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2日目。<br /><br />8時に電話で起こされた。寝ぼけた声で出ると、相手は旅行社のラナさん。「疲れているから」と言うと、「10時半にアマルさんと伺います」と言う。メールではやりとりしていたが、ネパール人の英語は慣れないと聞き取りにくい。「待ってます」と言って電話を切ったが、目が覚めてしまった。フロントが私がどの部屋だか分からなかったので、電話を各部屋にまわしたので、みんなこの電話で起こされてしまったようだ。<br /><br />朝食に行くと、レストランは別棟にある。朝食は料金に含まれているので、どれをとってもOK。ただしラッシー(ヨーグルト飲料)は別料金で30ルピー(60円)。みんながかたことのネパール語をやたらと使うので、ボーイたちが喜んでいる。<br /><br />ラナさんから、明日のラサ行きの航空券とビザとバウチャーを受け取り、打ち合わせをすます。おみやげに持っていったカステラを渡す。そこへアマルさんが義弟のジャヤさんとその息子を連れて来た。今日の予定はこれからスダさんの家に行って昼食をし、スダさんのやっている学校を見学するという。<br /><br />スダさんの学校はぜひ見に行きたいと来る前にメールすると、お祭り(ダサインというネパール最大のお祭り)なので学校は休みだと、ラナさんから聞いてあきらめていたのだ。もしかしたら、<br />私たちのために特別に生徒を集めてくれたのだろうか。<br /><br />ここで少し、アマルさんやスダさんの説明をしよう。<br />Kさん(註・青年海外協力隊員としてスリランカに赴任。現在JOCSのボランティア・カメラウーマン)たちがインド・ネパールを訪問して、「ナマステの会」をつくり活動し始め、その様子が新聞で紹介されると、「サマルさんというネパール人が自宅に留学しています。ネパール語を教わりませんか」というような手紙が和美さん宛てに届いた。たまたま差出人は私の知っている人だった。<br /><br />そんなことからKさん達とサマルさんとのつきあいが始まり、そこへお姉さんのマンデラさんが日本人と結婚して来日、彼女の出産の手伝いをしたりして、Kさんたちはすっかりこの家族とは身内のようなつき合いになってしまった。上からマンデラさん、アマルさん、スダさん、サマルさんの4人兄弟姉妹なのである。<br /> <br />おかげで、チベット旅行の手配もサマルさんに頼んで、アマルさんの関係する旅行社を紹介して貰ったし、木村先生(註・ネパールで10年間医療活動をしていた医師)のネパールでの医療報告会で私もマンデラさんに会っている。<br />この人たちはネワール。法律では禁止されているが、カースト(48ぐらいある)は残存しているようだ。ネワールはミドルカーストだというが、ハイに近いミドルだろう。<br /> <br />今回、Kさんは来ないから、まさか2年前のような歓待を受けるとは予想もしていなかった。一応、2年前お世話になったから、お土産とスダさんの学校の生徒に、ドラムを買うカンパは用意して来たが。<br /><br />スダさんの家は市街からちょっと遠い。でも、きれいな家だ。2年前よりスダさんもジャヤさんも日本語が上手になっている。ダルバードをご馳走してくれた。ダルバードとは、言ってみれば日本の懐石料理みたいなものだ。いくつもの料理を次から次へと小さな器に入れて持ってきてくれる。<br />ダル(豆)スープ、チキン、マトン、ククンバ(きゅうり)の胡麻和え、青菜、ロプシーなどなど。<br />デザートは甘いヨーグルト。そして最後はネパリ・ティ、マサラ・ティのことだ。スダさんの料理は美味しい。ひとしきりワイワイやって、学校へ行く。<br /><br />三階建ての学校だ。入り口に赤、黄、緑、青の旗が立っている。沖縄からのプレゼントだそうだ。ついでだから、沖縄のフクギ(黄)の話をしてやった。<br /><br />この学校St.Edmond‘s Schoolは初め、スダさんたちの住居として建て始めたのだそうだ。その建築材料を運び込むと、近所の子ども達がやって来て、板や煉瓦を持っていってしまうので困って、子ども達に読み書きを教え始めたところ、子ども達も親たちもとてもよろこんだので、自分の住居を学校にして初めは塾のような形で、そして認可も取り、本格的に教育に取り組んだのだそうだ。<br /><br />先生は9人。生徒数は62人。3歳から14歳までがいる。小さな子は保育園代わりで、大きな子どもたちが面倒を見ていた。学費の払えない子が12人いるので、先生方が紅茶や香辛料を袋に詰めて、その売り上げで面倒を見ている。制服もあるが、そういう子達の制服はスダさんが手作りしている。<br /><br />校舎の前で、子ども達が花を手に私たちを待っていてくれた。<br />「ナマステ」(こんにちは)と花をもらい、「ダンネバード」(ありがとう)<br />各教室をのぞいた。数学の教室、英語の教室、ネパール語の教室。どの教室の子も英語の質問に英語で答えてくれる。歌を歌って歓迎してくれる教室もあった。どこも、とてもお行儀がいいし、向学心旺盛。学級崩壊なんてまるっきりなさそう。私はカメラマンに変身して子ども達の写真を撮りまくる。送ってあげるからね、と言いながら。<br /><br />帰り、窓から子ども達が私たちの姿を認め、手をふりはじめた。どの部屋からも、小さな手が、笑顔が私たちを送っている。「ナマステ」と私たちも手を振り返す。心温まる風景だった。<br /><br />ジャヤさんと歩きながら、「スダさんは偉いですね」言うと、「自分もそう思う。仕事が終わってから学校に寄ると、彼女はまだ仕事をしている。頑張りやです」とジャヤさんが答えた。<br />ヒンズー教の社会で、自分の妻の社会的な仕事を評価するのは大変なものだろう。ジャヤさんの理解があってこそだ。良い夫婦だ。<br /> <br />みなと別れて、私ひとり、バドガオンという古都(前に行ったことはある)に行く予定だったが、アマルさんが交渉すると、タクシーがふっかけているので、やめてみんなと一緒に、タメル(外国人がよく行く商店街)に行く。仲間がパシュミナ(カシミヤ)が欲しいというので、アマルさんの友達の店に連れていって貰う。<br /><br />一応裏つきのコートは着てきたが、チベットが寒いといけないと、私も幅広の軽いカシミヤのショールを買った。9000円だった。これを日本で買ったら、2万円以上はする。皆がほしがるわけだ。アマルさんもオバサン達の買い物のつき合いをさせられて、さぞや疲れたことだろう。それにしても女性たちは買い物が好きだ。<br /><br />私と同室のTさんはのんびりしたが、後の4人はまた町に出かけた。二人で食事に行き、私はジンフィズを2杯飲んで、寝てしまった。<br /><br />夜更けて、鳥の声に目を覚ました。なんと窓から道ひとつ隔てた塀にそって大きな木が何本も植えられていて、そこがサギたちのねぐらだったのだ。<br /> <br />明日は6時15分に迎えが来る。<br /><br />

チベット・ネパール記2

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2000/10/01 - 2000/10/12

1253位(同エリア1264件中)

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buchijoyce

buchijoyceさん

2日目。

8時に電話で起こされた。寝ぼけた声で出ると、相手は旅行社のラナさん。「疲れているから」と言うと、「10時半にアマルさんと伺います」と言う。メールではやりとりしていたが、ネパール人の英語は慣れないと聞き取りにくい。「待ってます」と言って電話を切ったが、目が覚めてしまった。フロントが私がどの部屋だか分からなかったので、電話を各部屋にまわしたので、みんなこの電話で起こされてしまったようだ。

朝食に行くと、レストランは別棟にある。朝食は料金に含まれているので、どれをとってもOK。ただしラッシー(ヨーグルト飲料)は別料金で30ルピー(60円)。みんながかたことのネパール語をやたらと使うので、ボーイたちが喜んでいる。

ラナさんから、明日のラサ行きの航空券とビザとバウチャーを受け取り、打ち合わせをすます。おみやげに持っていったカステラを渡す。そこへアマルさんが義弟のジャヤさんとその息子を連れて来た。今日の予定はこれからスダさんの家に行って昼食をし、スダさんのやっている学校を見学するという。

スダさんの学校はぜひ見に行きたいと来る前にメールすると、お祭り(ダサインというネパール最大のお祭り)なので学校は休みだと、ラナさんから聞いてあきらめていたのだ。もしかしたら、
私たちのために特別に生徒を集めてくれたのだろうか。

ここで少し、アマルさんやスダさんの説明をしよう。
Kさん(註・青年海外協力隊員としてスリランカに赴任。現在JOCSのボランティア・カメラウーマン)たちがインド・ネパールを訪問して、「ナマステの会」をつくり活動し始め、その様子が新聞で紹介されると、「サマルさんというネパール人が自宅に留学しています。ネパール語を教わりませんか」というような手紙が和美さん宛てに届いた。たまたま差出人は私の知っている人だった。

そんなことからKさん達とサマルさんとのつきあいが始まり、そこへお姉さんのマンデラさんが日本人と結婚して来日、彼女の出産の手伝いをしたりして、Kさんたちはすっかりこの家族とは身内のようなつき合いになってしまった。上からマンデラさん、アマルさん、スダさん、サマルさんの4人兄弟姉妹なのである。
 
おかげで、チベット旅行の手配もサマルさんに頼んで、アマルさんの関係する旅行社を紹介して貰ったし、木村先生(註・ネパールで10年間医療活動をしていた医師)のネパールでの医療報告会で私もマンデラさんに会っている。
この人たちはネワール。法律では禁止されているが、カースト(48ぐらいある)は残存しているようだ。ネワールはミドルカーストだというが、ハイに近いミドルだろう。
 
今回、Kさんは来ないから、まさか2年前のような歓待を受けるとは予想もしていなかった。一応、2年前お世話になったから、お土産とスダさんの学校の生徒に、ドラムを買うカンパは用意して来たが。

スダさんの家は市街からちょっと遠い。でも、きれいな家だ。2年前よりスダさんもジャヤさんも日本語が上手になっている。ダルバードをご馳走してくれた。ダルバードとは、言ってみれば日本の懐石料理みたいなものだ。いくつもの料理を次から次へと小さな器に入れて持ってきてくれる。
ダル(豆)スープ、チキン、マトン、ククンバ(きゅうり)の胡麻和え、青菜、ロプシーなどなど。
デザートは甘いヨーグルト。そして最後はネパリ・ティ、マサラ・ティのことだ。スダさんの料理は美味しい。ひとしきりワイワイやって、学校へ行く。

三階建ての学校だ。入り口に赤、黄、緑、青の旗が立っている。沖縄からのプレゼントだそうだ。ついでだから、沖縄のフクギ(黄)の話をしてやった。

この学校St.Edmond‘s Schoolは初め、スダさんたちの住居として建て始めたのだそうだ。その建築材料を運び込むと、近所の子ども達がやって来て、板や煉瓦を持っていってしまうので困って、子ども達に読み書きを教え始めたところ、子ども達も親たちもとてもよろこんだので、自分の住居を学校にして初めは塾のような形で、そして認可も取り、本格的に教育に取り組んだのだそうだ。

先生は9人。生徒数は62人。3歳から14歳までがいる。小さな子は保育園代わりで、大きな子どもたちが面倒を見ていた。学費の払えない子が12人いるので、先生方が紅茶や香辛料を袋に詰めて、その売り上げで面倒を見ている。制服もあるが、そういう子達の制服はスダさんが手作りしている。

校舎の前で、子ども達が花を手に私たちを待っていてくれた。
「ナマステ」(こんにちは)と花をもらい、「ダンネバード」(ありがとう)
各教室をのぞいた。数学の教室、英語の教室、ネパール語の教室。どの教室の子も英語の質問に英語で答えてくれる。歌を歌って歓迎してくれる教室もあった。どこも、とてもお行儀がいいし、向学心旺盛。学級崩壊なんてまるっきりなさそう。私はカメラマンに変身して子ども達の写真を撮りまくる。送ってあげるからね、と言いながら。

帰り、窓から子ども達が私たちの姿を認め、手をふりはじめた。どの部屋からも、小さな手が、笑顔が私たちを送っている。「ナマステ」と私たちも手を振り返す。心温まる風景だった。

ジャヤさんと歩きながら、「スダさんは偉いですね」言うと、「自分もそう思う。仕事が終わってから学校に寄ると、彼女はまだ仕事をしている。頑張りやです」とジャヤさんが答えた。
ヒンズー教の社会で、自分の妻の社会的な仕事を評価するのは大変なものだろう。ジャヤさんの理解があってこそだ。良い夫婦だ。
 
みなと別れて、私ひとり、バドガオンという古都(前に行ったことはある)に行く予定だったが、アマルさんが交渉すると、タクシーがふっかけているので、やめてみんなと一緒に、タメル(外国人がよく行く商店街)に行く。仲間がパシュミナ(カシミヤ)が欲しいというので、アマルさんの友達の店に連れていって貰う。

一応裏つきのコートは着てきたが、チベットが寒いといけないと、私も幅広の軽いカシミヤのショールを買った。9000円だった。これを日本で買ったら、2万円以上はする。皆がほしがるわけだ。アマルさんもオバサン達の買い物のつき合いをさせられて、さぞや疲れたことだろう。それにしても女性たちは買い物が好きだ。

私と同室のTさんはのんびりしたが、後の4人はまた町に出かけた。二人で食事に行き、私はジンフィズを2杯飲んで、寝てしまった。

夜更けて、鳥の声に目を覚ました。なんと窓から道ひとつ隔てた塀にそって大きな木が何本も植えられていて、そこがサギたちのねぐらだったのだ。
 
明日は6時15分に迎えが来る。

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