フランス・ドイツドライブ旅行～2011年秋～3日目メッス－ロンシャン－ミュールーズ（１）

2011/10/08 - 2011/10/16

2010年9月、2010年12月に引き続きまして、フランスからドイツに行ってまいりました。
なんだか、楽しいので異常なペースで行ってしまっております。
国内ですら、このペースで行くことはありません。

この日はメッスを出て、コルビジェの手によるロンシャンの教会を見たのち、プジョー博物館に行くという、個人的には大興奮な旅となりました。


旅程は下記の通り。

10月8日：成田―パリ－トロワ
10月9日：トロワ－シャロンアンシャンパーニュ－ランス－メス
10月10日：メス―ロンシャン－ベルフォール－ソショー－ミュールーズ
10月11日：ミュールーズ－エギスハイム－コルマール－リクヴィル－セレスタ－ストラスブール
10月12日：ストラスブール－ウルム－ミュンヘン
10月13日：ミュンヘン－インゴルシュタット－ニュルンベルグ
10月14日：ニュルンベルグ－ヘルツォーゲンアウラッハ－ヴェルトハイム－マインツ
10月15日：マインツ
10月16日：マインツ－フランクフルト－パリ－成田

エリア ロンシャン(オート=ソーヌ)(フランス)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 30万円 - 50万円
• 交通手段: レンタカー
• 航空会社: エールフランス
• 旅行の手配内容: 個別手配

まだメッスです。

それほど大きな街ではないのですがいくつか見所があって、その一つがこのドイツ門。
13世紀くらいに建てられた城壁です。

城壁とは言っても川が城壁の役割を果たしており、この城壁はどっちか言うと橋になります。

城壁と言うことで無骨な作りなのですが、他の城壁と比べると外観的にも、（写真はないけど）内部の作り的にも結構きれいな形をしていてます。

朝ご飯はパニーニ。

briochedoreeというフランス中にあるチェーン店のもので、ハムとチーズが挟まったシンプルな一品。

こういうなんでもない食べ物がおいしいのがフランスのいいところの一つだと思います。

これはただの路地です。

路地好きです。

ホテルからほど近かったメッスの大聖堂。

それほど有名な都市ではないと思うのですが、フランスからドイツへの交易路の途中にあり、かなり昔から栄えた街らしいです。

この大聖堂は丘の上に立っていて、ここを中心に街が発達しています。

大聖堂の中に入っていきます。ボーヴェ、アミアンに続く身廊の高さを誇るそうで、これでフランス三大高身廊を制覇したことになります！

それほど名前を聞くこともないのですが、その壮大さは目を見張ります。

大きさよりはむしろこのステンドグラスの方が有名かもしれません。
シャガールの手によるもの。

前にも書きましたが、シャガールの作品にはどうしても故郷への想いを感じてしまいます。

これもシャガールのステンドグラス。

明るい色遣いでもやはり感じることは一緒になってしまいます。完全に僕の週間ではありますが。。。

大聖堂から川に向かって坂を下っていきます。

曇りが残念なような気もしますが、少し黄色い石造りの街に曇り空がマッチするようにも思います。

さらに坂を下っていくと川にあたります。

ここから見て川の左側にきれいで大きなオペラ座があり、右側は普通のマンションのようです。

ただ、近くに寄っていくと１Fはレストランが多く入っていて、京都の川床みたいに川に覆いかぶさるようなテラス席が配置されてました。

ちょろっと川沿いをあるってから、また坂を登っていきます。

色がうまくでなかったので、思い切って白黒にしてみました。

坂の下からみると大聖堂の大きさが倍増します。

メッスの紋章はこのドラゴンで、その名は「グラウリ」。

メッスはこれでおしまい。また移動します。

この日はこのままフランシュコンテ地方に向かって南下していきます。

これは高速で並走していた機動車。

この日のお目当てはこの教会です。


これで2回目になり、前は掘立小屋っぽい券売所くらいしかなかったのに、ビジターセンター的なものが作られるのか工事中になっていました。

これはテーブルですよね？

なんでもないテーブルだとは思うのですが、この空間に入れることを幸せに思ったりしてしまいます。

そしてこれが教会の全景。

ル・コルビジェ晩年の作、ロンシャンの教会です。

建築は「住むための機械」と言い、機能的な建築を作り続けたコルビジェはその晩年にはこういった曲線を多く用いた建物を作るようになります。

ピカソはデッサンの天才と呼ばれ、そのあと抽象画家になっていたわけですが、コルビジェのこの変化もピカソと同じようなことなのかなと勝手に思っています。

機能ということを突き詰めていった上で、形態的な遊びにいったのではなかろうかと。いや、ひょっとしたら遊んだような形態こそが機能の究極の形だったのかもしれません。

前回きたときも特に天気は良くなかったのですが、今回はおもっきり雨でした。

ただ、霧の中に浮かぶロンシャンの教会も幻想的で印象深いものでした。

それまでのコルビジェ建築と同じように、この建物もポイントポイントにビビットな色が使われています。

もともと画家だったコルビジェゆえ、全体としてはシンプルで無味乾燥なコンクリート建築のなかにきちんとアクセントを入れてきます。

この教会には窓らしい窓はあまりなく、この不規則に並べられたスリットからの採光が主になります。

その窓は形も様々、色もさまざまで、そこから差し込む光が教会の中の空間に表情を与えています。

祭壇を望んでみます。

外観こそ曲線の多い複雑な形態ですが、中のしつらえはシンプルなものです。

礼拝用のベンチもシンプルな形です。

木材がきちんと年輪を重ね、静かな佇まいを見せています。

もうひとつの祭壇。（で、よかったかしら）

メインの祭壇も静かな空気をたたえていて素敵なのですが、このサブの祭壇の方がより研ぎ澄まされた静けさをたたえる空間だと思います。

外から見ると不思議に見えるもろもろの形態は、中に入ってみれば整然とその意味をもって配置されているがゆえということが分かります。

これは懺悔室でしょうか。

入口のあたりから祭壇を見ます。

曇っていたためいつもより暗い教会内に、小さな窓から優しい光が差し込んで荘厳な空気が漂っていました。

キリスト教徒ではありませんが、「神はいる」という気持ちになる空間です。

これも扉なのですが、祭事などのときに使うのでしょうか。

こういった扉などに書かれた絵が、「画家コルビジェ」を思い起こさせます。

有名な建物の写真は、おんなじようなアングルで撮られたものが多いのですが、それはそのアングルが一番美しいという場合と、そのアングルでしか取れない場合があります。

この写真は、後者。美しくないというわけではありませんが、この方向から建物の全貌を撮ろうとしするとこのアングルになります。

ただでさえ現実から離れた形の建物は、霧に囲まれてとても幻想的にみえるのでした。

次の目的地に行く前に、食事を取ろうということでベルフォールと言う町にやってきました。

ベルフォール＝良い城塞という意味で、実際、普仏戦争の時にはこの街にある城塞で独軍の攻撃から守ったらしい。

ただ、現在のベルフォールは街の中心に大きな川の流れる静かな街といった風情です。

川の横には親水公園があって、ひっきりなしに噴水がその姿を現していました。

これがベルフォールの要塞。

フランスにはヴォーバンという人の作った要塞がたくさんあるのですが、この要塞もその一つとのこと。

この要塞のおかげで普仏戦争の時にプロイセンへの併合を免れたことを記念して、ライオンの像が作られました。

このライオンの作者はバルトルディで、自由の女神像を作ったことで有名な彫刻家です。（ライオンの台座の横に作者名が彫ってあります）

そう言われてみると、すこし荒削りな造形とか、マッシブな感じは自由の女神に似ているように思います。

もう一回街中に戻って、昼ごはん。

この道を行った先のお店でケバブを食べたのですが、写真は取り忘れてしまいました。

でも、おいしいケバブ屋さんだったなぁ。

ということで、この日の前半はおしまい。