1972/10/24 - 1972/10/24
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ソフィさん
1961年10月24日(火)
79歳になるグリモー爺さんは、1930年代と思われる古い車を、時速100キロで田舎道を飛ばしながら、私を自分の研究所へ案内しようとしておられる。
道角に立てられた聖母像にさしかかると、そのままの速度で目をつぶり、片手をハンドルから離して、十字を切る。
私は怖くて仕方がないのだが、助手席にじっとしているより仕方がないと、諦める。
小半時間、走っただろうか。
やがて車は、畠の真ん中に止まった。
道端にある農機具小屋を少し大きくした建物が、彼の研究室らしい。
その脇に猫の額ほどの広場があり、彼の研究成果を試す場所のようだ。
小屋の中に私を案内したグリモーさんは、早速説明を始めた。
発音が老齢のためかはっきりせず、おまけに訛があって、なかなか理解できない。
何度も訊き返しながら、どうにかあらましを掴む。
壁には世界地図が貼ってあり、フランスの小旗がたくさん立てられている。
彼の発明した「グリモー杭」が実用化された地点を指しているとのことだ。
「グリモー杭」は、コンクリートの杭先をネジ状にしておき、機械で杭をグルグル廻しながら、ねじ釘のように地面に差し込んでゆく。
くい打ちで問題となる騒音や振動がなく、また機械が横に据えられているので、ネジを上から打つための空間が要らなくなり、狭い場所でも施工できる特長がある。
方や、打ち込みの時に静かだから、地盤を固める効果はない。
あるいは、杭の打ち込み先の固い地層に、充分強く打ち込めない心配がある。
しかし、杭を固い層まで打ち込まずに、固くない地盤の途中で止めておく、いわゆる「浮きグイ」ならば、そのような問題はない。
この地方は湿地が多いので、こんな杭が役に立つのだろう。
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