2005/09/16 - 2005/09/24
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azianokazeさん
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ウルムチで所持金の大部分を盗まれるというトラブルにあいましたが、翌日午後には気分的にも持ち直してきました。この際じっくりと腰を落ち着けて、街の空気を感じられるそんな旅ができれば、それはそれでいいかも。
ホテルもなるべく安いところを探しました。車をチャーターしてのカラクリ湖・タシュクルガン方面はあきらめて、4日間カシュガル市街を歩いては木陰で休むといった時間を楽しみました。
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先ずは宿替え。同じ天南飯店の別棟で、1泊30元(約400円)の部屋。4畳半より狭いぐらいのスペースにベッドがふたつ。裸電球がひとつ。一応テレビもあって喜んだのですが、映りが悪く“ないよりはまし”という程度。(旅先でテレビ、特にCMなど見ていると、その国の雰囲気などが窺われて面白いです。)
周りは現地の人ばかりですが、二人分(15元×2)払っているので部屋はひとりで使えます。
トイレは“中国式”の共用、シャワーはフロントでチケットをもらって、中庭にあるシャワー室を使います。
戸のないトイレはすぐ慣れますが、定期的に流される前の“もの”が大量に残っているのは気持ち良いものではありません。流されるだけよしとしましょう。ただ、夜中トイレに起きたとき着替えて2階の部屋から3階のトイレまで行かないといけないのは不便です。
14年前の中国旅行ではドミトリーとかこんな部屋によく泊まっていました。当時西安のホテルでは、ホテル外の街のシャワー屋さんを使うようなシステムでしたので、ホテル内にあるだけ便利です。湯量も豊富で快適です。ただ、床がヌルヌルしていて、あやうく滑って転倒・頭部強打するところでした。 -
困った点は二つ。三つかな。
ひとつは、この手の中国式ホテルに共通することですが、カギがもらえず、部屋に入るときは各階の担当者に南京錠を開けてもらう必要があること。出たり入ったりするたびに開けてもらうのは気詰まりですし、時には誰もいないこともあります。さりとてカギをかけずに部屋を空けるのも盗難にあったばかりで不安です。
二つ目は、洗濯する場所がないこと。トイレの水道で顔など洗うのですが、トイレ掃除用モップも洗ったりする場所でとても服を洗えるような感じではありません。(「顔なら洗えるのか?」と聞かれそうですが、他に場所がないので仕方ありません。)シャワー室の番人のおじさんには、最初に「服は洗わないように」と釘をさされました。
三つ目は、フロア担当者が待機している場所の隣だったせいで、フロントからの呼び出し電話が夜間でもけたたましく鳴りひびくこと。また、彼ら、彼女らがあたりかまわず大声で話すのでうるさいこと。“室内では静かに”という発想がないようです。
毎夜「予算的にもなんとかなりそうなので、明日はもう少し高いホテルに替わろうか」とも思うのですが、朝になると「まあ、ここでもそんなに支障ないし、もう1泊するか」となります。
おかげで予算的には余裕がでてきました。
写真は“朝食メニュー”。部屋の出入りが面倒なので、朝は部屋の中で簡単に。近くの超市(スーパーマーケットの中国語訳。漢字文化圏の人間は納得です。バッグの持込が禁止のところが多く、入り口のロッカーに預けるシステム。カギはありますが、面倒かつ不安。)で買った椰子ジュース(昔からのお気に入りです。本物のヤシより好きかも。)とお菓子、日本から持ち込んだ餅です。全部で三元(40円)。外で食べても同じような金額です。 -
外に出ると、宿替えした方のホテルのすぐ向かいに公安(警察)があります。日曜日に「月曜日の朝、もう一度来て」と言われていたので、被害届のことで再度公安を訪ねます。
今回はスムーズに英語使いのマケス氏に会えました。しかし、交渉は難航。「カシュガルの空港の警察に一旦行って、そこの書類をもらってまたここへ来い」とのこと。空港まで行くタクシー代も惜しい状況です。また、空港の警察で英語の話せる係官がみつかるか疑問です。「有没有会説英文的人?」の筆談の繰り返しになりそうです。「あなたの個人的な受理記録でもいい。」「私が日本語で書いたこの届け書(公安の便箋)のコピーでもいい」とも頼んだのですがだめです。どうせ現金は保険の対象にもならないので、どうしても被害届が必要という訳でもありません。“クレジットカードの事故のためにあったほうが”という程度だったので、交渉打ち切り。部屋を出るとき「タクシーで空港へ行けばいいだろう」と言うので、「金なんかないよ!」「全然?」「そう!」と捨て台詞で出てきました。
マケス氏にしたらわがままな外国人で迷惑したかも。御免なさいね。当時私も困っていたので。
写真は公安の隣、人民広場の毛沢東像です。街も人もめざましく近代化が進んでいます。おしゃれなジーンズの若い女性が行き交います。でも、路上で物乞いをするウイグルの老人も時々います。毛沢東の目にこのような中国はどう映るのでしょうか? -
翌日同じ場所では新疆自治区50(?)周年記念式典の練習が行われていました。
像の前で遊戯する小学生の女の子達の中にひとりだけ全く動作についていけない子がいました。覚えがよくないのか、病気で練習を休んでいたのか、事情はわかりませんが、傍目にもとても気になりました。 -
交通量の少ない通りではロバ車を見かけることもあります。近郊農家の人達を乗せて走っていることもあります。
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ただ、市内中心部は完全な自動車社会です。信号の数、そして何より信号を守るという遵法精神はこれからの課題のようです。信号が赤でも車の流れの隙間をぬって皆渡り始めます。
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写真は新疆最大のイスラム寺院、エイティガール寺院。第一の市内観光スポットです。
前面は再開発整備されたらしく、ひたすら広い広場になっています。
そして、ところどころに設けられた噴水から忘れかけた頃に無意味に水が吹き上がります。誰も見ていませんが。
大祭のときはこの広場をきれいに列を帯状につくった祈りの人々が埋め尽くすのでしょうか。
きっと壮観でしょう。
寺院を囲む通りには屋台街もあります。なお、前面大通り付近の地下は地下商店街になっています。 -
モスク内部も広々としています。祈る人の写真を撮るのはためらわれます。おかげで見づらい写真になりました。祈る人も観光客が気になるみたいで、ときおり賑やかな漢人観光客の団体に視線を向けます。
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彼が向き合って祈っていたのがこの壁。何もありません。イスラム教では偶像が否定されているので、祈りの場も随分イメージが違います。仏像みたいなもの、装飾はなく、あるのは消化器と箒のみでした。仏教徒にはちょっと物足りないものを感じさせます。もっとも、インドのヒンズー教のように極彩色の過剰装飾にも辟易することもありますが。
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午後になると、モスクの外の木陰はお年寄りの溜まり場になります。おしゃべりしたり。寝転んだり。
ナイフ自慢なども見られます。私も午後のひとときこの老人達に混じって超市で買ってきたお菓子など食べながらぼんやりすごすのが日課になりました。他にすることもないからというのも実情ですが。 -
解放北路を挟んでエイティガール寺院の反対側あたりの裏通り風景。
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こちらは博物館。展示内容はいささかさびしいものがありますが、入り口付近の土産物売り場の小姐は日本語がとても上手。
20年近く前、私が初めて中国を観光した際に西安で買った玉の香炉について、濃い緑に白が混じって「実は相当のお宝なのでは」と内心思っています。
そんなことを考えながら玉の飾りなど見ていると、いろいろとその小姐が勧めてきます。
「お金がないから買えないよ。見るだけ」というと、「大丈夫、カードも使えます。」
小姐、今はそれ言ってはいけないんだよ!塞ぎかかった傷口が開くじゃないか! -
エイティガール寺院と並ぶもうひとつの市内観光スポット、香妃墓。
ホテル前からバスで向かって終点、と非常に行きやすいところです。
ちなみに、バスはどこでも1元のようでした。節約旅行で利用できる唯一の車です。
最初は、行き先を書いたメモを見せて「多少銭?」なんてやって怪訝な顔をされていました。 -
この建物はタイルがとてもきれいです。
前面は主に緑。 -
塔を彩る青タイルもきれいです。
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定番コスプレサービスもあります。
お金がないのでパス。 -
エイティガール寺院同様、漢人団体観光客(およびそのガイド)がけたたましいのですが、建物の裏に回ると殆ど誰も来ません。
タイルとポプラの緑、青い空、白い雲、小鳥のさえずり、風にそよぐポプラの葉のささやき、近くに小学校でもあるのでしょうか、子供たちの声も風に乗って聞こえてきます。
ただそれだけですが、この旅で出会った一番のお気に入りスポットです。
次の日もまたやってきました。 -
建物のふちに腰掛けて、風にふかれながらぼんやりと空を眺めていました。
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街中のポプラ並木には散水車が水を撒いていきます。撒くというより、車道から叩きつけるような水圧でポプラめがけて放水します。当然歩道も水浸しになります。大人達はあわてて逃げます。学校帰りの子供達がはしゃぎながら水の中に飛び込んでいきます。ホースから勢いよく放たれる水に小さな虹がかかります。見とれているうちに虹も子供達も通り過ぎていきました。
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この旅行記へのコメント (4)
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- イスカンダル亜力山大さん 2006/02/08 18:28:19
- 盗難タイヘンでしたネ
- はじめまして、イスカンダル亜力山と申します。
井上@打浦橋@上海さんの浦東空港編からazianokazeさんの旅行記へ飛んできました。
盗難に遭ったそうですね。
お察し申し上げます。
カラクリ湖へ行けなかったのでしたら、せめて私の旅行記へお越しください。
ちょこっとカラクリ湖の写真を載せてますので、、、。
http://4travel.jp/traveler/iskandal/album/10031692/
↑私が初めてアップした旅行写真です。
ほな。
- azianokazeさん からの返信 2006/02/09 09:42:25
- RE: 盗難タイヘンでしたネ
- タイヘンでした。
今年正月明けのチェンマイでは、おなかに巻くベルトみたいなものにパスポート等貴重品を入れて“肌身離さず”で旅行しました。
カラクリ湖の写真拝見しました。
ムスターク・アタやコングールの雄姿に会いたかったですね・・・
タシュクルガンの石頭城も楽しみにしていたのですが。
高山病予防の薬まで準備していたのに。
また、そのうち挑戦します。
(ウルムチはパスして。)
トルファン・敦煌の旅行記も拝見しました。
15年ほど前でしょうか、トルファンを訪ねたことがあります。
交河故城や高昌故城などの遺跡、火焔山、そしてなにより葡萄棚の下で飲む冷えたヨーグルトに“オアシス”を実感しました。
お気に入りの街です。
夜、ホテルの中庭の葡萄の下で演じられた舞姫のダンスもエキゾチックで忘れられない印象を残しています。
敦煌は正直言って“猫に小判”でした。
というか、香港人観光客と一緒に中国語ガイドだったため、さっぱりわからず、特に目を引くような鮮やかな壁画もなかったので、トイレに行きたくなったこともあって、最初のひとつかふたつの窟でひとり引き返してしまいました。
本まで出されているとか。
写真にあるような色鮮やかな壁画が見れるののなら、もう少し我慢すればよかったですね。
敦煌も是非、別の機会に再訪します。日本語ガイドで。
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- kaz-ykさん 2005/09/30 08:23:26
- カシュガル?素晴らしい旅行記有難う
- azianokazeさん 今日は
盗難にあってもやりくりして旅を続けられるとは、素晴らしい適応力
サバイバルのチャンピオン?
素晴らしい画像とその説明文を有難う 1票を投じ敬意を表します。
- azianokazeさん からの返信 2005/10/01 00:33:25
- RE: カシュガル?素晴らしい旅行記有難う
- ありがとうございました。
ほめていただくほどの適応力など全くありません。
殆ど英語も話せない、地元の人達が食べている店にスッと入れる度胸もない。
今回に限らず、旅行中はわからないこと、迷うこと、戸惑うこと、そんなことばかりです。
ですから、旅行について聞かれると、「サバイバルゲームみたいなものかな」なんてよく答えます。自分自身をフル稼働させて、なんとかかんとか困難・わからないことを処理して行く。
そのときは”楽しい”というより”大変なこと””きついこと”のほうが多かったりします。
でも、その日々の記憶は後々まで消えずに残ります。
昨日のことすらはっきり思い出せないことが多い普段の生活とは違う、そんな時間が得られることが旅行に出たくなる大きな理由のひとつだと思っています。
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