1995/06/25 - 1995/06/27
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KAKU-SANさん
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鉄道で、ヘルシンキ→モスクワ→サンクトペテルブルク→ヘルシンキと旅行した。
モスクワからの列車は朝早くにサンクトペテルブルクに到着。
まず、タクシーの値段交渉に苦労。地下鉄で行く事もできるが、荷物が重すぎて、特にキャビアが瓶詰め中心に10個以上あるとかなりの重量で、買い出しの時、ディバックのバックルが壊れたほどだったので、なるべくなら地下鉄は避けたかった。それでも、安くしてくれないなら、地下鉄で行くよという交渉方法が功を奏したか、5ドルでホテルに連れていってもらえた。
ホテルの名前は、ホテルモスクワ。違う街に行って同じ名前と言うのは何とも変な感じだったが、こちらの方が小さいけれど、近代的な感じで西側のホテルと変わらないし、電磁式のカードキーを採用しているのだが、それでも各階のデジュールナヤだけは健在だった。(鍵の受け渡しが不要なので、1度も接触しなかった。)
ホテルの部屋に荷物を置くと、インツーリストでヘルシンキ行きの切符の手配をしてもらう。ここのホテルからはクレジットカードで国際電話ができた。
〔地下鉄の乗りかた〕
地下鉄でエルミタージュ美術館と元老院広場に行く事にする。ホテルの下が地下鉄の駅になっているので非常に便利だが、外国人にとっては、地下鉄に乗るのは苦労が多い。
まず、KACCA(カッサと読む。切符売場、レジ)で切符代わりのプラスチック製のコイン(トークン)を買って、改札機に入れて通る。全線、同一料金の様で、改札を出る時は何もいらない。これでは、改札で直接お金をもらった方が合理的だと思うのだが・・・。
割合に有名な話だが、ロシアの地下鉄のエスカレーターはやたらと長くて、しかも早い。地下のホールは手が込んでいて、ギャラリーの様だとも言われる。新交通システムの様に、列車の来ない時はホームの扉が閉まっているので、とても駅の様には見えない。
4路線にたいして、乗換駅が6つあって、どの線からも残りの3線に1回で乗り換えできるのは、すごく便利なやり方であるとは思うけれど、泣かせるのは、ロシア語の表示しかない上に、乗換駅は路線ごとに違う名前をつけられているので、地図上に駅名を見つけるのは手間が掛かる。それに、西側のような分りやすいサインや路線図は無い。
〔エルミタージュ美術館〕
名だたるヨーロッパの美術館の中でも、近代美術ではこの美術館が一番だと思う。1階、2階は重苦しい展示が多い感じがするけれど、3階のフランス芸術は賞賛する言葉が見つからないほどに素晴らしい。モネ、ピサロ、ミレー、ルノワール、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン等々、絵画に詳しい訳ではない私であっても、その素晴らしさには息を呑むばかりだった。しかも、これ程の美術館でありながら、観光客が少ないので、ゆっくりと落ち着いて鑑賞する事ができるのが、嬉しい。4万ルーブル(約1,000円)という入場料が庶民には高すぎるのか、ロシア人は少ないし、観光客もまだまだ少ないからであろう。
私が気に入ったのは、ゴーギャンの絵で、彼のタヒチでの作品群には懐かしい様な、何か不思議な幸福感があって、無意識の内に涙が頬をつたっていた。
エルミタージュを出てから、近くにある夏の宮殿(とても、宮殿には見えないが)に寄った後、ネバ川を渡って、ペテロパヴロ要塞の中に入った。要塞の中には造幣局があるのだが、数年前には1ルーブル=約30円だった様な気がするが、95年6月現在のレートは、なんと、1500分の1の100ルーブル約2円。おかげで、補助通貨のカペイカなんて、もはや存在しないし、出回っているコインも91年〜93年製造のものだけで、最高額のコインが50ルーブルでは、コーラ1本が3,000ルーブルもする今では、ほとんど役に立たない物となっている。これからコインを作るとすれば、5,000ルーブルコインくらいが必要な気がする。もっとも、紙幣の最高額が5万ルーブルで問題がないのは、市民が普通に米?を使っているからだろう。
〔朝食〕
ホテルの朝食は、近代的な概観に反して、ロシア風のくせの強い物ばかりで、日本に来た外国人に朝から納豆と塩辛を食べさせたら、こんな感じかなという様な気分になった。
〔冬の宮殿〕
この日に訊ねるのは、郊外にある夏の宮殿。本数は少ないが、エルミタージュから水中翼船で行くのが一番便利で、30分で、20?程離れた冬公園の先にある船着き場に到着する。片道が34,000ルーブルと高いのが難点だ。公園自体の入場料は15,000ルーブルで、船を使うと必ず支払わないといけない仕組みの様だ。入って見ると、とにかくすごい、宮殿周りの噴水の豪華さには圧倒されるが、これ意外にも、ユーモラスなもの、美しいものと、面白い噴水が多くて、歩き回っていても飽きる事がない。あえて難点を言えば、広過ぎる事くらいかもしれない。実際、私はここを回るために、朝から夕方までかかったくらいだ。
〔街歩き〕
再び、エルミタージュに帰った来た私は、最寄りのネフスキー駅までの約1?を商店街になっているネフスキー大通りに沿って歩いた。すぐの所にある文学カフェは、繁盛してないが、割安の様に感じた。逆に、この通りの20番地にあるサブウェイはサンドイッチとドリンクで29,000ルーブルもして、日本とほぼ同価格なのに、客の入りはかなり良かった。更に、近くの本&カメラ店の奥に模型屋では、ソ連軍戦闘機と米軍のF15戦闘機等のプラモデルが同じ場所で売られていた。ロシアの金持ち階級が愛国心をなくした証拠だろう。私は、ソ連軍兵士のプラモデルを買ってきた。安かったけれど、これは超レア物だ。
〔ロシア脱出〕
8:05の朝早くの列車に乗るため、早朝から起きると、ネバ川にかかる橋がすべて跳ね上がっていて、運良く、それが順におりてくるところが見れた。ラッキーと思っていたら、かばんの中から、T/Cの束と現金1万円程度の入った財布が抜き取られていた。余りに巧妙な手口で取られた事に気が付かなかった。おそらく、地下鉄の中だろう。警察に届けたかったが、ホテルにいるのは専属のタクシーの運転手だけという状態で、7時まで待ったが、チェックアウトもできなかった。仕方なく、手持ちの有り金でタクシーに乗って、フィンランド駅に到着した。(ちなみに、このT/Cは警察の届が無いにも関わらず、ロシアなら仕方が無いと、再発行してもらえた。やっぱり、ロシアは危ないという事か。)
列車は、昼の列車なのに寝台車扱いで、6時間の旅。この内、国境地帯で、1時間以上掛かり、この間はトイレの使用禁止。泣いても笑っても、我慢するしかない。私も冷や汗が出る程つらかった。この間にロシア警察が来て、荷物の検査を徹底的にする。ベットの裏とかも調べるし、私のスーツケースの中のかばんも開けさせて、チェックしたのに、キャビアが10個以上入ったバックだけ、チェックするのを忘れていた。ヤッタゼ!
しばらくして、フィンランドの警察が来た時には、やっと着いたという、半ば家に帰ってきたような安堵感を感じた
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