1961年10月2日（月）<br /><br />今日は一日がかりで、日本館と目と鼻の先にあるスペイン館に越した。<br />日本館は、ヴァカンス・シーズンの終わりまでの仮住まいだったから、これで落着いたわけだ。<br /><br />安くて落着いた住まいを見つけることは、パリ到着依頼の懸案だった。<br />そこで当面の宿としてだったが、しばらく日本館に住み慣れてみると、何とかしてシテ（パリ国際大学都市）内に部屋を見つけたいと思うようになった。<br />環境が良く、食事が便利で安いからだ。<br /><br />もちろん一般の人たちと同じ、町の中に住むことにも魅力がある。<br />人々の日常生活や、生き様に接することは、ヨーロッパを理解するうえで、大きな経験に違いない。<br /><br />しかし限られた一年と言う時間の中で、私は局部的で深いものより、幅広い体験を求めていた。<br />エネルギーが一定ならば、目指す方向に歩むには余り欲張らずに、シテで落着きたいと考えた。<br /><br />だが、日本館以外に住むには、先ず日本館に居住権を得てから、ほかの館の居住者と交換という形でなければならない。<br />ところが、日本館は希望する日本の若者がいっぱいで、なかなか私が居住権を得る番まで回りそうもないのだ。<br />シテは本来、若者を主体とした施設である。<br /><br />そこで困っていたところ、スペイン館ならば希望者が少ないので、館の間の居住者交換でなくても入れそうだとの情報を得た。<br />ただしスペイン館の館長の面接をパスしなければならないと言うわけで、館長室を訪ね見事合格した。<br />

パリ 472 スペイン館に引っ越す

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1972/10/02 - 1972/10/02

15506位(同エリア16387件中)

#カルチャー体験

ソフィさん

1961年10月2日（月）

今日は一日がかりで、日本館と目と鼻の先にあるスペイン館に越した。
日本館は、ヴァカンス・シーズンの終わりまでの仮住まいだったから、これで落着いたわけだ。

安くて落着いた住まいを見つけることは、パリ到着依頼の懸案だった。
そこで当面の宿としてだったが、しばらく日本館に住み慣れてみると、何とかしてシテ（パリ国際大学都市）内に部屋を見つけたいと思うようになった。
環境が良く、食事が便利で安いからだ。

もちろん一般の人たちと同じ、町の中に住むことにも魅力がある。
人々の日常生活や、生き様に接することは、ヨーロッパを理解するうえで、大きな経験に違いない。

しかし限られた一年と言う時間の中で、私は局部的で深いものより、幅広い体験を求めていた。
エネルギーが一定ならば、目指す方向に歩むには余り欲張らずに、シテで落着きたいと考えた。

だが、日本館以外に住むには、先ず日本館に居住権を得てから、ほかの館の居住者と交換という形でなければならない。
ところが、日本館は希望する日本の若者がいっぱいで、なかなか私が居住権を得る番まで回りそうもないのだ。
シテは本来、若者を主体とした施設である。

そこで困っていたところ、スペイン館ならば希望者が少ないので、館の間の居住者交換でなくても入れそうだとの情報を得た。
ただしスペイン館の館長の面接をパスしなければならないと言うわけで、館長室を訪ね見事合格した。