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7月15日(土)<br />夢の中でも足が動かなくなってやきもきしている姿が現れる。<br />旅はあと少しだから、あきらめてもいのだが、そんな思いが頭の中を駆け巡っている。朝、こわごわと立ってみる。大丈夫、どうやら治ったようだ。ともかくよく歩くので、足が疲労してしまったのだ。日ごろ歩かないから、こんな時にツケがまわる。<br /><br />駅に荷物を預け、アンデルセン記念館に行く。アンデルセン記念館の近くは古い家並を再現し、しかもちゃんと生活があり、<br />なかなかよい。アンデルセン記念館の中にも、中庭にも、子供の遊び場が用意されている。そういえば、昨日のホテルにも子どものプレイルームは用意されていた。館内にはデンマーク語、ドイツ語、英語の説明が併記されている。<br /><br />童話を主題にした絵はがきを買う。飛行機の中で読んでもいいと、英訳の童話を数冊買った。アンデルセン童話集はずいぶん読んだのだが、全部覚えているわけではない。もういちど読みなおしてみてもいい。庭には花がいっぱい、池の向こうには童話に出てきそうな小さなお城が作られていて、子どもがそこで遊んでいた。記念館はたのしかった。<br /><br />近くに朝市があり、蜜蝋のろうそくや、陶器、野菜や果物などが売られていた。おばあちゃんに連れられた幼児の写真を撮っている。<br /><br />10時47分でコペンハーゲンに向かう。オーデンセのあるところはヒュン島。ここからコペンハーゲンのあるシュラン島まで昔は列車ごとフェリーで運んでいたそうだが、今はもう、陸橋が出来ていて、あっという間に渡ってしまう。眼下が水面なので、海の上を走っている感じがする。「999」の気分だ、なんて<br />言っている。下の海には大きなクラゲが浮いている。クラゲも北から南まで、生息範囲は広い。<br /><br />コペンハーゲンに12時にはついてしまう。RADISSON SASに宿を取りに行くと満杯。するとレセプションのお姉さんがあちこち探してくれた。どこも満杯。ひとつあったのは今回の旅で一番宿泊代が高くなる4星のファーストホテルのビジネスルーム。おねえさんが「明日になればこのホテルも部屋が空くから、1泊だけそこで我慢してくれ。そのかわりこちらではもっといい部屋を安く用意するから」という。「そんな高いホテルはやめよう、探せば安いところがあるよ」と私は言うのだが、きれいな女性に弱い連れ合いが「せっかくそういってくれるんだから」とOKしてしまう。<br /><br />最上階のその部屋は、そんなに高価の部屋とは思えないが、たしかにビジネスがしやすいように、PCはあるし、ズボンプレッサー(これは大抵のホテルにあった)、アイロン、パイプに熱を通して洗濯物を乾かせるような設備はある。外にはアイスがもって来れるようになっているし、靴も磨ける設備もある。でもねぇ・・。ここで、ベルゲンで会った日本人団体さんといっしょになった。<br /><br />荷物を置き、電車でヘルシンゲンのクロンボー城を見に行く。<br />この城はハムレットのモデルになった城だ。ハムレットの舞台はずいぶん見ている。一番印象に残っているのはジャンルイ・バローのハムレットだ。<br /><br />コペンハーゲンからヘルシンゲンまで電車で50分ほど。電車はがらがら。検札に来た車掌さんが私のカメラを目ざとく見つけて、自分もこのレンズを使っているという。このレンズを持っているとしたら、きっとカメラが趣味なのだろう。<br /><br />ヘルシンゲンの駅は港と直結している。対岸はスウェーデンだ。<br />海峡の幅は4キロというから、初島ぐらいの近さだ。向こうの様子が手に取るように見える。この近さでは攻められ、攻めっこしたのもうなづける。<br /><br />駅におりたつとクロンボー城はすぐ先に見えている。まずは中華で焼きそばを食べ、腹ごしらえをしてから歩き出す。<br /><br />北欧の城の特徴なのだろうが、こういうつくりは私にはあんまり美しいとは思えない。でもせっかく来たのだからと、館内にも入る。日本人団体さんもわんさとおしかけている。もちろん彼らはバスだ。ほとんどが館内は見ず、まわりを歩いて帰っていく。<br />入り口にシェークスピアのレリーフがあり、その前で「ハムレット」の説明を受けている。やれやれ。あんなことだけでいいのだろうかねぇ。<br /><br />7月が夏休みに入っているので、北欧の人々も民族移動をしている。若者は大きな荷物を背負い、これはキャンプ道具や寝袋のせいだ、旅している。旅の習慣が違うようだ。家族連れも猫や犬をつれて出かけて行く。短い夏を楽しむのは、来たるべき長い冬への備えなのだろう。あくせくと働かないことは豊かさのしるしのようだ。家族サービスもよくするようで、残業や休日出勤などはしないそうだ。だから土日のホテル代は通常より安いと聞いていたのだが、夏は例外なのだろうか。私たちには逆に高くついてしまった。車両にはペットマークや自転車マークがついていて、ペット連れで乗ることが出来る。<br /><br />それにしてもコペンハーゲンの町で一番しゃくに障ったのはスモカーたち。老いも若きも、男も女も、やたらとタバコをふかす。その煙を吸って、何回咳をしただろう。しかも吸い殻を平気で道路に棄てる。鳩が間違えて側に寄っている。なにが環境国家だと、ママさんは怒っている。<br /><br />クロンボー城の帰り、船で対岸のスウェーデンのヘルシングボリに渡る。高速船で30分足らず。スウェーデンは酒類の販売規制があるので、買いだしに来ているようだ。デンマークの免税品のビールを何ダースもカートに乗せて歩いている。<br /><br />港に着くと、日本人だからか、パスポートを見せろと言われた。<br />ヘルシングボリの広場は土曜日だからかすごい人出、耳をつんざくようなロックの音で、思わず耳をふさぐ。<br /><br />鉄道駅が近くにあったので、乗り換えて電車でマルメまで行く。<br />マルメに着くと、すぐにコペンハーゲン行きがあったので、マルメを見学することもなく、そのまま帰る。マルメからコペンハーゲンまでの海峡も長い橋で結ばれている。すごい、すごい。<br /><br />ホテルの部屋から外を見ると、すぐ前に広東料理の店がある。夕食はそこでする。コースで320クローネ。満腹。安くあがった。味もいける。<br /><br />

北欧記13

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2000/07/04 - 2000/07/19

84位(同エリア91件中)

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15

buchijoyce

buchijoyceさん

7月15日(土)
夢の中でも足が動かなくなってやきもきしている姿が現れる。
旅はあと少しだから、あきらめてもいのだが、そんな思いが頭の中を駆け巡っている。朝、こわごわと立ってみる。大丈夫、どうやら治ったようだ。ともかくよく歩くので、足が疲労してしまったのだ。日ごろ歩かないから、こんな時にツケがまわる。

駅に荷物を預け、アンデルセン記念館に行く。アンデルセン記念館の近くは古い家並を再現し、しかもちゃんと生活があり、
なかなかよい。アンデルセン記念館の中にも、中庭にも、子供の遊び場が用意されている。そういえば、昨日のホテルにも子どものプレイルームは用意されていた。館内にはデンマーク語、ドイツ語、英語の説明が併記されている。

童話を主題にした絵はがきを買う。飛行機の中で読んでもいいと、英訳の童話を数冊買った。アンデルセン童話集はずいぶん読んだのだが、全部覚えているわけではない。もういちど読みなおしてみてもいい。庭には花がいっぱい、池の向こうには童話に出てきそうな小さなお城が作られていて、子どもがそこで遊んでいた。記念館はたのしかった。

近くに朝市があり、蜜蝋のろうそくや、陶器、野菜や果物などが売られていた。おばあちゃんに連れられた幼児の写真を撮っている。

10時47分でコペンハーゲンに向かう。オーデンセのあるところはヒュン島。ここからコペンハーゲンのあるシュラン島まで昔は列車ごとフェリーで運んでいたそうだが、今はもう、陸橋が出来ていて、あっという間に渡ってしまう。眼下が水面なので、海の上を走っている感じがする。「999」の気分だ、なんて
言っている。下の海には大きなクラゲが浮いている。クラゲも北から南まで、生息範囲は広い。

コペンハーゲンに12時にはついてしまう。RADISSON SASに宿を取りに行くと満杯。するとレセプションのお姉さんがあちこち探してくれた。どこも満杯。ひとつあったのは今回の旅で一番宿泊代が高くなる4星のファーストホテルのビジネスルーム。おねえさんが「明日になればこのホテルも部屋が空くから、1泊だけそこで我慢してくれ。そのかわりこちらではもっといい部屋を安く用意するから」という。「そんな高いホテルはやめよう、探せば安いところがあるよ」と私は言うのだが、きれいな女性に弱い連れ合いが「せっかくそういってくれるんだから」とOKしてしまう。

最上階のその部屋は、そんなに高価の部屋とは思えないが、たしかにビジネスがしやすいように、PCはあるし、ズボンプレッサー(これは大抵のホテルにあった)、アイロン、パイプに熱を通して洗濯物を乾かせるような設備はある。外にはアイスがもって来れるようになっているし、靴も磨ける設備もある。でもねぇ・・。ここで、ベルゲンで会った日本人団体さんといっしょになった。

荷物を置き、電車でヘルシンゲンのクロンボー城を見に行く。
この城はハムレットのモデルになった城だ。ハムレットの舞台はずいぶん見ている。一番印象に残っているのはジャンルイ・バローのハムレットだ。

コペンハーゲンからヘルシンゲンまで電車で50分ほど。電車はがらがら。検札に来た車掌さんが私のカメラを目ざとく見つけて、自分もこのレンズを使っているという。このレンズを持っているとしたら、きっとカメラが趣味なのだろう。

ヘルシンゲンの駅は港と直結している。対岸はスウェーデンだ。
海峡の幅は4キロというから、初島ぐらいの近さだ。向こうの様子が手に取るように見える。この近さでは攻められ、攻めっこしたのもうなづける。

駅におりたつとクロンボー城はすぐ先に見えている。まずは中華で焼きそばを食べ、腹ごしらえをしてから歩き出す。

北欧の城の特徴なのだろうが、こういうつくりは私にはあんまり美しいとは思えない。でもせっかく来たのだからと、館内にも入る。日本人団体さんもわんさとおしかけている。もちろん彼らはバスだ。ほとんどが館内は見ず、まわりを歩いて帰っていく。
入り口にシェークスピアのレリーフがあり、その前で「ハムレット」の説明を受けている。やれやれ。あんなことだけでいいのだろうかねぇ。

7月が夏休みに入っているので、北欧の人々も民族移動をしている。若者は大きな荷物を背負い、これはキャンプ道具や寝袋のせいだ、旅している。旅の習慣が違うようだ。家族連れも猫や犬をつれて出かけて行く。短い夏を楽しむのは、来たるべき長い冬への備えなのだろう。あくせくと働かないことは豊かさのしるしのようだ。家族サービスもよくするようで、残業や休日出勤などはしないそうだ。だから土日のホテル代は通常より安いと聞いていたのだが、夏は例外なのだろうか。私たちには逆に高くついてしまった。車両にはペットマークや自転車マークがついていて、ペット連れで乗ることが出来る。

それにしてもコペンハーゲンの町で一番しゃくに障ったのはスモカーたち。老いも若きも、男も女も、やたらとタバコをふかす。その煙を吸って、何回咳をしただろう。しかも吸い殻を平気で道路に棄てる。鳩が間違えて側に寄っている。なにが環境国家だと、ママさんは怒っている。

クロンボー城の帰り、船で対岸のスウェーデンのヘルシングボリに渡る。高速船で30分足らず。スウェーデンは酒類の販売規制があるので、買いだしに来ているようだ。デンマークの免税品のビールを何ダースもカートに乗せて歩いている。

港に着くと、日本人だからか、パスポートを見せろと言われた。
ヘルシングボリの広場は土曜日だからかすごい人出、耳をつんざくようなロックの音で、思わず耳をふさぐ。

鉄道駅が近くにあったので、乗り換えて電車でマルメまで行く。
マルメに着くと、すぐにコペンハーゲン行きがあったので、マルメを見学することもなく、そのまま帰る。マルメからコペンハーゲンまでの海峡も長い橋で結ばれている。すごい、すごい。

ホテルの部屋から外を見ると、すぐ前に広東料理の店がある。夕食はそこでする。コースで320クローネ。満腹。安くあがった。味もいける。

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