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 私たちはこの週末、1年ぶりの「美山荘」を堪能してきました。<br />ここ数年は、時期をずらして早春の花脊、八重桜の月見台…<br />とテーマを変えていましたが<br />久しぶりにやはり一番好きな蛍の季節を選んでみました。<br /><br /> 西日本は空梅雨と聞いていましたが、数日前から降り始めた雨で<br />花脊の山々もしっとりとして、絶好の蛍日和となりました。<br /><br /> この旅行記には写真と文章しか記録できないのがとても残念です。<br />私は今「美山荘」の素晴らしさは画像だけではほとんど伝えきれないことを心の底から実感しています。<br /><br /> 大女将、若女将、お部屋係のお嬢さんたちの極め細やかな心配りももちろんですが、<br />あの宿には「音のご馳走」と「香りのご馳走」がありますから。<br /><br /> 音のご馳走は、清流のせせらぎ、河鹿の鳴き声。<br />夜中にふと目が覚めたときに、聞こえてくる川の流れと河鹿はまるで子守唄のようで、<br />いつもの私ならそのまま朝まで目が冴えるのに(歳を取って睡眠障害気味…苦笑です。)<br />すぐにまたまどろむことができました。<br /><br /> 香りのご馳走は、室内なら焚きしめられたかすかなお香と、<br />一歩月見台に出ると、圧倒的な強さで全身に降り注いでくる緑の香り、フィトンチッド。<br /><br /> さらに、私が一番好きなこの季節には「灯りのご馳走」、蛍の群舞があります。<br />夕食を終えた後、他の宿泊客の皆さんと一緒に車で案内され<br />山あいで見る蛍たちの光の舞は幽玄で、<br />この世のものとは思えないという形容がまさにぴったりです。<br /><br /> 自然のことですので、必ず見られるとは限りませんが、<br />この季節は、音のご馳走、香りのご馳走に加えて灯りのご馳走まで揃った<br />まさしく鄙でいて雅なこの宿を堪能しきるベストシーズンだと思います。<br /><br /> …ああ、でもこんなに褒めちぎって、私が行きにくくなると困りますね。<br />テレビはないし、お部屋にお風呂もないし、<br />お料理は山の幸ばかりであわびも伊勢海老も天ぷらもつかないし、<br />周りには賑やかな温泉街もないし、カラオケもないし、<br />チェックイン後もなにかとお部屋に人がやってくるので、慣れていないと緊張するし、<br />それでいて、お値段はけっして安くないし、<br />退屈で退屈でしかたのない宿です。<br /> どうぞ、それでもいいと思われる大人の方だけ、<br />宿の皆さんの忙しい時間帯を避けて、予約のお電話を入れていただきますよう、お願いいたします。<br /><br /><br />

思う壺Barマダムの花脊「美山荘」…音のご馳走、香りのご馳走、灯りのご馳走

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2005/07/02 - 2005/07/03

39347位(同エリア46344件中)

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miu

miuさん

 私たちはこの週末、1年ぶりの「美山荘」を堪能してきました。
ここ数年は、時期をずらして早春の花脊、八重桜の月見台…
とテーマを変えていましたが
久しぶりにやはり一番好きな蛍の季節を選んでみました。

 西日本は空梅雨と聞いていましたが、数日前から降り始めた雨で
花脊の山々もしっとりとして、絶好の蛍日和となりました。

 この旅行記には写真と文章しか記録できないのがとても残念です。
私は今「美山荘」の素晴らしさは画像だけではほとんど伝えきれないことを心の底から実感しています。

 大女将、若女将、お部屋係のお嬢さんたちの極め細やかな心配りももちろんですが、
あの宿には「音のご馳走」と「香りのご馳走」がありますから。

 音のご馳走は、清流のせせらぎ、河鹿の鳴き声。
夜中にふと目が覚めたときに、聞こえてくる川の流れと河鹿はまるで子守唄のようで、
いつもの私ならそのまま朝まで目が冴えるのに(歳を取って睡眠障害気味…苦笑です。)
すぐにまたまどろむことができました。

 香りのご馳走は、室内なら焚きしめられたかすかなお香と、
一歩月見台に出ると、圧倒的な強さで全身に降り注いでくる緑の香り、フィトンチッド。

 さらに、私が一番好きなこの季節には「灯りのご馳走」、蛍の群舞があります。
夕食を終えた後、他の宿泊客の皆さんと一緒に車で案内され
山あいで見る蛍たちの光の舞は幽玄で、
この世のものとは思えないという形容がまさにぴったりです。

 自然のことですので、必ず見られるとは限りませんが、
この季節は、音のご馳走、香りのご馳走に加えて灯りのご馳走まで揃った
まさしく鄙でいて雅なこの宿を堪能しきるベストシーズンだと思います。

 …ああ、でもこんなに褒めちぎって、私が行きにくくなると困りますね。
テレビはないし、お部屋にお風呂もないし、
お料理は山の幸ばかりであわびも伊勢海老も天ぷらもつかないし、
周りには賑やかな温泉街もないし、カラオケもないし、
チェックイン後もなにかとお部屋に人がやってくるので、慣れていないと緊張するし、
それでいて、お値段はけっして安くないし、
退屈で退屈でしかたのない宿です。
 どうぞ、それでもいいと思われる大人の方だけ、
宿の皆さんの忙しい時間帯を避けて、予約のお電話を入れていただきますよう、お願いいたします。


  •  左側の苔むした屋根の建物がお風呂のある離れ。<br /><br />宿泊客には1組ずつ<br />「お風呂の用意が整いました。」<br />とお部屋係りのお嬢さんが迎えに来てくれます。

    左側の苔むした屋根の建物がお風呂のある離れ。

    宿泊客には1組ずつ
    「お風呂の用意が整いました。」
    とお部屋係りのお嬢さんが迎えに来てくれます。

  •  お風呂には…

     お風呂には…

  •  既にビールが届けられていました。<br /><br />届けてくれたのは、私たちが飲んべであることをよく知るりっかちゃん。<br /><br />凛とした大女将の下で、<br />博多人形のように美しい若女将、<br />まゆちゃん、ゆかりちゃん、りっかちゃんというお嬢さんたちが<br />まるで細雪の四姉妹のように、極め細やかに心を配ってくださいます。<br /><br />

     既にビールが届けられていました。

    届けてくれたのは、私たちが飲んべであることをよく知るりっかちゃん。

    凛とした大女将の下で、
    博多人形のように美しい若女将、
    まゆちゃん、ゆかりちゃん、りっかちゃんというお嬢さんたちが
    まるで細雪の四姉妹のように、極め細やかに心を配ってくださいます。

  • 月見台の向こうには

    月見台の向こうには

  • 圧倒的な緑。<br /><br />香りのご馳走、フィトンチッドを<br />シャワーのように浴びさせてくれる緑です。

    圧倒的な緑。

    香りのご馳走、フィトンチッドを
    シャワーのように浴びさせてくれる緑です。

  •  毎年訪れるのに、少しずつ進化を遂げるところも<br />この宿の魅力です。<br /><br /> 今回は、新しくできたカウンターのお食事処で<br />夕食をいただきました。<br /><br /> そうそう、この宿の、たったひとつの欠点であった<br />トイレのウォシュレットも新たに備わって、<br />私たちにはもう非の打ちようがなくなってしまいました。

     毎年訪れるのに、少しずつ進化を遂げるところも
    この宿の魅力です。

     今回は、新しくできたカウンターのお食事処で
    夕食をいただきました。

     そうそう、この宿の、たったひとつの欠点であった
    トイレのウォシュレットも新たに備わって、
    私たちにはもう非の打ちようがなくなってしまいました。

  •  お食事のさわりだけ。<br />奥に見えるのは田螺です。<br /><br /> この後に続く摘み草、鮎…想像してみてくださいね。

     お食事のさわりだけ。
    奥に見えるのは田螺です。

     この後に続く摘み草、鮎…想像してみてくださいね。

  •  ここにたくさんいる鯉たちは…

     ここにたくさんいる鯉たちは…

  • その命をもって、<br />私たちに至福のひとときをもたらせてくれます。<br /><br /> そうやって私たちの命に同化してくれた生き物たちのお墓。<br /><br />合掌。<br /><br /><br /><br />  宿にこだわるコミュニティ「本物の高級宿を楽しむ」を立ち上げました。<br />よろしかったら、情報交換しましょう。<br /><br />http://4travel.jp/community/main/10000186/<br />

    その命をもって、
    私たちに至福のひとときをもたらせてくれます。

     そうやって私たちの命に同化してくれた生き物たちのお墓。

    合掌。



    宿にこだわるコミュニティ「本物の高級宿を楽しむ」を立ち上げました。
    よろしかったら、情報交換しましょう。

    http://4travel.jp/community/main/10000186/

  •  ほたるぶくろの花。<br /><br />蛍を1匹、このほたるぶくろに入れて、<br />宿までちょっと一緒に来てもらいました。<br />もちろん、宿の裏の清流に放したのは言うまでもありません。

     ほたるぶくろの花。

    蛍を1匹、このほたるぶくろに入れて、
    宿までちょっと一緒に来てもらいました。
    もちろん、宿の裏の清流に放したのは言うまでもありません。

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