2009/07/08 - 2009/07/08
204位(同エリア393件中)
まみさん
2009/07/08水 キエフ観光3日目
<ペチェールスカ修道院>
上の修道院から入場
・トラペズナ教会でミサ見学
・ウスペンスキー大聖堂、修復中で入れず(泣)
下の修道院へ
・「近い洞窟」
上の修道院に戻り
・国立ウクライナ民俗装飾美術博物館
・ミクロミニアチュール博物館
・ウスペンスキー大聖堂宝物展示
・ウクライナ歴史文化財博物館(スキタイの黄金文化@)
【一等寝台泊:キエフからクリミア半島のシンフェロポリまで】
有名な地下洞窟は、ミイラがごろごろなのかしら。
怖いものみたさでワクワクしてしまったのは不謹慎かもしれませんが、信者ではないただの観光客なんてそんなものでしょう。
実際は、ガラスのフタの棺の中の聖人たちの遺体は礼服が着せられ、顔まですっぽりと十字架の刺繍のある頭巾のようなものに覆われていたので、ミイラは見られませんでした。
ちょっと拍子抜け@
はじめ、狭い通路に見学客がぎっしりで、厳かな雰囲気は全くありませんでした。
しかしやがて、前の人と後ろの人との間隔がどんどん空き、くねくねと曲がった通路の前後やまさに洞窟といえる小部屋に、私以外、誰もいなくなりました。
明かりはなく、全くの暗闇です。
洞窟に入る前に教会で買ったろうそくの小さな炎だけが頼りです。
ろうそくの光だけで物を見るという体験はめったにないので新鮮でした。
炎の中に僧侶の絵がぼぉっと浮かび上がる様子は、とても神秘的です。
光の絶えない現代の生活では忘れてしまった感覚だと思いました。
地下洞窟は、入ってすぐに、信者とそうでない人と強制的に分けられてしまいます。
私が見学したのは、いわゆる「近い洞窟」という長い方の洞窟のはずです。
でも、5分ほどで見学し終わってしまいました。
見学できたのはごくごく一部でしょう。
小さな洞窟の一室で、赤ちゃんの洗礼式が行われていいました。
もっと長く見学していても良かったのですが……なにしろ、暑い暑い!
というのも、私のスカーフは防寒用を兼ねていたので、我慢大会みたいになってしまったのです。
みんななんで真夏なのにスカーフをしていられるんだろう?───と思ったのですが、夏用の涼しいレースのスカーフを準備しなかった私がバカでした。
いつもは教会内では日よけの帽子をかぶったまま見学します。
聖書では女性は教会の中では「頭を覆うべし」とありますが、スカーフで覆うべしとまで書かれていないので、帽子でも構わないはずです。
ただ、ペチェールスカ修道院の地下洞窟は、信者たちが巡礼に来る非常に神聖な所です。
悪目立ちしないよう、この時だけは私もスカーフをかぶったのです。防寒用の……。
地下洞窟について、Lonely Planetでは、とても神聖な場所なので服装規制があり、女性は膝下のスカート着用、ズボンは公式には禁止されている、とまで書かれていました。
ただし、現代は、ズボンは大目にみてくれる、とも。
ペチェールスカ修道院に前に行ったことがある人から、ジーパン姿のウクライナ人の女の子もぞろぞろいたという情報も事前に得られました。
それでも念のため、スカートをタウンバックに忍ばせました。
夏用の薄くて軽いフレアースカートで、ウエストがゴムの身につけやすいやつです。何か言われたらササッとはけるように。
実際には必要ありませんでした。
それよりも夏用のスカーフを持っていくべきでした。
でも、ノースリーブや短パンはお断りと入口の看板にありました。
もっともそれは、ペチェールスカ修道院に限らず、どこの教会でも当然の注意事項です。
見学した順番としては、「上の修道院」を先に少し見学し、それからすぐに地下洞窟のある「下の修道院」に向かいました。
洞窟は混むので、先に見学した方が良いからです。
途中で料金所のある門を出てしまいました。
そこからどう行ったら良いか分からなかったのですが、イギリス人のカップルが修道院のスタッフに道を聞いていましたので、それに耳をすませ、その後をくっついて行きました。
やがて同じ方向へ向かう人がぞろぞろ集まったので、道に迷いようはなくなりました。
地下洞窟を見学した後、また「上の修道院」に戻りました。
ペチェールスカ修道院でとても楽しみにしていた博物館の見学がまだですから。
修道院の入場券は再入場可能なものかどうか、分かりません。
でもきっと、なんとかなるだろうと思いました。ウクライナ人、そのあたりはアバウトだろうと。
何か言われたら、すでに買った入場券を見せてみましょう。
案の定、料金所の横をしらんぷりで素通りしても、なんにも言われませんでした。
※2009年ウクライナ旅行の旅程一覧はこちら。
簡易版「2009年ウクライナ旅行プロローグ(旅程一覧)地図付」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10359084/
詳細版「2009年ウクライナ旅行の詳細旅程」(もう1つのブログ「まみ’s Travel Diary」より)
http://mami1.cocolog-nifty.com/travel_diary1/2009/07/2009-2271.html
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下の修道院に向かう坂道を尼僧が行く
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下の修道院に向かう坂道の途中の門
実はこのすぐ右手にトイレがあります@
1.00フリヴニャ。
(2009年7月現在、1フリヴニャ=約14円で換算)
2009年7月現在のキエフのトイレとしては、妥当な値段!?───いや、安いくらいでしたね、後から思えば。 -
下の修道院に向かう途中
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下の修道院に向かう途中で塀の上から見えた、勇ましくて巨大な彫刻
おそらく、大祖国戦争歴史博物館のローディナ・マチュでしょう。 -
上の修道院を出て、下の修道院エリアを進む
左側には果樹園が広がっていて、これに沿って進めばよいそうです。 -
「近い洞窟」の入口がある十字架昇天教会に向かう途中
果樹園に沿って歩いています。左側は果樹園です。
このあたりになると、地下洞窟に向かっているんだなと思われる観光客や巡礼の信者がだいぶ増えてきましたから、もう道に迷いようはありませんでした。
※ちなみに、ここでは他にもこんな写真を撮っています。果樹園の写真です。
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/16649815/
関連の旅行記
「2009年ウクライナ・ハイライトその2:ウクライナでも植物に注目(前編)」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10361799/ -
「近い洞窟」のある十字架昇天教会へ
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「近い洞窟」のある十字架昇天教会の入口付近
「地下洞窟
年代記によると、1051年修道士アントニーが最初にこの洞窟に移り住んだことが記されています。タタール・モンゴルが襲来してきた際には、この洞窟は避難所として利用されました。洞窟には「近い洞窟」(全長383m)と「遠い洞窟」(全長293m)がありますが、「近い洞窟」の方が見応えがあるようです。
元々、これらの洞窟は修道士の住居として使われていましたが、修道士の宗教生活が地上に移ったため、その後600年間洞窟は修道士の墓所として使われることになりました。イトスギの木で作られた霊廟には修道院の創設者アントニーや年代記作者ネストルの他、キエフ・ルーシ時代の有名な人物のミイラが納められています。これらは特別に処置を施した物ではなく、洞窟内の一定に保たれた温度と湿度によって自然とミイラ化したものとされていますが、この地は正教会にとって最も重要な聖地であることから、これは奇跡によるものだと信じられています。
(これらの聖人のミイラは「近い洞窟」に79体、「遠い洞窟」には46体納められています。)地下洞窟は聖人の眠る神聖な場所であり、常に多くの敬虔な信者が訪れ祈りを捧げていますので、入場の際は入口でロウソクを購入し、女性は必ずスカーフを被って頭髪を隠すなどのマナーを守るように心がけて下さい。」
(在ウクライナ日本大使館公式サイトの「ウクライナ情報」─「キエフ案内(2007年1月現在) III. 観光」より)
http://www.ua.emb-japan.go.jp/J/About.Ukr/kyivannai/3kyivkankou.htm#kankou -
「近い洞窟」のある十字架昇天教会
Lonely Planetによると、混雑していないときなら、洞窟訪問はとても感動的だそうです。
ただし、通路が狭く天井が低く密室に近いので、閉所恐怖症の人にはお薦めできません。
混雑しているときは、カオスだとあります。
できれば平日に行くことをお薦めすると。
そりゃあそうですね。
腐敗せずに自然にミイラになった僧侶の死体には、癒しのパワーがあると信じられていて、信者にとって、1つ1つ真剣に参拝する対象なのですから、時間をかけてお参りする人がいる上に狭いから、すぐに混雑するというのは納得できます。
というわけで、ウクライナにいる間はずっと休暇中の私も、当然、平日を選びました。
平日であっても観光客はたくさんいますから、一番に見学する越したことはないです。
洞窟の入口がある十字架昇天教会も、とても小さな教会ですがイコノスタシスはすごく豪華で、見ごたえありました。
洞窟の入口に入るときに前が詰まっているので少し並んで待っていなくてはならなかったのですが、イコノスタシスやその回りをきょろきょろ見ていて、退屈しませんでした。
残念ながら、というか、当然、撮影禁止。 -
「近い洞窟のある十字架昇天教会
偶然、鳥も一緒に撮れました@ -
「近い洞窟」のある十字架昇天教会の入口
さぁて、ここからは、いつも帽子の私も、他の人に合わせてスカーフをかぶることにしましょう。 -
えっ、教会にカップルはダメなの!?
と勘違いしかけた、注意書きの看板のイラスト。
そうじゃなくて、半ズボンとミニスカーがダメって意味ですね。
右のイラストのように、女性はスカーフ姿にスカートが正しい服装ということでしょう。
写真を撮ってる人のイラストのところにバツ印がかかっていません。
そっか、写真を撮っていいなんて、奇特な教会@
なんちゃって。 -
「近い洞窟」の入口がある十字架昇天教会の外観と、待たされても飽きずにすんだ、見惚れそうな豪華なイコノスタシス
(ペチェールスカ修道院で買ったフォトガイド「The Kyiv-Pechersk National Historico-Cultural Preserve」より)
ろうそくは一番安いのを買いました。2.00フリヴニャ。
(2009年7月現在、1フリヴニャ=約14円で換算) -
地下洞窟はこんなかんじ
(ペチェールスカ修道院で買ったフォトガイド「The Kyiv-Pechersk National Historico-Cultural Preserve」より)
「ミイラが置かれる洞窟 地下墓地
下の修道院(上の修道院より古い部分)には、長い歴史を通じて修道僧たちが掘り続けた地下洞窟が、縦横に張り巡らされている。僧たちの遺体は、代々そのまま洞窟内に葬られ、湿度や気温やさまざまな条件によって腐らず自然にミイラ化した。その “奇跡” は、人々の厚い信仰を集めつつ下、今にいたっている。
地下洞窟はふたつの系統に分かれ、「近い洞窟」は1.5km、「遠い洞窟」は300mの長さがあるといわれている。その細い通路に無数の礼拝堂や遺体安置所が造られ、観光客もその一部を見ることができる。(中略)
ただ現在は、ソ連時代とは違い、遺体がたくさん置かれた脇道や地下教会には正教の信者以外入ることはできない。観光客は決められた短いコースを歩かされるだけだ。残念ではあるが、ここは聖地なので彼らの気持ちを尊重しよう。
「近い洞窟」の入口は、坂の下にある広場の十字架昇天教会の裏にある。「遠い洞窟」のほうは、やはり坂を下りきったところにあるアンナ受胎教会の内部が入口になっている。どちらかというと、後者のほうが目に触れる遺体が多く、通路も曲がりくねっているので、よりリアリティがある。」
(「地球の歩き方ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、コーサカスの国々」('08〜’09年版)より)
洞窟の中ではろうそくの明かりだけが頼りです。
始めは、見学する人の列がぎっしり途切れなく並んでいたため、ろうそくなんて必要なかったかも、とすら思いましたが、途中から1人になってしまったときは、所々に全く灯りがなかったわけではないのですが、ろうそく以外、見事に真っ暗闇でした。
1人や2人しかいないときも、ろうそくの頼りない明かりでは、自分の足元を照らすだけがせいいっぱいでした。
ただ、洞窟は狭いし、順路は分かりやすかったので、暗闇だからといって心細くなることもなく、安心して(?)神秘的な雰囲気に浸れました。
以前、ブダペストの地下迷路で真っ暗闇に取り残されたときには、どんなにか心細かったか!
でも、ペチェールスカ修道院の地下道窟は、迷路ではありませんから。
ミイラと隣あわせですが、ガラスのフタのある棺おけに収められていて、顔にも豪華な刺繍の布で覆いがなされていて、ミイラ部分は全く見えなくて、拍子抜けしたくらい@
ブダペストの王宮地下迷路見学の感想がある旅行記
「2004年夏のブダペスト・ウィーン・チェコ旅行20日間 (1)ハンガリー編(続き)ブダペスト観光 長めの感想(ハイライトその1)」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10038899/ -
下の修道院のさらに下の方にはバラ園が
無料で入れる下の修道院の入口はあそこでしょう。 -
十字架昇天教会前の中庭からドニエプル川を望む
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十字架昇天教会のすぐ脇で見上げた、ルドベキアの向こうのトラベズナ教会
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十字架昇天教会のすぐ脇で見上げた、ルドベキアの向こうの鐘楼
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十字架昇天教会のすぐ脇で見上げた、ルドベキアの向こうのトラベズナ教会の屋根
※ちなみに、ここでは他にもこんな写真を撮っています。
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/16649816/
関連の旅行記
「2009年ウクライナ・ハイライトその2:ウクライナでも植物に注目(前編)」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10361799/ -
上の修道院に戻る果樹園の脇の坂道
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上の修道院に戻る道と、トラペズナ教会@
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上の修道院に戻る道もなかなかお洒落
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上の修道院に戻る途中、果樹園の向こう側に見えた「近い洞窟」の鐘楼
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順光で美しく撮れたトラペズナ教会
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古風な街灯とトラペズナ教会
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果樹園の向こう側に見えた「近い洞窟」がある十字架昇天教会の鐘楼を、果樹園の柵の向こうに望む
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十字架昇天教会の黄金ドームと彼方のドニエプル川
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黄金と緑の屋根を持つ十字架昇天教会の鐘楼と彼方のドニエプル川
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上の修道院に戻る
というわけで、ここでひとまず、ペチェールスカ修道院の写真は終わりです。
この日の残りの旅行記は、国立ウクライナ民俗装飾美術博物館のコレクション・シリーズです@
ウクライナ旅行では、日本では画集であってもなかなかお目にかかれず、来日展覧会もほとんど望めない博物館のコレクション撮影もたくさんしたいっ!って張り切って出かけましたから。
よろしければゆっくりとおつきあいくださいませ@
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