2010/05/21 - 2010/05/23
157位(同エリア787件中)
ころっつさん
1年に1度出かける大学時代の友人との旅行。今は住む場所もバラバラなので、今年は金曜日の仕事終了後に、博多に集合し、夜行の船に乗って以前から一度訪れてみたかった五島列島に向かうことに。各自の仕事の都合により、土・日のみの休みで現地1泊という制約がある中、今回は下五島・福江島のみの訪問となりました。
日本におけるキリスト教に深いゆかりを持ち、教会群が世界遺産の候補ともなっている五島・福江島の自然と歴史を訪ねる旅です。
では第1弾スタート!
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- レンタカー JALグループ JR特急
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今回の五島・福江島への出発地は博多港。土・日しか休みがないので、時間を有効活用するため、金曜日の夜に仕事を終え、伊丹空港から最終のJAL福岡行きに搭乗。中州川端のラーメン一蘭で腹ごしらえを済まし、集合時間の午後11時前に歩いてフェリーターミナルに。
ここから野母商船の午後11時30分出港の五島行きフェリー「太古」に乗船します。今回はグリーン船室を予約してあるので、2等船室での快適な寝場所の確保は不要です。
一昨年に旅した対馬への夜行フェリーと同じ場所からの出発となります。 -
出港後、甲板で久しぶりの再会を祝し、持ちこんだアルコール類を飲みながら午前2時過ぎまで募る話をしてから就寝。グリーン船室は2段ベッドになった6人部屋となっており、いくつかある部屋はツアー客も乗っており、満室のようでした。
朝7時頃に目覚め、甲板に出ると予報どおりのあいにくの天候でしたが、もうすでに五島列島の海域に到達しており、島影を見ることができました。すでに上五島の島々に寄港してきており、この船の最終到着地が今回の旅の目的地である福江島となります。 -
福江港には予定どおり午前9時に入港。これまでの寄港地とは違い、五島の中心地・最大の都市であることは船上から見える島の建物で一目瞭然です。人口4万あまりの五島市の中心部ですが、それ以上の都会に感じます。
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下船後、ここまで運んでくれたフェリー太古を撮影。博多港から9時間30分の長旅でしたが、揺れることもなく非常に快適でした。何より時間が有効に使えるのがこの航路を利用するメリットです。
旅行社のツアー客や釣り客の利用が多いようです。 -
福江港から島を観光するために予約しているレンタカーの店までは、歩いて10分ほど。その前に朝食をとって腹ごしらえを…と思っていると、港近くの宝来軒という中華料理屋が開いていたので、入りました。
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長崎といえばちゃんぽん。
この店の看板にも大きく「ちゃんぽん」の文字があったので、早速550円のちゃんぽんを注文。
しばらくすると、浅めの皿に豚肉や竹輪がのった家庭的な感じのする一品が出てきました。お味はというと、太目のちゃんぽん麺に、濃厚なトンコツ風味の魚介スープで、魚介系の独特の臭みがありましたが、なかなかの美味でした。 -
店を出てふたたびレンタカー店へ歩いていると、福江港の入口にある石造りの立派な常夜灯が見えます。この常夜灯は江戸時代後期に建造され、当時は灯台のような役割を果たしていたようです。
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レンタカーを借りて20分ほど走り、まずは最初の目的地、島の北東部にある「堂崎天主堂」に向かいました。
江戸時代のキリスト教弾圧後、九州本土からの隠れキリシタンの受け入れを黙認した五島では、明治維新後にカトリックの活動拠点として建造されたのが、ここ堂崎天主堂です。 -
天主堂入口近くの民家に咲いていた赤い花。名前は知りませんが…、静かに信仰を守ってきたキリシタンのふるさとにふさわしい鮮やかだけど寂しげな咲き様です。
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堂崎天主堂に入場料として300円が必要です。
ここの聖堂は明治41年に建造された赤レンガ造りのゴシック様式の建物で、長崎県の指定文化財となっています。 -
天主堂を正面から見上げるように撮りました。内部には五島でのキリシタンの受難の歴史や天主堂設立後の布教活動の歴史を物語る資料が展示されています。内部の撮影は禁止となっています。
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続いて岐宿町の山間にある「楠原教会」を訪ねます。
畑に囲まれた場所に建つ楠原教会は堂崎天主堂と同じく、赤レンガ造りのゴシック様式の建物で、大正元年に完成しました。ここまで何とか持っていた天気でしたが、このあたりから雨が降ってきました。 -
白亜の教会の内部。白壁のこうもり型天井となっており、外光がふんだんに入ってくるような造りになっています。
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楠原教会から岐宿町の支所のある方面に戻ってくる途中に車で登れる城岳展望台があります。ここからは入り組んだ美しい海岸線を持つ白石湾が広がっていますが、残念ながら雨が降ってきて霞んできたので、眺望があまりききません。晴れていれば美しい眺望を堪能できるはずです。
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3つ目に訪れた教会は「水之浦教会」です。白亜の聖堂は昭和13年に完成したもので、集落を眼下に望む海辺の高台に建っています。
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真っ白な姿の教会はロマネスク・ゴシック・和風などさまざまな建築様式が複合した建物です。ちなみのこの建物は木造です。
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教会は外観の美しさもさることながら、内部の設計の美しさ、そして荘厳で引き締まった空気を醸し出す雰囲気…私は好きです。
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続いて4つ目に訪れた「三井楽教会」は島の北西部にあります。昭和46年建築と比較的に新しいこの教会の建物の特徴は、福江島内で集めたという貝殻を使ったモザイク壁画です。写真左側の建物の外壁を飾っています。
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三井楽教会からさらに西に向かうと福江島の北西端、東シナ海を眼前に迎える草原が広がる場所に到達します。淵ノ元のキリシタン墓地で、江戸時代に安住の地を求め、九州本土から五島に移住してきた住民、そしてその子孫の墓地となっているところです。晴れた日には、ここから東シナ海に沈んでいく美しい夕陽が見られるそうです。
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十字架の墓碑がキリスト教徒であることを示しています。墓地という厳かな場所ではありますが、エキゾチックな情景です。
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淵ノ元のすぐ近く、柏崎集落に建つ辞本涯の石碑。1200年以上前に遣唐使の日本側最後の寄港地となったのが、ここ柏崎でした。
空海が遣唐使を命がけの航海を讃え、出航を「本涯を辞す」と書物で記していることから、名付けられたのがこの辞本涯の碑です。石碑とともに、空海の石像も並んで建っています。 -
島西部にある高浜ビーチは、日本の渚百選にも選ばれている美しい砂浜です。高台からの展望は、雨が降りしきる悪い天気の中でもこの美しさ、遠浅の白く輝く砂浜と澄んだ水色の海は絶景です。
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高浜ビーチは五島を代表する海水浴場で、夏季には多くの人が訪れます。こんな美しい浜で、ぜひ一度は泳いでみたいものです。
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高浜から国道を南に向かってしばらく走るとあるのが、荒川温泉です。
五島を代表する温泉で、湯元となる豆谷旅館に内湯のみの日帰り温泉施設が併設されています。泉質は塩化物泉ということがあり、噴出口に備えてあるコップで飲用してみると、少しエグ味のある塩味が口の中に広がります。 -
入湯後、いよいよ福江島の最西端、大瀬崎断崖に向かいます。玉之浦に向かう県道から、つづら折の道に入り標高を稼いでいきます。
大瀬崎断崖は、下五島を代表する景観スポットで、高さ100m以上の海蝕断崖が続き、その先端には灯台が建っています。美しい夕陽のスポットとしても知られているのですが、激しい雨と標高が高くなってきたため、立ち込める霧で展望場所からは、雄大な景観がまったく見られませんでした。
この景観を見たくて福江島に来たといっても過言ではないのですが、残念です。再訪を誓い、泣く泣くこの場を後にします。 -
大瀬崎の近くにある「井持浦教会」が5つ目に訪問した教会です。玉之浦湾を見下ろす小高い丘の上にある教会は、五島で最初のロマネスク様式として建造されましたが、現在の建物は鉄筋コンクリート製のレンガ風タイル張りで、昭和の終りに完成した比較的に新しいものです。雨が降りしきる中、訪ねました。
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正面からの井持浦教会の聖堂。内部撮影は禁止でしたが、内部には入れるようなので見学させてもらおうとしたのですが、教会の関係者の方でしょうか、おばちゃんに「中に入らないでください。」とピシャリと言われました…。
宗教行事が行われてるならわかりますが…邪魔するつもりはないのに…。「静かにお入りください」という張り紙もありましたが、残念な思いです。 -
井持浦教会が有名なのは、日本で初めて作られたルルドの洞窟があるためです。ルルドとは南フランスにある町の名で、その地の洞窟で聖母マリアが少女の前に現れ、そこに湧き出た霊泉で難病が治るなどの奇跡が起きたという話に由来して、その後世界各地でこの洞窟を模倣し、マリア像をおさめたルルドが造られるようになってものです。井持浦のルルドは、信徒が五島各地の石を持ち寄り、造ったものです。
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雨が激しくなってきたので、今夜の宿である「五島コンコナ王国」に早目に入りました。福江島最大のリゾート施設で、施設内には宿泊施設のほか、真っ赤なお湯が特徴の鬼岳温泉やパットゴルフ場などのスポーツ設備も整っています。
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今回宿泊するのは、棟がそれぞれ独立している洋室タイプのコテージ。メゾネットタイプで定員6名の建物を3人で贅沢に使います。
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大雨洪水警報が九州各地に発令されるほどの激しい天候の中、少し離れた食事棟まで歩いて行く間に足下がずぶ濡れになりました。夕食で出てきたきらきら光る小皿の魚のお刺身は、五島沖で獲れた新鮮なキビナゴです。
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こちらは日本の三大うどんのひとつである「五島うどん」。遣唐使の時代に五島に伝わったといわれる手延うどんで、普通のうどんよりも細麺ですが、コシはしっかりとした味わいです。麺もさることながら、アゴと呼ばれるトビウオのあっさりとしていますが、味わいの深い出汁が絶品です。
次の日は少しでも天候が回復することを願いながら、寝床につきます。
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この旅行記へのコメント (4)
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- annakさん 2010/09/23 23:15:10
- 絶対に訪問してみたいところです
- ころっつさん今晩は、annakです。
五島福江島・・・・いいな〜
いい旅されていますね。
絶対にいつか行ってみたいお思っているところですので
とても参考になりました。ありがとうございます。
annak
- ころっつさん からの返信 2010/09/24 23:03:53
- RE: 絶対に訪問してみたいところです
- annakさん、こんばんは。
旅記にいつもご訪問いただき、ありがとうございます!
今回は大雨で、素晴らしい教会群を見ることはできましたが、福江島を代表する雄大な景観・大瀬崎断崖、そこから見る夕陽を楽しみに行ったのですが、夕陽はおろか、残念ながら展望台からは断崖の一部さえもまったく見えませんでした。近いうち(と言いながら、いつになるかわかりませんが…)に再訪したいなあ、と思っております。
福江の城下町のまちなみも雰囲気があってなかなかいいですので、annakさんも一度是非上陸してみてください。
ころっつ
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- 前日光さん 2010/09/23 15:06:45
- 福江島!
- こんにちは!
お久しぶりです。
いつも私のブログにご訪問いただきまして、ありがとうございます。
ところで五島列島福江島ですが、実は私の同行者の憧れの地なんですよ。
学生時代に行ったことがあるらしく、いつも福江島はよかったよかったと聞かされています。
昨年の隠岐行きも、最初は五島に行こうなんて言っていたのが、いつの間にか私のペースに巻き込まれ、隠岐も学生時代以来だなんて言いながら、結局五島行きがお流れになってしまったんです。
私もいつか行く日のために参考にさせていただきますね。
博多から夜行のフェリーで行くという手もあるんですね。
柏崎集落の辞本涯の石碑が印象的でした。
空海の像とも微妙にマッチしていますね。
生憎の天気だったようですが、それでも美しい青い海が見られるなんてスゴイです!
教会の優雅な姿にも、隠れキリシタンの悲劇がついてまわっているのですよね。
数々の教会の様子も見ることができました。
続きも楽しみにしています。
前日光
- ころっつさん からの返信 2010/09/24 22:56:36
- RE: 福江島!
- 前日光さん、こんばんは〜。本当にお久しぶりです。
いろんな事情がありまして、半年ほど休眠状態にありましたが、再開いたしましたので、あらためてよろしくお願いします!
前日光さんの旅記は、とても丁寧な内容なので参考にさせていただいております。
本土から隔絶された西海の地にある自然豊かでキリシタン文化が息づく五島は私もいつか行ってみたい…と焦がれていた地でした。
1年に1度行く学生時代の友人との旅行先として今回選んだのですが、仕事の都合で土・日しか休みがとれないため、島内1泊のプランで…ということで下五島・福江島だけの滞在となりました。しかも生憎の大雨…。再訪を誓いました。次は、由緒正しい教会が数多く残る上五島もぜひまわりたいと思っています。
同行の友人が某大手旅行社に勤務ということもあり、船便や宿で融通が利くということもあり、今回行くこととしました。時間と旅行代を節約するという点から、博多からの夜行船便の利用はベストだったと思います。
前日光さんもぜひ訪れてみてください。
それではまた!
ころっつ
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