血塗られた歴史の発端となった事件現場。
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- 旅行時期:2020/09(約5年前)
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by たかちゃんティムちゃんはるおちゃん・ついでにおまけのまゆみはん。さん(非公開)
大津 クチコミ:111件
シベリア鉄道の極東地区起工式典に出席する途中日本に立ち寄ったロシア帝国皇太子ニコライ。明治24(1891)年5月11日に琵琶湖への日帰り観光を終えて京都へと戻る際、人力車で現場付近を通りかかったところ、警備にあたっていた滋賀県警察部守山警察署巡査の津田三蔵にサーベルで切りつけられ裂傷を負った。傷は長かったものの浅く命にかかわるものではなかった。三蔵は即座に捕らえられるが、その処分を巡って小国であった当時の日本は揉めに揉めている。皇族に対する危害を与えた〝大逆罪〟を適用しての死刑が囁かれる中、時の大審院院長児島惟謙は〝日本は法治国家である〟という姿勢を崩さず、最終的には一般人に対する謀殺未遂罪を適用し〝無期徒刑〟の判決を下し三権分立の司法権の独立を貫いた事件でもあったことが知られている。
犯人の津田三蔵は移送・収監された釧路集治監に於いて2ヶ月後に病死。怪我を負ったニコライは本国へと戻り、その後ロマノフ朝第14代ロシア皇帝となったニコライ2世も、日本人差別が進んだ結果とも言われる日露戦争に敗北し、国内が乱れる中ロシア革命が勃発し、皇帝の地位を失った末家族もろとも処刑されている。
大津事件の際に出血を拭った手拭いが後にDNA鑑定され、革命で処刑された王女達であることを証明したことは皮肉であるとしか言いようがない。旧東海道沿いであり、人通りも少ない場所にひっそりと建つ〝碑〟がその物語を語っているように見えた場所であった。
- 施設の満足度
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5.0
- 利用した際の同行者:
- 一人旅
- アクセス:
- 5.0
- 大津駅から徒歩10分程度。
- 人混みの少なさ:
- 5.0
- 旧道沿いなので少なめである。
- バリアフリー:
- 5.0
- 碑の周りは舗装されている。
- 見ごたえ:
- 5.0
- 石碑だけではあるが、輪廻転生を表すには十分である。
クチコミ投稿日:2020/09/20
いいね!:6票
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