2016/04/18 - 2016/04/19
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Weiwojingさん
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チェコ出身の建築家アントニン・レーモンド( 1888〜1976 ) は、戦前から戦後にかけて東京を中心に日本各地で教会、音楽堂、学校、個人住宅等500以上の様々な建築を手掛けた。
これまで東京や横浜にある彼の建築はかなり訪ねてきたが、高崎の建造物はまだ訪れたことがなかった。高崎には彼が設計した「群馬音楽センター」と「旧井上房一郎邸」の2箇所がある。
今回、群馬音楽センターで開催される群馬交響楽団( 略して以下群響とする )の2014年度オープニンコンサート・コンサートの案内をいただいたので、その出席とレーモンド建築の見学を兼ねて、高崎へ出掛けてみた。
■ 「群馬音楽センター」( http://www.takasaki-bs.jp/center/access.html )
群馬県高崎市高松町28-2
■ 「旧井上房一郎邸」(現高崎美術館内、「高崎哲学堂」として使用)
群馬県高崎市八島町110-27
- 旅行の満足度
- 4.5
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2014年度の群馬交響楽団のオープニング・コンサートに出席のために初めて高崎に出掛けた。会場は群馬楽センターで、開演が夕方6時半からということであったが、早めに着くように3時少し過ぎて到着した。
そこで当初の目的である会場の群馬音楽センターを見ることとした。この音楽センターはチェコの建築家アントニン・レーモンド( 1888〜1976 ) が設計したもので、1961年7月( 1959年10月着工 )に竣工したコンサートホールである。このホールは彼の戦後の大作とも言えるもので、意欲的に取り組んだ作品である。 -
群馬音楽センターの外観は一面ガラス張りで、モダンな印象を受ける。
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群馬音楽センター前に楽器の形をしたものがあるが、これは一体何なんだろうか。
近づいてよく見ると、これは電話ボツクスであった。コンサートホールの前にこのようなものがあるのは、高崎がいかにも音楽が盛んな都市かということを思わせられる。 -
しばらく音楽センターのホールを見学させていただいた。
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舞台では群響のリハーサルが行われていた。群響は1955年(昭和30 )このオーケストラをモデルにした『ここに泉あり』( 今井正監督 )という映画が制作されて、注目を浴びた楽団であった。
小生もこの映画を2回見たことがあり、大いに感銘を受けたことを覚えている。終戦から10年ほどしか経っていない混乱の時期に、このような映画と地方で音楽活動をする人々の姿に言い知れぬ勇気を得たものであった。 -
開演前の1階ロビーの様子である。
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2階ホワイエへ向う階段を上がった。階段の手すりがなかなか独特のデザインをしている。
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2階ホワイエにはレイモンドのデザインによる引き割り緞帳の下絵がそのまま残されている。ただ、実際の制作は石沢久夫である。
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この絵はキュビスム的な感じがする。
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音楽センターにはレーモンドを顕彰したギャラリー( 資料室 )があり、彼の業績や高崎とのかかわりなどが紹介されている。
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群響の音楽監督でもあり常任指揮者の大友直人氏がコンサート終了後にロビーに姿を見せ、今年1年の活動と取組を述べられ、そして地元の方々との交流の時を持たれた。
このような光景を見て入ると、群響が地元の方々と大変密接な関係を持ち、たくさんの愛好家に支えられていることを実感した。東京のオーケストラでこのような場面を見たことはなく、あの『ここに泉あり』の映画で見た精神が今でも脈々と流れているのを感じた( これは大げさだろうか )。中央のオーケストラに負けない実力とその力の源を見た思いがした。 -
翌日、高崎に残されたもう一つのレーモンドの作品を見学に出掛けた。旧井上房一郎邸である。
井上房一郎( 1898〜1993 )は、ブルーノ・タウトを高崎に招き、群馬交響楽団の創設に尽力した高崎出身の実業家であった。井上は親交のあったレーモンドの東京麻布の自邸に大変興味を覚え、焼失した家をそれに似せてレーモンドに依頼し、完成したのがこの家である。 -
ここが玄関で、この入口から内部に入る。ここはパティオになっていて、夏には外で寛ぐことが出来るようになっている。
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玄関を入り左側には寝室と和室がある。現在はテーブルが置かれていて、寝室としての機能はない。
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寝室脇の和室と前室が見える。
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ここは8帖の和室で、夫人が茶道の練習をするために設けられた。
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ロッキングチエアが前室に置かれている。なかなか気持ちよさそうである。
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前室前の廊下には大きな入れ物が置かれていますが、廊下はさらに奥までつながっていて、台所と浴室がある。
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こちらは居間で、レーモンドと妻のノエミ夫人がデザインした家具調度品がある。
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大きなストーブが居間の中央に置かれている。これはレーモンドの他の建築にも見られる形で、例えば彼の東京にあった自邸にも同じようなストーブがあった。
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居間の部分であるが、個人住宅としてはかなり広そうな感じである。
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夜の旧井上邸は障子を通して明りが外に漏れて、大変美しい。
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