2010/05/22 - 2010/05/22
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まみさん
大輪の現代のバラもいいけれど、神代植物公園の魅力には野生種・オールドローズ園もあります!
特に野生種は四季咲きではなく、春にしか咲かない品種もあります。
まだ記憶に新しい、つい去年2009年の秋バラのときに神代植物公園に訪れた時は、野生種・オールドローズ園は寂しい限りで残念でした。
あのときは春バラの季節を待ち焦がれたものです。
なので、今回は野生種をゆっくり見て回ることにしました。
私がデジカメを手にして花撮影に夢中になり出したばかりの頃は、やはりバラといえば大輪の華やかな現代のバラに魅せられました。
小振りでささやかな、いわゆるバラっぽくない野生種にはあまり惹かれませんでした。
そんな野生種のバラに惹かれるようになるまで、いくつかのきっかけが必要だったと思います。
まず、デジカメのマクロ撮影で、ささやかな野花の可憐な美しさに目覚めたこと。
改めて美しいと気付いた野花の中には、自分ちの庭先に生えたら抜くしかない、雑草のたぐいも含まれます。
おかげで草むしりがさぼりがちになった───というのは別の話@
そして、それまでスルーしがちだったボタニカルアートにも目を留めるようになったことに加えて、なによりも野生種のバラを美しく記録したルドゥーテの大回顧展を見て感動したこと。
ルドゥーテの絵は、バラの絵としてはあまりに有名で見慣れ過ぎていたせいで、それまで感覚がすっかり麻痺していました。
ルドゥーテ展で原画に触れて、その頃にはすでに写真趣味のおかげで植物への関心が高まっていたこともあり、それまで自分の目がいかに曇っていたか、まさしく見る世界が変わったような衝撃を味わいました。
この旅行記では、野生種・オールドローズ園で撮影したバラに続いて、17時になってやっと開始できた、本命のばら花壇で撮影した写真の最初の一部も一緒に収めました。
17時は、本来ならばとっくに閉園時間でしたが、春バラフェスタ期間中の週末はライトアップのおかげで20時まで開園していましたから、あとは気力の続く限り撮りまくり、気付けば2時間近く@
だってこんなに満開のちょうどよい見頃のときに訪れることができるなんて、毎度あるわけではありません。すばらしい僥倖といわずして、なんといいましょうか。
なにより、見学客の数がぐっと減ったので、レンズを望遠側にして花壇から少し離れ、なるべく多くのバラの満開ぶりをファインダーに収める、なんてことがバンバンできたんですもの。
「バラは北半球の新旧両大陸を中心に広く分布する植物で、世界で約120〜200種ほどの原種があると言われています。
そのうち、約8種の原種バラが、複雑に交配されて、多くのバラの園芸品種が作られてきました。
現在、見られる多くのバラは、四季咲きで現代バラ(モダンローズ)と呼ばれ、1867年に作出された「ラ・フランス」が始まりです。」
(「神代花だより No. 179 22年5月」より)
〈春バラフェスタの神代植物公園2010年のシリーズ構成〉
□(1)バラ以外にたっぷりよそ見!───シャクヤクや植物絵付の陶磁器展など
□(2)まだ名のない新品種ばらとバラ・アレンジメント
■(3)野生種・オールドローズ園から満開のばら花壇へ
□(4)極彩色のばら花壇でライトアップまで
神代植物公園公式サイト
http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index045.html
※コメントにルドゥーテ展の感想を書いた、カタログやチラシのある写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/13911424/
関連の旅行記
「嬉し恥ずかし春バラ求めて───旧古河庭園にて・その2」(2008年5月23日)
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10243608/
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野生種・オールドローズ園の説明看板
「神代花だより No. 179 22年5月」によると、この野生種・オールドローズ園には世界の原種バラのうち約40種のバラが展示されているそうです。 -
代表的なオールドローズの1つの「ロサ・キネンシス・アルバ」の横顔
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ちょっと赤味を帯びてしまった花
ロサ・キネンシス・アルバの特徴?
それともちょっと痛んじゃったのかな。 -
代表的なバラ香水の原料となるバラ「ダマスク・ローズ」
「ダマスク・ローズ(Damask Rose(Rosa damascena))
花は半八重の盃咲きで、中心は四つにわかれる(クォーターロゼット咲き)。いわゆるダマスク(Damask)系の香りがある。香料の原料として栽培されている。ダマスク(D)系ローズの代表品種。」
(説明看板より) -
ブルガリアのバラの谷がダマスク・ローズでいっぱいにときに行きたかったナ
一昨年の2008年7月にブルガリアを旅行しました。
でも、バラの谷のバラは6月のバラ祭りのときに摘んでしまうので、7月のバラの谷のバラ園はもう緑一色でした。
(代わりに、バラ園以外はひまわりとラベンダーが満開でした@)
もっともブルガリアでは7月でもあちこちでバラが見られました。
関連の旅行記
「2008年ブルガリア・ハイライトその6:ブルガリアのバラ」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10262840/ -
バラの香水と同じ、いーい香り@
あたりまえですけどネ。 -
ロサ・カニナ・イネリミス
デジカメを手にして花に関心を持つ前は、こういう花もバラだったなんて知りませんでした。
「ロサ・カニナ・イネリミス(Rosa canina inerimis)
花はロサ・カニナ(R. canina)によく似ている。花色は薄いピンクで一重咲き。ロサ・カニナと同様に接ぎ木の台木として使われる。」
(説明看板より) -
ロサ・カニナ「イングリッシュ・ブライヤー」
花はささやかな野花系だけど、鋭いトゲがちゃんとあります。
「ロサ・カニナ「イングリッシュ・ブライヤー」(Rosa canina ‘English Brier’)
花はロサ・カニナ(R. canina)に似る。一重咲きで花弁の色は淡桃色。花弁の中心部にかけては、さらに色が薄くなり、白色となる。ロサ・カニナの交雑種。」
(説明看板より) -
ロサ・ポミフェラ
真ん中のしべがボタンのよう(花の牡丹ではなく、洋服などのぼたん)。
「ロサ・ポミフェラ(Rosa pomifera(Rosa villosa pomifera))
英名Apple Rose。花は、一重または半八重咲きの明るいローズピンク色。花弁には、わずかにしわがある。ほのかな香りがする。果実は大きく美しい。中央ヨーロッパ、西アジア原産。」
(説明看板より) -
ロサ・オキシオドン
アジア系の顔の騎馬民族の男性がふと目を留めて、好きな女性の髪飾りとして贈ったバラかも@
「ロサ・オキシオドン(Rosa oxyodon)
別名Rosa pendulina oxyodon。花色は濃いローズピンクで一重咲き。1896年には栽培されていたとされる。コーサカス地方原産。」
(説明看板より) -
ロサ・デュポンティ
クリーム色とレモン色の配色と踊るおしべがあまりに美しい……。
最も美しいバラの一つと評されるのもうなづけます。
「ロサ・デュポンティ(Rosa x dupontii)
英名Dupont Rose、Snow Bush rose。花は一重あるいは八重で強い香りがある。花色は白にわずかなピンクのぼかしがあり、開花すると純白になる。最も美しいバラの一つとされる。1817年以前より栽培されている。」
(説明看板より) -
ピンクのぼかし……いわれてみれば確かにわずかにあるかも
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ロサ・カニナ X ロサ・ガリカ
ご両親のカニカさんとガリカさんがどんなバラかすぐに思い浮かばないのが残念!
「ロサ・カニナ・メロサ・ガリカ(Rosa canina X Rosa galiica)
明桃色の一重の花をつける。ロサ・カニナとロサ・ガリカの交雑種。」
(説明看板より) -
シャポー・ド・ナポレオン
こういうカップ咲きの野生種が見たかったの!
「シャポー・ド・ナポレオン(Chapeau de Napoleon)
花弁100枚を超える完全八重の盃咲き。花色はピンクでダマスク香を含んだ強い芳香をもつ。萼がナポレオンの帽子に似ることから名付けられた。1827年スイス西部の修道院で発見された。モス(M)系。」
(説明看板より) -
モス系って言われるのはこのげじげじのせい!?
モス系は、ガクや子房にコケのような密毛が多数ある、とのことでしたが、ピンときませんでした。
ははぁ、これなのですねぇ。
いわれてみればまだつぼみすらみせていない萼は、ナポレオンの帽子のようです。 -
ソレイユ・ドール
これも初めてお目見えします。
「ソレイユ・ドール(Soleil d’Or)
花は大輪八重咲きでまるく平たい。花色はやや赤みをおびた橙黄色。芳香がある。ペレネティアナ(Perenetiana)系の元祖で、現代バラのハイブリット・ティー(HT)系に黄色を導入した歴史上の重要な種。1900年フランス ペルネ・ディシュ氏作出。」
(説明看板より) -
品種名が分からなかったけれど惹かれたバラ
メモ代わりの看板の写真を撮り損ねたらしいです。 -
ラ・フランス
名前は知っていたけれど、そうか、これが有名なモダンローズの第一号なのですね。
感慨ひとしお。
「ラ・フランス(La France)
花は剣弁高芯咲で大輪咲き。花色は明るいピンク色。四季咲大輪のハイブリット・ティーローズ(HT)の第1号で最初の現代バラとなった記念すべき品種。1867年フランス ギヨー氏作出。」
(説明看板より)
ラ・フランスを最後に野生種・オールドローズ園を出ましたが、ロサ・ケンティフォリア系のオールドローズがなかったのは残念でした。
看板だけあったのですが、株ごと引き抜かれていました。
ロサ・ケンティフォリア(=100枚の花びらのバラ)はルドゥーテが描いたバラの中では一番有名なタイプでしょう。
Bunkamuraオンラインイチバよりルドゥーテ複製画シリーズの「ロサ・ケンティフォリア・ブラータ」の写真があるサイト
http://www.bunkamura-ichiba.jp/shop/item_detail?category_id=15620&item_id=339805
こちらの写真に写っている図録の表紙はロサ・ケンティフォリア・クレナータ。
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/13911424/
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http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10243608/ -
コウシンバラ(ロサ・キネンシス)
「中国原産のバラで四季咲き、濃桃色又は紅色の花を咲かせます。現代バラが四季咲きなのはこの種を交配したためです。」
(「神代花だより No. 179 22年5月」より)
そして大バラ花壇の撮影を始める前に、バラのソフトクリームを食べながら一休みしました。
時刻はすでに17時近く。
神代植物公園に着いて撮影散策を開始してからもう3時間たちました。
もう帰ろうかなぁと思わなくもなかったです。
でも、、カラフル満開なバラ花壇を眺めているうちに、やっぱり全然回らずに帰るのは惜しくなってしまいました。 -
バラに囲まれた大花壇の女神
西洋風の東屋のあるテラスの上から14倍ズームで撮りました。
なっかなか人が切れなかったのですが、体を休めながら、その瞬間を辛抱強く待ちました。
晴天の秋バラのときに撮った同じ女神とバラの写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/17378435/
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「今年も秋バラめざして神代植物公園(3)まぶしい光のもとで本命の秋バラを」(2009年10月18日)
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10390574/ -
まずは火のように真っ赤に咲きそろった「聖火」から
大バラ花壇の撮影開始地点は去年の秋バラのときと同じですので、去年の秋バラのときにはあまり注目しなかったバラを中心に写真を撮るようにしました。
といっても、好みのバラはやっぱり撮ってしまうんですけどね。
ただ、秋バラのときにはまぶしい日差しのもとでのバラたちの姿が撮れましたが、今回はもう17時を過ぎて、あたりは明るくても日が落ちてしまったので、同じバラを撮るとどうしても雰囲気に差が出てしまうのがちょっぴり残念でした。
春バラなのに春の溌剌とした様子では撮れないから。
ちなみに「聖火」は秋バラのときはワイドで撮りました。
関連の写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/17378608/
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「今年も秋バラめざして神代植物公園(4)広角・ワイドで捉えたバラ園」(2009年10月18日)
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10390575/ -
ぎっしりイエローで目を引いた「ドクター・ファウスト」
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花色が変化する「ドクター・ファウスト」
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イエロー一色の方が好みかも@
去年の秋バラのときにはワイドで撮っています。
花の密度を比べてみてください。
関連の写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/17378606/
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http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10390575/ -
花束みたいにぎっしり咲いていた「リリパット」
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リリパットの滝のよう@
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あたり一面に咲き誇っていた「ゴールドバニー」
でもそのように写真に撮るのは難しいです。 -
ぎざぎざの花びらが華やかな「ゴールドバニー」
深い切れ込みのある花びらから、ウサギの耳を連想したのでしょうか。 -
濃厚なオレンジと情熱的な黄色の配色
ゴールドバニーとオレンジバニーです。 -
散り始めてもなお豊かに咲き誇る「オレンジバニー」
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神代植物園ではとりわけお気に入りのバラの一つ「ブルーバユー」
お気に入りになった最大の理由は、やはりこのように花の状態が良くて鈴なりのときのブルーバニーに出会えるようになったからです。
はじめの頃はピークが過ぎていたり、ブルーバユー花壇に回るときにはすっかり暗くなっていて色合いがよく分からなかったりして、バラのせいではないですが、タイミングが悪かったです。 -
熟してくると素敵なカップ咲きになる「ブルーバユー」
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ブルーバユーと三色錦
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レッドとバイオレットのとダンス
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ホワイトレディとたわむれる
ブルーバユーは去年の秋バラのときにはまぶしい光のもとで撮ることができました。
やっぱりそっちの方がよかったですけどね。
関連の写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/17378432/
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/17378433/
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/17378434/
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http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10390574/ -
大花壇の彫刻と大温室と「アイスバーグ」
やっぱり撮らずにスルーすることはできませんでした、アイスバーグ@ -
氷山のようにぎっしりと
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日が落ちた後のアイスバーグは雪の女王さまのように冷たく神々しく
去年の秋バラのときには晴れ空の下で輝くアイスバーグが撮れました。
でも花はここまでぎっしりではなかったです。
関連の写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/17378422/
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/17378423/
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/17378424/
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背後の噴水をも凍らせそうなアイスバーグ
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あるいは噴水は溶け始めたアイスバーグの氷の心か
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ピンクだけど「バイオレット・カーソン」
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森で摘んできたキイチゴをぎっしりつめたカゴのよう!?
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バイオレットカーソンを中心に、カラフル極彩色をめざして@
表紙候補でした。
でも表紙ではオールドローズの話をしたので、迷った挙句、話題に合うようにオールドローズの写真を選びました。 -
真っ赤な「タランガ」が純白に映える
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黄色いバラの光の中の「タランガ」
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太陽の熱をその身に取り込んだような「タランガ」
日が落ちた夕刻には真紅が映えます。 -
アラビアン・ダンスを披露する踊り子のごとく
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日が落ちてから目覚めて集まり出した夜の妖精たち
「5時間たっぷり楽しんだ春バラフェスタの神代植物公園(4)極彩色のばら花壇でライトアップまで」へとつづく。
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10463049/
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