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「日本三大忍術伝書」のひとつ「正忍記」の作者が眠る寺

  • 4.0
  • 旅行時期:2014/02(約10年前)
yoshimune-kunさん

by yoshimune-kunさん(男性)

和歌山市 クチコミ:65件

和歌山市の「寺町通り」にあるこの寺には、名取三十郎正澄(なとり さんじゅうろう まさずみ)という人物の墓石があります。

「名取三十郎」と聞いてピンと来る人はまずいないと思いますが、この人物は江戸時代初期の紀州藩の軍学者で、「正忍記」という書物を書いたことで知られています。この書物は「紀州流」や「名取流」と呼ばれる和歌山の忍者に伝わる秘伝書で、伊賀・甲賀の「萬川集海」、伊賀の「忍秘伝」と並ぶ「日本三大忍術伝書」のひとつであると言われています。

この「正忍記」には、「古法十忍」と呼ばれる忍術の基本が10個並べられています。その基本とは、

1 音声忍(方言や声色をまねる)
2 順忍(無為無策を策とする)
3 無生法忍(混乱を起こして目的を果たす)
4 如幻忍(疾風迅雷の早業で事を行う)
5 如影忍(相手に影の如く伴う)
6 如焔忍(人心の隙を突く)
7 恕夢忍(夜陰に乗じて事を行う)
8 恕響忍(地の利を勘案して策を立てる)
9 如化忍(人心の動きに応じて臨機応変の策を練る)
10 如空忍(相手に気付かれないよう空と化す)

の10個です。2番目に挙げられているのが「無為無策を策とする」というのが面白いところですが、これで見る限り、荒唐無稽なものではなく、かなり現実的な秘伝であると言えるのではないでしょうか。

紀州藩と忍者との関わりで言えば、徳川吉宗公が八代将軍になった際に、紀州から呼び寄せた者達を「御庭番」と名付けて諜報活動に携わらせたという記録が残っています。「御庭番」と忍者とは役割が異なっていたと言われますが、上のような「正忍記」の精神が紀州藩士に受け継がれていたとすれば、彼らもやはり忍者だったと言えるのではないでしょうか。

実は、恵運寺に名取三十郎の墓石があることが判明したのは2012年6月のこと。同寺のブログで「名取家」という文字を目にしたイギリス人研究者からの問い合わせに応じて過去帳をもとに調査したところ、供養塔の中から墓石と位牌が発見されたというのです。

現在、同寺では「正忍記を読む会」を立ち上げて、正忍記の精神を現代に活かす取り組みを行っています。詳しくは同寺へお問い合わせ下さい。

施設の満足度

4.0

利用した際の同行者:
一人旅
アクセス:
3.0
人混みの少なさ:
3.0
バリアフリー:
3.0
見ごたえ:
3.0

クチコミ投稿日:2015/10/06

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