1961/08/08 - 1961/08/08
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片瀬貴文さん
1961年8月8日(火)
今度出くわしたおじさんは、フランス人らしい。
「ボンジュール。イレ・ボー(こんにちは、いい天気ですね)」と私から声を掛ける。
と、彼は、「マルーズマン(不幸にも)」と応える。
「パルドン?(何ですって?)」
「誰でも登れるから」
「??・・・」
このようなひねりは、フランス的なのだろうか。
しばらくして後ろから追いついてきたのは、スイス人らしい青年だった。
「どこから来られましたか」と、英語で声を掛けてくる。
「日本からです」
「日本の山は美しいでしょう。私よく知ってます」
挨拶にしては、ちょっとしつこいが、英語の練習相手くらいに思っているのだろう。
練習相手としては、私のカタコト英語が恥ずかしい。
だが、私も彼を練習台にしようと、考え直して、開き直る。
「日本の山は、こんなに大きくない。スイスのほうが素晴らしい」
「富士山は大きいし、山は小さくても美しいものがあります」
彼はまだ話を続けてくる。
「日本の美しい証拠に、立派な芸術家がたくさんいるではないですか」
と、さらに議論を吹きかけてくる。
私は、ややうんざりしてきた。
「いや、山は大きければ、美しい」
「アロール・ア・ビアン・トー(ではまたお会いしましょう)」
と一方的にけじめをつけ、別れる。
この男、下山時にまた後ろから追いついてくる。
「ボンジュール!」
あまり捕まりたくないので、私から先に話しかける。
「アァ、ボンジュール。私は景色を楽しみながら、ゆっくり下ります」
彼はまた、議論したい様子だ。
「ああ、あなたのような方がおられるから、日本人には芸術家が多いと、言ったでしょう」
「日本の山は美しいに違いない。私の言った通りですね」
私「・・・・・」
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