ナポリ・地下に眠るもうひとつの町

2003/06/06 - 2003/06/17

　ナポリの下町、スパッカ・ナポリの地下にはもうひとつのナポリが存在する。紀元前ギリシャ人が創り上げた町、その名は“ネアポリス”。数奇な変遷を辿り、今世界遺産として脚光を浴びようとしている。
２０００年前から１０世紀頃まで、ここナポリの旧市街スッパカ・ナポリの下には、城壁に囲まれた古代都市が栄えていた。入り口からかなり長い階段を下りると、ひんやりとした空間で既に説明が始まっていた。写真撮影もOKのようなので、例のごとく右手にビデオ、左手にデジカメの輪生体制に入る（いずれ世界遺産に指定されたら、それも許されなくなるだろうから）。
移動中５，６箇所で、説明があったが内容は殆ど分からなかった。分からないけど、とても興味深く面白い場所で、内容が分かればもっと面白いのだろうと悔やまれてならない。ほんの少し分かった単語から推定し、どうもここは昔の石切り場だったらしい。昔というのはナポリがギリシャの植民地だった頃からローマ時代にかけてで、その後は地下水道として発達したとか。第二次世界大戦の時には防空壕として使われたとかで、ヘルメットや武器が陳列してあった。どのあたりの建物や道路の下まで延びているなんて言われてもさっぱり分からず、とにかく色んな所に出口が通じているらしい。
ホテルに帰って、ビデオやデジカメのチェックをしてがっかり、見るのに夢中で撮影はあまりしていないし、移したものもかなり不出来だ。仕方がない出来る限り記憶に留めて置く事にしよう。

エリア ナポリ(イタリア)

　入り口からかなり長い階段を下りると、ひんやりとした空間で既に説明が始まっていた。案内のお姉さんの姿を見たら冬のジャンバーを着ていたので、話を聞く振りをしながら、慌ててパーカーを取り出し身支度をする。

　第二次世界大戦の時には、防空壕として使われたと言う入り口に近い部屋には、なにやら当時のものを現すものなのか、雑多な写真が掛けられていた。意味はあまり分からなかった。

　おまけにほんの背丈ほどのヘンテコな戦車まで。手前の鉄の造形は人の形をしていたが、これもまたよく分からなかった。

　電球の光と熱で植物を育てたらしい。が、何時の時代に、何の為に行われたのかは定かではない。

　昔の石切り場だった所。

　石を地上へ吊り上げる穴。

途中で見つけた井戸。普段は上から覗き込んでいる井戸を地下から見上げる。貞子の気分だ。

　途中で一人一人にロウソクが配られる。どうやら電気の通っていない所に行くらしい。みんなにわか探検隊の気分で子供の様にはしゃいでいた。

　ドキドキの父と母。

こんな低い所も通りました。

こんな狭い所も通りました。

どうやらここは、嘗ての下水道だったようです。

更に道は狭くなり・・・。ちなみに太った人は入れては貰えず、入り口で待っていました。

突然広い空間に出た。ここは貯水池で、今も水が満々と溜まっていた。

奥の階段を登って出口への道に出る。何だか怪しい宗教集団のよう。

この長い階段を登り、地上へは更にエレベータに乗る。

これで終わりかと思いきや、地上からまた別の地下に行くらしい。

　下町の裏道をゾロゾロと連なる外国人集団。

ナポリ名物、通りを渡る洗濯物。これだから裏街道は楽しい。

まだまだゾロゾロ。

集合住宅。こういう所はエレベータも無いので、窓から籠が吊るされている所もある。

街角の至る所にマリアが祭られている。ナポリターノは信仰深いと聞いています。

やっと目的の場所に着いた。ローマ時代の劇場跡が地下にあるそうです。

狭い普通の民家に大勢で入り、汗だく。ベッドや家具をずらして、いかにも秘密の扉、と言わんばかりに床の戸を引き上げる。

そこにはローマ時代の劇場の柱がほんの僅か露出している。

やっと息苦しい狭い地下から地上に出ると、そこは６月だというのに、灼熱。

オマケに狭い路地をスクーターがブンブン騒々しい。

ン？子供！！オマケに二人乗り。

スパッカナポリは陰と陽が交錯するカオスの世界。

天の恵み。リモンシャーベットの屋台。３５度を超える暑さの中で、たまらなく美味しかったシャーベット。このおじさんはプエルトルコからの移民だそうです。