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西芳寺(苔寺) 施設情報・クチコミに戻る

完全予約制だからこそ味わえる幽玄の美

  • 5.0
  • 旅行時期:2017/09(約7年前)
isabelle2006さん

by isabelle2006さん(女性)

嵐山・嵯峨野・太秦・桂 クチコミ:1件

ひさしぶりの京都。せっかくなので1977年から往復はがきによる完全予約制(2カ月前~1週間前までの先着順)をとっている西芳寺(苔寺)に参拝申し込みをしました。中学の修学旅行で訪れた京都で、最も印象に残ったお寺でした。

新幹線の到着予定は午前9時。京都駅から西芳寺まではバスで1時間とあり、西芳寺からの返信はがき(参拝証)に指定されていた午前10時には間に合わない可能性が……。ネットで午後1時からの参拝記を読んだ記憶があり、時間変更は可能でしょうかとお寺に電話してみました。あいにく、この日の開門は午前10時の一度きりとのこと、でも「タクシーならば30分程度で着きます」。この一言で訪問を諦めずにすみました。

京都駅から乗り込んだ30代後半とおぼしきタクシーの運転手さんは京都生まれなのに「実は、一度も行ったことがないんです」。それほどレアな場所なのだと好意的に解釈し、Googleマップで「洛西の松尾付近。鈴虫寺の西側」と調べてお願いしました。約40分、3000円弱で到着。

まず冥加料(みょうがりょう=お布施)1人3000円を納め、文机と硯がずらりと並んだ本堂で般若心経を3回、坐禅和讃を1回唱和。その後、冬場ならば般若心経の写経(所要時間約30分)をするのですが、夏場は堂内の蒸し暑さゆえか省略(夏の休暇で訪れる外国人参拝者への配慮もあると思います)、代わりに護摩木に願い事・住所・氏名を書いて(日本語と英語の見本あり)ご本尊の阿弥陀如来の前に供えました(参拝証を兼ねた返信はがきに「全てを合わせた所要時間は約90分。細筆を御持参下さい」と書かれている場合は写経があるようです。私の場合は「所要時間約60分」、細筆の指定はありませんでした)

庭園の入口でまず、僧侶による説明がありました。飛鳥時代に聖徳太子の別荘だった場所に、奈良時代になって行基が開山。その後戦乱で荒廃した寺を室町時代初期に夢窓国師(疎石)が中興し、臨済宗の禅寺になったこと。庭園は上下二段構えの造りで、上段には枯山水庭園、下段には「心」の字を描く黄金池を中心とした池泉回遊式庭園。足利義政が銀閣寺を建てるときにお手本にし、幕末には尊王攘夷派に命を狙われた岩倉具視が庭園内の茶室「湘南亭」(重要文化財)に隠れ住んだこともあったそうです。説明の後は自由に庭園を見て回ることができます。

外国人参拝者が多く(般若心経の唱和のときには手持ち無沙汰な様子で気の毒でした)、英語の他にドイツ語やフランス語、韓国語や中国語も飛び交っていました。禅を信奉していた米アップル社の創業者、故スティーブ・ジョブズも晩年、西芳寺を何度も訪れていたそうで、ジョブズゆかりの聖地巡礼なのか、オタク風の若者もちらほら。

120種類の苔が織りなす緑のじゅうたんは息を呑む美しさで、別世界のよう(このような場所は他に植物園ぐらいしかないのでは?)。ほのかに苔の香りも漂い、気温はそれほど高くなくても、歩いているとじんわりと汗ばんできて湿度の高さを感じます。見渡すかぎりのモスグリーンと池の水面に映る木々を背景に、カワセミがブルーの軌跡を描いて羽ばたいているのを目にしたときには、なんたる僥倖かとため息が漏れました。はるばる来た甲斐がありました。

御朱印(500円)は珍しい2ページ見開きスタイル。禅宗の開祖、達磨大師の精悍なお顔が描かれ、その隣に「本尊 阿弥陀佛」と書かれています。

施設の満足度

5.0

利用した際の同行者:
家族旅行
アクセス:
3.5
京都駅からバスで約1時間。参拝指定時間に間に合いそうもない場合は、タクシーで約40分。
人混みの少なさ:
4.5
事前申し込み制で参拝制限をしているだけあって、本堂内は混み合うが、庭園はゆっくり見て回れる。
バリアフリー:
4.0
膝を傷めていたため、本堂ではその旨を告げ、椅子席に座らせてもらった。ただし、椅子席の数は少ない。
見ごたえ:
5.0
120種類の苔が織りなす緑のじゅうたんと池に映る木々、そしてカワセミ。

クチコミ投稿日:2017/09/23

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