2014/05/20 - 2014/05/20
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世界攻略者さん
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三重県の端にある熊野市は、他の三重県民から見ても秘境の地。鬼ヶ城だとか、長い海岸だとか、花火だとか。何だか楽しそうだけど、行ったことないからよくわからない。そんな食わず嫌いなそこのあなた! たった半日で楽しめる最強の熊野観光法、こっそり教えちゃいましょう。
** 情報は、2014年5月中旬のもの。
==クレージー紀伊半島 シリーズ一覧==
①最速の熊野古道 馬越峠編
http://4travel.jp/travelogue/10890170
②最速の熊野古道 松本峠編 <==
http://4travel.jp/travelogue/10891106
③最速の熊野古道 通り峠編
http://4travel.jp/travelogue/10890160
④大峰山 (執筆予定)
⑤飯福田寺 (執筆予定)
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[目次]
熊野古道巡り
アクセス
鬼ヶ城
松本峠
獅子岩
花の窟
熊野大花火大会
まとめ -
[熊野古道巡り]
一日かけて3つの熊野古道と周辺観光地を巡る「最速の熊野古道シリーズ」。パート1では、尾鷲の馬越峠と2つの山を攻略してきました。このパート2では、熊野市沿岸部にある松本峠とその周辺の見所を訪れます。
今回訪れる3つの観光スポット(鬼ヶ城+松本峠、獅子岩、花の窟)は、端から端まで歩いても、わずか3キロ。また、週末には、熊野駅とこれらの場所を結ぶバスが一日数便走っているため、街歩きも楽勝です。
地図: 黄色い点が、上から馬越峠、松本峠、通り峠。 -
[アクセス]
尾鷲から熊野へは、現在無料の高速道路が走っています。尾鷲市街地から南に2キロほど行った場所からスタートし、多数のトンネルを通りながら、直線的に熊野を目指します。高速ができる前は、大回りな42号線を通っていたため、かなり便利になりましたね。 -
[鬼ヶ城]
高速を走ること15分。終点の熊野で42号線に下りると、しばらく見なかった青い海が私を迎えてくれました。ここから次の目的地鬼ヶ城までは、わずか1キロの道のり。
道路標識に従い、鬼ヶ城センターへ。この鬼ヶ城(おにがじょう)というのは、荒波で岩が侵食された場所を歩く景勝地で、中国人あたりが好きそうな場所です。実際、日本人より訪問者数が多いんじゃ?ってほど中国や香港からの団体バスが何台もやってきます。 -
鬼ヶ城は、岬をぐるっとまわるようなルートを通るため、入り口が2つあります。メインは、鬼ヶ城センターや大型駐車場(写真)のある東口。この施設は、昨年(2013年8月)リニューアルオープンしたばかりで、土産物やレストランなどが充実しています。ちなみに、鬼ヶ城は入場料も駐車代も取りません。三重県南部の観光は、本当に金がかからんのです。
鬼ヶ城センター: http://onigajyo.mie.jp/ -
ところで話は変わりますが、この鬼ヶ城というキッチュな観光地も、実は世界遺産の一部。同じ岬に熊野古道があるからでしょうか。以前はせいぜい天然記念物とか名勝程度のアピールだったのが、いきなりの格上げです。宣伝用の旗も、「世遺」と中国人にアピールしたデザインになっていてナイスです(写真)。
さっそく遊歩道に入ろうとすると、入り口に通行禁止区間のお知らせが告知されていました。それによると、昨年9月に発生した台風被害のため、海側の半分以上の部分が通行禁止になっているとか。これは知りませんでした。 -
なので、実際に観光客が行けるのは、駐車場から200メートルくらいまで。その間にも印象的な形の岩は沢山あるので、中国人も不満はないでしょう。彼らは、記念撮影撮りに来ているだけですから。岩穴を通過し、さらに奥へと進みます。
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千畳敷を過ぎ、奥の木戸の後、道が右に曲がり始めたところで、進入禁止のロープが出てきました。でもね〜、私には行けそうな気がするんですよね。
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すぐ下の岩ではオジサンが呑気に釣りしてるし。団体客が去ったのを確認して、一気に強行突破開始です。この辺、私に迷いはありません。
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確かに、ところどころ柵が倒れてたり、最初からなかったりしますが、道幅は広いので問題ありません。遠足の中学生なら、間違いなく肝試しに押し合いへし合いするでしょうけど。
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木喰岩の後、1か所だけ道が崩壊。でも、最初から「岩場」と考えれば、普通に安全な道です。
進入禁止ロープが見えなくなったところで、ペースダウン。ここからは、のんびり歩かせてもらいます。この岸壁沿いに続く細い道こそが、鬼ヶ城のハイライト。それを見ずに帰っていくとは、実にもったいない話です。 -
その後、少し下りワニ岩の横を通過。もちろん、ワニの背中に乗れます。後で調べると、ここも人気の釣りスポットのようです。
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少し登った後、もうひとつの通行止め柵(矢印下)が登場。ここで、西側の公開部分に合流です。この辺りは、道を外れて自由に散策できるような地形をしています。例えば、写真上の岩の隙間には、「立入禁止」と書かれた階段を経て簡単に行けます。いくつもテントが張れそうな広いスペースで、危険でも何でもありませででした。
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さらに、その近くの岩の斜面を登り、隠れ家的な洞穴を発見。もし私が家出をした中学生ならば、ここで一晩野宿しちゃうでしょう。もし私が熊野詣をしに来たサドゥーなら、ここに住み込んで自炊したりしちゃうでしょう。
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最後、広々としたエリア(水谷、鬼の洗濯場)を通って、奇岩の並ぶのエリアを抜けていきます。こちら側も悪くないですね。現状では、ほとんどの人が東側しか見学しないみたいですが。
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そのまま遊歩道をぐるっと回ると、目の前に海岸線と波止場が見えてきます。この波止場も釣り客達に人気のスポット。鬼ヶ城と違い、高波のリスクがありません。行き方は、この遊歩道から下りるか、下の道路からロープ(矢印)伝いに登るかの二択。
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その後、遊歩道は弁天神社への分岐を経て、西側の入口に至ります。この時は、なんと「本日通行止め」というふざけた看板が立っていました。さっき人いたじゃん! 私の推測ですが、この鬼ヶ城は無料施設のため、修復工事の予算もなければ、監視員もいない。さらに、西側の入口は誰もアテンドしていないため、実質放置状態です。恐らく、以前荒天時に立てた警告がそのまま残されているのでしょう。
では、なぜ300円なり入場料を取って、修復にお金をかけないのでしょう。これも私の推測ですが、中で釣りをする地元民がいるから。そんな単純な理由なのだと思います。世界遺産なのに、このユルさがたまらない! -
[松本峠]
さて、私が今いるのは鬼ヶ城の西口。東口の方が観光客が多いため、同じ道を歩いて戻るのは、少々勇気がいります。では、どうすべきか。すぐ目の前に見えている42号線のトンネルは車しか通れない。そのため、別の歩行者用トンネルを通るか、熊野古道を歩いて峠越えするという2つの選択肢に限られます。
写真: 黄色 - 熊野古道、赤 - 鬼ヶ城跡ピクニックコース、ピンク - 鬼ヶ城遊歩道、青 - 歩行者用トンネル。 -
感覚的には、白い喫茶店を目指して42号線に上がっちゃいますが、東口に行くには、高架の下をくぐります。「鬼ヶ城東口はこちら」の案内表示にそって道を歩き、川沿いの集落を通過。最後に、歩行者用トンネルの前に出ます(写真)。ここで、トンネルに入らず右上に行くと、途中から松本峠に向かう熊野古道と合流します。
ただし、熊野古道としては、松本峠から東側の道の方が保存状態がいい。というわけで、トンネルで東口に抜けて、その後、熊野古道->松本峠->鬼ヶ城跡->観光センターと歩くルートを取ることにしました。少し遠回りだけど、これが最も洗練されているルートのはずです。 -
まずは、鬼ヶ城歩道トンネル(木本トンネル)を歩いて、東口に抜けます。全長500メートルのトンネルは、ヒンヤリしてて気持ちいい! 壁に埋め込まれたプレートによると、このトンネルは2003年、土木学会により「土木遺産」認定されたそうです。世界遺産認定の一年前の話です。
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トンネルを出た後、42号線を北へ。大泊海岸が見えた辺りで、道路左側に登り口が出てきます。標識的には、「近畿自然歩道」。そこが、松本峠へのスタートポイントになります。
この入口、尾鷲の馬越峠と比べ地味ですよね〜。かといって不人気古道というわけではなく、ウォーキング・ツアーの団体も見かけます。峠越えの後、七里御浜を歩いて、獅子岩、花の窟と繋げられるのが、このエリアの強いところです。
松本峠->花の窟ツアー 5000円
http://kumanokodo.info/hajimeteno.php?itemid=205 -
峠までは、石畳を敷き詰めた道が500メートルほど続いています。説明板によると、熊野古道の敷石は、江戸時代のものは自然石を使い、明治のものは加工した石が使われているのだとか。そのため、時代が古いほど石と石の隙間が広がります。
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7分ほどで松本峠に到着。これはちょっと物足りないかな。ここには、村人に人と間違われて銃で打たれた跡を残す地蔵(写真)があります。昔はこの対面にも茶屋がありました。私なら、この簡単な峠ではなく、青々とした海が望める海沿いの場所で休憩しますけどね。
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峠の後、熊野市街に下りずに、鬼ヶ城方面へと続くハイキングコースを左折。トンネルの真上を通過するあたりで、熊野市街が望める東屋が出てきます。少々森が邪魔ですが、恐らくここが鬼ヶ城エリアから海岸線を望む唯一のビューポイント。もしかすると、江戸時代には、この森が低くもっと見晴らしがよかったのかもしれません。
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さらにハイキングコースを進むと、最後に開けた草地が出てきます。これがいわゆる鬼ヶ城跡。鬼ヶ城というからには、実際大昔にこの場所に城塞があったのでしょう。
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草地の先端には「鬼の見晴らし台」と呼ばれる場所があり、海上に浮かぶ魔見ヶ島(マブリカ)が見下ろせます。遊歩道からも見えていたこの岩礁は、磯釣り客やダイバー達に人気です。
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この鬼ヶ城跡からの眺めは、なんといっても北東側の湾岸部分。鬼ヶ城の南西側はまっすぐな海岸線になっているため、一粒で二度美味しい熊野の海の眺めです。この後、鬼ヶ城センターに続く道を下りて、熊野古道+鬼ヶ城トレックの終了。この下り区間は桜で有名らしいので、4月に来れば花トレックも楽しめることでしょう。
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再度、歩行ルートをプロットするとこうなります。水色の点が、上から熊野古道入り口、松本峠、展望ポイント、鬼ヶ城センター、鬼の見晴らし台。センターからスタートして、赤・ピンクの線が鬼ヶ城遊歩道(赤が禁止区域)、青の線が、道路およびトンネル。黄色が熊野古道。黄緑が鬼ヶ城跡ハイキングコース。いつのまにか八の字描いてましたね。
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[獅子岩]
次のターゲットは、鬼ヶ城からも見えていた獅子岩(ししいわ)。鬼ヶ城と同じ「奇景」系の観光スポットです。鬼ヶ城センターから車を走らせ、トンネルを通過。2分もしないうちに、その姿が見えてきました。道路のすぐ逆側にはすき家があるので、すぐにわかるでしょう。ちなみに、北側からだと獅子には見えません。 -
そのまま獅子岩を通過して、300メートルほど先にある海岸沿いの駐車スペースに車を止めます。ここには10台以上駐車するスペースがあり、海水浴シーズンでもなければ、余裕で駐車できます。
気づいたのですが、この通り沿いには、いくつか興味深いお店が並んでいます。ホビーショップに熊野市青年の家(ユースホステル)。そして、なぜか韓国食品店もあります。 そういえば、この地方のアワビ漁は、主に韓国オモニの季節労働で成り立っていると聞いたことあります。 -
そんなことを考えながら歩き、獅子岩の展望ポイントに到着。この場所は喫茶店「山茶郷」の駐車場の端にあり、ここで記念撮影するのが、獅子岩観光のすべてです。
だから、この喫茶店に車を停めて、写真撮ってさっさと立ち去ればいいんです。でも私はわざわざ遠くに車を停めた。その理由は、来る時岩をチラ見した時点で、「これは登れる」と確信したからです。
写真: 高さ25メートル。熊野灘に向かって吠える獅子。 -
ところで、尾鷲・熊野の観光地には、いつも都合のいい所に、無料駐車場、もしくは暫く停めといても怒られないような駐車スペースがあります。この喫茶店といい、鬼ヶ城西口の喫茶店といい、海山の道の駅といい、キャンプINN海山といい..。「罰金1万円」とかの張り紙も見ないし、この辺りに県民性のようなものを感じます。
写真: 喫茶・山茶郷。世界遺産になったところで、すべて昔のまま。 -
駐車場から砂浜に降り、逆側から岩を見てみます。こちら側の斜度はだいたい40-45度。幸い岩質はすべりにくく、足を置ける窪みも沢山あります。しかも、多くの人がここを登ったであろうトレースがうっすらと残っています。
すぐ下にある「上部は風化が進み危険ですから、近寄らないように」の警告は無視して、さっそくアタック開始です。前半は窪みでステップを取りながらさくさく登り、後半は森の裏側もしくは平らな岩を直登します。
青い線 - 登りやすいルート。 -
私は最もわかりやすい直登を選択。窪みがほとんどないためやや滑りますが、頂上部分は広いので一気に行っても問題ありません。上部には、石碑のようなものが埋め込まれた跡があります。思ったより簡単でしたね。
一応、私も来る前に「獅子岩 登れる」で検索してみましたが、まともな情報は得られず。ですので、今回はぶっつけ勝負でした。その後、キーワードを変えて検索してみたところ、昔、地元の中学生がよく登っていたとの情報を得ました。私が熊野の若者なら、同級生にバカにされないためにも、一度は登っておくことでしょう。
写真: 北東側(鬼ヶ城側)の眺め -
こちらは南西側の眺め。喫茶店が小さく見えますね。あちらから見た獅子岩は大きく見えたのに。
写真: 青い点は、下から山茶郷、花の窟のある山 -
しかしながら、ワニの背といい、この獅子の頭といい、せっかくやんちゃぶりを発揮しているのに、それを写真に収める手段がないのが残念です。今度来るときは、カメラマン役を連れてくることにしましょう。それまでは例の合成写真で我慢しておきます。
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[花の窟]
続いて訪れるのは、鬼ヶ城や獅子岩とセットで観光されることの多い花の窟(いわや)神社。この神社は日本最古の神社といわれ、日本古来の神々が祀られています。
ご神体は、高さ45メートルの巨岩(磐座=いわくら)。その岩の頂上から境内の神木に太い藁縄が吊るされており、その縄を付け替える年二回の御縄掛け神事で有名です。 -
500メートルほど車を走らせ、付属の駐車場に駐車。土産物屋を通って神社の境内に向かいます。中に社殿などはなく、ご神体の巨岩とシンプルな拝所があるだけ。上に見えるは、長さ170メートルの藁縄。よく見ると、3本の縄旗がぶら下がってますね。境内からこれらの岩と縄を眺め、適当に記念撮影するのが、花の窟観光のすべて。神社訪問というのは、祭りでもなければ、たいていつまらないものです。
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でもちょっと待てよ! 御縄掛け行事の時は、縄をコントロールするために、白装束の男達があの岩の上で奮闘しています。とういことは、あの場所へ行く道がどこかにあるということ。さて、どこかな..。岩が見えている側にはそれらしいルートは見当たりません。
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試しに道路を歩いて岩の裏側に行ってみると、そこには別の駐車場があり、その先は民家になっています。駐車場と民家の間に気になる小道があるので、そこを進んでみると.. 山を囲う鉄柵にわざとらしい隙間が開いているではありませんか!
早速中に入り、山道を登っていきます。途中、電線ケーブルのようなものが木に結ばれており、それが道案内代わりになっています。 -
歩くこと5分。迷うことなく見晴らしのある場所に到達しました。そこには、岩があり、ロープのよう物があり、見覚えのある景色がある。ここが例の巨岩の上というのは、情況証拠から一目瞭然です。
垂れたロープ全体が見える場所まで身を乗り出して写真撮影。それから察するに、私が今ここにいるのは、海岸沿いを歩いている人には見えても、神社内の岩の手前にいる人には見えていないようです。逆に誰か気づいてくれ! -
引き上げられた縄は、この先にある二本の木に固定されています。よく見ると、藁縄ではなく金属製のワイヤー..。そう、縄の中にはワイヤーロープが入っていたのです。下から見える部分まではちゃんと縄で囲まれてますが、そこから先はご覧のように、ただのワイヤー。縄をかける境内の神木も電信柱のようだし。よく見ると、いろいろな場所で現代風なアレンジがされていますね。
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くどいようですが、私は「花の窟 登れる」と検索してからここにやってきました。でも、獅子岩同様、まともな情報は見つからず。出てくる画像も、すべて岩を下から眺めたものばかりです。しかし、この日の私はついていた。この岩のある山が、実は隠れた絶景ポイントであることを、次々と発見していくのです。
巨岩の後、道筋を示すカラーテープや電線ケーブルが、山のさらに上の方へと続いています。ただ、これがトリッキーで、頂上にある岩の南側を通って山を下るルートと、岩の裏側を通るルートに分かれます。眺めがあるのは、裏側ルートの方。 -
裏側ルートを進んでいくと、まずは北東側の海岸線が望める岩が出てきます。写真はそこからの眺め。遠くに獅子岩や鬼ヶ城が見えてますね。すぐ下を走るJRの線路が実にフォトジェニック。
おいおい、こんな絶景ポイントがあるなんて、観光パンフレットのどこにも書いてないぞ! 検索しても出てこないし。誰かの歌ではありませんが、大切なことは誰も教えてくれない。これが、人生の真実です。 -
更に歩いて、頂上にある岩の上へ。この付近からは、南西側がよく見えます。先ほどのロープの場所と違い、視界を遮る木々もなければ、市街地のさらに奥にある田園地帯までよく見えます。
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いや〜、遠方に伸びる海岸線が気持ちいい! ここまでずっとリアス式海岸だったのに、鬼ヶ城から新宮までは二十数キロに及ぶ長い砂浜が続きます。この海岸の名は七里御浜(しちりみはま)。浜街道とも呼ばれ、お伊勢帰りの巡礼者達は、この浜を歩いて新宮の速玉大社に向かいました。言ってみれば、これは海の熊野古道。
一般的には、七里御浜のビューポイントといえば、松本峠近くの東屋が有名です。そう、あの森で半分隠れた中途半端な眺めが。でも、どう考えてもここですよね〜。 -
市街地の両サイドが見渡せるこの場所は、ひょっとして熊野の中心か。それでは、熊野の中心で何か叫びましょう。熊野のみなさん、お元気ですかー。私は元気です。
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この頂上の岩のすぐ下に道案内のロープが見えており、そこから下山していきます。最初はマークがやや不明瞭ですが、民家が近づくにつれ道がはっきりしてきます。これ、どうやら津波の避難場所のようですね。
民家の後、線路を横断。最終的には登り口の駐車場から80メートルほど北にある道路に出ます。まとめると、裏の駐車場-巨岩の上-頂上の岩-津波避難場所-線路-裏の駐車場の少し北、と移動してきたわけです。 -
う〜ん、いい景色見せてもらいました。登れそうな場所には、とりあえず登ってみる。私がネパール・ヒマラヤで培った「各駅トレック」のコンセプトは、三重の田舎町でも健在です。
ところで、この神聖な山、勝手にのぼって良かったんですかね。帰宅後いろいろ調べてみると、綱を引っ張り上げる場所は女人禁制。だけど、隣の高い山は登っていいらしい。この山の名は、灯籠ヶ峰/燈籠ヶ峰/燈篭ヶ峯(とうろうがみね. 120m?)。山の名で検索すると、マニアックなツアーが2つ、そして一般人の旅行記が5-6件ほど見つかりました。知ってる人は知っている。でも、マイナーな存在であることは、間違いないようです。
写真: メインの駐車場から見たご神体の岩(右の点)と頂上の岩(左の点)。赤い点線 - 手前側が南側ルート。 -
[熊野大花火大会]
話は変わりますが、熊野といえば熊野大花火大会。お盆の時期に、向かいの七里御浜で盛大に行われます。これまで紹介してきた観光スポットも微妙に関わっており、鬼ヶ城では岩場からフィナーレの大仕掛けが爆破され、獅子岩はアマチュア・カメラマン達のお気に入りスポット(写真)。また、先ほど紹介した燈籠ヶ峰からは、遠いながらも面白い写真が撮れそうです。
熊野大花火大会:
http://kumanoshi-kankoukyoukai.info/tour/index.html -
花火が打ち上げられるのは、主に鬼ヶ城と獅子岩の間。一番見やすいのは堤防ですが、そこは企業や個人の観客席が設置されるので、残された下の砂浜エリアで熾烈な場所取り合戦が繰り広げられます。
それらの激戦区とは別に私が注目したのは、会場全体を見下ろすことができる背後の山。木本高校すぐ横にある華城山(はなじろやま,110m)です。山頂付近に鯉のぼり用ポールが設置された大きな岩があるので、すぐわかるでしょう。あそこから見る花火の絵、どんな感じなんでしょうね。さすがにこの特等席は地元の人もマークしてるでしょうけど、一度はチェックしておきたいものです。
地図: ピンクの線 - 花火打ち上げ場所(予想)。赤い点は、右から、鬼ヶ城、華城山、獅子岩、花の窟。 -
ただね〜、この花火大会は渋滞と混雑で有名なんですよね。近隣の民間駐車場が1日1万円だとか(公共は1000円)。この日だけは穏やかな熊野の人々も鬼になります。高速道路もできたし、オートバイなら何とかなるかな。いつの日か、まだ見ぬこの秘境の花火大会を攻略してみたいと思います。
写真: 鬼ヶ城センターに展示された三尺玉。 -
さて、大満足の熊野沿岸部観光を終え、次の目的地へと向かいます。花の窟近くのコンビニで食料を買い込み、いざ出発。この時間帯、自転車で下校する学生を何人か見かけました。ごく普通の素朴な学生で、他愛もない会話をしています。彼らは意識していないでしょうが、この風光明媚な土地で暮らすということは、ものすごく価値のあることです。鬼ヶ城も花の窟も、花火大会も海釣りスポットも、すべて徒歩や自転車で行けちゃうんだから。海も山もないのっぺりとした中規模都市に住む私からすれば、羨ましいかぎりです。
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[まとめ]
普通に回れば1時間で済む3つの観光スポット(鬼ヶ城、獅子岩、花の窟)に、3時間も使ってしまいました。それぞれにプラスアルファを求めた結果で、私は生来欲張りな人間なのかもしれません。
ひとつひとつ見ていくと、いずれも大したことのない観光地です。でもそれが空の青・熊野灘の青と合わさると、とても気持ちのいい観光地に変わります。この旅行記でも、半分以上の写真に海が写っています。だからこそ、熊野には晴天の日に訪れたい。いわゆる熊野古道シャトルバス(名古屋発、往復4800円)でやってくれば、滞在時間(3時間40分)中に、ちょうどいい感じで観光できるでしょう。かつては陸の孤島とまで呼ばれた熊野の町も、随分と身近になったものです。
[リンク集]
==国内旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/?dmos=dm&sort=when&view_mode=list
==海外旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&sort=when&view_mode=list
==国内登山==
日本名山大周遊の旅①奥穂高、②槍ヶ岳、③燕岳、④八ヶ岳、⑤北岳、⑥富士山
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10706064/
日本の凄すぎる紅葉登山①立山・室堂、②白馬岳・栂池、③駒ケ岳・千畳敷、④穂高・涸沢
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10717801/
屋久島と山ガール、そしてヤバすぎる雨の日①太鼓岩、②縄文杉、③宮之浦岳
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10690816/
SUNQパスで行く九州②普賢岳、③阿蘇山
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10718279//10718279/
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