2011/04/13 - 2011/04/14
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ナムチェ・バザールはクンブ地方最大の集落。シェルパ風情が漂う反面、リゾートタウンのような華やかさもあります。 ほとんどの旅行者は、高度順化のため、ナムチェやその近郊で2-3泊することになるはずです。ナムチェは便利で面白い街。ナムチェ近郊にもみどころが沢山あります。この旅行記では、それらを詳しく紹介していきたいと思います。二日間、決して退屈させません。
**情報は2011年春のもの。1ネパールルピー= 1.2円で計算。
== エベレスト・トレッキングのすすめ シリーズ一覧 ==
① 入門編 (ルート、費用、シーズン、高山病対策)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10581163/
② 準備編 (TIMS、ガイド、ポーター、装備、ガイドブック)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10581170/
③ ルクラからナムチェへ - 日本人の残した小さな宝物
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10597198/
④ ナムチェ・バザール 完全ガイド (シャンボチェ、ターメ) <==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10597202/
⑤ パノラマ王 チュクン・リへの道 (タンボチェ、ディンボチェ)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10597206/
⑥ カラパタール vs エベレスト・ベースキャンプ (ゴラクシェプ)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10597215/
⑦ 男の勲章 チョラパス越え (チョラ峠、ゾンラ)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10597226/
⑧ ゴーキョ街道の歩き方 (ゴーキョ・ピーク、マチェルモ、ポルツェ)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10597238/
⑨ 雑学編 (節約術、通信事情、自然、シェルパ族、ポーター)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10581179/
⑩ エベレストの見え方研究 (マウンテン・フライト、カラパタール)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10581184/
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[目次]
街の紹介 - 街の構造、ロッジ、メインストリート、ローカル店、食事
旅行者インフラ - インターネット、両替、洗濯、郵便
マーケット - チベタンマーケット、土曜マーケット
ナムチェ近郊 - 博物館、 滑走路、エベレストビュー、クムジュン、クンデ
ターメ - ターメへの道、発電所、ターメ、スーパー・シェルパ
まとめ -
[街の紹介 - 街の構造、ロッジ、メインストリート、ローカル店、食事]
まずは簡単に街の紹介から。
==街の構造==
ナムチェ(3440)はすり鉢状の土地に建物が寄せ集まってできた街。村の一番低い場所にマニ車とチョルテンがあり、そこを中心としてコの字型に並んだ建物が幾重に囲みます。写真右端(西)にある赤い屋根が村のゴンパ。写真の左側(東)の小山の上に、公園事務所、学校、博物館、軍の施設などがあります。かなりの高度差があるため、村の下から上まで登るだけでも疲れます。50以上のロッジがあり、村中にまんべんなく分布しています。
写真: 青い線 - 街のメインロード。黄色い点 - 左から、博物館、学校、チョルテン、ゴンパ。 -
==ロッジ==
ロッジの料金は、トイレ共同のツインで一泊200ルピー(240円)。クンブ地区では平均的な料金です。特にナムチェでは価格統一の取り決めがあるようで、どこも同じ値段です。でも、それは建前、庶民的そうなロッジを当たればディスカウントしてくれるところもあります。実際私は、トレッキング中大半の宿を100ルピー(120円)で泊まりました。その一方、トイレ・シャワー付きの高級な部屋が用意されたロッジもあります。多くが一泊15-30ドル程度。
室料以外にも、食事の料金、お湯の料金、充電料金、シャワーの料金などトータルの費用に影響する項目はたくさんあります。でも、細かく考えてもきりがないので、たいてい、窓からの景色と宿泊料金で決めてしまいます。ナムチェで言えば、私の場合タマセルクが望める村の西側が落ち着きます。 -
今回、私が泊まったのは、プモリ・ゲストハウス(写真中央)。宿200 -> 100, お湯1L 100 -> 50, 充電1H130 -> フル充電200、とディスカウントしまくりました。食事の値段もリーズナブルで、夕食には裏山で採れたワラビのおひたしをサービスしてもらいました。
コストはさておき、ここでのお気に入りは気さくなオーナー夫婦。キッチンにズカズカと入っていける気安さが魅力です。ちなみに息子さんは、エベレスト・ベースキャンプで監視員をしているそうです。 -
==メインストリート==
クンブ地区最大の街ということもあり、ナムチェのメインストリートには多くの店が並びます。一番多いのがスーパーとトレッキング用品店。共に品揃え豊富で、カトマンズと比べても引けをとりません。トレッキング・グッズはタメルより少し高め。スーパーの商品はかなり高めです。例を挙げるとこんな感じです。カッコの中がカトマンズの相場(ルピー)。
水1L 100ルピー= 120円 (10-20)
ペットボトルコーラ 150ルピー =180円 (45-50)
スニッカーズ 70-80ルピー = 90円 (55)
トイレットペーパー 70-150ルピー= 120円 (15-)
ベーカリーの菓子パン 100-250ルピー = 240円 (30-70)
ロッジよりは安い。でも、ネパールの物価を考えるとかなり割高です。これが、山を登っていくにつれ、さらに高くなっていくのだから頭の痛い話です。ストレスを貯めないためにも、ある種の割り切りが必要です。 -
カトマンズからの輸送費が上乗せされているるため、値段が高いのはあ程度仕方がありません。ドリンク類などかさばって重い商品ほど、割高な傾向があるようです。その中で、私がちょっと納得できないのが、薬の値段。軽い商品のはずなのに、カトマンズと比べかなり高めです。とはいえ、ナムチェ以降薬局はないので、買うならここしかありません。村の売店にも風邪薬程度なら置いてありますが、品揃えや店員の知識がまるで違います。
その他、有用そうな店としては、床屋、マッサージ店、歯医者さん、カメラ専門店など。カメラ関係は、現像だけでなく各種機材や使い捨てカメラ、バッテリー、メモリーカードなども売られています。 -
==ローカル店==
あまり知られていませんが、ナムチェに限って言えば、ある種の二重価格が存在します。メインストリートのスーパーと、現地人御用達の店では、相場が違うのです。メインストリートを東にずっと進むと、土曜マーケットが開かれる場所に出ます。その近辺にはローカルな茶屋や売店などが何軒かあります。
その中の店のひとつで値段を訊いてみると、水が70ルピー、コーラが100ルピー、トイレットペーパーが40ルピー、スニッカーズが70ルピー。と、スニッカーズ以外は3割ほど安く買えます。
写真: 左上が土曜マーケット会場に続く階段。中央に見えているのが携帯電話の修理屋。 -
==食事==
ヒマラヤの山小屋では、食事はロッジでとるという不文律があります。というのも、ロッジは室料ではなく割高な食事代で儲けを出すからです。一方、ナムチェにはピザやベーカリー(写真)、さらにはアイリッシュ・パブなど外食できるところがいくつかあります。まあ、夕食さえ沢山食べとけばとやかく言われないので、気分転換に外食するのもありです。とはいえ、値段は割高なためお金の節約にはなりません。 -
例外は、先に紹介した地元民向けエリアにある茶屋。ロッジよりは少し割安で、モモが1プレート100ルピー(120円)、ミルクティーが30ルピー(36円)。残念ながら、メニューの少なさが致命的で、主食類はあってもインスタントヌードルやチャウメン(やきそば)くらい。そして、例外なくロッジのほうが味が合うから、困ったものです。
写真: 典型的なローカル茶屋。チベット風ののれんを開けて中に入る。下の変なドアは牛よけか。 -
[旅行者インフラ - インターネット、両替、洗濯、郵便]
続いて旅行者用のインフラを見ていきます。
==インターネット==
メインストリート沿いにネット屋が多数あります。統一料金で、一分10ルピー(12円)。30分250ルピー(300円)。60分500ルピー(600円)。最近、ナムチェ全体をカバーするWiFiができたようで、ネット屋でWiFi用のIDを購入できます。料金はお店のものと同じ。
そうなるとロッジの自室でネットしたいところですが、電源の問題がつきまといます。部屋にはまずコンセントがありません。ロッジの食堂にはあるでしょうが有料です。そうなると、結局お店でネットしたほうがいいという結論に至ります。実用的なのはWiFi可能なスマートフォンあたりでしょうか。ナムチェには携帯電波が来てますが、3Gやネットサービスについては未確認です。 -
==両替==
銀行が1軒、私設両替所が2,3軒。レートは銀行がスプレッド3%前後でタメルの両替屋より少し悪い程度。両替所はドル・ユーロが5%前後。円のレートは適当に更新されているため、9%-14%とバラバラ。
その他、Visa/Masterカードからのキャッシュアドバンスを行うところが沢山あります。これは単にショッピング扱いでカードを処理して、現金を渡すもの。手数料は8%。カード会社内での為替処理(約2%)を加えると、だいたい10%程度の為替損になります。ナムチェでは、実際に店で何か買い物をしてカードで支払った場合も、この8%手数料は同じです。
仮に5000ルピー引き出す場合、5000 x 1.08 = 5400ルピーショッピングしたことにして処理され、現金5000ルピーを手渡されます。ナムチェ以降両替店はないので、手持ちの現金が少ない人はここで補給しておきましょう。 -
==洗濯==
ナムチェにはなぜか洗濯屋があります。3時間仕上げのマシーン・ウォッシュで、1アイテム50-100ルピー(60-120円)と割高です。現地の人達は、普通自分で手洗いするので、もしかすると、これがクンブ地方で唯一の洗濯機なのかもしれません。しかしながら、この店に客が入っているのを見たことがありません。そもそもナムチェは、これからトレッキングを始める人と、トレッキングをすでに終えたトレッカーが滞在する場所です。わざわざここで洗濯する必要性が見当たりません。カトマンズに帰れば一キロ50ルピー(60円)なんですから。
==郵便==
メインストリートから少し坂道を上がったところに、こじんまりとした郵便局があります。絵葉書+切手で60ルピー(72円)。試しに日本まで絵葉書を送ってみると、到着に3週間ほどかかりました。下手したら自分の方が先に日本に着いてしまいます。 -
[マーケット - チベタンマーケット、土曜マーケット]
==チベタン・マーケット==
きれいなお店が並ぶメインストリートとは別に、露店のマーケットもあります。いわゆるチベタンマーケットと呼ばれる常設市で、ちゃんとした店舗を持たずに営業しています。売り物は主に、衣類や靴、毛布などの生活用品。
その名が示す通り、彼らはチベットからの行商人。ヤクに商品を乗せて、標高5716mのナンパ・ラ峠をこえてはるばるやってきます。滞在中は簡易テントなどで自炊して生活し、シーズンが終わるとチベットに戻って行きます。商品は野ざらしのため、あまりきれいとはいえません。こんなの誰が買うの?と思っていたのですが、現地人やシェルパなどが安さにつられて買っていくようです。
写真: 現在のチベタン・マーケット。 -
以前はチョルテン近くにある空き地にシートをひいて活動していましたが、現在はメインストリートから10メートルほど下にある狭い通りに移っています。民家の一階倉庫や軒先を借りて営業しているため、青空マーケット風情はありませんが、安っぽさは健在です。
一体どれだけ安いんだ..。暇だったので、彼らの店を冷やかしに行ってきました。商品をよく見てみると、トレッキング用品店で売っているものと大差ないものもあります。偽ノースフェイスのウィンドストッパーを発見。上の店では2500ルピーの値がついてるものですが、ここの言い値は2000。買う気がなかったので、ダメもとで1000ルピー(1200円)を要求してみると、あっさりOK。そんな値段でどうやって利益を出しているのか、全く謎です。 -
==土曜マーケット==
ナムチェの名物といえるのが、毎週土曜日に開かれるサタデー・マーケット。場所は、水牛肉卸場手前の狭い段々スペースです(写真)。低地の商売人達が、この日のために品物を持ってナムチェまでやってきます。主な商品は、野菜、果物、副食品、日用品など。有名な市ですが、このためにスケジュールを合わせるほどたいしたものではありません。
市は早朝6時頃から始まり、午後には大半の商売人は荷物をまとめて帰ってしまいます。金曜日にフライングして商売を始める人もいます。このようなスケジュールのため、市を見るためには、金曜日にナムチェに泊まることが原則です。
写真: 土曜マーケットの様子。 -
私はこの市に対してある疑問を抱いていました。彼らは何日もかけてナムチェに来てるのに、半日だけ商売して帰ってしまいます。全く割にあわないのではないかと。しかし、現地人に話を聞くうちに、その疑問は解消されました。彼らはナムチェだけで商売している訳ではないのです。水曜日にルクラより低地の町、木曜にルクラで市をこなし、金曜日は丸一日かけてナムチェまで移動、そして土曜日の市に望むのです。こんな感じで、売り物は下流の村から何日もかけて運ばれてくるのでした。
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その理屈でも、まだ説明しきれない人達がいます。それは鍋やバケツなどの大物商品を売る金物屋のみなさん。商品が運び切れないほど多く、そしてほとんど売れていない.。正午を過ぎ、ほとんどの行商人が店じまいする中、いつまでも商品を並べて商いを続けています。一体やつらはいつ帰るんだ?と注目していると、夕方その謎が解けました。彼らは数人で手分けして商品を片付けを始めると、巨大な麻袋とネットに売り物をしまい、次々とマーケットを後にしていきました。
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さて、ここからが重要。彼らは山を下りるのではなく、ナムチェの中心部のほうに向かって行きます。後をつけてみると...チベタンマーケットへ行き、倉庫の一角に商品を預けるのでした。外見から察するに彼らはライなどの低地のネパール人。商品をナムチェに残してマーケットの日だけやってくるのか、それともチベタン・マーケットにも進出しているのか...。大変気になりますが、これ以上詮索しないことにしておきます。
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[ナムチェ近郊 - 博物館、 滑走路、エベレストビュー、クムジュン、クンデ]
続いてナムチェ近郊の見どころを紹介したいと思います。ほとんどのトレッカーはナムチェまたはその近郊の村で2-3泊して体を高度に慣らします。ただ街でじっとしているわけではなく、より高い場所へ日帰り旅行するのが一般的です。というわけなので、定番のシャンボチェ-クムジュン-クンデの3つの村を巡ってきたいと思います。
==博物館==
まずはナムチェの東側にある丘に登ります。ここにはサルガマータ国立公園の本部と博物館があります。博物館のパネル展示はかなり充実しており、一見の価値アリ。クンブ地区の自然や文化について学べます。この丘はエベレスト方面の見晴らしがよく、ナムチェから最も近い「エベレスト・ビューポイント」でもあります。
写真: 背後の3つのピークがクスムカングル(6373) -
==滑走路==
博物館を後にし、ナムチェの北側にある丘を登って行きます。丘の上は未舗装の滑走路になっており、ここから先の場所はシャンボチェとよばれています。この簡易空港施設は、エベレストビュー・ホテルへゲストを運ぶために建設されました。その後、定期便の運行も検討されましたが、ルクラやパクディンのロッジオーナーの猛反対に遭って計画は頓挫してしまいました。そうなると、ここを利用するのはヘリをチャーターできるお金持ちくらいです。最近では、テレビの取材で来た坂口憲二さんが、ヘリに乗ってルクラまで帰って行きました。 -
普段、この空港は人ではなく、物資の運搬に利用されています。具体的には、建築資材やガスボンベなどの大物物資です。ここまで運んでくれば、人口の多いナムチェやクムジュンへは丘を少し下るだけ済みます。
この空港でよく見かけるのが、写真のような大型ヘリ。お尻がパカッと開いて積んできた木材などを取り出します。代わりに空になったガスシリンダーをヘリに積みこみ、低地に戻ります。 -
サルガマータ国立公園内では、木の伐採が禁じられています。切っていいのは死んだ木や間引きしたものだけ。そのため、近くに手頃な森がない集落などでは、ケロシン・ストーブやガスボンベが必須になります。ここまでヘリで空輸されてきたガスボンベは、この先人力で各村まで運ばれ、火力が要るキッチンやホットシャワーに使われます。シリンダー一本7000ルピー(8400円。補充交換は5000ルピー)と決して安い買い物ではありませんが、背に腹は変えられません。
同様に、建築用の木材なども空輸されるため、クンブ地方の生活コストは思いの外高いものになってしまいます。 -
==エベレストビュー・ホテル==
空港見学はこれくらいにして、先に進みます。滑走路を左に見ながらさらに坂を登って行くと、再び平な場所に出ます。少し歩くと、パノラマホテル(写真)の辺りで視界が開け、エベレスト(矢印)やローツェが正面に見えてきます。そこから高級そうなロッジを2,3通過して、シャンボチェの端まで行ったところにあるのが、日本人が経営するエベレスト・ビュー・ホテルです。ナムチェ近辺では最も眺めがいいホテルとされています。
ところで、ルクラからナムチェ近郊あたりまでは高級ホテルが点在していて、お金持ちのニーズをある程度満たしてくれます。一番多いのがYeti Mountain Resortで、ルクラ、パクディン、ナムチェ、ターメ、コンデに展開しています。料金は100ドル前後。その中でも最高級にあたるのがこのエベレストビュー・ホテルで、一泊200ドルという話です。 -
10分ほど歩いてホテルに到着です。多くの旅行者は、高度順応を兼ねてナムチェからこのホテルを訪れます。お目当ては、ホテル内にある見晴らしのいいカフェ。とりあえず中に入り、一番安いジュースを注文します。レモンスカッシュが税込みで90ルピー(108円)。ところで、このカフェはそこそこ繁盛しているのですが、宿泊客らしき人を見たことがありません。他人事ならが経営は大丈夫なんでしょうか。
テラスからの眺めですが、当然エベレストが見えます。一番奥に見える雪山が、ヌプツェ-ローツェの南壁。その上に少し顔を覗かせているのがエベレストの頂上部分。右の尖った山がアマダブラム。さらには、タボチェやタマセルクも大きく見えます。全体のバランスはすばらしいのですが、エベレストが頭しか見えないというのが少し消化不良です。まあ、その不満は5日後にカラパタールを訪問することにより、解消されるわけですが...。ここからは、タンボチェ、パンボチェなど明日から歩いてゆくエベレスト街道の村々も見通せます。
写真: 黄色い点 - 左から、タボチェ、エベレスト、ローツェ、アマダブラム。 -
==クムジュン==
シャンボチェの後、ついでにクムジュン(3780)の村に寄って行きます。エベレストビューホテルからだと、玄関を出て右側に伸びる道を進むだけです。
このクムジュンと写真奥に見えるクンデの村は、チベットから来たシェルパ族が最初に定住した村と言われています。いわばクンブ地方の中心。家の屋根は緑色に統一され、ナムチェと比べのんびりしています。景色も抜群で、すぐ北側にあるクンビラ(5761)、西のコンデ、南のタマセルク、そして東のアマダブラムと、四方に雪山があります。ナムチェよりも340mほど高いため、ナムチェの後、こちらに宿泊するトレッカーもいます。 -
これといった見どころはありませんが、強いて言えば、地域の学校と村のゴンパ。ここにある高校は、60年代ヒラリー率いるヒマラヤン・トラストが最初に建てた学校です。彼の財団がクンブ地方で行った慈善事業は圧巻で、学校だけで27ヶ所、さらに複数の病院、橋や空港の建設、さらには奨学金など多岐にわたります。村の人々は、よっぽど感謝しているのか、校庭には立派な銅像が建っていました。
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一方のゴンパはイエティー(雪男)の頭蓋骨が保管されいることで知られています。ゴンパのスタッフに頼んで、キャビネットの中の頭蓋骨を見せてもらいました(写真)。はて、これは一体何でしょう。ほんとに雪男? 以前、この頭蓋骨の髪の毛を調べた学者がいたのですが、判定はニセモノ。何か他の動物のものだったようです。全く夢のない話です。同じようなブツは、ナムチェのゴンパでも見かけました。
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==クンデ==
クムジュンのメインロードを歩き続けると、いつのまにか隣町クンデの中に入って行きます。クムジュンより一回り小さな集落で、ここの見どころを挙げるすれば、クンデ病院(写真中央)とゴンパでしょうか(写真左上)。
この病院には、西洋人医師が常駐しており、クンブ地区で唯一施設の整った病院といえます。もしも高山病になったら是非クンデ・ホスピタルへ。外国人も受け付けていますが、診察料は一回50ドルと先進国並みです。その代わり、地元民にはタダ同然で医療サービスを提供するという仕組みになっています。 -
山の中腹に見えているゴンパに登ってみました。新しい建物を建設しているようで、労働者が近くの山からとってきた石を次々と運び込んでいます。いつも見てて思うのですが、チベット式の家屋は建てるのに非常に手間がかかります。基本的に壁は石を積み重ねて作るため、自然の石をいちいちノミのような道具で叩いて成形しなければいけないからです。レンガの家に例えると、そのレンガを一つづつ作っているような感じです。そのお陰、という訳ではありませんが、不揃いの石が並んだ壁は、どこか人の温かみが感じられます。
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私が個人的に一番フォトジェニックと感じる眺めが、クンデから見たクムジュンです。緑色の集落と、アマダブラムの雄大さがうまくマッチしています。
クンデの後、最短ルートを通ってナムチェに戻りました。近郊の村をぐるりと回る、充実のミニトレックでした。 -
[ターメ - ターメへの道、発電所、ターメ、スーパー・シェルパ]
==ターメへの道==
最後に、ターメ村(3820)を紹介したいと思います。ナムチェから12キロほど離れたこの集落も、高地順応に手頃なスポットです。ただし、往復6時間ほどかかるため、トレッカーの人気はいまひとつです。行き方は、ナムチェのゴンパの前にある道からスタート(青い線)。後は、川沿いに西に伸びる道をひたすら歩くだけです -
基本的にボテコシ川の北側を奥まで歩いて行きます。トレッキングのメインルートではないので、人通りは少なめ。こういう静かなトレックもたまにはいいものです。このルートは、他のエリアと比べて花や植物が豊かな印象を受けました。
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プルテ、テスチョ、ターモと順調に集落を通過していきます。途中、ゴンパなどもありますが、時間がないのでパス。
私が実際に行ったのは、トレッキングを終えてナムチェに帰って来た後。4月終盤で、ちょうどシャクナゲの花がいい感じで咲いていました(写真)。 -
==発電所==
サムデ(3580)の村を通過した後、道が2手にわかれます。一つはそのまま真っすぐ行く道。こちらが最短距離で、途中に岩の壁画があります。もう一つは川を渡って対岸に行く道。こちら側にはターメの水力発電所があります。発電所を一目見てみたかったので、橋を渡って対岸の道を進むことにします。発電所に着いてみると、そこにあるのは、ただの一階建ての建物でした(写真)。 -
ツアーグループがガイドの案内で中に入っていくのを発見。もちろん、この機会を逃すつもりはありません。私も後を追い、中を見学させてもらいます。内部には水力でグルグル回るタービンが二台。たったこれだけで、ターメ、ナムチェ、クムジュンなどの近郊の村々の電力を賄っているのです。
これらの設備はオーストリア政府の協力で作られました。どうもクンブ地区は援助のしがいがあるようで、いろんな国がこの地域の発展をサポートしています。ドゥードゥ・コシ川に架かる橋の多くはスイス人が建設しました。ナムチェの歯医者はアメリカの援助で始まりました。ペリチェの病院は日本の大学が、ナムチェの博物館はニュージーランドの協力で設立しました。挙げればキリがありません。 -
==ターメ==
発電所を後にし、小山の上の道を歩いた後、メインルートに合流。そして、ターメ(3820)に到着です。川沿いの静かな村で、景色も悪くありません。ロッジも何軒かあります。
このターメの後にも道は続き、ひとつはナンパ・ラ峠(5716)を越えてチベットへ向かいます。つまり、このターメ -> ナムチェの道は、彼らの先祖がやってきた道なのです。途中に集落が多いのもうなずけます。もうひとつは、途中、東に方向を変えレンジョラ峠(5360)を経てゴキョーに合流する道です。このトレッキング・ルートは徐々に人気が出始めていますが、ロッジが少ないため私的にはいまひとつです。
写真: 背後の山はテンカンポチェ(6500) -
さて、ターメに着いたはいいが何をすべきか..。裏の山腹にゴンパが見えてますが、ちょっと疲れてきたのでパス。エベレスト初登頂者 - テンジン・ノルゲイ・シェルパが幼少期に過ごした家をチェックした後、近くのロッジに入って昼飯を食べることにします。
写真: Everest Summiter Lodge -
==スーパーシェルパ==
宿の主人にランチの注文をした後、何気なくダイニングの壁を見ていると、何か変な違和感があるのに気づきました。全く同じ表彰状のようなものが、壁にいくつも貼られているのです。そして、そのすべてにGUINESSのロゴが印刷されています。ギネス? ひょっとして....。近づいて詳しく見てみると、やはりそれはギネスブック協会の認定証でした。賞状の内容は、「アパ・シェルパは何月何日に何回目のエベレスト登頂を果たしました。最多登頂回数であることを認定します。」
そう、このロッジは「スーパー・シェルパ」ことアパ・シェルパの実家なのでした。さっきの男性はアパの弟。シェルパ界の鉄人である彼は、毎年エベレスト登山隊に参加し、自身の持つギネス・レコードを更新し続けているのでした。2010年の時点で、20回。この春のシーズンもベースキャンプに来ており、私がネパールを去った後、21回目の登頂をニュースで知りました。 -
アパは現在51才。それが本業とはいえ、一年で登頂する機会はせいぜい1−2回。記録を作るには、高齢になっても登り続ける気力と、毎年確実に成功させる緻密さが要求されます。彼より身体能力の高いシェルパはいくらでもいますが、この記録を越えるのはかなり難しいでしょう。現在、十分に成功した彼は、子供らの教育のためアメリカに移住しています。
高収入の山岳シェルパを持つ家庭は、シェルパ界の勝ち組といえる存在です。彼らの中には、海外やカトマンズに家を持ち、登山シーズンだけ帰ってくる人もいます。特に、テンジン・ノルゲイを輩出したこのターメ村では、多くの若者が山岳シェルパを目指します。アパ・シェルパはそんな、ヒマラヤン・ドリームを体現した一人と言っていいでしょう。
写真: アパ・シェルパとアメリカに行っても民族服を着る奥さん。 -
[まとめ]
ここまでナムチェと近郊の村々を詳しく紹介してきました。いろいろ歩きまわった結果、すっかり高度に順応できたようです。体調は万全。買いたいものも買った。いよいよ明日からエベレスト街道を前進していきたいと思います。引き続き旅行記を御覧ください。 -
[リンク集]
==ネパール・トレッキング==
最速のアンナプルナ 全8作 (2009年秋)
http://4travel.jp/travelogue/10444950
エベレスト・トレッキングのすすめ 全10作 (2011年春)
http://4travel.jp/travelogue/10581163
ポカラ・ザ・トレック 全4作 (2013年春)
http://4travel.jp/travelogue/10759203
トレッキング装備購入ガイド 全2作
http://4travel.jp/travelogue/10571988
==ネパール旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&level1=1&level2=771&level3=&sort=when
==海外旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&sort=when&view_mode=list
==国内旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/?dmos=dm&sort=when&view_mode=list
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