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問柳尋花 加賀紀行①山中温泉 鶴仙渓

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    旅行時期 2017/06/01 - 2017/06/03 (2017/06/10投稿

    今回の加賀紀行は金沢市内観光がメインになるのですが、敢えて金沢への交通アクセスの良くない山中温泉を宿泊地に選んだのにはそれなりの理由があります。
    山中温泉街に沿って流れる大聖寺川の渓谷にあるこおろぎ橋から黒谷橋に至る1.3kmの区間は鶴仙渓と称され、渓谷沿いには散策のための遊歩道が整備されています。北陸随一と称する渓谷美を誇る名所であり、四季折々の景観と砂岩の浸食によって立ち並ぶ奇岩怪石や3つの橋巡りが愉しめるマイナスイオン系のパワースポットでもあります。
    鶴仙渓の名は、明治時代の3筆のひとり、書家 日下部鳴鶴(くさかべ めいかく)が好んだ渓谷だったことに由来します。鳴鶴は、書の本場中国でも「東海の書聖」と称された文化人であり、山中温泉をこよなく愛した数多の文人墨客のひとりです。また、『おくのほそ道』の旅の途中、ここに立ち寄った松尾芭蕉も「行脚の楽しみここにあり」とことのほか気に入って9日も滞在しました。温泉の句をあまり残さず、温泉嫌いという説まであった芭蕉が魅了された謎解きも愉しいものです。渓谷の自然美と和の情緒が調和する静謐な空間は、まさに芭蕉が旅をしていた時代にタイムスリップしたかのようです。
    渓流のせせらぎに耳を傾け、山紫水明な景観に見惚れ、芭蕉のように心を研ぎ澄ます旅へ出かけてみませんか?
    山中温泉街、鶴仙渓のマップです。
    https://www.yamanaka-spa.or.jp/wp-content/themes/yamanaka/images/download/pdf/pamphlet1.pdf

    写真 56枚

    交通手段 : 
    • 現地移動 :  JR特急
    エリア:
    石川 | 山中温泉
    エリアの満足度:
    5.0
    • JR大阪駅 特急「サンダーバード」
      山中温泉の最寄り駅「JR加賀温泉駅」までは、特急「サンダーバード」を利用しました。
      大阪と金沢・和倉温泉・富山を結んでおり、大阪から加賀温泉駅までは2時間20分程で到着します。また、683系4000番台車は、1995年の運行開始以来初めてリニュアルされています。しかし北陸新幹線とのデザインの共通性は限定的です。何故なら、近畿圏との往来を更に増やしたいというJR西日本の思惑があり、北陸新幹線との共通性を強調せず、従来のデザインを踏襲したためです。2022年までに北陸新幹線は敦賀まで延伸されるため、恐らくフルモデルチェンジの照準をここに合わせていると思われます。
      因みに「サンダーバード (Thunder bird)」の名前は、アメリカ先住民族のスー族に伝わる神話に登場する雷光と雨を起こす巨大な鷲に似た空想上の鳥であり、これに由来しています。

    • 北琵琶湖
      車窓から眺める北琵琶湖周辺の穏やかな表情は、思わず身を乗り出してしまうほどです。流れゆく景色を愉しみながら寛げるのは、列車の旅の醍醐味ではないでしょうか?隣には「爆睡」中の方もおられますが、日頃の内助の功を思えば、これもカミさん孝行のひとつかもしれません。
      北琵琶湖と言えば、4月中旬に降雨による土砂崩れが発生し、桜の名所「海津大崎」の県道が通行止めになりました。現在もまだ解除に至っていないようです。琵琶湖を自転車で一周する「ビワイチ」のシーズン直撃ということもあり、関係者は気を揉まれたことでしょう。住民の方々の生活道路でもありますので、一日も早い復旧を願っております。

    • 加賀温泉駅
      まどろむ間もなく、加賀温泉駅に到着です。
      駅舎の背後に聳え立つのは観音院加賀寺の高さ73mもある巨大な黄金観音像です。抱えている子供のサイズは、奈良の大仏様と同じだそうですから、吃驚ポンです。バブル真っ只中の1987年、「関西のビル王」嶋中利男氏が280億円をかけて建設したテーマパーク「ユートピア加賀の郷」のランドマークとして建立したものです。バブル崩壊後は閑古鳥が鳴き、かの織田無道が住職になって僧侶との間で給与支払いを巡るトラブルが起こるなど、話題に事欠かない施設だったようです。現在は「加賀温泉豊星の湯」として営業していますが、多くの施設が半廃墟化しているようです。
      観音様を全面的にアピールし、故郷の町興しで錦を飾りたかったのでしょうが、天罰が下ったのかも?形態こそ異なれ、現在の成功者にこの類の方が多いのは、とても嘆かわしいことです。せめてこの巨大像が、後世への警鐘となってくれればと願ってやみません。

    • 山中温泉 かがり吉祥亭
      加賀温泉駅からホテルの送迎バスを利用し、25分程でホテル到着です。名前に偽りなく、本当に山の中にある温泉です。手前にある山代温泉とはランドスケープが雲泥の差です。
      さて、ホテル到着後は、早速、鶴仙渓散策に出発です。
      今回利用したホテルは、鶴仙渓散策のスタート地点「こおろぎ橋」から更に奥にあるため一般的なガイドにならないので、「ゆげ街道」沿いにある「かがり吉祥亭」から紹介いたします。

      難波 道頓堀で見慣れた巨大な「蟹の看板」がかかっています。一時は「セールス蟹」として大阪 天王寺など全国行脚も経験したそうです。
      商魂逞しい大阪では、「蟹看板」が酷似することが不正競争防止法違反に当たるとして、「かに道楽」の運営会社が「かに将軍」に対し使用差止めなどを求めた訴訟を起こし、結局、違反が判決で認められました。
      恐らく、この「蟹看板」は動く仕掛けがなされていなかったために事なきを得たのでしょう。

    • 山中温泉 鶴仙渓
      「鶴仙渓」の道標に従い「かがり吉祥亭」の先にある坂道を下って行くと、このように一面苔生した光景が現れます。年間を通じて雨の多い地域だと悟らせるものがあります。

    • 山中温泉 鶴仙渓 芭蕉の句碑
      岩不動の手前右側に芭蕉の「かゞり火に 河鹿や波の 下むせび」の句碑が立っています。
      こおろぎ橋上流の高瀬で、近くの里人が漁火で魚を追っている光景に出会ったことを詠んだものとされ、1898(明治31)年に建立された句碑ですが、研究家の間では「謎の句」と称されているものです。
      『卯辰集』(1691年刊)には、「山中十景 高瀬漁火 いさり火にかじかや波の下むせび 翁」とあります。高瀬の谷川で魚を獲るべく人々は漁火を焚いているが、カジカは波の下で人知れずむせぶように泣いて泳いでいるのだろうとの意です。しかし食される鰍(かじか)は鳴かず、綺麗な声で鳴く河鹿蛙は水中には居ません。確かにこの句は、とても謎めいています。
      芭蕉が山中を訪ねたのは秋ですので、季語は当然「鰍」です。「河鹿」は夏の季語ですから。鰍は、渓流に棲むハゼに似た硬骨魚です。鰍と河鹿を「かじか」で引っ掛け、後世に誤って「河鹿」とされたのでしょうか?もしそうであれば、読み手の思いにより、季節感が変わってしまうことになります。

    • 山中温泉 鶴仙渓 岩不動明王
      目の神様だそうです。
      中を覗くと、「この水は美味しくいただけます」と書かれています。調べてみると、ここの地下水の滴りは名水だそうです。
      不動明王は、諸悪を退治し、人々を苦難から救います。大日如来の変身仏で、人を救うには優しさだけでなくときには厳しく叱りたしなめることも必要です。故に愛の鞭的役割を果たすのが不動明王です。右手に剣、左手に羂索(けんさく)という縄を持ち、左眼を半眼、右眼は見開き、下歯で右の上唇を噛み口の両端に牙を剥いています。

    • 山中温泉 鶴仙渓
      大聖寺川の方を見やると、深い谷が織りなす陰影が若楓の美しさを際立たせ、心ときめかされます。

    • 山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋
      山中温泉のランドマーク的な存在として、よく旅行ガイドブックに掲載されている趣のある橋です。鶴仙渓の最上流に架けられた風雅な総檜造りの橋で、全長21m、幅4mあり、山中温泉を代表する景観です。江戸時代に大聖寺川に架けられたものを1990年にそのままの形で再現した橋で、四季折々の風情や日本情緒が感じられ、一年を通じて多くの観光客が訪れます。
      ここから眺める大聖寺川は、両岸を奇岩に囲まれ、自然そのものの景観を魅せてくれます。

    • 山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋
      さすがは大聖寺藩のお膝元、惜しげもなく九谷焼の陶板で作られた「蟋蟀橋の説明書」がさりげなく置かれています。山中は九谷焼発祥の地でもあります。
      「古九谷」は17世紀後半に突如焼かれるようになった豪放華麗な色絵磁器です。緑・黄・紫・藍・赤の五彩で上絵を着け、深みと重厚感があり、世界中で輝かしい金字塔を打ち立てました。その起源は、山中温泉上流の九谷村で良質の磁土が発見されたのをきっかけに、加賀藩支藩 大聖寺藩初代藩主 前田利治が家臣の後藤才次郎と田村権左衛門に窯を築かせたのが端緒です。こうして世界中で「日本最高の磁器」と絶賛される名陶が創出されました。
      しかし古九谷は僅か50年余りで歴史の表舞台から忽然と姿を消し、その後、復活するまでに100年以上の断絶を見ました。消滅の理由には次に挙げるように諸説あり未だに判っておらず、神秘的な「謎とロマンの焼き物」と称されています。
      1.原料の陶石がなくなった
      2.中心人物(後藤才次郎 )の死去
      3.大聖寺藩の財政が苦しくなった
      4.江戸幕府からの干渉と藩政の混乱
      5.伊万里焼の大量流入

    • 山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋
      橋の上から上流を見下ろします。所々に白い水しぶきを上げる浅瀬があり、橋の直下は流れが淀んで池のようにゆったりと波紋を広げています。これぞ渓谷美の神髄です。

      橋の名の由来は、かつて行路が極めて危なかったため「行路危(こうろぎ)」と称されたとも、秋の夜に鳴く「こおろぎの声」に由来するとも言われています。諸説あり、詳しいことは判っていないようですが、最近では「清ら木」から転じたというのが定説になっています。しかしどれも的を射ており、感心させられます。各人が、この地を訪れたシチュエーションに合わせて使い分ければよいと思います。
      因みに今から30年ほど前、TVドラマ『こおろぎ橋』の舞台になりました。山紫水明な「いで湯の里巡り」は、ここからスタートします。

    • 山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋
      橋から下流を見下ろします。
      楓が密集し、緑が目に鮮やかです。秋には、美しい錦絵巻を創り上げることでしょう。

    • 山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋
      水面を透かす青もみじがとても繊細で綺麗です。

    • 山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋
      川のせせらぎに耳を傾けながら、美しく苔生した緑の小径を歩くだけでも『おくのほそ道』の旅情を存分に味わうことができますが、渓流に架けられた3つの個性的な橋たちも見所のひとつです。

    • 山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋
      橋を渡り終えた左手に河岸へ降りることのできる石段があります。
      石段を下りると、そこは構造美が見事な橋を見上げことのできるビュースポットです。個人的には、ここからの眺めが鶴仙渓で一番綺麗だと思います。

    • 山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋
      橋の構造や姿も趣深いものがあります。
      このような立派な橋を江戸時代に架けるとは、さすが大聖寺藩です。

    • 山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋
      こうしたドラマチックな写真も撮れます。

    • 山中温泉 鶴仙渓 こおろぎ橋
      橋の下の淵は、神秘的な色を発し、おおらかにゆったりと流れています。
      「鶴仙渓ブルー」とでも命名しましょうか!?

    • 山中温泉 鶴仙渓
      河岸から橋の上まで戻り、そこから先にあるなだらかな坂道を登って行きます。暫くして分岐があり、そこを道標に従って左手に折れると鶴仙渓遊歩道へと導かれます。
      スタート地点の「こおろぎ橋」からゴールの「黒谷橋」までは、距離1.3Km、40分程の散策です。
      石段を下りながら振り返ると、塩梅よく苔生し、見事な緑のグラデーションを魅せています。

    • 山中温泉 鶴仙渓
      坂道を下ると大聖寺川の右岸に出ます。
      今から100年以上も前の1910年に整備されたという遊歩道は、太い根っこを道に張り出した杉や楓の木立の中を進んだり、苔生した石畳を進んだり、渓流のすぐ脇を進んだり、ただただ渓流の清らかなせせらぎに誘われて道が進みます。
      日常を離れた「心の洗濯」とは、言い得て妙です。

    • 山中温泉 鶴仙渓
      豊かな自然の中にしっとりと佇むこの鶴仙渓と温泉街に身を置けば、生涯「漂泊の思ひやまず」だった芭蕉が、何故この地に強く心惹かれ9日間も足を止めたのか、その答えが自然と見出せるのではないでしょうか。

    • 山中温泉 鶴仙渓 万寿岩(平岩)
      散歩道マップにある「万寿岩」がこれだと思われます。
      案内板はありませんが、地理的に大岩と言えるものはこれしか見当たりません。マップには、「川岸にある巨岩。芭蕉がここで、川を臨みながら宴を楽しんだとされる」とあります。ネットで調べてみましたが、何もヒットしません。

    • 山中温泉 鶴仙渓
      大聖寺川のせせらぎを借景に、若楓が陽光を浴びて輝いています。

    • 山中温泉 鶴仙渓 采石巌(さいせきがん)
      文政年間に、漢詩の第一人者 大窪詩仏によって中国の采石江辺に似ている事から命名されたと言う巨岩です。
      案内板には「目前の岩、さしたるものではないが、鶴仙渓の一名勝として讃られている。名づけて采石巌。文政年間詩人大窪詩仏によって命名さる。采石巌とは中国金陵の辺に在りし泊舟の小馬頭にして附近の景色采石江辺に似たるによって名づけられしものという」と書かれています。
      確かに仰せの通り、「さしたる岩ではない!」ような気がします。

    • 山中温泉 鶴仙渓
      白く糸を引くようなせせらぎが、初夏を実感させます。

    • 山中温泉 鶴仙渓 コアジサイ
      ひっそりと控え目に咲き、清楚ながら繊細な花です。また、爽やかな甘い芳香も特徴です。
      ユキノシタ科アジサイ属の落葉低木で、別名「シバアジサイ(柴紫陽花)」とも呼ばれます。日本固有種で、本州の関東地方以西、四国、九州に分布し、明るい林内や林縁などに自生します。
      アジサイは七変化と言われますが、この花も当初はこのように藤色ですが、やがて純白に変化していきます。
      名の由来は、装飾花を持たない小型の花序を付けるアジサイに因みます。別名「シバアジサイ(柴紫陽花)」は、山野の小雑木を表す柴を冠したアジサイに因みます。
      花言葉は、「忍耐強い愛」です。何となく頷けるものがあります。

    • 山中温泉 鶴仙渓
      川床の手前で河畔にでられる箇所があります。
      下流の上空には「あやとりはし」が架けられています。

    • 山中温泉 鶴仙渓
      上流を臨めばこの迫力です。

    • 山中温泉 鶴仙渓 不動滝
      大聖寺川に注ぐ落差5.6mの小さな滝です。
      不動滝と言うから、てっきり不動明王像が祀られているのかと思いきや、やさしげなお地蔵様ではありませんか!

    • 山中温泉 鶴仙渓 不動滝
      滝の落ち口の岩壁をくり抜いた祠に奉納されたお地蔵さまの姿に、ほっこりさせられます。

    • 山中温泉 鶴仙渓 不動滝
      川床と滝は、この距離感です。
      不動滝と渓谷の両方を満喫できるロケーションに設けられています。

    • 山中温泉 鶴仙渓 川床
      「あやとりはし」のやや上流、鶴仙渓遊歩道沿いに名物「川床」があります。渓谷を覆う深い緑、清らかな水の流れ、野鳥のさえずりといった風雅な情景が心身共に癒してくれること請け合いです。 川床では、メディアでも知られる山中温泉出身の「和の鉄人」道場六三郎氏のレシピによる「川床ロール」や「冷製抹茶しるこ」に舌鼓を打ちながら、豊かな自然美を愛でることができます。
      尚、山中温泉の旅館組合加盟旅館に宿泊される方は、フロントにある割引チケットの提示で席料100円引となります。席数が限られているため、タイミングが悪いと暫く待たされることになります。
      川床セット:大人600円、小学生500円 スイーツ+席料(加賀棒茶付き)

    • 山中温泉 鶴仙渓 川床
      緑一色の世界の中で、川床の傘の赤は目にも鮮やかです。

    • 山中温泉 鶴仙渓 あやとりはし
      斜めから見上げると遊園地の「ジェットコースター」を彷彿とさせます。

    • 山中温泉 鶴仙渓 道明地蔵と慈母観音
      道明ヶ淵の傍、石段の脇に安置されています。
      道明地蔵は、手を合わせると願い事が叶うと言われています。
      慈母観音は、子授かり、安産にご利益があるそうです。
      どちらも優しいお顔をなされています。

    • 山中温泉 鶴仙渓 オニヤンマ
      慈母観音の石垣に止まりました。4~5年間ヤゴですごし、6~7月にかけて羽化して成虫になるので、羽化したてのため羽根を休めているようです。
      トンボ目オニヤンマ科に分類されるトンボの一種で、日本最大のトンボとして知られています。
      飛行速度は時速70kmと日本昆虫界では最速級です。ギンヤンマの最高時速100kmに次ぐ速力を誇ります。また、顎も非常に強力で、人間の皮膚をも食いちぎるほど強靭なため、捕獲の際には注意が必要です。また、オオスズメバチやシオヤアブなど、昆虫界の名立たる殺し屋をも捕食する獰猛さです。
      オニヤンマに似たコオニヤンマ(キイロサナエ)との見分け方は、止まり方です。オニヤンマは、このように垂直方向に止まり、平止まり(水平方向)はしません。

    • 山中温泉 鶴仙渓 あやとりはし
      左の石積みは、橋脚の強度メンバー!?
      構造計算上、この位置に支えが必要とは思えませんが、かと言って誰かの悪戯とも思えません。もしかしたら、これもザインの一部なのかも?

    • 山中温泉 鶴仙渓 あやとりはし
      上流に架かる「こおろぎ橋」と下流の「黒谷橋」のほぼ中間に位置する全長95m程の歩行者専用橋です。
      草月流家元 勅使河原宏氏が「鶴仙渓を活ける」というコンセプトでデザインされ、龍がうねりを見せるようなユニークな形に、鮮やかなワインレッド色が目を惹き付け、強烈なインパクトを与えます。ワインレッドの色彩とS字形デザインの斬新さが周囲の景観と調和した様は絶景です。因みに渡り初めされたのは、女優の宮沢りえさんです。
      これだけ鉄骨をふんだんに組み合わせれば剛性があると思いきや、形が複雑で梁のほとんどがビジュアル重視なのですごく揺れてスリリングです。これも想定内なのでしょう。

    • 山中温泉 鶴仙渓 あやとりはし
      草月流は、伝統的な型に嵌ったスタイルを嫌って誕生した破流だそうです。創始者 勅使河原蒼風氏は、「花のピカソ」と称され、フランスの最高勲章 レジオンドヌールを受勲しています。宏氏はその2代目に当たります。『花伝書』が言う、「守・破・離」の「破」に相当すると思います。それ故にあまりの奇抜な意匠ゆえ、「温泉情緒に相応しくない」、「風景に馴染まない」との批判も根強いようです。世の常と言うか、変化に無条件に抵抗してしまうのが人間の性です。金沢駅のデザインしかり、エッフェル塔もしかりです。
      しかし新緑と紅紫色のあやとりはしとのコントラストはこの上なく美しく、緑一色の渓谷のアクセントになっていると思います。秋には紅葉とのグラデーションが魅了するのではないでしょうか?

    • 山中温泉 鶴仙渓 あやとりはし
      眼下に迫るのは、鶴仙渓の最深部「道明ヶ淵」です。道明ヶ淵は、『曽良旅日記』に芭蕉が立ち寄ったとあり、次のような説話が伝えられています。
      芭蕉は、腹痛を訴えた曽良の代役となった北枝と共に鶴仙渓巡りに出掛けました。芭蕉らは、自笑の案内で景勝地「道明ケ淵」に腰をおろし、自笑のユーモアに富んだ口調で話される伝説を愉しく聞いたことでしょう。
      「昔、道明という僧の娘が、この淵で水遊びをしていると蛟龍に襲われ、捕らえられてしまった。道明は、夜を待って横笛で龍を誘い出した。道明は、龍と格闘する間、不動明王に祈り続けました。やがて不動明王の金剛力が道明に乗り移り、龍を捕り押さえました。娘を取り戻した道明は、慈悲深く龍に淵に棲むことを許し、ここに不動明王を祀ったという」。
      この淵には今でも龍が棲むと言われ、「あやとりはし」から爛々と金色 に輝く龍の眼を見たという人も後を絶ちません。また、橋からこうして上流を眺めると、川の流れが龍が天翔ける姿を彷彿とさせます。数多の川石に洗われ白く糸を引く箇所は、龍の鱗を思わせます。更には、橋の上を歩くと少し揺れるので、まるで龍の背中にでも乗ったような気分が味わえます。これも設計意図だったのでしょうか?

    • 山中温泉 鶴仙渓 あやとりはし
      角度を変えて眺めると、上流の先に先ほどの川床が見られます。

    • 山中温泉 鶴仙渓 あやとりはし
      緑一色の渓谷美の中で、赤色の傘はよいアクセントになっています。

    • 山中温泉 鶴仙渓 あやとりはし
      下流は上流とは対照的に鏡のように鎮まった水面を呈しています。
      この変化も鶴仙渓の真骨頂と言えます。

    • 山中温泉 鶴仙渓 あやとりはし
      道明ヶ淵の少し下流に架けられた、小才橋です。
      鶴仙渓3橋には数えられていませんが、風趣のある佇まいを魅せる橋です。

    • 山中温泉 鶴仙渓 あやとりはし
      この「道明が渕」は、「おくの細道の景勝地」として石川県内で「那谷寺」に次いで、国指定された景勝地です。
      芭蕉が山中温泉に逗留して3日目のこと。芭蕉は、宿泊先の泉屋の当主 久米之助に、自分の俳号である「桃青」の桃の一字を与えて「桃妖」と名付けました。当時久米之助はまだ14歳でしたが、芭蕉はこの若き久米之助に、俳人としての大いなる可能性を見い出したのです。そして、芭蕉は鶴仙渓の中でも最も美しい場所の一つとされる「道明が淵」にて、次の句を詠みました。
      加賀山中桃妖に名をつけ給ひて「桃の木の 其葉ちらすな 秋の風」『泊船集』

    • 山中温泉 鶴仙渓 あやとりはし
      折り重なる若楓の陰影が印象的です。

    • 山中温泉 鶴仙渓 小才橋
      鶴仙渓の淀みに架かる小さな木橋ですが、一度崩壊してしまい、造り直したものだそうです。ご覧のように、この辺りの水面は水鏡のようです。この周辺には、「渓流の女王」の異名を持つヤマメが棲息しています。また、箱庭風の木橋が道明ヶ淵周辺の自然に見事に溶け込んでいます。
      川の流れも、時間も止まってしまった感じがします。

    • 山中温泉 鶴仙渓 シシガシラ
      木漏れ日に陰影をなす路傍に繁るシシガシラの表情がたまりません。
      シシガシラは、シダ植物門シシガシラ科ヒリュウシダ属の植物で、日本固有種です。獅子のたてがみに似ていることが、和名の由来です。
      シダ植物は、何故「羊歯」という漢字が充てられているのかご存知でしょうか?羊の歯に似ていることから生まれた熟語とも言われますが、異説もあります。シダに「歯朶」を充てることもあります。

    • 山中温泉 鶴仙渓
      対岸がすぐそこに迫り、その先には神仙を彷彿とさせる幻想的な情景が広がっています。

    • 山中温泉 鶴仙渓
      ヤマボウシの散った愕と勢いよく流れ下る水しぶきの白繋がりのコラボです。

    • 山中温泉 鶴仙渓 芭蕉堂
      1910(明治43)年に全国の俳人有志によって建立された、俳聖 松尾芭蕉を祀る御堂です。1954(昭和29)年に現在の場所に移築されています。芭蕉は、『おくの細道』で北国行脚の折りに山中温泉に立ち寄り、「山中や 菊は手折らじ 湯のにほい」と詠んで名湯ぶりを讃えました。中国の桃源郷、菊慈童の逸話を基に、「山中温泉に浸かれば、不老長寿の菊の露を飲まなくとも命が延びる心地がする」と絶賛し、この地に湧き出る湯の素晴らしさに感激する心地が感じられます。
      もう一句、「湯の名残 今宵は肌の 寒からむ」も知られています。芭蕉が山中温泉での9日間の逗留を終え、この地を去ることへの名残惜しさをこの句に込めています。
      この周辺の風景の美しさに芭蕉は、「行脚の楽しみここにあり」と手をたたいて喜んだと言われています。この黒谷橋周辺には逗留中に2度も訪れたそうです。

    • 山中温泉 鶴仙渓 芭蕉堂
      こちらも九谷焼の陶板に書かれた、芭蕉堂の由来を記した案内板です。

    • 山中温泉 鶴仙渓 芭蕉堂
      渓谷沿いに建ち、大聖寺川のせせらぎと木陰の雰囲気が相俟って、風情ある空間を構成しています。堂宇の脇には、桃妖(芭蕉が逗留した泉屋久米之助の俳号)の「紙鳶きれて 白根ヶ嶽を 行方かな」の句碑が添えられています。
      芭蕉堂の先には東山神社の鳥居が建ち、神社には山中漆器の神様が祀られています。

    • 山中温泉 鶴仙渓 芭蕉堂
      芭蕉堂は全国津々浦々に存在するため、扁額には敢えて「山中芭蕉堂」と書かれています。
      堂宇の中には、芭蕉の像が祀られています。遊歩道の途中にいくつも見られる芭蕉の句碑に足を止め、ここを歩いた芭蕉の旅心に同化してみるのも面白いかもしれません。

    • 山中温泉 鶴仙渓 黒谷橋
      最下流で大きな淵をなし、奇岩・名瀑に風趣を添える辺りを黒谷と呼び、そこに架けられたコンクリート・アーチ橋が黒谷橋です。この石橋は1935(昭和10)年に架けられたもので、全長36mあります。
      温泉から上がった芭蕉が真っ先に向かったのが、この黒谷橋だったそうです。橋の左の欄干には、黒い石に彫られた芭蕉の歌が刻まれています。句ではなく、芭蕉が一節歌いだしたとされる歌です。
      「此の川の黒谷橋ハ 絶景の地や 行脚の楽しひ こ爰にあり」。

    • 山中温泉 鶴仙渓 黒谷橋
      白を基調とした大正ロマン風の緩いアーチ型の重厚な石橋で、欄干と親柱には御影石を使用、床板は小石を洗い出すなど、工夫が凝らされています。
      それ以前には木造の橋が架けられており、芭蕉はじめ古くから多くの人がこの黒谷橋を渡って小松 那谷寺へと旅立ったと伝えられています。
      こおろぎ橋は「木」、あやとりはしは「鉄」、そして黒谷橋は「石」と、それぞれ個性を際立たせながら鶴仙渓の景観を彩っています。

      この続きは、問柳尋花 加賀紀行②山中温泉 街ある記でお届けいたします。

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