静内川

自然･景勝地

上流部は美しい渓谷

4.0
旅行時期：2019/09（約5年前）

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静内の街の南側を流れる、静内の平野を形作る川で、静内の街から遡ると、しばらくは馬牧場の草原などが続きますが、20kmほど行くと、いよいよ日高山脈の辺縁に差し掛かります。
山の巨大な岩肌が川の落ち込む峡谷の関門を抜けると、静内ダムで堰き止められた静内湖が現れ、道道111号線はそこで通行止めですが、ダムの堰堤を渡ると、更に奥の高見湖方面に行くことができます。
高見湖は、その昔、満州の開拓団民が戦後に移り住んだ場所だそうで、よくもこんな険しい場所を通り抜け、更なる奥地に住み着いたかと思うと、空いている土地を求めて奥地へ行かざるを得なかった彼らの苦境と、まるで人との交わりを避け、奥地に隠れ住むほどの満州で負った深い心の傷を想起させられました。
まだまだ北海道（日本）にはこんな場所があるのかと、北海道の隠された歴史に触れた気分でしたが、彼らの生活の跡は今では高見湖の湖底に沈んで完全に隠されてしまい、更にその高見湖さえも道路の崩壊などにより、現在は到達困難な状況にあります。
付近は、周囲の山並みが迫る見事な渓谷になっていて、きっと5月の新緑の頃や10月下旬の紅葉の頃はさぞや美しいと思います。
この奥に住んでいた人達も、街に出る時はこの風景を見ていたのかと思うと、感慨深いものがありました。