2014/10/15 - 2014/10/15
228位(同エリア988件中)
ひらしまさん
支倉常長らの慶長遣欧使節がスペインに到着して今年は400年。
彼らはなんと、太平洋を渡ってメキシコ経由でスペインに行ったんですね。日本の船が太平洋を渡ったのは勝海舟の咸臨丸が最初だとずっと思っていましたから、その250年も前に彼らは太平洋を渡っていたとは驚きでした。
その慶長遣欧使節団が到着したのがセビージャ。当時、植民地アメリカとの貿易港としてスペイン一の隆盛を誇っていました。
セビージャが広くヨーロッパで人気のある街だったことは、「フィガロの結婚」「セビリアの理髪師」「カルメン」という不朽の名作オペラたちの舞台として使われていることからもうかがえます。それでは、フィガロが、カルメンが生を謳歌した街を訪ねてみます。
第1日 ミュンヘン乗り継ぎバルセロナ着
第2日 バルセロナ
第3日 グラナダ
第4日 グラナダ
第5日 ネルハ
第6日 フリヒリアナ日帰り
第7日 タリファ
★第8日 セビージャ
第9日 マドリード
第10日 アビラ
第11日 マドリード発フランクフルト乗り継ぎ
第12日 羽田着
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宿のメリア・セビージャに着くと、うれしいことにスイートにアップグレードしてくれました。
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スタイリッシュで広々した洗面所です。
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バルコニーの向こうにはスペイン広場が見えます。
でも、今日はここでゆっくりとはせず、街に出かけます。 -
トラムの停留所で切符を買おうとしたのですが、機械の操作がよくわかりません。
妻が近くの男性に声をかけた時、ちょうどトラムがやってきました。
その男性はお金を受け取ると、我々を促してトラムに乗り込みます。
自分が持っている回数券を我々にくれるのかなと思ったのですが、手持ちのカードを車内の刻印機にタッチするものの、エラーの様子です。すると、バッグから別のカードを出してタッチ。またエラー。また別のカードでやはりエラー。結局あきらめた様子です。
ということは、我々はお金は彼に渡したけれど、無賃乗車状態?
使用済みのカードを何枚も持っているのも変な感じです。
でも、悪い人には見えないし、しょげてる感じが気の毒で、通じない英語とスペイン語でおしゃべりしたり、写真を撮らせてもらったりしたのですが…。
ヌエバ広場に着くと、彼は近くの女性に通訳を頼み「朝から何も食べていないのでお金をほしい」。
切符の件が???なのに応じることはできませんでした。 -
気をとり直して、雨のセビージャを歩き出します。
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アンダルシアらしい、イスラムの香り濃い建物です。いいですね。
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まずは腹ごしらえと、ヌエバ広場近くのEnrique Becerraにはいりました。
まだ1時半前なので、テーブル席は僕たちだけです。 -
タパスをいろいろ楽しみました。
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少量ずつ味わえるタパスは僕たちにはぴったりです。7品とカバで30ユーロ。
出る時にはカウンターもテーブルも満杯でした。 -
観光の最初はカテドラルから。
カテドラル入口には入場券を求める長い列が、雨の中続いていました。 -
ヨーロッパで3番目に大きい教会堂とのこと。
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15世紀レコンキスタの時代に建築が始まりました。
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16世紀には新大陸から収奪して船で運ばれてきた金銀がふんだんに使われたことでしょう。
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オレンジの中庭を通って出ます。
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広場から見るカテドラルは、雨空を背景に城のように武張って見え、そこにスペインらしさを感じます。
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でも、できれば青空を背景に見たかったな。
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サンタクルス街も雨のため入口だけ。
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グアダルキビル川べりに立つ黄金の塔。
13世紀イスラム時代の望楼で、対岸にあった銀の塔との間を鎖で結び、夜間はその鎖を水面まで上げて敵船の侵入を防いだそうです。 -
グアダルキビル川。写真はサンテルモ橋から上流を見たところです。
16世紀、マゼラン船団はここから5隻で出航し、西回りで3年かけて初の世界一周航海を果たしたものの、1隻だけになってここに戻ってきたのだそうです。
そして慶長遣欧使節団も、大西洋からこの川をさかのぼってセビージャにたどり着きました。 -
橋近くのマクドナルドで休憩するうちに雨がやんでくれました。
サンテルモ宮殿の前を通ってセビージャ大学に向かいます。 -
セビージャ大学の建物は元国営たばこ工場。そう、「カルメン」の舞台です。
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塀に、たばこ工場の銘板がはめ込まれています。
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重厚な門扉。
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内部も歴史を感じさせる造りでした。
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セビージャ観光の最後は、ホテルから見えていたスペイン広場です。
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一見宮殿のようですが、これは85年前、イベロアメリカ博というスペイン・ポルトガル語圏の国々の博覧会を開催した時に、スペイン館としてつくられたのです。
立派なものですねえ。
1929年といえば大恐慌の始まった年。
当時スペインは軍事独裁下にありましたが、2年後には国民がそれを倒し共和国を樹立しますから、この威容は軍事独裁の置き土産ということになりますね。 -
その後も、悲惨な内戦と長い軍事独裁を見てきたこの建物は、今は政府機関のオフィスとなっているそうです。
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壁にはスペイン各県を紹介するタイル画が飾られているのに、僕はうっかり見過ごしてしまいました。
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どこを撮っても絵になります。
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多くの映画のロケにも使われてきているそうです。
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水路のように長い池が広場を囲み、市民と旅行者に潤いをもたらしてくれます。
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広場の真ん中には大きな噴水。
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馬車に乗れば気分はスペイン女王。
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少しだけ青空が出てきました。
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磁器タイルの欄干がスペイン!
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外壁の装飾もスペイン!
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宿に近いからとあまり期待もせずに来たスペイン広場ですが、十分楽しませてくれました。
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近くのスーパーで食材を買って帰り、部屋のバルコニーで夕食にします。
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スペイン広場が次第に闇に包まれていきます。
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セビージャの雨のち曇りの一日を終え、胸に引っ掛かるのはトラムの彼のこと。
経済危機のスペインの一つの現実を見せてくれたできごとでした。
旅先での人とのふれあいは、いつも心地よいものばかりとは限らない、それも旅なのだと思いました。
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