2006/05/06 - 2006/05/10
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sakurareportさん
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二日目は、朝から遺跡観光です。
アンコール遺跡群を5日間で見るためには、結構なスピードで見て回らないと、
なかなか見切ることはできないのだ。
アンコール・ワットは西向きであるため、午前中は逆光で観光向けではないということなので、午前中はアンコール・トムへと向かう。
ガイドさんがいると、こういう小さいけど大切な情報が手に入るので嬉しい。
余談だが、西向きという話をしたときにガイドのナムさんが西に死者の国があるといっており、思わず「ああ、西方浄土か」と平家物語の一節を思い出しながらつぶやいたら、「そうそう!」といわれた。
『西方浄土』という日本語を知っているナムさん・・・何者!?
ものすごく日本文化に精通しているのだろうか・・・。
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さて、アンコール・トムのバイヨンは朝日に美しかった。
ところどころ、崩れているのも、また年月を感じさせて良い。
遺跡は、実際にあちこち登ったり、触れることができるため、年月の重みを指でなぞり、触れることができる。
斜度75度の階段があるから絶対サンダルで行くなと妹にいわれていたので、スニーカーで行ったのだが、それが結果的には良かった。
石の階段は浅く急で、横向きに手を使いながら登るしかなくて、結構怖かった。
昔もこんなに急だったとしたら、どうやって登っていたんだろう。
転がり落ちる人はいなかったのかな・・・。
しかし、高所から遺跡を見下ろして深呼吸すると、緑やカンボジアの風がやさしく受け入れてくれるような気がした。
今日も蒸し暑い。
遺跡のレリーフは美しく、想像力をかきたてられる。
同じ仏教が根底にあるため、思想は理解できるのだが、気候が異なると建築物の表現手法が異なるため、これほど雰囲気が異なるということがなんだか不思議だった。
乾燥した石が表現する宗教観や世界観は、日本の仏教寺院の醸し出す湿気や重厚さから開放されており、乾燥した風と土と雨にさらされて、軽やかで、懐かしい。 -
ピミアナカスの伝説は、日本の竜神伝承や蛇神信仰に通じるものがあるように感じた。
ガイドのナムさんいわく、ピミアナカスには竜神が降臨し、その竜神は毎夜美しい女性に姿を変えて王の前に現れ、王は毎夜その女性神と交わらないと早死にするという。
ロマンチックで幻想的な美しい伝説である。
世にも美しい女神と、権力の象徴であり人間界至高の王の逢瀬。
そしてその舞台は空中宮殿か。
日本の蛇神信仰にも似たようなものがある。
日本の場合は、妻をほかに持ってはいけないというような制約があったり、破ると一族が滅びるとか、湿っぽくたたりの暗さがあったが、カンボジアの場合は、妻を迎えても良かったというだけ、おおらかかもしれない。
この伝説を聞いて、今回の旅の相棒S子は、「巫女さんと、ってことかなあ」と言っていたが、私はもっと生臭いものを想像していた。
王だけが毎夜公認で通う寺院。そこでは、女性が待っていて、もっともらしい信仰的な論理の後付がある。
長生きのための信仰的な習慣では、王の妻は、王がほかの女性と交わっても、なにもいえないだろうねえ・・・。(相手は神様ってことだしねえ)
・・・あやしい・・・・。
(美しい伝説にしてしまうところがまた、昔から男って奴は・・・!)
仏教ってそもそも女犯(にょぼん)の罪があったのでは??と思ったりもする。
土着の神と仏教信仰が混じった結果なんだろうか。時代のせいなんだろうか。
気になる。 -
伝説の裏側を妄想しつつ、ピミアナカスに登る。
「体力がないなら、登らないほうがいいよ」とガイドのナムさんにいわれた。
体力・・・?ないですよ。自慢じゃないですが、体力のないアウトドア派です。
でも、登る。そこに階段があるから。
階段ははてしなく高く、急であった・・・。
遺跡にくい打ち(!)、鉄の細い手すりがそなえつけてあった。
命綱ないんですよね・・・。ははは・・・。>乾いた笑い
まっさかさまに落っこちたら、死ぬかなーと思いつつ、後ろをみないように登る。
手と足をつかってなんとかてっぺんまでよじ登ると、はるかなる森林と、乾いた赤土が支配する世界を遥かに見渡すことができた。
王の視点だー。
ピミアナカスは、正式名称ピミアン・アカースといい、意味は「天上の宮殿」「空中楼閣」というもののようだ。
暑く乾燥した地域では、高い建物からの眺望を「空中**」というのかなーと
南米のマチュピチュに思いを馳せる。
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