2006/12/24 - 2006/12/27
2257位(同エリア4761件中)
huwaさん
金沢21世紀美術館。
ここは休館日に訪れても心地よいところです。
「まちに開かれた公園のような美術館」
というコンセプトで創られているので。
休館日にも一番外側のゾーンには自由に出入りできて、チェアで休憩しながら日なたぼっこができてしまうのです。
ガラス張りの円形で、表も裏もない建物。
出入り口も東西南北にあるのでどこから入ってもよく。
こんな冬晴れの日のお散歩にはぴったりです。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス JR特急 徒歩
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-
ではまず休館日にも楽しめる屋外作品をご紹介。
このラッパのような物体は、美術館の周りに全部で12本生えていて。
2本1組で、糸電話みたいにお話しできるようになっています。
でも、どれがどれとつながっているのかは、あれこれ試してみないとわかりません。
たぶん地元には、全部の組み合わせを把握している子どもがいるに違いない(笑)。
フローリアン・クラールというドイツの作家が「アリナのためのクランクフェルト」と題して作った作品。
アリナは作家の娘さんの名前です。
子どもたちが(大人も)遊べる作品がある美術館っていいですよね〜。 -
外周だけでなく、内部にも、ガラス張りの光庭がいくつも設けられていて、たっぷりと外光が取り込まれています。
設計は今をときめく建築ユニットSANAA(妹島和世+西島立衛)。 -
光だけじゃなく影も美しい。
うさぎの耳みたいなこの椅子もSANAAのデザイン。
ではここから、休館日にも楽しめるこの美術館のチェアコレクションをお目にかけます(笑)。 -
色とりどりにリズミカルに置かれているのは、
デンマークの建築家で家具デザイナーもあるアルネ・ヤコブセンの、スワンチェア。
お洒落ですよね〜。。
ここはアートライブラリー。 -
開館日の夜のライブラリー。
こんな雰囲気で、本の閲覧ができるのです。 -
こちらはレクチャーホール。
同じくヤコブセンの三本足のアントチェアがずら〜り。
かっこいい空間ですよね〜。。
四本足の白いアントチェアもライブラリーにありますよ。
そういえば、この美術館が出来た頃って、北欧デザインの家具が大ブームでしたっけ。。 -
こちらの透明チェアは、フィリップ・スタルクのデザインによるラ・マリーというチェア。
屋外にあったら誰かけつまずきそうですね(笑)。 -
まるでアート作品みたいだけど、座って休めますよ。
クッションもきいてます。
建物と同じくSANAAのデザイン。 -
SANAAのチェアが置かれた情報ラウンジ。
ガラスの向こうに見えているのはフェルナンド・ロメロの「ラッピング」という屋外作品です。
「ラッピング」も本来、子どもたちが中に入って遊べる作品なのですが、今は修復中で危ないから立入禁止になっていました。 -
屋外にもかわいいチェア。
隣り合って座ってお話ししたくなる並び方ですよね。
これもSANAAのデザイン。 -
加賀友禅をひき写したマイケル・リンの壁画「市民ギャラリー」。
その前には、SANAAによるロッキング・チェアがコラボレートされています。
あ、ここは休館日には座れないゾーンだったかも。(無料ゾーンではあるんですけど)
揺れる椅子なので、とっても癒されちゃいます。 -
でもって、そこに座って揺れながら鑑賞できるのが、
ヤン・ファーブルの「雲を測る男」というブロンズ彫刻(左上)と、パトリック・ブランの「緑の橋」(右)。
「雲を測る男」は美術館の屋上に載っかっていて、外からもちらっと見えています。
日がな一日こうして雲を測っているんですね〜。
低層の建物なのに、屋上という場所の気持ちよさを深々と呼吸させてくれる作品です。
「緑の橋」は70種類の植物で覆われていて、光の当たる部分、当たらない部分にそれぞれ適応する植物が植えられているそうです。生きている橋なんだ〜。。 -
その「緑の橋」に向かってくぐり抜けていくガラスの通路。
アート鑑賞にちょっと疲れた神経をほぐしてくれる移動のための空間。 -
その手前に。
休館日なのに、有料ゾーンの展示作品が一部見えています。
市民サービスかしら?
向こうのサッカーボールの犬みたいなのは、「はたらけはたらけ」。
手前の洗濯かごは、「Typical Japanese English」。
あの赤いシャツの襟元から中をのぞきこまないと鑑賞したことにはならないんですけど。
どちらも木村太陽というアーティストの作品です。 -
美術館の庭にプールがある!
もちろんこれもアート作品です。
レアンドロ・エルリッヒ「スイミング・プール」。 -
開館日にはこんな感じで人がたくさんのぞき込んでいます。
何が見えるのかというと、 -
深い水の底に人がいる!(笑)
有料ゾーンに入ったら、あの水の底で遊ぶことができます。 -
で、こちらが水の底から見た風景。
作家が幼いころに溺れかけて、そのとき見た空が美しかった…という体験から生まれた作品なのだそうです。
確かに、揺れる水ごしに眺める空や雲や木や建物はとってもきれいで、いつまでも見飽きません。
でも溺れかけているのに風景に見とれちゃうなんて、アーティストになる人はやっぱり感性が違いますね(笑)。 -
もう一つ、永久設置されているのが、ジェームズ・タレル「ブルー・プラネット・スカイ」。
こちらも見上げる作品。
天井に開いた穴から空を見るのです。
直島にも、越後妻有にも、同じ作家の同じ作品がありますけど、この金沢のが一番大きい。
その分、部屋の中で発せられる声の反響も、一番大きくて…。
私語を禁じられているわけでもないのに、みんなすごーく静かに、沈黙を守って空を見上げています。
このタレルの部屋で、何かの演奏会が開かれたというニュースを見た記憶があります。
それって素晴らしいアイデアだと思いました。
あまり大きな音の出ない古楽器などの演奏を、ここで聴いてみたいものです。 -
夕刻にはこうなります。
空の色の変化を楽しむ、という点では、間接照明を駆使して目の錯覚も利用した直島のナイト・プロジェクトのタレルが、一番面白いかも。(なにしろ空が緑に見えたりするので!)
でも、畳の上に寝っ転がって眺められる、という一点で、私は越後妻有のタレルが一番好きです(だって、座って見上げているのって首がだるくなるんですもん)(笑)。 -
現在行われている展覧会はこの三種類。
で、この真ん中の「奈良美智展」に合わせて、 -
別棟にこんなものが…。
子どもの工作の作品みたいな、わざとボロく作られた小屋。
中には奈良美智スタジオとカフェが開設されています。 -
スタジオはガラス張りで見るのも撮るのも自由。
奈良さんファンにはたまらないことでしょう^^
そうそう、親子で行かれる方は、ぜひ館内で借りられる犬の着ぐるみを、お子さんに着せてあげてくださいね。
着ぐるみ姿で美術館を探検してもらおう、という奈良さんのプロジェクトなんですって。
プロジェクト名は「Pup Patrol」(小学生対象)。
かわいいワンちゃんたちがあちこちの展示室を出たり入ったりする姿は、無機的なアート空間になぜかしっくりはまって、他の来館者の目も楽しませてくれます。 -
デザイン・ギャラリーでは服部睦美「Moving X'mas」という展覧会が行われていました。
オモチャのような機械のような、おとぎ話に出てくる乗り物のような…空想の中の建物のような…不思議で素敵なモノたちが、透明な球体の中に収まって、吊り下げられています。
「アーティストによるクリスマス・デコレーション?」という企画でした。
「?」だけで12月24日まで展示されてたんですけど、てことは、「?」はいつあるんでしょう? 来年?
このギャラリーもガラス張りで、休館日にもブラインドで目隠ししちゃうようなケチっぽいことをしていないところがGood♪ -
市内の別の場所でゲットした、上記の展覧会の案内。
作品のイメージとはかなり違う気がしますが、これはこれで幻想的な絵柄がかっこいい、力作ではありません?
チラシとは呼べない、分厚い紙に印刷されていて、普通のハガキの2倍ぐらいの大きさなんだけど、ポストカード・スタンドにこのまま立てておけそう。 -
こちらはピアノ演奏会の案内です。
「聖夜のベーゼンドルファー」
会場はこの美術館内のホール。
ベーゼンドルファーって、オーストリアのピアノメーカーですよね。
確か普通のピアノより鍵盤が5つばかり多くって、演奏会のたびにピアノを壊しちゃうリストの演奏にも耐えた頑丈なピアノで、もちろん音色も素晴らしくって…というピアノを作った。
美術館所蔵の自慢の楽器にちがいない。聴いてみたい…と思ったけれども。
長蛇の列でとても入れそうになかったので、諦めました。。(泣) -
たそがれどきの金沢市内。
輝くイルミネーションを見ながら、街なかをお散歩。
美術館にほど近い香林坊交差点あたり。 -
金沢の冬の風物詩である「雪吊り」に電飾が施されて、ツリー状になっています。
-
バス停ひとつ分くらい歩いて、こちらは武蔵が辻交差点。
「雪吊り」と金沢の伝統工芸である「金箔」が合体した、「金箔きらら」という作品になっています。 -
宿泊は駅前の加賀の湧泉ドーミーイン金沢。
ロビーに入る手前の壁に、見たことのあるような絵がある…越後妻有のFUKUTAKE HOUSEの壁面を飾っていたタトゥーにそっくりだ!と思ったら。
やっぱり同じ作家(ジャン・リュック・モーマン)の作品でした。 -
ロビーにはモーマンの作品カタログも置かれていました。
この他、ロビーやEVホールや大浴場の脱衣所など、目立つところや目立たないところにあれこれ現代アートの作品が展示されているホテルです。
ドーミーインのホテルは全国どこでもそうなのかしら?と思ったら、そうでもないみたいで。
21世紀美術館があるから金沢ではアートなホテルにしてみたのかな? -
このホテルの気に入った点はいろいろありますが。
その一つは、お部屋の照明が明るくて、読み書きするのに快適なところ。
で、その明るい照明のもとで、ごきげんで図録だのチラシだのミュージアムショップの袋だのを(笑)並べて撮影してみました。
図録をじっくり眺めるのにもこの明るさは嬉しかったです!
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この旅行記へのコメント (5)
-
- かにちゃんさん 2008/03/04 13:15:47
- 21世紀美術館
- huwaさんへ〜☆
こんにちは!
こちらは、3月に入って、だいぶ春めいてきました。
お元気ですか?
金沢21世紀美術館は、できた時に、テレビ「日曜美術館」で見て以来、
いつか行ってみたいと思っています!
huwaさんのコメントやお写真で、ますますイメージがよくなりました!
チェアーのコレクション、おもしろい!!
デザインも色も、限りなくあるんですねー(^^♪
息子が、椅子が好きで(ってなんかヘンな表現ですが・・・)
自分の気に入ったなんとか、っていう真っ赤な椅子を持っています。
そういえば、私は、息子にSANAA(でしたっけ?)とか
奈良美智とか教えてもらったんだった(彼は教えたつもりはありませんが・・・)と
思い出しました〜(^_^;)
それでは、また!
まだまだ寒い日もありそう・・・おからだ大切に!
- huwaさん からの返信 2008/03/11 01:46:39
- 椅子ばんざい!(笑)
- かにちゃ〜ん^^ようこそ!!
お返事がまたまた大幅に遅れてしまって ごめんなさい!
ほんと すっかり春めいてきて コートが重く感じられる今日このごろです。
(でも寒がりなので まだコート着てますけど)(笑)
息子さん 椅子がお好きなのですって?
それはそれは 嬉しい共通点かも!
私の場合は デジカメを持ち歩くようになるまで 自覚がなかったのですが、
どうも行った先々で 椅子やらベンチやら撮ってきてしまうので
「ハッ もしかして 椅子好きなのかも!」
と 遅ればせながら気づいた次第。。。
金沢21世紀美術館は
かねて知人から「写真撮り放題ですよ〜」と聞いていたので
アート写真を撮りまくるつもりで 期待してカメラを持ち込んだんですけど
行ってみたら ほとんどの有料ゾーンは撮影禁止ゾーンだったのです。
ですから 「こんな楽しい美術館に行ってきました!」
っていう旅行記を作成しようと思っても
アート作品に関しては わずかな写真しかUPできず
苦肉の策として 「休館日にも楽しめるチェア特集」
にしてみたわけなのです^^
美術館に椅子って重要ですよね!
足が疲れてきて 座って休憩したくなるし
パンフレットや図録なんかも ゆっくり座って読みたいし。
だから椅子はたくさんめに用意しておいて欲しい。
座り心地もよくなくちゃイヤだし
美術館なんですから センスのいいデザインじゃないとがっかりだし。。
その点 この21世紀美術館は
設計者のSANAAも 館長さんも
椅子にこだわりをお持ちのようで
デザイン・配置ともにナイス☆でございました。
ここに行った人はみ〜んな椅子の写真撮ってきてしまうみたいです。
SANAAのうさぎチェアがずら〜っと並んでいる写真のポストカードを
大阪のアートのフリマで発見したことがあります。
思わず「あっこれ金沢ですね!」って言ったら
「おおっよくわかりましたね!」って盛り上がっちゃった(笑)
すでに金沢名物なのかも。アート好きと椅子好きにとっては(笑)
ではではまた。
まもなく仕事多忙期が一段落しそうなので
かにちゃんの旅行記にも遊びに行きますね!
huwaより。
- かにちゃんさん からの返信 2008/03/11 11:00:03
- RE: 椅子ばんざい!(笑)
- huwaさん
おはようございます!
お忙しいのに、お返事ありがとう(^_^)v
もう、無視しちゃっていいですからねー、このメールも。
椅子が好き?で、写真も好き、な息子は、
「絵」の「周辺」あたりで、仕事をしています。
去年、一人暮らしを始めて、私は、時々、急に思いだしたりして
あー。いろいろ教えてもらったなー、なんて
感傷に浸ったりしているのです(^_^;)
それで、余計にhuwaさんの旅行記、楽しく、しんみり?見てしまった・・・。
(っていうか都内にいるんですけどね・・)
UPするときは、ただ写真載せて、コメントじゃつまらないですものね、
私も、(これでも一応?!!)
旅行記全体の流れとか、色合い、とか考えます。
そのわりには、全然たいしたことないんですけどね(涙)
ではでは、またね!
-
- サトテツさん 2007/01/06 11:17:37
- あしあとからきました
- 金沢21世紀美術館、いってみたくなりました。
円形の建築というのは本とかで度々見ていたんですが、こんなにいろんなタイプのチェアーがあるんですねー、おもしろそう。
- huwaさん からの返信 2007/01/06 19:35:06
- ご訪問ありがとうございます^^
- サトテツさん、ようこそ!
実はこの旅行記を作り始める前に、サトテツさんのコペンハーゲン旅行記にお邪魔して、ヤコブセンのある風景を堪能させていただきました。
ご挨拶も申し上げず、失礼いたしました。
ヤコブセンのチェア、この美術館の無機的な空間にも、ばっちりはまってましたよ。
展覧会ってけっこう足が疲れますから、椅子がたくさんあると嬉しいですよね。
それがお洒落な椅子だったらなおのこと!
館内のカフェのインテリアもステキっぽかったですよ。
満席で入れなかったんですけど。
次はきっとあそこでお茶を飲もうと思っています。
ライブラリーも利用してみたいし^^
サトテツさんもぜひぜひ一度行ってみてくださいませ。
ありがとうございました。
huwaより。
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