シェラトンホテルの2軒ある中国料理の一つ、『辰園(Dragon)』。料理は潮州料理。広東料理の一派らしいのですが、海産物や...
続きを読む乾物の旨みを使うのが特徴とのこと。
お昼の『點水樓』に続き、昨年買ったグルメ本「餐館評鑑(Taiwan’s TOP Restaurants)」では、5つ星中、4つを獲得、3番目に位置する、地元でも評価の高い高級中華。
お店は地下1Fにあるので、暗いのですが、それがまたリッツ大阪的な高級感があります。メニューは日本語も併記してありますし、一部は写真も入ってます。英語も通じて安心なのは、やっぱりホテルならではですね。コースもありましたが、鮑もフカヒレも好きでないし、好きなもの食べたいウチはアラカルトで。
まあ、そもそもフカヒレなくなっちゃったらしいですけどね、ココ。シェラトンに限らず、ペニンシュラホテルだったかも、なくなっちゃいましたしねぇ。まあ、僕個人の嗜好だけなら、ホントどうでもいい食材なんですけど、日本のクジラやイルカ漁みたいに、反対によって食文化がなくなってしまうとしたら、ちょっと悲しいような。
・廣式佛跳牆(一人前:500元)
こ、これは…美味い。先ほども言ったように、フカヒレは入ってなくて、具は豚足、タケノコ、魚の皮(?)、豚のアキレス腱、タロイモ、シイタケ、栗という、高級品はないのですが、スープの味も具の味も、渾然一体感が抜群。一人1,700円ほどとリーズナブルな値段で一壺を平らげるのは、贅沢感もあって、もういきなり満足です。
・季節野菜(300元)
種類くらいの中から野菜を選んで、調理法も4種類から選べるという、何というか中国らしい自由さが嬉しい。やや薄味なのも台湾らしいですね。美味しいけど、この日は他の料理が美味しかったので、印象的にはやや埋没してるかな。
・魚介と玉ねぎの南瓜土鍋煮込み(860元)
最初の佛跳牆で美味しさのピークをいきなりK点越えしてきたと思ったら、ジャンピングブッダ以上に、軽々とその美味しさを越えてきたコレ。ホタテ、白身、海老、イカと、魚介に、クタクタに煮込まず、食感を残した玉ねぎ。それに南瓜のスープの旨みがこんなに合うなんて!と、二人で驚愕。これらの組み合わせだけなら、フレンチにもありそうなのですが、やっぱりそうじゃないんですよね。フレンチのフォンやコンソメでは、野菜の甘みが加わってしまうから、合わない気がするんです。中華の出汁ならではの、旨みをとことん凝縮した味わい。これが、この料理のポイントだと思います。
・脆皮叉焼(580元)
この『辰園』のスペシャリテという、数量限定品。砂糖をまぶして、外を甘くカリッとさせたローストポーク。これは何というか、ウチの好みとは違うんですよね。というのも、とにかく肉が柔らかい!こう、肉らしい歯ごたえがまったくと言っていいほどないんです。「わ~お肉やわらか~い♪」って言って喜べる方なら、これは是非一度食べてもらいたいレベル。異次元の柔らかさですからでも、歯ごたえを求めるウチとしては、これはちょっと違うな~と。とはいえ、これだけ柔らかく仕上げるのは素材選びから調理法まで、きっちり作り上げるだけの力がないとできないこと。これがスペシャリテであるというのは、すごくよく分かるし、それだけの価値があると思います。
・プリンのマンゴーソースがけ(450元)
これも上品な甘さ、そして程よい固さがいい!
しかし、やっぱり二人だと種類が食べられませんねぇ。本当は締めの麺がすごく食べたかったのですが、どう頑張っても無理でした…。特に、土鍋煮込みは、南瓜のスープが腹にくる…。美味しかったので、まったく後悔はないんですけどね。
ホテルのレストランっていうと、どうしても旧態依然、ずーっと同じものを出してるみたいな印象がありますが、いやいや、佛跳牆のオーソドックスでピュアな美味しさと、海鮮煮込みの新しい味との出会いなど、このレストランの懐のとんでもない大きさを感じる夕食でした。
ちなみに、ここはミニ満漢全席が有名らしい。一人1万5千円くらいで、何名か以上で予約すると、個室で宮廷衣装でのサービスを受けながら食事、雑技やカーヴィングもあるとか。まあ、ウチはコース料理嫌いなんですが、一度くらい経験してみたいものですね。
でも、次も台湾来たらココは寄りたい!と、真剣に思ってます。
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投稿日:2014/10/27