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2006/10/23(月)第16日目:ブダペスト<br />デアーク広場のハンガリー動乱追悼日のための展示、大シナゴーグ(祝日のため儀式で入れず)<br />彫刻広場(Statue Park)見学ツアー<br />オペラ座ショップ、鎖橋からヴァーツィ通りをショッピングしながらエリジュペート橋まで<br />ブダペスト・ケレーティ(東)駅発18:10の寝台車でルーマニアのシギショアラへ<br /><br />10月23日が1956年ハンガリー動乱追悼の祝日なら、それらしい展示もこの際だからきちんと見ておきましょう。<br />というのは建前で。<br />ずらりと並んだ戦車に惹かれたというのが本当のところ。<br />昨日も展示が公開される前でしたが、夜間の明かりの下の無気味な姿をカメラに収めています。<br />でも、やはり昼間、ふつうに明るいところで撮りたいですからね。<br /><br />それでも、今回のハンガリー旅行期間にこの祝日が含まれるとあって、私なりに念入りに下調べをして、頭の中で整頓してきました。<br /><br />それまでのハンガリーは、ハンガリーのスターリンともいうべき共産党書記長ラーコシによる恐怖政治が行われていました。<br />この恐怖政治の象徴が、アンドラーシ通り60番地にあった建物で、これが現在、その名もTerror House(恐怖の館)という博物館になっています。<br />残念ながら本日は月曜日で休館。今回の旅行で行きたい候補に挙げていましたが、結局、行きそびれてしまいました。<br />1956年10月23日に自由を求める国民蜂起が始まった背景には、1953年にスターリンが死亡し、1956年2月にフルシチョフがスターリン批判をしたことがあります。これをきっかけに、東欧のあちこちで共産主義からの自由を求める学生や労働者のデモや蜂起が起こりました。<br />ブダペストでも、10月23日、最初は改革を求める急進的な学生たちの集会でしたが、それが約20万人ものデモに発展しました。<br />暴動は5日間にわたって繰り広げ広げられました。<br />10月25日、悪名高き「血の木曜日」は、国会議事堂前に集まっていた民衆に向かって何者かが発砲したことがきっかけです。<br />11月2日頃まで、革命が成功したかと思われた瞬間もあったようですが、11月4日、ソ連軍が本格的な軍事介入を図りました。<br />革命政府によって首相に任命されたナジ・イムレがラジオ放送を通じて国連や西側諸国にその窮状を訴えました。<br />「本日未明、ソヴィエト軍が、われわれの合法的・民主的政府を倒すという明白な意図をもって、首都ブダペストに攻撃を開始しました。ハンガリー軍は戦闘中です。政府はもち場についています。私はこの事実を国民と全世界の人々に伝えます。」<br />しかし、救援の手は差し伸べられず、ハンガリー動乱はソ連軍の戦車の前にけちらされました。<br />(参考「図説ブダペスト物語」河出書房新社ふくろうの本、「ハンガリーを知るための47章」明石書房、「旅名人ブックス ハンガリー“千年王国”への旅」日経BP社、ほか)<br /><br />※ナジ・イムレのその後は、こちらの写真のコメントとしてまとめました。<br />コッシュート・ラヨシュ広場のナジ・イムレ像の写真<br />http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/11485065/<br />関連の旅行記<br />「2006年ハンガリーとルーマニア旅行第3日目(1)ブダペスト:ハンガリー国会議事堂」<br />http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10104262/<br /><br />1956年のハンガリー動乱は、ハンガリーの人々にとっては、まだたった50年前の苦い歴史でしょう。<br />ミーハー気分で戦車の写真を撮るのは、いかがなものか───と思わなくもなかったのですが、行ってみると、どう見ても地元の人だろうと思われる人たちも、物珍しそうに覗き込んだり、記念写真を撮ったり。<br />これなら、と私も安心して写真を撮りまくりました。<br /><br />といっても、むしろ展示の中で印象に残ったのは、今日のブダペストと1956年当時のブダペストの写真でした。<br />いまはそのときの破壊を感じさせないくらいきれいに復活した街のそこかしこと、破壊され、戦車に踏みにじられた痛ましい姿のあまりの差。<br />一方で、戦車にまたがる子供たち、その姿を写真に撮る親たちという今の姿を見て、過去に涙する姿よりも、こんなどこか脳天気な平和そうな姿がずっと繰り返されるといい、と思いました。<br />いや、まるで小さな兵士がソ連軍を制覇したみたいで、皮肉な図に見えないこともないか。

2006年ハンガリーとルーマニア旅行第16日目(2):デアーク広場のハンガリー動乱追悼の展示

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2006/10/23 - 2006/10/23

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まみ

まみさん

2006/10/23(月)第16日目:ブダペスト
デアーク広場のハンガリー動乱追悼日のための展示、大シナゴーグ(祝日のため儀式で入れず)
彫刻広場(Statue Park)見学ツアー
オペラ座ショップ、鎖橋からヴァーツィ通りをショッピングしながらエリジュペート橋まで
ブダペスト・ケレーティ(東)駅発18:10の寝台車でルーマニアのシギショアラへ

10月23日が1956年ハンガリー動乱追悼の祝日なら、それらしい展示もこの際だからきちんと見ておきましょう。
というのは建前で。
ずらりと並んだ戦車に惹かれたというのが本当のところ。
昨日も展示が公開される前でしたが、夜間の明かりの下の無気味な姿をカメラに収めています。
でも、やはり昼間、ふつうに明るいところで撮りたいですからね。

それでも、今回のハンガリー旅行期間にこの祝日が含まれるとあって、私なりに念入りに下調べをして、頭の中で整頓してきました。

それまでのハンガリーは、ハンガリーのスターリンともいうべき共産党書記長ラーコシによる恐怖政治が行われていました。
この恐怖政治の象徴が、アンドラーシ通り60番地にあった建物で、これが現在、その名もTerror House(恐怖の館)という博物館になっています。
残念ながら本日は月曜日で休館。今回の旅行で行きたい候補に挙げていましたが、結局、行きそびれてしまいました。
1956年10月23日に自由を求める国民蜂起が始まった背景には、1953年にスターリンが死亡し、1956年2月にフルシチョフがスターリン批判をしたことがあります。これをきっかけに、東欧のあちこちで共産主義からの自由を求める学生や労働者のデモや蜂起が起こりました。
ブダペストでも、10月23日、最初は改革を求める急進的な学生たちの集会でしたが、それが約20万人ものデモに発展しました。
暴動は5日間にわたって繰り広げ広げられました。
10月25日、悪名高き「血の木曜日」は、国会議事堂前に集まっていた民衆に向かって何者かが発砲したことがきっかけです。
11月2日頃まで、革命が成功したかと思われた瞬間もあったようですが、11月4日、ソ連軍が本格的な軍事介入を図りました。
革命政府によって首相に任命されたナジ・イムレがラジオ放送を通じて国連や西側諸国にその窮状を訴えました。
「本日未明、ソヴィエト軍が、われわれの合法的・民主的政府を倒すという明白な意図をもって、首都ブダペストに攻撃を開始しました。ハンガリー軍は戦闘中です。政府はもち場についています。私はこの事実を国民と全世界の人々に伝えます。」
しかし、救援の手は差し伸べられず、ハンガリー動乱はソ連軍の戦車の前にけちらされました。
(参考「図説ブダペスト物語」河出書房新社ふくろうの本、「ハンガリーを知るための47章」明石書房、「旅名人ブックス ハンガリー“千年王国”への旅」日経BP社、ほか)

※ナジ・イムレのその後は、こちらの写真のコメントとしてまとめました。
コッシュート・ラヨシュ広場のナジ・イムレ像の写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/11485065/
関連の旅行記
「2006年ハンガリーとルーマニア旅行第3日目(1)ブダペスト:ハンガリー国会議事堂」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10104262/

1956年のハンガリー動乱は、ハンガリーの人々にとっては、まだたった50年前の苦い歴史でしょう。
ミーハー気分で戦車の写真を撮るのは、いかがなものか───と思わなくもなかったのですが、行ってみると、どう見ても地元の人だろうと思われる人たちも、物珍しそうに覗き込んだり、記念写真を撮ったり。
これなら、と私も安心して写真を撮りまくりました。

といっても、むしろ展示の中で印象に残ったのは、今日のブダペストと1956年当時のブダペストの写真でした。
いまはそのときの破壊を感じさせないくらいきれいに復活した街のそこかしこと、破壊され、戦車に踏みにじられた痛ましい姿のあまりの差。
一方で、戦車にまたがる子供たち、その姿を写真に撮る親たちという今の姿を見て、過去に涙する姿よりも、こんなどこか脳天気な平和そうな姿がずっと繰り返されるといい、と思いました。
いや、まるで小さな兵士がソ連軍を制覇したみたいで、皮肉な図に見えないこともないか。

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  • 戦車PT-76型<br />かっくいい〜@

    戦車PT-76型
    かっくいい〜@

  • 展示の車とその写真を撮る少年<br />これも共産主義時代の象徴なのかな。

    展示の車とその写真を撮る少年
    これも共産主義時代の象徴なのかな。

  • お洒落なクラッシック・カー。<br />だけどここにあるということは、これも共産主義時代の象徴なんでしょうね。<br />共産党員が乗り回していたとか?

    お洒落なクラッシック・カー。
    だけどここにあるということは、これも共産主義時代の象徴なんでしょうね。
    共産党員が乗り回していたとか?

  • 戦車T34/85型<br />おや、記念撮影をしていますよ。

    戦車T34/85型
    おや、記念撮影をしていますよ。

  • 戦車をしげしげと眺める男性<br />真ん中の穴の空いた、ハンガリー動乱の象徴の旗を背景に。<br /><br />旗の真ん中にはかつてソ連のマークが入っていました。<br />ハンガリー動乱のときに焼かれたのだそうです。

    戦車をしげしげと眺める男性
    真ん中の穴の空いた、ハンガリー動乱の象徴の旗を背景に。

    旗の真ん中にはかつてソ連のマークが入っていました。
    ハンガリー動乱のときに焼かれたのだそうです。

  • なかなか盛況です。

    なかなか盛況です。

  • 戦車にむらがる子供たち<br /><br />無邪気そうで、微笑ましい、と思ったものですが、なんだか動乱の縮図に見えなくもない気がしてしまいました。

    戦車にむらがる子供たち

    無邪気そうで、微笑ましい、と思ったものですが、なんだか動乱の縮図に見えなくもない気がしてしまいました。

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