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ワルシャワから西に54Km、ジェラゾヴァ・ヴォラにフレデリック・ショパン(1810−1849)の生家を訪ねた。ショパンはフランス人の父とポーランド人の母の間に生まれ、幼児からピアノを習った。8歳で公開演奏会を開き、ピアノも作曲もほとんど独学で習得、ポーランド各地の民族音楽に接し子供ながらにポロネーズやマズルカに関心を深めたという天才。1830年にはウイーン滞在中にポーランドでロシアからの独立を求める11月蜂起が勃発、ショパンはパリに赴きピアノ曲を中心に作曲を続け、39歳で死去するまで祖国に戻ることは無かった。<br />ショパンの生家は1万平方メートル(甲子園球場の70%)の広大な敷地の中にあり、ショパンが少年時代に書いた楽譜、絵画、手紙など展示されている。子供が書いたとは思えない見事なできばえで、ショパンの天才少年振りをうかがい知ることができる。<br />この日はワルシャワにあるショパン音楽アカデミーの教授ジェリー・ステチェンスキー氏のポロネーズ、ノクターン、マズルカ、ワルツなどのピアノ演奏を聞くことができた。好奇心の強い私は高校時代から3年間ピアノを練習したことがあるのだが、ショパンの曲は難しくて手が出なかった。ショパンの曲を生演奏で聞き、作曲家ショパンの素晴らしさを肌で感じることができた。<br />ポーランド人はショパンを国の誇りとして大切にしている。ショパンの心臓はワルシャワの聖十字架教会に葬られており、第2次世界大戦中はワルシャワ市民が安全な場所に心臓を持ち出し、終戦後1945年10月17日、ショパンの命日に元の場所に戻されている。また、ワジェンキ公園のショパン像やショパン博物館など偉人ショパンの誇らしげな展示は各地に見られる。<br />私が少し疑問に思ったのは、ショパンの父親がフランス人であり人生の半分はフランスで送っているのだが、フランス人はショパンはフランス人だと主張していない点である。もし日本人がショパンの父親なら、日本ではショパンは日本人だと主張するのではないだろうか。ポーランドの人達は決して認めないだろうが。いずれにしてもポーランドに於けるショパンの存在の大きさを実感する旅であった。<br />(写真はワジェンキ公園のショパン像)

ポーランドの旅【3】 ポーランド人の誇り世界的音楽家「ショパン」

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2005/05/05 - 2005/05/12

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さすらいおじさん

さすらいおじさんさん

ワルシャワから西に54Km、ジェラゾヴァ・ヴォラにフレデリック・ショパン(1810−1849)の生家を訪ねた。ショパンはフランス人の父とポーランド人の母の間に生まれ、幼児からピアノを習った。8歳で公開演奏会を開き、ピアノも作曲もほとんど独学で習得、ポーランド各地の民族音楽に接し子供ながらにポロネーズやマズルカに関心を深めたという天才。1830年にはウイーン滞在中にポーランドでロシアからの独立を求める11月蜂起が勃発、ショパンはパリに赴きピアノ曲を中心に作曲を続け、39歳で死去するまで祖国に戻ることは無かった。
ショパンの生家は1万平方メートル(甲子園球場の70%)の広大な敷地の中にあり、ショパンが少年時代に書いた楽譜、絵画、手紙など展示されている。子供が書いたとは思えない見事なできばえで、ショパンの天才少年振りをうかがい知ることができる。
この日はワルシャワにあるショパン音楽アカデミーの教授ジェリー・ステチェンスキー氏のポロネーズ、ノクターン、マズルカ、ワルツなどのピアノ演奏を聞くことができた。好奇心の強い私は高校時代から3年間ピアノを練習したことがあるのだが、ショパンの曲は難しくて手が出なかった。ショパンの曲を生演奏で聞き、作曲家ショパンの素晴らしさを肌で感じることができた。
ポーランド人はショパンを国の誇りとして大切にしている。ショパンの心臓はワルシャワの聖十字架教会に葬られており、第2次世界大戦中はワルシャワ市民が安全な場所に心臓を持ち出し、終戦後1945年10月17日、ショパンの命日に元の場所に戻されている。また、ワジェンキ公園のショパン像やショパン博物館など偉人ショパンの誇らしげな展示は各地に見られる。
私が少し疑問に思ったのは、ショパンの父親がフランス人であり人生の半分はフランスで送っているのだが、フランス人はショパンはフランス人だと主張していない点である。もし日本人がショパンの父親なら、日本ではショパンは日本人だと主張するのではないだろうか。ポーランドの人達は決して認めないだろうが。いずれにしてもポーランドに於けるショパンの存在の大きさを実感する旅であった。
(写真はワジェンキ公園のショパン像)

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  • ショパンの心臓が葬られているワルシャワの聖十字架教会の柱。第2次世界大戦中はワルシャワ市民が安全な場所に心臓を持ち出し、終戦後1945年10月17日、ショパンの命日に元の場所に戻した。

    ショパンの心臓が葬られているワルシャワの聖十字架教会の柱。第2次世界大戦中はワルシャワ市民が安全な場所に心臓を持ち出し、終戦後1945年10月17日、ショパンの命日に元の場所に戻した。

  • フレデリック・ショパン(1810−1849)の生家の玄関。

    フレデリック・ショパン(1810−1849)の生家の玄関。

  • ワルシャワにあるショパン音楽アカデミーの教授ジェリー・ステチェンスキー氏のポロネーズ、ノクターン、マズルカ、ワルツなどのピアノ演奏を聞くことができた。

    ワルシャワにあるショパン音楽アカデミーの教授ジェリー・ステチェンスキー氏のポロネーズ、ノクターン、マズルカ、ワルツなどのピアノ演奏を聞くことができた。

  • ショパンが少年時代に書いた書簡。少年とは思えない達筆さだ。

    ショパンが少年時代に書いた書簡。少年とは思えない達筆さだ。

  • ショパンが14才のときに描いた風景画。14才の絵とは思えない。やはり天才は何でもできるようだ。

    ショパンが14才のときに描いた風景画。14才の絵とは思えない。やはり天才は何でもできるようだ。

  • ショパンが書いた楽譜。

    ショパンが書いた楽譜。

  • ショパンが使っていたピアノ。

    ショパンが使っていたピアノ。

  • ショパンの生家の居間。

    ショパンの生家の居間。

  • ショパンの生家にはショパンの両親と本人の写真が掲げられている。

    ショパンの生家にはショパンの両親と本人の写真が掲げられている。

  • ショパンの生家の庭にあるショパン像。敷地は広大だ。

    ショパンの生家の庭にあるショパン像。敷地は広大だ。

  • ショパンの生家の庭には世界中から贈られた植物やショパン像がある。

    ショパンの生家の庭には世界中から贈られた植物やショパン像がある。

  • ショパンの生家のみやげ物店にがショパンのピアノ曲などのCDなどがたくさん置かれている。

    ショパンの生家のみやげ物店にがショパンのピアノ曲などのCDなどがたくさん置かれている。

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この旅行記へのコメント (6)

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  • まみさん 2005/08/15 20:38:39
    ポーランドといえばショパン
    さすらいおじさん、こんにちは。

    ポーランドへ行くなら、やはりショパンコンサートは欠かせない!というかんじで、私もコンサートに行って来ました。
    私はワルシャワで、現地のマズルカツアーが主催するツアーでの参加でしたが、その気になれば、確か街頭にポスターで、どこかの教会でもショパンコンサートの案内もあったので、自力でそちらに行くことも可能でした。
    日曜日のワジェンキ公園に行けば、7月は無料でショパンコンサートが聴けたのでしょうが……とすると、混んでいたでしょうね。
    しかし、果たしてあのショパン像のどのへんに、ピアノを置くのか、興味津々。

    ジェラゾヴァ・ヴォラはいけたら行きたいと思いましたが、車で約2時間、でしたかしらか? バスで30分程度の近郊かと思ってたので、こりゃー時間はとれないや、と旅程立案の段階であきらめた覚えがあります。
    あるいは現地ツアーを利用したかもしれません。日数があれば。

    ちなみに私がいく前にポーランドについて下調べをした中で、おじさんが疑問に思っている、フランス人がショパンをフランス人とはみなさなかった理由で、もしかしたら、と思ったことがあります。
    当時は、フランスには、祖国がオーストリア、プロイセン、ロシアによって三国に解体されて亡くなったせいもあり、フランスには亡命ポーランド人がたくさんいたみたいです。
    そうでなくてもフランスって他国からの帰化した人が多いという印象を受けますので、いちいち自国の人間だということであまり騒がないのかもしれないなぁって。そのあたり、アメリカで大成した移民を、あんまりアメリカ人と宣伝しないことに(たぶん)似てるかもしれないと思いました。
    ま、全然自信ないですけど。

    さすらいおじさん

    さすらいおじさんさん からの返信 2005/08/15 21:59:31
    RE: ポーランドといえばショパン
    まみさん

    >ポーランドへ行くなら、やはりショパンコンサートは欠かせない!というかんじで、私もコンサートに行って来ました。
    私はワルシャワで、現地のマズルカツアーが主催するツアーでの参加でしたが、その気になれば、確か街頭にポスターで、どこかの教会でもショパンコンサートの案内もあったので、自力でそちらに行くことも可能でした。
    日曜日のワジェンキ公園に行けば、7月は無料でショパンコンサートが聴けたのでしょうが……とすると、混んでいたでしょうね。
    しかし、果たしてあのショパン像のどのへんに、ピアノを置くのか、興味津々。

    まみさんがショパンを弾けるというのがすごいですね。
    ワジェンキ公園の野外コンサート、私は音響はどうなんだろうとおもいました。ジェラゾヴァ・ヴォラでも私のツアーは20人ほどだったので屋内でしたが、日曜は屋外コンサートだと聞きました。

    >ジェラゾヴァ・ヴォラはいけたら行きたいと思いましたが、車で約2時間、でしたかしらか? バスで30分程度の近郊かと思ってたので、こりゃー時間はとれないや、と旅程立案の段階であきらめた覚えがあります。
    あるいは現地ツアーを利用したかもしれません。日数があれば。

    ツアーバスで1時間くらいでしたから、ローカルバスなら1.5−2時間くらいかかるかも知れません。ジェラゾヴァ・ヴォラはショパンの子供時代の生活の様子が解ったことと演奏を聴けたことが良かったです。ピアノに詳しい人がピアノの調律ができていないことと、演奏家が二流だと不満を言っていましたが、私には良かったです。

    >ちなみに私がいく前にポーランドについて下調べをした中で、おじさんが疑問に思っている、フランス人がショパンをフランス人とはみなさなかった理由で、もしかしたら、と思ったことがあります。
    当時は、フランスには、祖国がオーストリア、プロイセン、ロシアによって三国に解体されて亡くなったせいもあり、フランスには亡命ポーランド人がたくさんいたみたいです。
    そうでなくてもフランスって他国からの帰化した人が多いという印象を受けますので、いちいち自国の人間だということであまり騒がないのかもしれないなぁって。そのあたり、アメリカで大成した移民を、あんまりアメリカ人と宣伝しないことに(たぶん)似てるかもしれないと思いました。
    ま、全然自信ないですけど。

    フランス人は民族意識が強いから、まみさんの考えは当たっているかも知れません。キュリー夫人もフランス人と結婚しているしフランスが育てたノーベル賞学者ですからフランス人と主張してもおかしくないのですが、そうは言いませんね。民族のプライドでしょうか。
  • Rockyさん 2005/05/16 01:57:35
    ショパンはフランス人の父とポーランド人の母の間に生まれ....
    さすらいおじさん

    その才能がどちらの血筋からなのかな...と考えながら、

    居間にいながら、ショパンに触れられ、

    さすらいおじさんのテーマある贅沢な旅を楽しむことできました。

    ....音楽が聞こえてきそうですね!

    mrocky

    さすらいおじさん

    さすらいおじさんさん からの返信 2005/05/16 08:15:52
    RE: ショパンはフランス人の父とポーランド人の母の間に生まれ....
    mrockyさん ショパンをお読みいただきありがとうございます。
    人の生い立ちや生き方を知ると、また新しい魅力を感じるものですね。私が今度ショパンの音楽に触れるとき、今までと違った喜びがあると思います。旅はいろいろな喜びを与えてくれますね。
  • チビケイさん 2005/05/14 20:03:15
    ショパンは本当に天才的な少年だったんですね( ̄ヘ ̄;)ウーン
    さすらいおじさんさん(* ^-^)ノこんばんわぁ♪

     夕食が終ったので早速お邪魔しています〜

     ショパンの天才ぶりにも驚きましたが
     さすらいおじさんさんが仰るようにフランスがショパンの
     半分(笑)を主張しないのは面白いですね。

     しかしショパンの自宅は大きいなぁ〜
     ショパンは短命だったんですねぇ。。。

     さすらいおじさんさんは3年間ピアノを練習したんですね(*^^)v
     実はチビケイも3歳〜7歳位まで強制的にピアノを習わせられた
     事があるのですが(最初の頃の記憶は定かではないですが)
     私の記憶にある限りでは最後は先生に匙をなげられたような(^^ゞ
     上手にできると教則本に‘りんご’のシールを貼って貰った事しか
     覚えていません(ーー;)
     で、未だに‘猫踏んじゃった’程度の技量です(笑)
     
     ショパンは沢山の才能に恵まれて生まれて来たけれど
     また、沢山の困難のなかで生き抜いたんですね。。。

     素敵なショパンのお話と綺麗なお写真を有り難う御座いますm(__)m

     (*^▽^)ノ~~ マタオジャマシマスネー♪
     

    さすらいおじさん

    さすらいおじさんさん からの返信 2005/05/14 21:39:08
    RE: ショパンは本当に天才的な少年だったんですね( ̄ヘ ̄;)ウーン
    チビケイさん  早速お読みいただきありがとうございます。

    >ショパンの天才ぶりにも驚きましたが
     さすらいおじさんさんが仰るようにフランスがショパンの
     半分(笑)を主張しないのは面白いですね。

    ヨーロッパは母国(生まれた国)を重視した法律があるとガイドから聞きました。まだピンときませんが、ほかの人の例もまた調べてみたいと思います。

     >しかしショパンの自宅は大きいなぁ〜

    チビケイさんのご実家は豪華さでは上ですよ。

     >ショパンは短命だったんですねぇ。。。

    モーツアルト(35歳)シューベルト(31歳)などこの時代の音楽家は短命ですね。

     >さすらいおじさんさんは3年間ピアノを練習したんですね(*^^)v
     実はチビケイも3歳〜7歳位まで強制的にピアノを習わせられた
     事があるのですが(最初の頃の記憶は定かではないですが)
     私の記憶にある限りでは最後は先生に匙をなげられたような(^^ゞ
     上手にできると教則本に‘りんご’のシールを貼って貰った事しか
     覚えていません(ーー;)
     で、未だに‘猫踏んじゃった’程度の技量です(笑)

    >私は自己流でいきなり、エリーゼのためにとか乙女の祈り、月光など好きな曲を無謀にも練習したので、基礎ができず、早い曲は指がついてゆきませんでした。基礎からしないとだめですね。
     
     >ショパンは沢山の才能に恵まれて生まれて来たけれど
     また、沢山の困難のなかで生き抜いたんですね。。。

    苦難の人生だったでしょうが、作った曲は永遠に生き続けるのだから素晴らしいですね。

     >素敵なショパンのお話と綺麗なお写真を有り難う御座いますm(__)m

    お読みいただき励みになります。まだ続きますのでご覧いただければ嬉しいです。v(^_^v)♪ありがと~♪

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