2006/01/01 - 2006/01/09
16位(同エリア36件中)
極楽蝶さん
ハーレムはアムステルダムから電車で20分ぐらいの所にある静かな町です。グローテ・マルクト広場,聖バフォ教会,テイラー美術館,フランス・ハルス美術館など,主な観光のポイントは徒歩で数分の所にあります。
今ではアムステルダム郊外の小さな町でしかないハーレムの町も,昔は(15世紀から17世紀中頃まで)繊維工業,造船所,ビール醸造所でとても栄え,中でも特にリネンと絹はこの町に莫大な富と繁栄をもたらしたようです。どれだけこの町が富を蓄え,賑わっていたか,それはとても広いグローテ・マルクト広場と空に向かって建っている聖バフォ教会を見れば分かります。ヨーロッバで広い広場と聳え建つゴシック様式の教会を持っている町は,その国の中心的な大都市しかないからです。
さて,この日は生憎朝から空一面に厚い雲がいっぱい。ユトレヒトほどの寒さではありませんでしたが,この町でも手袋のお世話に。
ハーレムの駅から町の中心,グローテ・マルクト広場までは徒歩で10分ぐらい。殺風景な駅前から最初の運河を越えたあたりから,だんだんと古いヨーロッパの町の味わいが感じられてきます。そして,商店街の道を抜けたところで,眼前の石畳の広い空間が現れると,そこがグローテ・マルクト広場です。ここには,聖バフォ教会,市庁舎,旧肉市場の見所とカフェやレストランが集まっています。短い観光であれば,この広場の周りを見学するだけでも,ハーレムのエッセンスは十分に堪能できます。
ハーレムには,ユニークなふたつのミュージアムもあります。ひとつはテイラー美術館,もうひとつはフランス・ハルス美術館です。テイラー美術館はグローテ・マルクト広場の東,スパーネル川沿いにあります。今回はミケランジェロの特別展をやっていたためか,美術館の前から聖バフォ教会の近くまで長蛇の列。見学は諦めました。けれども,スパーネル川沿いはこの町の中でも特に眺めの良いところ。川にかかる跳ね橋が雰囲気を一層醸し出しています。
フランス・ハルス美術館は広場の南,徒歩で5分ぐらいのところにあります。広場からここを目指せば,広場の喧噪は途絶え,とても静かな住宅街を見ながら辿り着けます。もしも,テイラー美術館から目指すのであれば,スパーネル川の風景を楽しみながら,西に向かう運河の所を右折すればフランス・ハルス美術館に行き着けます。この生き方の方が,特に家々の上に帽子を被せたように覆っている聖バフォ教会の屋根が素敵なのでお勧めです(フランス・ハルス美術館からテイラー美術館に逆に行っても,勿論よし)。
それから,この町にはコリー・テンボーム博物館という,これまたユニークな所があります。簡単に言えば,ハーレム版アンネ・フランクの隠れ家を公開している博物館です。ハーレムでは,ここも是非とも見学したい場所でしたが,見学できず(残念!!!)。なぜできなかったか!? コリー・テンボーム博物館はツアーガイドによる見学のみのため,いつ行っても見学できる訳ではありません。入口に次のツアーの時間が時計で示されていて,その時間までにドアの前に集まり,見学をします。この日の英語ガイドによるツアーは,僕が朝確認した時は“3時45分”になっていた。10分前にドアの前に行くと誰もいない。冬だから,見学者が少ないのかな,とも思ったが不安になり,ドアに示されている時間を確認すると“3時30分”になっている。ガ〜〜ン!! 知らないうちに,15分早くなっていたのだ。朝確認した時間は10時ちょっと過ぎた頃。まだ,最初のオランダ語ツアーが出発する前。もしかしたら,昨日の最終の時間がそのままだったのかもしれない。でも,これも次の時の宿題(=楽しみの一時保留)と考え,また次この町を訪れるときの楽しみとしておきます。
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観光案内表示
ハーレムの街中には,この写真のような観光案内表示があるので,街中で迷う心配はありません。ただし,迷うほどの大きな町ではないかもしれませんが。
ちなみに,この写真の観光案内表示はグローテ・マルクト広場の入口にあったものです。後ろの建物は市庁舎です。 -
グローテ・マルクト広場
ハーレムの中心,グローテ・マルクト広場です。市庁舎の階段から撮った写真ですが,右の教会は聖バフォ教会,その前には僅かに旧肉市場が見えています。 -
聖バフォ教会(1)
ハーレム駅から商店街を通りグローテ・マルクト広場に辿り着き,突然開けた広い広場から目に飛び込んでくるのは,15世紀に建てられた後期ゴシック様式の聖バフォ教会とっても大きな姿です。隣にある旧肉市場もこの広場の中では,大きい方の建物ですが,聖バフォ教会と並んでしまうと,まるで普通の民家のように見えてしまいます。 -
聖バフォ教会(2)
この写真は聖バフォ教会の後陣近くの南側を撮ったものです。この教会の南側は,どんどんと増築されたためでしょうか,とても入り組んだ複雑な形をしています。教会を北側,つまりグローテ・マルクト広場からみると,高さを追って目が自然と下か上へと動きますが,南側は複雑な形をしているためか,目は水平方向に流れます。
写真の中心の下の方に教会入口の看板があるのが分かるでしょうか?? この教会の入口はこの南側にあります。 -
聖バフォ教会の身廊とパイプオルガン
外見からも聖バフォ教会は明らかですが,中にはいると柱の太さや天井の高さに改めて驚きます。また,白を基調とした教会の壁や柱に対して,赤を基調としたパイプオルガンは,装飾の少ない教会内で独特の存在感を放っています。
ちなみに,1735年にクリスチャン・ミュラー(Christiaan Muller)が製作したこのパイプオルガンは,1738年にはヘンデルが演奏し,その音の美しさを称えています。加えて,1766年には11歳のモーツァルトが演奏したこという逸話によって,さらに有名になりました。 -
聖バフォ教会のステンドグラス(1)
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聖バフォ教会のステンドグラス(2)
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聖バフォ教会に隣接する店
教会の南側にはお店がズラッと並んでいます。多分,これらは教会の建物の一部だと思います。
こんな風に教会とお店が一体になっている複合建築物?って,とても珍しいのではないでしょうか?? -
旧肉市場(1)
この写真は旧肉市場(Vleeshal)の北側=グローテ・マルクトに面した正面の写真です。
旧肉市場はハーレムの建築家リーヴェン・デ・ケイ(Lieven de Key)によってオランダ・ルネッサンス様式で設計され,1602年から1604年にかけて建てられました。北と南の正面にある牛の頭のレリーフがあり,この建物が元々持っていた機能を表しています。
ハーレムにはこの肉市場が建てられる以前にもSpekstraat(Spek通り) と Warmoesstraat(Warmoes通り)のところに肉市場がありましたが,1600年頃にはここは手狭になり,路上でも肉を売る始末になっていたようです。そため新しくより大きな肉市場が必要となり,この現在の肉位置が建築されました。オープンは1604年11月1日,高価な材料を用いて作られた新しいに肉市場には,当時40の肉屋が店を出していたと言うことです。ハーレムで肉を販売できるのは,ここだけでした。
しかし,この建物は時代を下ると利用目的が変わってきます。1840年以降は公文書館として,1950年から現在はフランス・ハルス美術館の別館(De Hallen)として利用されています。
ちなみに,フランス・ハルス美術館の別館(De Hallen)はこの旧肉市場(Vleeshal)とこれに隣接している19世紀に建てられた紳士協会の建物 Verweyhal との二つの建物から成っています。しかし,今は Verweyhal は修復中のようで白いシートで覆われていました。 -
旧肉市場(2)
この写真は旧肉市場の南側正面の写真です。前の写真(北側正面)と比べて見て,その違いが殆ど分からないぐらい同じような形をしています。入口の形,窓の形,牛の頭のレリーフなど北側も南側も同じように作られています。 -
旧肉市場の牛のレリーフ
壁には複数の牛の頭のレリーフが施されていて,この建物で行われていた生業が直ぐに想像できます。 -
旧肉市場(3)
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市庁舎(1)
この写真に写っているとても素敵な建物は,ハーレム市長公邸として使用されている市庁舎です。この建物はグローテ・マルクト広場を挟んで聖バフォ教会の反対側,広場の西にあります。
市庁舎の最も古い部分は狩猟小屋として1250年にウィリアム2世(Count William II of Holland, king of Germany)によって建てられています。13世紀の終わり頃には,ドミニコ修道会によって,これに教会,回廊,寮を備えた修道院が付け加えられています。その後,ハーレムが2度の大火を経験した後に,ウィリアム5世(Count William V)が,現在この市庁舎で最も有名な部屋,「ホランド伯爵の部屋(Gravenzaal)」を作ります。その後も何度かの拡張工事が行われます。しかし,独立戦争と宗教戦争の時代に市庁舎と修道院は重大な破壊を受けてしまいます。
1579年,市は市庁舎と修道院の所有となり,1590年に修道院の一部をPrinsenhofとして富裕な市民の住宅として改装し,1845年には「ホランド伯爵の部屋(Gravenzaal)」を再建しました。 -
市庁舎(2)
写真に写っている市庁舎の正面は1630年から1633年にかけて再建された,新古典スタイルのファザードです。(女神像の右側のプレートに「1633」の字が見えます)
正義のシンボル,剣と天秤を持った女神の立像や市の繁栄のシンボル,松ぼっくり,市のエンブレムであるライオンを模った像などがファザードに華を添えています。また,赤い煉瓦に白し漆喰が色彩のコントラストを鮮やかにし,とても美しいファザードに仕上がっています。 -
ホランド伯爵の部屋(De Gravenzaal)【市庁舎】
市庁舎に残るホランド伯爵の部屋は市庁舎2階にあります。見学するには,1階の受付見学を申しで出て,電子錠の掛かった扉を開けてもらうだけです。
木組みの重厚な天井と白い壁。少し高い位置にある窓のステンドグラスがとても素敵な部屋です。 -
跳ね橋(Gravenstenenbrug)
スパーネル運河に架かるこの美しい跳ね橋は街並みとよく調和したオランダの美しさの典型です。
この橋はスパーネル運河の橋で最も古く,700年以上前に作られたものです。ただし,現在の橋は1950年代に再建されたものです。 -
スパーネル運河沿いの風景
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スパーネル運河と聖バフォ教会
聖バフォ教会は昔日のハーレムの繁栄を今に伝える歴史の証人です。町の繁栄ぶりは,スパーネル運河沿いの家々の上に大きく現れたこの写真の姿からも十分に想像できると思います。 -
テイラー美術館のファザード
テイラー美術館は,1778年に開館したオランダ最古の美術館で,展示されているコレクションは,シルク事業で大成功した Pieter Teyler van der Hulst (1702-1778) が収集したものです。
この美術館は面白いことに自然科学のコレクションも充実しているようです。「美術館なのに自然科学のコレクション」と不思議に思いませんか? これは Pieter Teyler van der Hulst は美術と自然科学に大変な関心を持っていた結果です。 -
計量所
一番右側のグレーの建物が計量所です。計量所に並んで建っている建物も素敵です。
この計量所はハーレムの建築家 Lieven de Key1 によって1597年に建てられ,1915年までは実際にスパーネル運河から荷揚げされるものの計量に使われていました。
この日はテイラー美術館でミケランジェロの特別展をやっていたので,長い列ができていました。 -
フランス・ハルス美術館の入口
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フランス・ハルス美術館のある小路
冬の寒い日だったせいもあるのでしょうか。フランス・ハルス美術館入口の前の道路はとても静かでした。 -
聖エリザベス・ゲストハウス(St. Elisabeth\'s Gasthuis)の入口
赤い煉瓦の長屋のようなアパートと焦げ茶色の立派な家に挟まれたところに,この写真の入口があります。入口の上のレリーフには担架に乗せられて運ばれる人が描かれ,昔のこの家の機能が示されています。レリーフには「ST ELYSABETS GASTHVYS」と「1612」の字が記されています。
この後の写真を見ると,この入口を挟んで,赤い煉瓦と焦げ茶色の煉瓦の建物では,格にはっきりとした違いがあるのが,とても面白いです。 -
聖エリザベス・ゲストハウス(St. Elisabeth\'s Gasthuis)
赤い煉瓦の建物はとても質素です。2階建てで,1階の正面には黒い扉の入口,その左右には窓がひとつずつ。2階には窓がふたつ。この同じ単調なリズムを20近くも刻む長屋です。けれども,この単調なリズムの繰り返しが,とても美しく感じられる建物です。
それも故のないことではありません。なぜなら,この建物は1600年頃に建てられ,既に400年近い歴史を染み込ませているのですから。
現在は,アパートとして利用されているようです。 -
聖エリザベス・大ゲストハウス(St. Elisabeth of Groote Gasthuis)(1)
この写真は焦げ茶色の煉瓦の家です。とても立派です。やはり2階建てですが,赤い煉瓦の家よりも屋根が高く,窓も大きく,屋根には採光のための窓まであります。また,正面の所々に白い石が使われていることで,建物の表情が明るくなり,また高級感を醸し出しています。こちらの建物は身分の高い人のために用意されたのでしょう。
この建物は現在,美術学校か展示会場,として利用されている(記憶に間違いがなければ?)ようです。 -
聖エリザベス・大ゲストハウス(St. Elisabeth of Groote Gasthuis)(2)
1階と2階の間の梁の部分に「St. Elisabeth of Groote Gasthuis」という字の一部が見えます。 -
商店街
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コリー・テンボーム博物館
コリー・テンボーム時計店(博物館)は,グローテ・マルクト広場近くの商店街にあります。昔ながらに今でも時計店を営んでいます。
外見だけから見れば,ただの時計店です。でも,ここが第二次世界大戦中,ユダヤ人を匿うための隠れ家だったのです。古い石造りの建物ではないから,この事実を知らなければ,お客さん以外は,誰もここで立ち止まりはしないでしょう。 -
コリー・テンボーム博物館の入口
時計店の正面の広い通りから,隣の建物との間の細い道を入ったところに博物館の入り口があります。扉の真ん中にあるガラスに時計があるのが分かるでしょうか? 博物館はガイドツアーのみで見学することができますが,そのツアーの次の出発時間がこの時計に示されます。記憶では,上下に二つの時計があり,オランダ語ツアーと英語ツアーの時間を表示しています。ツアーに参加する場合は,時間までにこの入口の前に集まれば良いのです。 -
店に改装された古い家
グローテ・マルクト広場から駅に向かう道沿いにはいくつものお店が並んでいます。中には古い建物を改装して営業している店がいくつもありましたが,その中でも一番素敵だった建物がこの写真のものです。
現在は洋服屋さんですが,1階と2階の間の部分のレリーフには2頭の馬に引かれた荷車のようなものが描かれています。昔のこの家の職業を示しているのでしょうか??
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この旅行記へのコメント (4)
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- ももんがあまんさん 2006/09/19 15:45:27
- 寒そうですね・・・
- こんにちわ、極楽蝶さん
興味のあるオランダの旅行記なので、覗いてみました。
とても、内容のある旅行記でした。
一票入れておきますね。
それでもやっぱり、一月のオランダは、とても寒そうですね、空の色も、多分、灰色なんでしょうね、いつも色彩的に、とても美しい、極楽蝶さんの旅行写真も、少し地味な色合いをしているように見えますね、でもマア、それでも充分、良く撮れていると思います。
ではまた、ごきげんようデス。
- 極楽蝶さん からの返信 2006/09/24 23:49:04
- RE: 寒そうですね・・・
- ももんがあまん様
こんにちわ。書き込みありがとうございます。
極楽蝶です。
> 興味のあるオランダの旅行記なので、覗いてみました。
> とても、内容のある旅行記でした。
> 一票入れておきますね。
投票ありがとうございます。
> それでもやっぱり、一月のオランダは、とても寒そうですね、空の色も、多分、灰色なんでしょうね、いつも色彩的に、とても美しい、極楽蝶さんの旅行写真も、少し地味な色合いをしているように見えますね、でもマア、それでも充分、良く撮れていると思います。
そうですね。時期的に確かに寒かったのですが,しかし予想していた程ではなかったです。以前に夏にアムステルダムを訪れたことがありますが,その時も今回も天候が変わりやすい国だなと思いました。例えば,このハーレムに行く前の晩は,アムステルダムでは綺麗な月が見えていました。けれども,朝になると厚い雲が空一面に。この日はずっと写真のような曇り空でした。今回のオランダの旅行記にハーグのものを投稿していますが,この日などは朝の食事を取るまではどんよりとした曇り空,道路は夜中に雨が降ったような感じでした。けれども,正午前から3時ぐらいまでは雲ひとつない青空に,その後はまたどんよりとした曇り空へといっぺんに変わった日でした。
では,また。これからもよろしくお願いします。
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- naniwa ladyさん 2006/04/22 08:58:32
- おはようございまーーす。 8(*^o^*)8サザエ
- オランダのハーレム見せていただきました。ハーレムって町があるなんて知りませんでした。ハーレムって女の人達に囲まれて暮らす、あのハーレムしかしりませんでした。へーーーですね。それにしてもステンドグラス、綺麗ですね。すごいです。思わす見とれてしまいますね。
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- とらいもんさん 2006/04/10 09:00:13
- ハーレム
- ゴクラクチョウさんへ
私の掲示板を見てくださいまして有難うございます。
きのう、福島へ花見に行ってきました!約3案時間かかりました。投稿予定です。
オランダは、9年前家内とツアーで行ってます。
ハーレムは行ってません。ザンネン!
いなかより
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