1972/09/08 - 1972/09/08
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片瀬貴文さん
1961年9月8日（金）
ボヌーユの枕木工場を訪ねる。
フランス国鉄の研修が始まって、一週間。
こちらの新しいものを見ていると、好奇心がムクムクと湧き上がるのを感じる。
未知なものへの興味、新たなものへの挑戦心が、異常と思えるくらい高まっている。
中学生以来、久しく忘れていた心の高まりだ。
文献に目を通す時間が、一分でも多く欲しい心境である。
だが、仕事の捗らないこと、おびただしい。
その大きな原因は、語学力不足にある。
ここにやって来て、フランス語の難しさをしみじみと感じている。
外国語の難しさは、言葉の概念やニュアンスが、充分に捉えられないことと思う。
日本語と外国語の単語に、一対一の対応がない。
同じ意味と思われる単語にも、社会背景の差から微妙なずれがある。
個々の単語の意味がわかっていても、文章全体の意味を掴めないことが間々ある。
同室のTさんは，頑張屋だ。
夜がどんなに遅くても、朝6時には起きて働いている。
彼の言では、アメリカの学生は一日16時間机に向かうそうだ。
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