2026/07/18 - 2026/07/18
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おくぅーんさん
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今年のカレンダーを見ると、夏には久しぶりのまとまった休みがある。「これは家でゴロゴロして終わらせるにはもったいない!」ということで、旅心がむくむくと目を覚ました。
候補地はいくつもあったものの、頭の中では毎日のように観光大臣、予算大臣、体力大臣による白熱した協議を開催。その結果、満場一致(異論はあった気もするが)で目的地は九州に決定したのであった。
やはり飛行機に乗ると、「さあ、旅が始まるぞ!」というスイッチがカチッと入る。その高揚感を存分に味わうには、九州くらいの距離がちょうどいい。
しかーし、九州は広いのでアール。
「あそこも行きたい」「ここも外せない」と欲張って予定を詰め込むと、気づけば観光より車に乗っている時間のほうが長くなり、「今回の旅の思い出は高速道路でした」なんてことにもなりかねない。
そこで今回は思い切って鹿児島県一本勝負。あちこち駆け回るのは潔くあきらめ、一か所一か所をじっくり味わう"腹八分目ならぬ、観光八分目作戦"を採用したのであった。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
-
【二日目】
二日目の朝も、いつものごとく早起きである。目覚まし時計など必要ない。旅行中に限っては、体内時計が驚くほど優秀になる。
せっかくなので、朝の旅館周辺を散策することにした。とはいえ、ここは山あいの静かな温泉地。コンビニがあるわけでもなく、観光スポットが次々と現れるわけでもない。「散策」というより、「朝の空気を吸う」が正しい表現かもしれない。そんな中、ひときわ目を引いたのが、道沿いに建つ「石原荘」。 -
川沿いにゆったりと佇むその姿は、いかにも高級旅館という風格で、敷地も「いったいどこまでが旅館なんだろう?」と思うほど広い。さらに敷地の奥へ目をやると、川辺に野天風呂らしきものを発見。
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目の前を勢いよく流れる川の音をBGMに湯に浸かるなんて、きっと最高に気持ちいいのだろう。「一度入ってみたいなあ」と思ったものの、勝手に入ればただの不法侵入である。ここは素直に想像だけで満足し、おりはし旅館へ戻ることにした。
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旅館に戻ると、ちょうど朝食の時間。朝の散策でほどよくお腹を空かせたところに、美味しい朝ごはんが登場した。これはもう、旅館側の作戦勝ちである。
美味しい料理を前に箸は快調に進み、気がつけばお腹も心も満たされた状態に。朝からこんなに幸せでいいのかと思いながら、二日目のスタートを切ることになった。 -
いつもの旅行なら、朝食を済ませたら8時か9時頃にはチェックアウトを終え、すぐに車へ乗り込み「次の目的地へゴー!」という流れになるのだが、今回は少し違った。
せっかく見つけた心地よい空間。急いで立ち去るのはもったいない。温泉宿の余韻を少しでも長く味わいたいという気持ちが勝り、時計とにらめっこをしながら、結局10時のチェックアウトぎりぎりまで温泉に浸かって極楽気分になったのであった。 -
さて、本日の最初の目的地は「仙巌園」である。
ここは薩摩藩主・島津家の別邸として造られた日本庭園で、簡単に言えば――
**「殿様が“桜島まで我が庭の景色にしてしまおう”と考えて造った、規模感が完全に庶民離れした大名庭園」**である。
普通なら庭に池や石を配置して景色を楽しむところだが、ここでは錦江湾を池に、桜島を築山に見立てるという、スケールの大きさがさすが薩摩藩。
「庭を造る」というより、「自然そのものを庭に取り込む」という発想には、さすが殿様、やることの桁が違う。
さらに、この場所は幕末の名君として知られる島津斉彬も愛した場所とのこと。
大河ドラマ「篤姫」で島津家に親しみを持った我々にとっては、「おぉ、あの時代の舞台に自分たちも立っているのか」と、少し歴史の主人公気分を味わえる場所でもある。
そんな仙巌園を今回の目的地に選んだ理由は、もちろん美しい庭園や歴史を楽しむためでもあるのだが、もうひとつ大きな理由があった。
それは……ちょうど昼食の時間になるからである。
せっかく桜島を望める場所まで来たのだから、ただ眺めるだけではもったいない。
「桜島をおかずに昼ごはんを食べる」という、なかなか普段ではできない贅沢を味わおうではないか、という魂胆である。
果たして、雄大な桜島を眺めながらのランチという最高の舞台は、我々の期待に応えてくれるのであろうか。
期待を胸に、仙巌園へ向かうのであった。
仙巌園に到着すると、さすがは鹿児島を代表する観光名所。
駐車場はすでにたくさんの車で埋まり、「やっぱり人気の場所は違うな」と感心する一方で、ひとつ嫌な予感が頭をよぎった。
そう、我々の目的は観光だけではない。
もうひとつの大事な目的……桜島を眺めながらの優雅なランチである。 -
しかし、世の中そんなに甘くはなかった。
案の定、昼食を予定していた「桜華亭」は満席。
「現在、順番待ちです」との無情なお知らせが。
とはいえ、ここまで来て「じゃあ別の店へ行こう」と簡単に諦めるほど、我々の桜島ランチへの期待は軽くない。
ここは大人の余裕を見せて、潔く順番待ちを受け入れることにした。
ただ、名前を呼ばれるまでレストラン前でじーっと待っているのも、せっかく仙巌園まで来た身としては少々もったいない。
そこで時間つぶしという名の「観光」をすることにした。
次に向かったのは、かつて島津家歴代の当主たちが暮らした御殿である。中に入ると、まず驚かされたのはその広さ。
「これが昔の殿様の住まいなのか」と思わず声が出そうになるほど、部屋の数も規模も完全に庶民の感覚を超えていた。しかし、驚きはそれだけではなかった。 -
広いというより……もはや立派な迷路である。
「ちょっと隣の部屋を見てみよう」と軽い気持ちで進んでいくと、次から次へと部屋が現れ、気が付けば自分がどこにいるのか分からなくなる始末。
案内表示の矢印がなければ、元の場所へ戻る自信はまったくない。
下手をすると、島津家の家臣でもない我々が、御殿の中で「すみません、出口はどちらでしょうか?」と現代のスマホ片手に迷子になっていたかもしれない。
さすがは一国を治めた大名の住まい。
広さもスケールも、そして迷いやすさまでもが、我々の想像をはるかに超えていたのであった。 -
御殿を見終わった後は、お土産売り場に。
そこには、さすが九州・鹿児島。
黒豚、焼酎、薩摩のお菓子など、ここでしか見られないような魅力的なお土産がずらりと並んでいる。
「見るだけ、見るだけだから」と心の中で何度も言い聞かせながら店内を歩いていたはずなのだが……。
気が付けば、なぜか手にはいくつかの商品が。
いや、これは決して衝動買いではない。
鹿児島の魅力を少しだけ持ち帰ろうとしただけである。
……そう、旅先でのお土産購入は「思い出への投資」ということで、誰にも責められるものではないのである。
しばらく仙巌園内を散策していると、ついに待ちに待った連絡が携帯に届いた。
「お席のご用意ができました」
このメッセージを見た瞬間、まるで長時間待ったご褒美を受け取ったかのような気分で、意気揚々と「桜華亭」へ向かった。
そして案内された席は、なんと桜島を真正面に望める特等席。
「これは最高のランチになるぞ!」と期待は一気に最高潮へ。
……しかし、ここで鹿児島の空模様がまさかの横やりを入れてきた。
本日の天気はあいにくのどんより曇り空。
いつもなら堂々と姿を見せてくれるはずの桜島は、まるで「今日はちょっと恥ずかしいので……」と言わんばかりに雲のベールに隠れてしまっていた。
「せっかく真正面の席なのに!」という悔しさは残ったものの、こればかりは自然相手。桜島にも出勤したくない日があるのだろう。
とはいえ、落ち込んでいる暇はない。
目の前には美味しそうな料理が並んでいる。
肝心のお料理は期待を裏切ることなく、味も大満足。 -
桜島の雄大な姿を眺めながら……とはいかなかったものの、鹿児島の味覚をしっかり堪能することができた。
「景色は次回のお楽しみ」ということで、結果的には大満足のランチタイムとなったのであった。 -
美味しいランチでお腹を満たした後は、本日の観光のメインイベントである知覧へ向かうことにした。
仙巌園でのランチ待ちが予想以上の人気ぶりで、思いのほか時間を消費してしまったが、だからといって知覧を「今回は時間がないから、また今度」というわけにはいかない。
今回の鹿児島旅行で、どうしても訪れておきたかった場所だからである。
そして到着したのが、「知覧特攻平和会館」。 -
館内には、特攻隊員の遺書や写真、当時の貴重な資料が数多く展示されており、戦争の悲惨さや平和の尊さを改めて考えさせられる場所であった。
さらに、ちょうど訪れた時間に、戦争を伝える語り部の方のお話を聞く機会にも恵まれた。
「これはぜひ聞かなければ」と、予定にはなかったが迷わず参加することに。
ところが……。
ここでまたしても時間の問題が発生した。
お話は非常に興味深く、聞き入ってしまったのだが、想像していたよりもたっぷりとした内容。
「少しだけ聞いて次へ行こう」と思っていた自分たちの甘い考えは、あっという間にどこかへ消えてしまった。
さらに館内を見学していると、そこには数多くの遺書や資料が。
ひとつ、またひとつと読んでいるうちに、時間の感覚は完全に消失。
このペースで全部に目を通していたら……
「今日の宿泊先は指宿のホテルではなく、知覧特攻平和会館のロビーになるのでは?」と思ってしまうほどであった。
もちろん、そんなわけにはいかない。名残惜しい気持ちはあったが、「まだまだ見たい」という気持ちを少しだけ抑え、後ろ髪を引かれる思いで会館を後にすることにした。
当初の予定では、この後に知覧武家屋敷を散策する計画だった。
しかし現実は甘くない。
時計を見ると、もはや武家屋敷をゆっくり楽しむ余裕はどこにもなく、さらにこのまま出発しても指宿のホテルの夕食時間に間に合うかどうかギリギリの状況。
「せっかくの温泉旅館で、夕食だけ遅刻するわけにはいかない!」
急に現実モードへ切り替わった我々は、慌てて車へ乗り込み、次の目的地である指宿のホテルへ向かうのであった。 -
急いで車を走らせ、本日宿泊する「指宿フェニックスホテル」に到着したのは、午後6時前。
夕食時間を考えると、まさに**「間に合った!」というより「滑り込みセーフ!」**といったところである。
もし知覧であと少し、あと少し……と粘っていたら、せっかくの夕食時間に間に合わず、温泉旅館で空腹を抱えながら時計とにらめっこする羽目になっていたかもしれない。
とはいえ、結果オーライ。
無事に到着できたので、「よく間に合ったものだ」と一安心である。 -
部屋に入り、急いで浴衣に着替えると、休む間もなく夕食会場へ向かう。
会場にはたくさんのお客さんがいて、いよいよ夜の宴が始まった。
運ばれてくる料理は、鹿児島の味を楽しめる品々。
そして何より嬉しいのが、お酒もいろいろな種類が用意されていて、こちらはなんと飲み放題。
この「飲み放題」という魅惑の言葉を聞いた瞬間、我々の中でひとつだけ重要な課題が発生した。 -
それは……
「料理をどこまで美味しく楽しめるか」ではなく、「お酒との付き合い方をどこで止めるか」である。
せっかくの旅行、せっかくの夕食。
美味しい料理を味わいながら、ついつい杯も進んでしまう。
「もう一杯だけ」と言いながら、その“もう一杯”がなかなか終わらないのも旅先あるある。
最後は、お腹も気持ちも十分に満たされ、大満足の夕食となった。
一日中、時間との戦いを繰り広げた我々だったが、最後は美味しい料理と楽しいお酒に癒やされ、鹿児島の夜をゆっくり締めくくるのであった。 -
指宿といえば、やはり全国的にも有名な温泉地である。
正直なところ、どこのホテルを選んでも「温泉」という点では大きなハズレはないだろうと思っていた。
となると、問題は「どのホテルに泊まるか」ではなく、「どんなプラスアルファがあるか」である。
そこで最終的な決め手となったのが、ホテル内で名物の砂風呂を体験できることだった。
せっかく指宿まで来たのだから、砂風呂はぜひ体験してみたい。
しかし、別の施設まで移動して体験するとなると、往復の時間も必要になる。
旅行中の時間というものは不思議なもので、計画を立てている時は「これもできる、あれもできる」と思うのだが、いざ現地に来ると、なぜか時間だけが猛スピードで逃げていく。
今回も例外ではなく、知覧観光で予定以上に時間を使った我々にとって、別施設まで砂風呂へ出かける余裕は、とても残されていなかった。
そんな中で、宿泊しているホテル内で砂風呂を楽しめるというのは、まさに願ったり叶ったり。
移動時間ゼロ。
迷う心配ゼロ。
そして何より、浴衣姿のまま気軽に行けるという最高の条件。
「指宿に来たからには砂風呂を体験したい」という願いを、無理なく叶えてくれるこの環境は、本当にありがたいものであった。
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