【戦跡】パラオ・ペリリュー島　その１

2009/09/21 - 2009/09/26

グアム・サイパンのマリアナ諸島とフィリピン諸島の間にあるパラオ諸島ペリリュー島。
今では世界有数のダイビングスポットとして有名ですが、昭和１９年、ここは硫黄島に並ぶ激戦地でした。
日本にとっては、グアムやサイパンの後方支援基地、また米軍にとってはフィリピン奪還の拠点。
日本の約６倍の兵力に対し２ヶ月以上善戦し、アメリカ第1海兵師団を撤退に追い込むほどの戦果を挙げました。

関空出発からパラオ・コロール空港、そしてボートでペリリュー島へ渡り、まずは徒歩でいける範囲の戦跡を散策。
北端にある水戸山の洞窟陣地跡に入ります。

エリア パラオ(パラオ)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: 船 飛行機
• 航空会社: JAL
• 旅行の手配内容: 個別手配

19：50発、関空からパラオ・コロール空港行きのチャーター便で出発。
乗客の大半はどうみてもダイビング客・・・。
おそらく海に入るつもりのない乗客は我々だけじゃないかと（汗

翌、０：３０、コロール空港到着。
コロール島で一泊。
翌朝のパラオはあいにくの天気。

ペリリュー島へ向けて出発。
コロール島の南西約５０キロ。
これをモーターボートでちょうど１時間でした。
結構な風雨の中を風除けもないボートでエンジン全開です。
拷問か！（汗

きのこのような小さな島が無数にあるパラオの海。
マリンスポーツでもやりにきたのなら、さぞ楽しい場所だと思います。
でも現実はノンストップの強行軍。
痛くて目も開けてられない。

やっとの思いでペリリュー島のノースドックに到着。
我々以外ひと気はほとんどありません。

島の小学校。
日本統治時代の門柱が残る。

米陸軍歩兵第81師団321連隊の記念碑。
81師団は第１海兵師団が壊滅し撤退に追い込まれた後、交代で投入された師団。

日本軍の銃眼が並んで見える。
右手が海岸。
上陸してくる米軍と激しい戦闘があったのでしょうか。

桟橋跡。
海の向こうに見えるガドブス島（当時飛行場がありました）まで続いていたそうです。

この日の目的地。水戸山の洞窟陣地です。
千人壕とか呼ばれることもあるそうです。
手持ちの蛍光灯、洞窟内の地図、撮影のために三脚、ちゃんと準備してきました。

米軍が作成したと思われる洞窟マップ。
④の入り口から入ります。

手彫りの壁面が重々しい雰囲気です。
神妙な面持ちになってしまいます。
場所によっては壁面が火炎放射器で焼かれたと思われるススで黒ずんでいました。

奥は狭くなったり広い部屋状の場所があったり。

足元には砲弾と思われるものが結構落ちています。

腰をかがめないと進めない場所が多いです。
こんなところで2ヶ月以上も粘っていたのかと思うと。。
これでもまだ規模の大きな壕みたいですし。

三ツ矢サイダーの空き瓶が大量に・・・。
ビンをよく見ると刻印もあります。
当然、当時のものだと思います。

信管でしょうか？

こちらは迫撃砲弾？

当時のものでしょうか・・・？
ちょっとドキッとします。

黒っぽいビンはビール瓶。
確かキリンビールの刻印があった気がします。
ゴムの靴底が生々しいです。

あちこちに砲弾が落ちてます。
処理はされていると思いますが・・・。
もちろん触らないようにします。

これは砲弾を入れていたケースか何かでしょうか？

通信ケーブルのリール？
わかりませんが。。

出口のほとんどはこんな感じで米軍のブルドーザーに埋められてしまっています。
島内には埋められてしまっていまだ発見されない壕が数百あるとか。
天井部分に見える虫・・・怖いです。
ほかの場所でコウモリに襲われたときは、死ぬかと思いました（汗

入ったのとは別の出入り口ですが、いったん外へ。
ジャングルの中でどこかわからないので、また元に戻らないといけないのですが・・・。
地図がないと確実に迷う。

やっとの思いで最初の入り口に無事戻ってきました。
といいつつ、隅々まで行ってみたくて、何度か入りなおしましたが。

今回、初めて本当の壕に入ったので、すごい衝撃でした。
こんな大きな壕でも息が詰まるのに、山中の小さな壕で2ヶ月も戦っていたかと思うと・・・。