白神山地は、青森県の南西部から秋田県北西部にかけて広がる山地で、人の手が加えられていないブナの原生林からなる地域です。
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続きを読むその中でも特に林道などの整備がまったく行われていなかった中心地域と周辺の緩衝地域が1993年、法隆寺地域の仏教建造物、姫路城、屋久島と共に日本で最初に世界遺産に登録されました。
青森県側の面積はそのうち74%で、残る26%が秋田県側となります。
白神山地のブナ(漢字は「橅(木ヘンに無)」)の木は、その名の通り、椎茸栽培以外にはあまり役に立たない木であったために伐採を免れたと言われています。
ブナは沢山の小さな実を付けるために、果樹と同様に寿命が短く、寿命は200年ほどで、自然に放置して倒れたブナが他の樹木や生物の生存に欠かせない栄養分を供給しているそうです。
なので、白神山地のブナの原生林は樹齢の若いもの、大木、老木、倒壊し朽ちたものまであらゆる世代を見ることができます。
また原生林の中は、ブナだけでなく、カツラ、ハリギリ、アサダなどの大木も見ることができますが、名勝地のような美しい高山植物や雄大な景色が簡単に眺められる場所はあまり多くはありません。
眺望が良い場所や高山植物が咲いている場所に行くためには、それなりに苦労が必要です。
世界遺産の登録は、観光地であるからではなく、このような人の影響をほとんど受けていない原生的地区が広大に広がっている場所が世界的に珍しいためと言えます。
現在でも少しずつ隆起している地形で地盤が弱く、崖崩れが多発するため、林道をつくっても、すぐに不通になってしまうようです。
2011年10月にマンボウが訪れた「暗門の滝」は、一部の林道が崖崩れのため迂回して行く必要がありました。
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投稿日:2012/07/11