「東海道五拾三次」を歩く　　二、品川 ～ 川崎

2014/04/26 - 2014/04/26

歌川広重の浮世絵「東海道五拾三次」に魅せられて、
広重が愛した道を、自分の足で歩いてみたくなった。

と書けば、なんとなく上質の旅行記のように感じるか。
本当のところは、２週間前に某テレビ番組に魅せられて、
ただ思いつきで始めてしまった企画でございます。

エリア 品川(東京)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• グルメ: 4.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: JRローカル 私鉄 徒歩

旧東海道の品川宿は、第一京浜から外れる。

江戸時代、道の左側は海だったらしいが、
埋め立てられてしまい、その名残は一切感じない。

東海道品川宿 名所・史跡

そろそろおなかがすいた。

「江戸」をテーマにしているので、
どうせなら、食も「江戸」にこだわりたい。

が、どうしても参鶏湯（サムゲタン）の魅力に負け、
ついつい韓国料理店に入ってしまった。
・・・仕方ない。

それにしても、主婦たちの会話には驚かされる。
「ドラえもんの秘密道具」から「歯医者さんの経営」まで
話のネタは、実に多岐にわたる。

しかし、
それぞれ話があまり膨らまないのはナゼ？

主婦の話に耳を傾けすぎて、
随分と休んでしまった。

一度休んでしまうと、
不思議なことに、足はより動かなくなる。

品海公園にたどり着く。
満腹感がジャマをして、つい通り過ぎてしまったが、
ここには、東海道ウォーカーご用達の「一里塚」がある。

肉眼では確認できなかったが、
偶然にも、写真にはしっかり写っている。

本陣（大名などが宿泊する建物）があった場所は、
今は、聖蹟（せいせき）公園となっている。

しかし、江戸らしさは微塵もない。

そのまま歩きつづけると、目黒川に突き当たる。

橋を渡らず、右へ行けば荏原神社。
奈良時代創建の由緒ある神社であるが、江戸じゃない。

荏原神社 寺・神社・教会

東海道といえば、松並木というイメージなのに、
残念ながら、これまで松並木を見ていない。

しかし、ここには何本か松が見られる。
宿場町などから寄贈されたものらしい。

ということは、
これから松並木を見られるかもということか？

目黒川を渡ってからというもの、
住宅ばかりが目立つようになって、
町の賑わい的なものが減った気がする。

ただ、
お休み処として開放している「松岡畳店」があるので、
行ってみることにしたのだが・・・

大正時代の建物がとても風情を感じて、
是非お休みさせたいただきたい気持ちはあったのだが、
如何せん、中で職人さんがガチ仕事をしている。

残念ながら、そこに入る勇気はない。

歳を重ねるたびに成長してきたつもりだが、
勇気のしぼみ具合はハンパない。
このまましぼんでしまうと、１０年後にはどうなることか。

からの〜　おっきいお地蔵さんである。

今度は「贈 太政大臣岩倉公御墓参拝道」と書かれた石碑を見つけてしまう。
岩倉具視様のお墓があるとなれば、寄り道せざるを得ない。
ちょっと遠いが、海晏寺（かいあんじ）を目指す。

が、結論から申し上げると、お墓を見つけられなかった。
なので、多くを語らない。

海晏寺 寺・神社・教会

再び旧東海道に戻る。

それなりに活気ある商店街なのだが、
とにかく、見どころがない。

あまりに見どころがないので、
「しながわ花海道」の案内板に誘われるがまま寄り道。

春だというのに、「しながわ花海道」とは名ばかりで、
見える景色は、黄昏るオッサンひとり。

たかがオッサンの後ろ姿ではあるが、
見どころないようには、幾分マシである。

しながわ花海道 自然・景勝地

やっぱり旧東海道に戻ってしまうと、
「泪橋」と呼ばれる浜川橋である。

江戸時代、この先に刑場があり、
この橋で罪人と家族たちが別れを告げた場所らしい。

女学生たちも、三角関係に別れを告げたようだ。

罪人が歩かされた道の先には、鈴ヶ森刑場跡。
そこで罪人たちはお仕置きをされたのである。

「お仕置き」というと、何となく軽い感じがするが、
生きたまま火あぶりや串刺し・・・
貧血でお倒れになる方もいるので、自粛。

鈴ヶ森刑場跡 名所・史跡

そして再び、色気ない第一京浜に合流してしまう。

２匹のシャチ前を通り過ぎると、
ここから本気で退屈な道がつづく。

しながわ水族館 動物園・水族館

一旦、退屈京浜を離れるが、

やっぱり退屈京浜に合流してしまう。

京急沿いで大規模工事が行われているので、
わざわざ退屈京浜を横切ってみると、
神社が破壊されてる光景が。

ナントカ珍百景に応募してみようか。

と、つまらないことを考えるぐらいの退屈さ。

そんなこんなで、梅屋敷跡に到着。
今となっては、池に水もはってもらえないような公園だが、
水戸光圀公が命名しただとか、徳川吉宗公が訪れただとか
肩書きだけはトップクラス。

梅の名所だったようだが、肝心な梅は枯れてしまったそうな。

梅屋敷跡 名所・史跡

いよいよ多摩川が近づいてきた。

川を越えれば、そこは神奈川県。
そして、川崎宿はもうすぐ。

しかし、今まで共に歩んできた退屈京浜は
今になって歩道がなくなる。

仕方ないので、脇道を進んでみるのだが、
「右・多摩川大橋、左・大師橋」
えっ、まっすぐは？？？

ありました、ありました。
階段がっ！！

橋からの景色。
果てしない開放感〜♪

退屈京浜とは大違い。

ここをまっす〜ぐ進めば、
神奈川県は川崎市に到着である。

橋を渡り切り、多摩川を眺める。

達成感はハンパない。

階段を下り、右折して、退屈京浜の下をくぐれば、
川崎宿に到着である。

時刻は１６時９分。
日本橋を出発してから既に８時間１０分。

さすがに足が痛い。

このまま神奈川宿を目指すこともできたが、
どうしても川崎大師に寄り道したい。

「大師道」と書かれた道を歩く。

ところで、ちょっと写真をご覧ください。
これはあるお寺さんの掲示板です。

なんとまぁ、お粗末な字面だこと。

それ以外は特に見どころもなく、
川崎大師駅に到着。

まったくもってご存じなかったが、
京急発祥の地らしい。

京急愛がなさすぎて、どうでもいいのだが。

駅からは「表参道」と書かれた門があるので、
こっからは地図がなくても大丈夫そう。

足は痛いけど、もうちょっと。

表参道にはお土産屋が連なる。
が、早くいかないと、お大師様が閉まってしまう。

先を急ぐことにする。

駅から遠くないはずなのに、
なかなかお大師様が見えてこない。

いつしかお土産屋も少なくなってるし、
何かがおかしい。

急いでスマホで現在地を確認。
ムムッ！
お大師様は、とっくのとうに通り過ぎてるではないかっ

シャンパンゴールドに包まれた道を戻る。

道を戻ること８分。
恐るべき事実を知らされた。

「川崎大師 入口 ⇒」

思いっきりわかりやすく書いてるじゃん！
しかも、矢印の方向は、いかにもお寺さんっぽい。

うまい言い訳が思いつかない。

矢印の方向に進むと、仲見世通りの入口があった。
その先には、念願のお大師様。

既にお土産屋さんは店を閉めようとしているが、
なんとか見学できそうなので、ついつい小走りしてしまう。

そして、１６時５２分にお大師様到着。

仲見世通り 名所・史跡

急いで来たものの、お大師様は通常営業中。
しかし、気になるポスターを見つけた。

「平成26年の大開帳　５月１日〜５月３１日」

今日は４月２７日。
あと４日待てば、ご開帳を見られたらしい。

お大師様も見たし、あとはそそくさと帰るだけ。

途中、創業３４０年程の日本料理「恵の本」に魅せられるのだが、
おなかの都合で、辞退。

終わり方としては実にスッキリしないが、
「東海道五拾三次」の旅、１日目はこれで終了である。

２日目があるかどうかは、知る由もない。

● 本日の反省 ●

ぴんぽんぱんぽぉ〜ん。

あまりに無計画なおまさんに連絡します。
旧東海道の踏破を目的とする旅だというのに、
そもそも道を間違えてしまうという大罪を犯しました。
次のことについて、反省してください。

(1) 「八ツ山橋」を渡るべきところで、「新八ツ山橋」を渡ってしまい、
　　それに気づいたのに、あなたは引き返しませんでした。

(2) 旧東海道で重要な「一里塚」を見逃しました。
　　あなたは旧東海道をなめているのでしょうか。

(3) あなたは軟弱なクセに、本を２冊も持ち歩き、
　　歩いている最中も「重い、重い」とぼやいておられました。
　　頭は使わないと意味がありません。

以上のことを反省し、次回の旅に活かしてください。

この旅行記へのコメント （8）

• 前日光さん 2014/11/04 10:05:28

  おま。さんでも。。。

  (_ _ )/ハンセイするんですねぇ〜〜(@_@)
  
  一里塚見逃し事件！
  （いいじゃありませんか！写真に写ってたし）
  
  黄昏れオヤジの後ろ姿、良い味出しています。
  
  泪橋の若者たち、三角関係にしては明るすぎる！
  
  川崎大師、夕方の光がイイ感じ。
  
  反省事項…犯した過ちを分析していて、よろしい。ただし次回に生かせるのかな？(^_-)
  
  
  前日光

  おま。さん からの返信 2014/11/06 12:31:27

  RE: おま。さんでも。。。

  生かせるのかな・・・？！
  
  反省するだけなら、サルでもできますからね。
  
  おま。

• 三昧さん 2014/07/30 00:00:44

  歩きですか？

  おま。さん、　今晩は！
  
  品川出身なんで、じっくり読ませて頂きました。
  歩きだとすると、結構歩かれましたね。お疲れ様です。

  おま。さん からの返信 2014/07/30 08:56:54

  RE: 歩きですか？

  ほほぅ、品川出身ですか。
  勝手ながら第三京浜あたりを歩かせていただきました。
  
  今まであまり行ったことありませんでしたが、
  見どころが多い場所で、歩いてて楽しかったです。
  旅行記では伝わらなかったかもしれませんが。
  
  東海道ウォークも
  日本橋を出発して、ようやく小田原に到着しました。
  余分な道も歩いたから、ざっと１００ｋｍぐらいでしょうか。
  
  お陰様で、体重も標準体重に戻りました。
  
  おま。

  三昧さん からの返信 2014/07/31 20:18:38

  RE: RE: 歩きですか？

  おま。さん、今晩は！
  > お陰様で、体重も標準体重に戻りました。
  羨ましい限りです。
  
  今秋か今冬までには今夏の北海道ツーリングをアップしますが（その間は釣りと、趣味の農業でアップするエネルギーがないもんで）、な〜んにしろ、今夏の北海道ツーリングは最初に居酒屋で本州では食べられない肴と酒を徹底的にリサーチし、そして、その近くに宿の手配をして、でもって昨年とは逆周りで殆ど昼飯を摂る時間も惜しんで一周したので、釧路、根室、稚内では毎晩一升空けてました。還暦過ぎたけど、結構楽しいです。なもんで、もともと小太りだったけど、更に今夏の北海道の写真は腹が、バイクで運転していても気になって。
  私も おま。さんを見習って、標準体重・・・・ち〜と無理かな？
  
  
  黒鯛釣師
  
  

  おま。さん からの返信 2014/08/01 09:25:11

  RE: RE: RE: 歩きですか？

  こちらこそ、羨ましい限りですよ〜
  趣味を満喫しまくってる感じが！！
  
  自分もそんな還暦を迎えたいです。
  
  おま。

• guizhiさん 2014/07/09 12:34:41

  guizhi日記に拍手ご感謝〜

  旧東海道を闊歩されているのですね。大拍手です〜

  おま。さん からの返信 2014/07/10 11:45:36

  RE: guizhi日記に拍手ご感謝〜

  大拍手、いただきました〜♪
  
  東京・日本橋から始まった東海道ウォークも
  ようやく小田原までたどり着きました。
  
  次はいよいよ箱根越え！です。
  楽しみでもあり、不安でもあり、不安でもある。
  
  おま。