2006/01/31 - 2006/01/31
615位(同エリア625件中)
ソフィさん
斉田さんのエッセーを続ける。
ところで私の誕生日がドラえもんといっしょだ、と驚いた先生に再会することになった。
半年あまり経って私は、肝臓ガンの手術のために入院していたのだが、その病室に当の先生が入って来た。
幸か不幸か先生は私の診察に来たのではなく、昨日入ったばかりの患者のところへ来たのであった。
その患者はというと、食道ガンと胃ガンを罹っている重症患者で、ドラえもん先生は、2箇所の手術を一度にやってしまおうという大手術の主治医団の一員であった。
ドラえもん先生は至って真面目な顔つきで、患者に病状の説明をしている。
「この医者は大丈夫かいな」、と思わせた内視鏡検査の先生とは別人である。
その真剣な雰囲気の中に、ドラえもんの話を持ち出すわけには行かない。
ドラえもん先生はやはり立派な医者だったのである。
ドラえもんの話題で爆笑することはできなかったが、私はドラえもんとドラえもん先生に対する信頼と期待を深くして行ったのである。
(2006-1-31)
以上のように、斉田さんのエッセーは結ばれた。
漫画「ドラえもん」は、斉田さんの指摘のように、「論理性や思考力の養成には物足りない」。
しかしそれは、漫画というメディアのためだけとは言えない気がする。
戦後日本の繁栄と閉塞状態で生まれた、現実離れした理想主義の、甘酸っぱく苦いやるせなさが感じられるからだろう。
トリノ冬季オリンピックでよく聞かれた日本人選手の「負けたけれど楽しかった」という言葉と、どこかで繋がっているのではなかろうか。
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