紀州徳川家初代藩主頼宣公が作成した人生訓
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- 旅行時期:2013/05(約13年前)
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by yoshimune-kunさん(男性)
和歌山市 クチコミ:65件
和歌山城の近くにある「あおい茶寮」という日本料理店の入り口に、「父母状の碑」という石碑があります。
これは、紀州徳川家初代藩主徳川頼宣公が書いた「父母状」と呼ばれる教訓状を記念したものです。
万治3年(1660年)、熊野で親殺しの罪を犯した者がいました。ところが、その者は反省もせずに「私が殺したのは他人ではなく自分の親だ。我が儘ばかり言って家の者も困り果てたので殺した。間違ったことはしていない。」と抗弁するばかり。これを知った紀州藩主徳川頼宣公は、「自らの罪が解らないまま処刑すべきではない」と言って、藩主お抱えの儒学者である李梅渓に命じて、この者を教え諭すように命じました。3年の年月を経て、ようやく自らの罪に気がついたその者は、自らの罪を悔い、刑を受けました。
この報告を受けた頼宣公は、「藩の教育に問題があった。彼一人の罪でない。私の不徳を恥じるのみだ。」と言い、自ら筆を取って教訓状を書き、これを李梅渓に清書させたものを藩内にくまなく配りました。これが「父母状」と呼ばれるものです。
父母状の内容は、
父母に孝行に
法度を守り
へりくたり
奢らすして
面々家職を勤
正直を本とすること
誰も存たる事なれとも
弥能相心得候様に
常々可申聞者也
というもので、現代文にすれば「父母に孝行し、法を守り、質素に、家業に勤め、正直に暮らすことは、誰でも知っていることではあるけれども、しっかりと心得るように常々言い聞かせなければならない」というような意味になります。
この教えは、広く人生訓として紀州藩に永く浸透し、市内には今でも園児にこの内容を暗唱させている幼稚園があります。
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4.0
- 利用した際の同行者:
- 一人旅
- アクセス:
- 4.0
- 和歌山城の近くです
- 人混みの少なさ:
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- バリアフリー:
- 3.0
- 見ごたえ:
- 3.0
クチコミ投稿日:2015/09/02
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