1972/09/14 - 1972/09/15
15504位(同エリア16384件中)
片瀬貴文さん
1961年9月14日(木)
今日から、フランス国鉄設計課に行く。
ここの課長は、フランスでナンバーワンの大学、エコール・ポリテクニーク(理工科大学)をトップで卒業した秀才と聞く。
フランスは極端な学歴社会で、大学を卒業した時の席次が一生付きまとい、昇進に関係するそうだ。
10月10日まで設計課にいて、その間半月ほど、全国の鉄道構造物を見るために、地方を歩く予定。
次第に日本を忘れつつあるようで、寂しい。
今日もメトロのラッシュウアワーに出会い、「さて日本のラッシュはどうだったかな」と考える始末。
バカンスが終わり、パリでは人も車も目立って増えてきた。
道や地下鉄の混み具合は、日本に負けないくらいだ。
1961年9月15日(金)
最近完成した、ナントの高架橋と、アヌシーの立体交差工事の話を聞く。
彼等の計画や設計は、過去の模倣を避け、独創的かつ緻密である。
常に新しい技術を探求する姿勢は、見習うべき点だろう。
昨日より傘を忘れること三度。
三度目には、ついに紛失してしまった。
思い出して取りに戻ったが、誰かが持っていってしまったらしい。
パリの雨は長続きしないので、傘を持たない人が多い。
濡れても直ぐ乾くので、傘がなくても平気なのだ。
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