Andy & Williams Botanic Gardens

2007/05/26 - 2007/05/26

昨年だったか、ＮＨＫハイビジョンで「世界一美しい村に住む人々」という番組がありました。
英国コッツウォルズ地方のチッピング・カムデン村に暮らす人々を追ったドキュメントです。再放送もあったので観た人も多いと思います。
その中で、ヘザー・ミュアー夫人が作った「キフツゲートガーデン」は、母娘３代に渡って綿々と受け継がれている美しい庭園です。
広さもさることながら、季節の草花を絶やすことがない芸術と言って良いほど素晴らしい庭が紹介されていました。

ガーデニングに関しては、絵本作家のターシャ・テューダーのライフスタイルを紹介した番組も多くの人の支持を受けました。
「キフツゲートガーデン」も庭の美しさだけでなく、自然と調和したチッピング・カムデンでの暮らしに密接に結びついています。
番組ではそういった庭造りの哲学というものを考えさせられました。

そんな奥深い意味を持つ本格的なイングリッシュ・ガーデンを訪問してみました。

エリア 群馬

• 交通手段: 自家用車

バラの紋章のついたこの門扉を抜けると、そこはもう日本ではありません。
久々の空間ワープの感覚が蘇ってきます。

中は結構広いです。まず右手の幾何学的な庭から。
ダブコートガーデン（Dovecote Garden）です。
鮮やかな蔓バラが迎えてくれます。

おしゃれな鳩小屋を囲むように、たくさんの花が植えられた花壇が並んでいます。
故意に雑然とした雰囲気を出しているのかな。

今の時期はバラとともにクレマチスが主役です。
花も日本とはずいぶん違いますね。

奥に進むとウッドランド（Woodland）。
英国風の風景式庭園が広がっています。

その名の通り風景画の世界。
ちゃんと池があってスケッチでもしたい気分。
キングフィッシャーレイク（Kingfisher Lake）、つまりカワセミの池という名前がついています。

シダレヤナギの大木が池面を覆います。
これは印象派の絵を見るようですね。

煉瓦組みの橋にはこんな小物がさりげなく置かれています。
のんびりと散策している時に、ふと目に入るという心憎い演出です。

丘の上に休息所のあずま屋が用意されています。
ヒルトップサマーハウス（Hilltop Summer House）と呼びます。
風景に調和したライトグリーンが目にも優しい。

石積みのサークルの真ん中にメタセコイヤ。
レッドウッドポイント（Redwood Point）と言って、この庭のシンボルツリーだそうです。

シールズパレード（Shields Parade）と呼ばれる蔓バラのトンネルをくぐります。
一歩踏み込むだけで雰囲気ががらりと変わりました。

螺旋状の柱が２０数本。蔓バラが巻き付いています。
バラの季節を狙って来たわけですが見事なものです。

ドーム状の建物がある場所がこの庭園の一番奥です。
テンプルローン（Temple Lawn）です。
エントランスゲートから真っ正面に見通せます。

煉瓦塀に囲まれたエリアはキッチンガーデン（Walled Kitchen Garden）。
こういうオブジェが自然に置かれていました。

外から見ると風よけの煉瓦塀が、なるほどと思わせてくれます。
コッツウォルズのどこかの村の風景そのもの。

こうして塀の中は作付けされています。
花もそうですが、野菜やハーブが収穫されるのを待っている雰囲気。

ついつい腰掛けたくなるようなベンチ。
何だか生活感もあって暖かいおもてなし空間ですね。

階段状になった花壇の中央に沈床式の池。
水のビーナスが立つサンクンガーデン（Sunken Garden）です。
水が止まっているのが何とも惜しいなぁ。

庭園のちょうど中央にあたるジョイフルガーデン（Joyful Garden）。
回りにいろいろな花が咲いていて明るい雰囲気。

さすがメインの位置にある池だけに周囲の緑も様々。
池には水が注がれています。

唯一の大きな建物はウィンザーティールーム（Windsor Tea Room）。
中にはショップもありますが、時間がないのでパスです。

実は今日はゴルフに行った帰り。閉園までの１時間しか取材時間がとれないのです。

蔓バラに飾られたアーチをくぐって中に入ります。
いつがベストなのかわかりませんが、バラの季節が一番なのでしょうね。

ティールームの前の花壇は色とりどりの花盛り。
ああ、この庭を眺めながらクッキーと紅茶でくつろぎたかったなぁ。

本当はギネスでくつろぐのがベストですが、本日は車ですから・・・

ちらっと覗くとオリジナルグッズなどの品揃えもありそうでした。
主にガーデニング系ですけどね。
建物は英国伝統のカントリーハウスです。

こういうナチュラルな感じの小径が結構好きです。
様々な花をちりばめたミックスボーダー。

アーチから中はノットガーデン（Knot Garden）になってます。
左右対称の幾何学的なデザイン。

ノット式はこういう文様の植え込みが特徴。
シェークスピアの時代（１６世紀）に流行った形式とか。

ロマンチックな雰囲気の小径はラバーズウォーク（Lover's Walk）です。
この辺りはバラも種類が豊富でした。

ヒバで囲まれたベルリンガーメイズ（Bell Ringer Maze）。
そんなに広くないですが結構遊べます。
行き止まりだとこんな可愛い像が立ってます。

花のトンネルを抜けていくとシークレットガーデン（Secret Garden）に入ります。
鬱蒼とした感じで庭の全景が見えないようになっています。
うまく造ってありますね。

中央には小さな池があって神秘の庭のイメージ。
木々も熱帯性の蔓が多いのでここだけは変わった雰囲気です。

小道具を上手に使ってありますね。
これもイングリッシュガーデンの様式なんでしょうか。
かなりお気に入りのエリアです。

そろそろ閉園時間も迫ってきました。
出口の脇には広々とした芝生のウェディングガーデン（Wedding Garden）があります。
なるほど、白い花ばかり集まっています。

実際にここで結婚式を挙げることもあるのかな？
庭園の回りには教会は見あたりませんけど、雰囲気は良さそうです。

ということでタイムアップ。
バラを撮りに来たつもりでしたが、庭そのものに魅せられてしまいました。
全部で２２のテーマガーデンがあるそうで、かなり本格的でした。

特にバラの季節にこだわらなくても十分楽しめます。
チューリップの時期も良さそうだし、夏も捨てがたい。
季節を変えて何度か訪れてみたいスポットでした。

ここは『Andy & Williams Botanic Garden』です。
場所は群馬の太田市新田にあります。そんな所に！ですよね。

ガーデニングファンの間では密かに有名スポットのようです。
確かにとことん本格的に造られているので見応えあります。
次回は最低３時間は滞在したいですね。

閉門ぎりぎりで外に出ました。
日が長い季節なので何とか写真になりましたが、門の外も雰囲気のあるプロムナードでした。
わずかな時間でしたが、何だか充実の旅をした気分。

公式サイトはここです。
http://www.joyfulhonda.com/garden/botanic/index.htm

この旅行記へのコメント （6）

• けーしちょーさん 2007/06/01 19:58:50

  やっぱり。

  ばぁちゃんにせがまれて開店したばかりの頃
  ホームセンターのほうではなく、園芸ショップのほうで
  さんざ買い物をして帰ってきたのですが
  そのときは、ここは、なにやら秘密めいた工事の最中でした。
  
  んでも、ピンときた。
  こんなに美しい庭園になっていたのですね。
  さっそくばぁちゃんを連れてでかけよう♪
  
  細かいリポートから、
  もろずみさんもかなりの園芸ツウかとお見受けしましたっ!!
  
  ターシャの庭にあこがれる私と
  枯山水のやうな庭が目標のばぁちゃんの趣味がせめぎあい。
  我が家の庭は「テイスト・オブ・ばらばら」なのでした。
  
  けーしちょー拝

  もろずみさん からの返信 2007/06/01 21:25:18

  RE: やっぱり。

  けーしちょーさん、こんにちは。
  
  ご存じでしたか！
  びっくりするほど大きなホームセンター。群馬は土地があるからなぁ。
  
  私は園芸通ではありませんよ。
  ２００円で買ったガイドブックを頼りにレポートしてみました。
  
  けーしちょーさんの家のターシャに伝えてください。
  枯山水だと写真は３枚で終わってしまうので旅行記にはなりませんと。
  
  

• shioriさん 2007/06/01 00:02:00

  イギリス？

  もろずみさん、こんばんは。
  
  いつもながら素敵な写真ばかり！
  一瞬イギリス？と思うような風景が、なんと群馬県にあるとはびっくりです。
  東武伊勢崎線なら運賃も安いですし、母と行ってみたいと思います。
  ティールームでギネスも飲めるんですか？
  飲めるのなら私も紅茶より断然ギネスですね！
  
  もろずみさんの旅行記を見ていると、ついつい私も行きたくなってしまいます。
  明日から飯山に行ってきます。

  もろずみさん からの返信 2007/06/01 21:16:24

  RE: イギリス？

  shioriさん、こんにちは。
  
  ギネスあります。確認してきました。(^^)v
  でも１８時閉門なのでパブタイムは営業していません。
  
  もう少しするとハーブ類が良さそうでした。
  庭園は本格的ですよ。自信を持ってお薦めです。
  
  飯山ですか！先日ＢＳで「阿弥陀堂だより」やってましたね。
  福島の棚田の風景期待してます。
  

• コクリコさん 2007/05/31 21:38:26

  秘密の花園

  もろずみさん、こんばんは。
  
  また見つけましたね『ヒミツ・ノ・ハナゾノ』を(^^)v
  
  もろずみさんが依然いらした房総のシェークスピア風イギリス庭園も良かったけれど、こちらの方が素敵に見えます。
  バラのせいでしょうか。
  HPも見ましたけれど、花不足の夏でもハープ類がそろっていて素敵。
  あ〜もっと近ければなぁ。群馬だと車のない我が家には行きにくいです。
  
  私もここでスコーンと紅茶を優雅にいただき、〆にギネスを飲みたいです！

  もろずみさん からの返信 2007/06/01 21:15:12

  RE: 秘密の花園

  コクリコさん、こんにちは。
  
  良いでしょう？ここも。
  脚色なく正直に写真を並べてみました。
  シェイクスピアとは多少趣が異なりますが、どちらも捨てがたいです。
  花や庭好きならこちら、文学歴史好きならあちらですかね。
  
  こんな庭園が昭和記念公園にできたらよいですよね。
  ６月はハーブフェスタだそうですけど、あのハーブ園は狭いです。
  ギネスを冷やして持っていくかな。