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日本百名山を制覇しようなんて大それたこと、考える訳が無い。<br />なんたって俺、高所恐怖症だし。<br /><br />日本百名山を制覇させられちゃうかも#2 <br />2006/8/5 富士山 <br /><br />---------------------------------------------------------<br /><br />「富士山行くよ」<br />ぶーが言った。<br />このまえ大山登ったばかりじゃないか。<br />ぶーはどうやら山に目覚めてしまったらしい。<br /><br />「この時期しか登れないんだよ」<br />あまり乗り気でない俺にぶーが追い討ちをかける。<br />「日本人だったら富士山登んなきゃ」<br />ぶーの嫁・まるが無理やりな理由をねじ込んでくる。<br />この二人がこう言い出したらもう決まったようなものだ。<br /><br />2006年8月6日。<br />富士山に登ることになった。<br />

日本百名山を制覇しよう#2 富士山

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2006/08/05 - 2006/08/05

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旅行記グループ 日本百名山を制覇しよう

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わら

わらさん

日本百名山を制覇しようなんて大それたこと、考える訳が無い。
なんたって俺、高所恐怖症だし。

日本百名山を制覇させられちゃうかも#2
2006/8/5 富士山

---------------------------------------------------------

「富士山行くよ」
ぶーが言った。
このまえ大山登ったばかりじゃないか。
ぶーはどうやら山に目覚めてしまったらしい。

「この時期しか登れないんだよ」
あまり乗り気でない俺にぶーが追い討ちをかける。
「日本人だったら富士山登んなきゃ」
ぶーの嫁・まるが無理やりな理由をねじ込んでくる。
この二人がこう言い出したらもう決まったようなものだ。

2006年8月6日。
富士山に登ることになった。

同行者
友人
一人あたり費用
1万円未満
交通手段
自家用車 徒歩

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  • 前日の夜から5合目の駐車場に泊まって、朝早くに出発して昼過ぎには戻ってくる登山計画。<br />まるさん曰く、「なんか6時間ぐらいで登って帰ってこれるらしいよ。」だと。<br />じゃあ、さくっと登って温泉でも入って帰りますか。<br />だって俺、明日休日出勤だからあんまり遅くなりたくないし。<br /><br /> ・<br /> ・<br /> ・<br /><br />まるさんのうそつき

    前日の夜から5合目の駐車場に泊まって、朝早くに出発して昼過ぎには戻ってくる登山計画。
    まるさん曰く、「なんか6時間ぐらいで登って帰ってこれるらしいよ。」だと。
    じゃあ、さくっと登って温泉でも入って帰りますか。
    だって俺、明日休日出勤だからあんまり遅くなりたくないし。

     ・
     ・
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    まるさんのうそつき

  • リュックを背負い、駐車場を出発。<br />前回の大山の失敗を生かし、今回の装備は完璧!<br /> ○登山靴<br /> ○ストック<br /> ○合羽<br /> ○グローブ(手をついて登る場面もあるかもしれないからね)<br /> ○タオル<br /> ○ドリンク<br /> ○酸素<br /> ○ポン菓子<br /> ×頭ライト(昼過ぎに戻る予定だったら頭ライトは要らないでしょ)<br /><br />もういっぱしの山男だな。<br />

    リュックを背負い、駐車場を出発。
    前回の大山の失敗を生かし、今回の装備は完璧!
     ○登山靴
     ○ストック
     ○合羽
     ○グローブ(手をついて登る場面もあるかもしれないからね)
     ○タオル
     ○ドリンク
     ○酸素
     ○ポン菓子
     ×頭ライト(昼過ぎに戻る予定だったら頭ライトは要らないでしょ)

    もういっぱしの山男だな。

  • 登山開始は五合目吉田口から。<br />朝五時に意気揚々と登山開始。<br /><br />さぁ行きますか

    登山開始は五合目吉田口から。
    朝五時に意気揚々と登山開始。

    さぁ行きますか

  • 朝日がまぶしい。<br />

    朝日がまぶしい。

  • ジグザグ、ジグザグ

    ジグザグ、ジグザグ

  • ジグザグ、ジグザグ

    ジグザグ、ジグザグ

  • 途中岩場を登るような場面も。<br />手袋持ってきて大正解。

    途中岩場を登るような場面も。
    手袋持ってきて大正解。

  • 小さな子供もちらほら見かける。<br />がんばらねば。

    小さな子供もちらほら見かける。
    がんばらねば。

  • 空が少し近くなった?

    空が少し近くなった?

  • 持ってきた酸素を吸い、吸い登る。<br />高度が上がるにつれ酸素タイムも増え、なかなか思うように進まない。<br /><br />

    持ってきた酸素を吸い、吸い登る。
    高度が上がるにつれ酸素タイムも増え、なかなか思うように進まない。

  • 七合目到着。<br />この時点で、、、10時過ぎ!?<br />もう予定ではとっくに頂上着いてる時間じゃね?

    七合目到着。
    この時点で、、、10時過ぎ!?
    もう予定ではとっくに頂上着いてる時間じゃね?

  • まだまだ先は長い。<br /><br />不安になってくる。

    まだまだ先は長い。

    不安になってくる。

  • 八合目到着、12時過ぎ。<br /><br />この時点で一応聞いてみる。<br />「まだ登る?」<br /><br />「登る。」<br />2人から力無くもはっきりした返事が返ってきた。<br />

    八合目到着、12時過ぎ。

    この時点で一応聞いてみる。
    「まだ登る?」

    「登る。」
    2人から力無くもはっきりした返事が返ってきた。

  • 本八合目到着、14時。<br /><br />今日中に下山しなければならないことを考えると、もう限界である。<br />もう一回聞いてみる。<br />「まだ登る?」<br /><br />「登る。」<br />さっきよりも弱弱しい声で、しかしはっきりと、奴らが答える。<br /><br />「だってここで降りちゃったら、また登りに来なくちゃいけないでしょ。<br />もう2度と登りたくない!」<br /><br />こやつら、、、意地でも制覇する気だ。<br />

    本八合目到着、14時。

    今日中に下山しなければならないことを考えると、もう限界である。
    もう一回聞いてみる。
    「まだ登る?」

    「登る。」
    さっきよりも弱弱しい声で、しかしはっきりと、奴らが答える。

    「だってここで降りちゃったら、また登りに来なくちゃいけないでしょ。
    もう2度と登りたくない!」

    こやつら、、、意地でも制覇する気だ。

  • 九合目付近、15時ごろ。<br /><br />頂上を目の前にして途中下山する親子とすれ違う。<br />息子は小学生ぐらいか?<br />「いいか、これは勇気ある撤退だ!」<br /><br />・・・父親の言葉が心に響く。

    九合目付近、15時ごろ。

    頂上を目の前にして途中下山する親子とすれ違う。
    息子は小学生ぐらいか?
    「いいか、これは勇気ある撤退だ!」

    ・・・父親の言葉が心に響く。

  • 疲労がピークとなり、仮眠を取る。<br />体はもうクタクタ、だけど、ただひたすら頂上を目指す。<br />もう下山のことは考えていない。

    疲労がピークとなり、仮眠を取る。
    体はもうクタクタ、だけど、ただひたすら頂上を目指す。
    もう下山のことは考えていない。

  • あ、あれは...

    あ、あれは...

  • ついに登りきった。<br />頂上で迎えてくれている狛犬と鳥居を前にガッツポーズ!<br /><br />頂上に着いてみると登ってよかったと思う。<br /><br />

    ついに登りきった。
    頂上で迎えてくれている狛犬と鳥居を前にガッツポーズ!

    頂上に着いてみると登ってよかったと思う。

  • 頂上でおしるこをいただき、早々に下山を開始する。<br />明日は休日出勤。<br />今日中に帰らねばならない。<br /><br />下山開始、17時。<br />既にあたりはうっすらと暗くなりはじめていた。

    頂上でおしるこをいただき、早々に下山を開始する。
    明日は休日出勤。
    今日中に帰らねばならない。

    下山開始、17時。
    既にあたりはうっすらと暗くなりはじめていた。

  • 河口湖口への下山道をひたすら下る。<br />帰りの道は、足を着くと靴が埋まるくらい砂利が深く、しかも滑りやすい。<br />しかし、3人はその下り坂を結構なスピードで下っていく。<br />登りの遅さとは比べ物にならないくらいのスピードだ。<br /><br />ぶー夫妻(特に嫁)は登りは遅いくせに、下りはめっぽう早い。<br />足のリーチの差だろうか?<br /><br />しかし今、3人が急いで下山しているのには訳があった。<br />今回、昼過ぎには下山している予定だったため、3人ともライトを持ってきていないのである。<br />登山路には、途中にお店や休憩所などが多く見られた。<br />しかしこの下山路には、明かりを灯してくれそうな建物は全く存在しない。<br />またこんな時間から下山する登山者も、ほとんど見られない。<br />夜になったらどうなってしまうのだろう?<br />暗くなる前に少しでも下っておかなくては。<br /><br /><br />河口湖口の下山道には途中、須走口との分岐点がある。<br />急いで下っていた俺は誤って須走口へ向かってしまい、ぶーに呼び止められた。<br />貴重な時間を無駄にする。<br /><br /><br />そして、19時30分。<br />夜になり、何も見えなくなった。<br />

    河口湖口への下山道をひたすら下る。
    帰りの道は、足を着くと靴が埋まるくらい砂利が深く、しかも滑りやすい。
    しかし、3人はその下り坂を結構なスピードで下っていく。
    登りの遅さとは比べ物にならないくらいのスピードだ。

    ぶー夫妻(特に嫁)は登りは遅いくせに、下りはめっぽう早い。
    足のリーチの差だろうか?

    しかし今、3人が急いで下山しているのには訳があった。
    今回、昼過ぎには下山している予定だったため、3人ともライトを持ってきていないのである。
    登山路には、途中にお店や休憩所などが多く見られた。
    しかしこの下山路には、明かりを灯してくれそうな建物は全く存在しない。
    またこんな時間から下山する登山者も、ほとんど見られない。
    夜になったらどうなってしまうのだろう?
    暗くなる前に少しでも下っておかなくては。


    河口湖口の下山道には途中、須走口との分岐点がある。
    急いで下っていた俺は誤って須走口へ向かってしまい、ぶーに呼び止められた。
    貴重な時間を無駄にする。


    そして、19時30分。
    夜になり、何も見えなくなった。

  • あたりは真っ暗で、何も見えない。<br />仕方が無いので、携帯電話のバックライトをライト代わりにすることにした。<br />微かな灯りではあるが、何も無いよりはましである。<br />時間がたつとバックライトが消えるので、2つ折の携帯を開いたり、閉じたり、パカパカしながら進む。<br /><br />しかし微かな灯りを頼りに下っているため、下山のスピードは極端に落ちていた。<br />途中足場が悪いところでは転びそうになりながら、少し急な下りでは手をつきながら、ゆっくりと這うように降りていく。<br />携帯の電池が最後までもてばいいが、、、<br /><br />あたりにはもう他の下山者の姿は見られない。<br />暗がりの中、自分が本当に下山道を進んでいるのか不安になる。<br />「遭難するかもしれない。」<br />このとき本気でそう思った。<br /><br /><br />注)このときは写真なんか撮ってる余裕は無かったので、掲載写真はうちの庭で撮影した再現写真w<br />

    あたりは真っ暗で、何も見えない。
    仕方が無いので、携帯電話のバックライトをライト代わりにすることにした。
    微かな灯りではあるが、何も無いよりはましである。
    時間がたつとバックライトが消えるので、2つ折の携帯を開いたり、閉じたり、パカパカしながら進む。

    しかし微かな灯りを頼りに下っているため、下山のスピードは極端に落ちていた。
    途中足場が悪いところでは転びそうになりながら、少し急な下りでは手をつきながら、ゆっくりと這うように降りていく。
    携帯の電池が最後までもてばいいが、、、

    あたりにはもう他の下山者の姿は見られない。
    暗がりの中、自分が本当に下山道を進んでいるのか不安になる。
    「遭難するかもしれない。」
    このとき本気でそう思った。


    注)このときは写真なんか撮ってる余裕は無かったので、掲載写真はうちの庭で撮影した再現写真w

  • 下山開始から4時間ほど経った20時45分。<br />ようやく進行方向に明かりが見えた。<br />「帰ってこれたぁ。」<br />最後の力を振り絞り、明かりを目指して下っていく。<br />だが我々がゴールだと思ったそれは、六合目の明かりだった。<br /><br />六合目から五合目の間は、緩い坂の歩きやすい道が続く。<br />登山道と合流しているため、道も登山者のライトで明るく照らされていた。<br />駐車場のある五合目までは、もうひと息。<br />しかし戻ってきたと思った分ショックも大きく、そのあとの五合目までの道のりは、途方もなく長く感じられた。<br /><br /><br />結局、駐車場に到着したのは22時過ぎ。<br />総登山時間17時間。<br /><br /><br />次の日、仕事にならなかったことは言うまでもなし。<br /><br /><br /><br />もう富士山なんて2度と登らないぜ、ぶー。<br /><br /><br />-----------------------------------------------<br />【今回の教訓】<br />・富士山には絶対ライトを持っていくべし!<br />・所要時間はあくまでも目安と考えるべし!<br />・次の日に仕事入れるべからす!

    下山開始から4時間ほど経った20時45分。
    ようやく進行方向に明かりが見えた。
    「帰ってこれたぁ。」
    最後の力を振り絞り、明かりを目指して下っていく。
    だが我々がゴールだと思ったそれは、六合目の明かりだった。

    六合目から五合目の間は、緩い坂の歩きやすい道が続く。
    登山道と合流しているため、道も登山者のライトで明るく照らされていた。
    駐車場のある五合目までは、もうひと息。
    しかし戻ってきたと思った分ショックも大きく、そのあとの五合目までの道のりは、途方もなく長く感じられた。


    結局、駐車場に到着したのは22時過ぎ。
    総登山時間17時間。


    次の日、仕事にならなかったことは言うまでもなし。



    もう富士山なんて2度と登らないぜ、ぶー。


    -----------------------------------------------
    【今回の教訓】
    ・富士山には絶対ライトを持っていくべし!
    ・所要時間はあくまでも目安と考えるべし!
    ・次の日に仕事入れるべからす!

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