2006/08/05 - 2006/08/05
761位(同エリア950件中)
わらさん
日本百名山を制覇しようなんて大それたこと、考える訳が無い。
なんたって俺、高所恐怖症だし。
日本百名山を制覇させられちゃうかも#2
2006/8/5 富士山
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「富士山行くよ」
ぶーが言った。
このまえ大山登ったばかりじゃないか。
ぶーはどうやら山に目覚めてしまったらしい。
「この時期しか登れないんだよ」
あまり乗り気でない俺にぶーが追い討ちをかける。
「日本人だったら富士山登んなきゃ」
ぶーの嫁・まるが無理やりな理由をねじ込んでくる。
この二人がこう言い出したらもう決まったようなものだ。
2006年8月6日。
富士山に登ることになった。
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
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-
前日の夜から5合目の駐車場に泊まって、朝早くに出発して昼過ぎには戻ってくる登山計画。
まるさん曰く、「なんか6時間ぐらいで登って帰ってこれるらしいよ。」だと。
じゃあ、さくっと登って温泉でも入って帰りますか。
だって俺、明日休日出勤だからあんまり遅くなりたくないし。
・
・
・
まるさんのうそつき -
リュックを背負い、駐車場を出発。
前回の大山の失敗を生かし、今回の装備は完璧!
○登山靴
○ストック
○合羽
○グローブ(手をついて登る場面もあるかもしれないからね)
○タオル
○ドリンク
○酸素
○ポン菓子
×頭ライト(昼過ぎに戻る予定だったら頭ライトは要らないでしょ)
もういっぱしの山男だな。 -
登山開始は五合目吉田口から。
朝五時に意気揚々と登山開始。
さぁ行きますか -
朝日がまぶしい。
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ジグザグ、ジグザグ
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ジグザグ、ジグザグ
-
途中岩場を登るような場面も。
手袋持ってきて大正解。 -
小さな子供もちらほら見かける。
がんばらねば。 -
空が少し近くなった?
-
持ってきた酸素を吸い、吸い登る。
高度が上がるにつれ酸素タイムも増え、なかなか思うように進まない。 -
七合目到着。
この時点で、、、10時過ぎ!?
もう予定ではとっくに頂上着いてる時間じゃね? -
まだまだ先は長い。
不安になってくる。 -
八合目到着、12時過ぎ。
この時点で一応聞いてみる。
「まだ登る?」
「登る。」
2人から力無くもはっきりした返事が返ってきた。 -
本八合目到着、14時。
今日中に下山しなければならないことを考えると、もう限界である。
もう一回聞いてみる。
「まだ登る?」
「登る。」
さっきよりも弱弱しい声で、しかしはっきりと、奴らが答える。
「だってここで降りちゃったら、また登りに来なくちゃいけないでしょ。
もう2度と登りたくない!」
こやつら、、、意地でも制覇する気だ。 -
九合目付近、15時ごろ。
頂上を目の前にして途中下山する親子とすれ違う。
息子は小学生ぐらいか?
「いいか、これは勇気ある撤退だ!」
・・・父親の言葉が心に響く。 -
疲労がピークとなり、仮眠を取る。
体はもうクタクタ、だけど、ただひたすら頂上を目指す。
もう下山のことは考えていない。 -
あ、あれは...
-
ついに登りきった。
頂上で迎えてくれている狛犬と鳥居を前にガッツポーズ!
頂上に着いてみると登ってよかったと思う。 -
-
頂上でおしるこをいただき、早々に下山を開始する。
明日は休日出勤。
今日中に帰らねばならない。
下山開始、17時。
既にあたりはうっすらと暗くなりはじめていた。 -
河口湖口への下山道をひたすら下る。
帰りの道は、足を着くと靴が埋まるくらい砂利が深く、しかも滑りやすい。
しかし、3人はその下り坂を結構なスピードで下っていく。
登りの遅さとは比べ物にならないくらいのスピードだ。
ぶー夫妻(特に嫁)は登りは遅いくせに、下りはめっぽう早い。
足のリーチの差だろうか?
しかし今、3人が急いで下山しているのには訳があった。
今回、昼過ぎには下山している予定だったため、3人ともライトを持ってきていないのである。
登山路には、途中にお店や休憩所などが多く見られた。
しかしこの下山路には、明かりを灯してくれそうな建物は全く存在しない。
またこんな時間から下山する登山者も、ほとんど見られない。
夜になったらどうなってしまうのだろう?
暗くなる前に少しでも下っておかなくては。
河口湖口の下山道には途中、須走口との分岐点がある。
急いで下っていた俺は誤って須走口へ向かってしまい、ぶーに呼び止められた。
貴重な時間を無駄にする。
そして、19時30分。
夜になり、何も見えなくなった。 -
あたりは真っ暗で、何も見えない。
仕方が無いので、携帯電話のバックライトをライト代わりにすることにした。
微かな灯りではあるが、何も無いよりはましである。
時間がたつとバックライトが消えるので、2つ折の携帯を開いたり、閉じたり、パカパカしながら進む。
しかし微かな灯りを頼りに下っているため、下山のスピードは極端に落ちていた。
途中足場が悪いところでは転びそうになりながら、少し急な下りでは手をつきながら、ゆっくりと這うように降りていく。
携帯の電池が最後までもてばいいが、、、
あたりにはもう他の下山者の姿は見られない。
暗がりの中、自分が本当に下山道を進んでいるのか不安になる。
「遭難するかもしれない。」
このとき本気でそう思った。
注)このときは写真なんか撮ってる余裕は無かったので、掲載写真はうちの庭で撮影した再現写真w -
下山開始から4時間ほど経った20時45分。
ようやく進行方向に明かりが見えた。
「帰ってこれたぁ。」
最後の力を振り絞り、明かりを目指して下っていく。
だが我々がゴールだと思ったそれは、六合目の明かりだった。
六合目から五合目の間は、緩い坂の歩きやすい道が続く。
登山道と合流しているため、道も登山者のライトで明るく照らされていた。
駐車場のある五合目までは、もうひと息。
しかし戻ってきたと思った分ショックも大きく、そのあとの五合目までの道のりは、途方もなく長く感じられた。
結局、駐車場に到着したのは22時過ぎ。
総登山時間17時間。
次の日、仕事にならなかったことは言うまでもなし。
もう富士山なんて2度と登らないぜ、ぶー。
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【今回の教訓】
・富士山には絶対ライトを持っていくべし!
・所要時間はあくまでも目安と考えるべし!
・次の日に仕事入れるべからす!
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