フランス【12】シャルトルの下町旅情

2005/04/14 - 2005/04/14

シャルトルはパリから１時間。
電車ならば、モンパルナス駅からル・マン行に乗ればいい。

ゴシック建築の原点、「シャルトル・ブルー」で名高いステンドグラスなどで有名な、ノートルダム大聖堂があり、パリ滞在者に是非勧めたい観光ポイントである。

エゥール川(l’eure)沿いの下町を歩く。
運河沿いに花が多く、おしどりが遊んでいる。

三階建ての低い家並みの、曲がりくねった細い道だが、私の心を慰めてくれる懐かしい何物かがある。
普段着の老人が多く、私に話しかけてくれる。

あるおじいさんは、私に話しながら、突然涙を流し始めた。
「どうしたの？」
「あなたに似ている昔の友達を思い出したんだ」
昔この町に気のいい日本人が住んでいて、おじいさんととても仲が良かった。その人が日本に去ってから、時々思い出しているらしい。
「一度日本に訪ねて行ったらどうだい」
「だけど飛行機は高いだろうね」
「1000ユーロ（14万円）くらいかな」
「・・・・・」

とあるバーに入り、コーヒーを注文した。
ノースモーキングと書いてあるので、「タバコは吸えないのかい」と訊ねる。
「はい。しかしあなただけ特別よ」と、灰皿を持ってきてくれる。

フランスは禁煙の風潮を受けて、バーの室内喫煙を禁じているようだ。
しかし実態はこのようなものらしい。

少し前、シシリーでも同じ経験をした。禁煙席に座ったのに、灰皿を持ってきてくれる。

「警察に叱れられないかい」
と問い質したら、片目をつぶってニコッと笑うだけだった。

エリア シャルトル(フランス)

緑の運河

下町の細い道

運河から遠く大聖堂を望む