日没時までしか開いていないので、夜景を楽しむと言う訳にはいかないようだ。

エレベーターで降りると寺院の中で祭壇左手に出てくる。寺院の中を見まわすと、いつでも聖ピエトロ像の前に人だかりができていて、皆が像の足をさすったり、キスをしたりしている。年月とは凄いもので、このキスの為に足の小指が半分近く溶けてなくなっている。ここに溶けるような熱いキスは実在したのだ。(なんか違うかな)

同行者
家族旅行
交通手段
鉄道
航空会社
ルフトハンザドイツ航空

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