伝統の奇祭、川原湯温泉湯かけ祭り。
古くは源頼朝が発見したという、湯量豊富なかけ流しの高温のお湯を紅白に分かれたふんどし...
続きを読む姿の男衆が大寒の早朝に掛け合う、という変わった祭り。
八ツ場ダム建設計画でこれまでの会場が移転地に変わってしまうかもしれないということで行って来た。
川原湯温泉は八ツ場ダムの建設予定地だ。
人口減の時代、どう考えても関東の水需要の伸展が見込めないにも関わらず、60年以上前のダム計画に固執する国土交通省と自民党の作り出した八ツ場ダム。
このダムの水を使うのは、神奈川以外の関東住民だというが、ダムができるとしたら、上流から住んでいる人の排水(下水道は殆どの地域が無いし、できても接続していないのでは)及び、北軽井沢の別荘地と草津温泉と嬬恋のキャベツ畑の排水も入ってくるんですけど?
そんな水使いたくない。
地元の人は賛成の人もいるし、反対の人もいるという。
どちらかというと反対の立場なので家族で行ってみた。
前夜祭はお餅つきと甘酒の無料配布があり、誰でも楽しめる。
翌朝5時には始まるというので早く宿で就寝。
起きてかなりの厚着、宿から出かける。会場の王湯はすぐ目の前だ。
源氏の家紋、笹竜胆が入っている雰囲気のある共同浴場だ。
湯かけが始まる前には王湯の舞台で太鼓の儀式と巫女さんもいる神事。
厳かな雰囲気で伝統を感じさせる。
今年は3年ぶりに総大将というのが復活したらしく、紫のふんどしを締めていた。
総大将が宣言して掛け合い開始。
王湯の浴槽からふんどし姿の選手がタライでお湯を汲んできて敵方にかけまくる。
当然見物客にもかかり、あちこちで悲鳴が上がる。
濡れると非常に寒い(選手はもっと寒いのだろう)のだけど、縁起物だから我慢。
マスコミも数多く来ていたが、無遠慮に選手にマイクを向けていたので、他の選手に咎められお湯をかけられていた。これは神事なのだからインタビューしようとしたマスコミがマナー知らず。失礼である。
一時間近く掛け合った後、総大将の号令で皆一同に会し、釣り下がった紅白のくす玉にお湯をいっせいにかける。
中から鶏がでてきて、それを捕まえたほうが勝ちだと言う。
これは紅白どちらが勝ちかはあまり関係なくて、伝統ある川原湯温泉最大の行事だから、地域の子どもたちは必ず参加して、心の糧のようになっているお祭りなのだろう。
ここがダムに沈むなんて考えられないし、信じがたい。
湯かけ祭りはずっとこのままこの王湯で続けて欲しい。
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投稿日:2013/02/03