エーゲ海クルーズ写真集【55】君のおやじになりたいな

2006/03/07 - 2006/03/07

2006年3月7日（火）

半日のアレキサンドリアめぐりを終えた私は船に戻り、とりあえず昼食を摂ってから、サウナで埃を流す。

船には、乾式と湿式の二つのサウナがあり、39度ほどのぬるい、男女混浴の風呂が併設されている。

日本の大浴場とまでは行かないが、とに角風呂に入った気分になる。
それから少しベッドで休んで、3階にあるロビーへお茶を飲みに行く。

ロビーにはスタンドやソファがあって、いつも空席が残っているので、ここでゆったりできる。

いろいろな国の人が、一人でやってきたり、仲間連れで来たりしていて、お互い観察しあいながら、ここで過ごす時間は結構楽しい。

ソファに座っても、何も注文しなくていい。
船員たちと話したいならば、スタンドが便利だ。

ロビーで働く人たちは、ニコニコとサービスが良く、快活な話相手になってくれるが、ほどほどにわきまえていて、静かな雰囲気を壊しもしない。

私はほとんど毎日一回は顔を出しているので、みなに覚えられ「カタセサン・コンニチハ」とか「ハロー・デュック」とか「エンペラー・チャオ」とか、適当にあいさつの声がかかる。

カウンターでエスプレッソをすすっていると、この船に働く日本人を紹介したいと、まだ少年の初々しさが残っている、元気そうなフィリピンの若者を連れてきた。

気のせいか、とても懐かしそうに、私を見ている。

「おとうさんはどんな人だったか、知ってるかい」
「いえ、一度も会ったことはありません」
と言いながらも、ニコニコ楽しそうだ。

「僕だと言いたいところだけど、（こんな子供を持っている）お父さんが羨ましいな」
彼の父親は、子供をマニラに残して、帰ってしまったらしい。

「僕だけでなく、お母さんもお祖父さんも、とてもお父さんに感謝しているよ」
日本人の血を貰ったことは、家族の誇りらしい。

アア、そんなものの見方もあるんだナァと、独り感心する。

エリア アレキサンドリア(エジプト)

船の前に並んだ
露店街

このおばさんは
船客に手芸を教えている

黄塵にかすんだ港

黄塵で薄暗くなった港

今日はカクテルを注文した

サロンの壁画

オークションにかけられる絵

私の部屋のデッキ