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1ケ月あまりフランスを旅していたことがある。<br />天気予報を見ては、きままに移動していた。<br /><br />そのとき、ルルドへ行った。ご存知のように「ルルドの泉」で有名な聖地である。<br /><br />ベルナデッド・スピルーという当時14歳の少女がこの地でマリア様に会い、その予言で岩肌に手を触れるとそこから泉が湧き出し、その水を飲むと病が治った奇跡の泉の話はあまりにも有名である。この話を読んだのは学生時代のことだった。そこでルルドを訪ねてみたのである。<br /><br />駅に下り、荷物を駅前のお店に預け、泉に向かった。ルルドの町は観光地のように土産物屋の間を通っていく。店のどこにもプラスチック製のマリア様をかたどった容器が売っていた。これは聖なる泉の水を持って帰るためにである。 <br /><br />教会の下の広場では、泉の水は大勢の人たちのために、配管され、蛇口をひねると、飲めるようになっている。<br />私も飲んでみた。ミネラルウォーターのような味だった。<br />連れ合いはさかんに額に水をつけている。<br />「なにしてるの?」ときくと<br />「頭がよくなるように」だという。<br />「それはいくらマリア様でも無理」と言って笑った。<br /><br />いまなおルルドには病に苦しむ人たちが、その恩恵を受けるために大勢訪れている。祠のルルドの泉はそういう人たちが優先されている。車椅子やベッドに横たわった顔色の悪い人たちが、修道女につきそわれて、泉に近づいていく。<br /><br />2週間後、私たちはディジョンにいた。<br />ボーヌでワインをたのしみ、ディジョンに戻ろうと、駅で電車を待っていた。すると、反対側のホームに電車が入ってきた。<br />車掌さんと目があった。にこっとするとあっちも手を降った。<br />どこ行きかなァと何気なく見ると、Neversという文字が見えた。<br />ヌヴェールってどこにあるんだろう。<br /><br />ホテルに戻って地図を調べてみた。ディジョンからは遠いけど、<br />パリからなら1時間くらいで行けることがわかった。<br /><br />ガイドブックを見ると、ヌヴェールにはルルドの奇跡の泉の<br />あのベルナデットが18歳で修道女になり、亡くなった修道院があり、今なお眠るがごとき、ベルナデットのミイラが拝観できると書いてあった。<br /><br />後日、パリに戻ってからこのことを思い出して、ヌヴェールへ行ってみた。修道院はすぐわかった。目の前のベルナデットはまるで眠っているかのようにガラスの棺に納められていた。ミイラといっても、かさかさのミイラではなく、肌も弾力がありそう。ほんと眠っていると言う表現がいちばんふさわしい。<br /><br />修道院の来訪者ノートに<br />「ルルドの泉に救いを求める人がいる限り、ベルナデットは眠り続けるのだろう。それが死してなお彼女に与えられた役目なのかもしれない」と書いた。<br /><br />いよいよパリを離れる前日の夜、見るともなしにテレビを見た。<br />どうも話の内容がルルドの泉の逸話に似ている。<br />ルルドの泉の話をして、むしろベルナデットは迫害される。<br />そして奇跡が証明され、やっと彼女の役目が終わる。<br />その後、彼女は18歳で、ヌヴェールの修道院に入り、若くして亡くなる。<br /><br />それにしても、今回の旅では、ベルナデットとは不思議なご縁だった。<br /><br /><br />

不思議なご縁

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1998/04/10 - 1998/05/12

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buchijoyce

buchijoyceさん

1ケ月あまりフランスを旅していたことがある。
天気予報を見ては、きままに移動していた。

そのとき、ルルドへ行った。ご存知のように「ルルドの泉」で有名な聖地である。

ベルナデッド・スピルーという当時14歳の少女がこの地でマリア様に会い、その予言で岩肌に手を触れるとそこから泉が湧き出し、その水を飲むと病が治った奇跡の泉の話はあまりにも有名である。この話を読んだのは学生時代のことだった。そこでルルドを訪ねてみたのである。

駅に下り、荷物を駅前のお店に預け、泉に向かった。ルルドの町は観光地のように土産物屋の間を通っていく。店のどこにもプラスチック製のマリア様をかたどった容器が売っていた。これは聖なる泉の水を持って帰るためにである。

教会の下の広場では、泉の水は大勢の人たちのために、配管され、蛇口をひねると、飲めるようになっている。
私も飲んでみた。ミネラルウォーターのような味だった。
連れ合いはさかんに額に水をつけている。
「なにしてるの?」ときくと
「頭がよくなるように」だという。
「それはいくらマリア様でも無理」と言って笑った。

いまなおルルドには病に苦しむ人たちが、その恩恵を受けるために大勢訪れている。祠のルルドの泉はそういう人たちが優先されている。車椅子やベッドに横たわった顔色の悪い人たちが、修道女につきそわれて、泉に近づいていく。

2週間後、私たちはディジョンにいた。
ボーヌでワインをたのしみ、ディジョンに戻ろうと、駅で電車を待っていた。すると、反対側のホームに電車が入ってきた。
車掌さんと目があった。にこっとするとあっちも手を降った。
どこ行きかなァと何気なく見ると、Neversという文字が見えた。
ヌヴェールってどこにあるんだろう。

ホテルに戻って地図を調べてみた。ディジョンからは遠いけど、
パリからなら1時間くらいで行けることがわかった。

ガイドブックを見ると、ヌヴェールにはルルドの奇跡の泉の
あのベルナデットが18歳で修道女になり、亡くなった修道院があり、今なお眠るがごとき、ベルナデットのミイラが拝観できると書いてあった。

後日、パリに戻ってからこのことを思い出して、ヌヴェールへ行ってみた。修道院はすぐわかった。目の前のベルナデットはまるで眠っているかのようにガラスの棺に納められていた。ミイラといっても、かさかさのミイラではなく、肌も弾力がありそう。ほんと眠っていると言う表現がいちばんふさわしい。

修道院の来訪者ノートに
「ルルドの泉に救いを求める人がいる限り、ベルナデットは眠り続けるのだろう。それが死してなお彼女に与えられた役目なのかもしれない」と書いた。

いよいよパリを離れる前日の夜、見るともなしにテレビを見た。
どうも話の内容がルルドの泉の逸話に似ている。
ルルドの泉の話をして、むしろベルナデットは迫害される。
そして奇跡が証明され、やっと彼女の役目が終わる。
その後、彼女は18歳で、ヌヴェールの修道院に入り、若くして亡くなる。

それにしても、今回の旅では、ベルナデットとは不思議なご縁だった。


  • ヌベールの修道院

    ヌベールの修道院

  • いまなお眠るベルナデット

    いまなお眠るベルナデット

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