2026/05/29 - 2026/06/08
98位(同エリア164件中)
コヨーテさん
毎年恒例になりつつある Sweden Rock Festival 参戦。
今年ももちろん、気持ちはすでにスウェーデンの空の下。
…だったのに、なぜか去年、今年と6月になると大きな仕事をぶち込むわが社。
去年は「必要最低限だけ仕事する」というギリギリのラインで休暇を強行し、北欧旅をねじ込み成功。
(あれはあれでスリリングだったけど、今年はもっと平和に行きたかった。)
しかし今年は、「ちょっと休暇を…」なんて言える空気ゼロ。
むしろ、“この状況で海外?冗談だよね?” という職場の空気が可視化されていたレベル。
それでも Sweden Rock は私の楽しみであり、仕事を頑張るための燃料でもある。
諦めるなんて、そんな選択肢は…<一応>考えたけど無理だった。
そこで出した結論はただひとつ。
リモートワークで穴をあけずに、強行突破する。
こうして、「仕事は通常運転、心はフェス、身体は北欧」という奇妙な三位一体スタイルで挑んだ今年の遠征。
これはそんな、“仕事とフェスの両立という無茶をやった人間の備忘録”
5月29日(金)8:46 HND ≫ 14:49 SIN (SQ 631)
5月30日(土)0:05 SIN ≫ 7:10 CPH (SQ 352)
8:46 コペンハーゲン≫ 12:05 ヨーテボリ(Öresundstågen 1034)
6月2日(火)ヨーテボリ ≫ ルンド(Østerport)
ルンド ≫ クリスチャンスタッド (skanetrafiken)
6月3日(水)~ 6月6日(土) Sweden Rock Festival
6月7日(月)19:30 CPH ≫ 22:05 HEL (AY 962)
6月8日(火)0:45 HEL ≫ 19:35 NGO (AY 79)
20:55 NGO ≫ 22:00 HND (JAL 208)
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今回の滞在は Scandic Hotel。
北欧最大のホテルチェーンでスウェーデンが発祥。環境配慮を重視したホテルということもあり、部屋はシンプル、落ち着いたデザイン。
このホテルがお気に入りの最大の理由は朝食!北欧のホテルは総じて朝食がいいイメージだけど、ここは本当に種類が豊富。
ここはパンのエリア。
北欧ながらの黒パン、そして普通に白パン・・・Scandic Europa ホテル
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ハム、チーズも豊富。
もちろん私が大好きなチーズの王様Västerbottensostもある。
やっぱり酪農国、ミルクがいいのかチーズも美味しい! -
ホットミールもチキン、ポークやトナカイのソーセージ、ミートボールはベジタリアン用も。スモークされたベーコンや卵・・・
一般的なホテルのビュッフェに並ぶホットミールだけど、種類が多くて悩む悩む・・・ -
こちらはオートミール、それらのトッピング。。。
ボードには
自分好みのオートミールを作ろう!
お勧めの組み合わせは
焦がしバター
ベーコン
リンゴンベリーのジャム
キュウリのピクルス
今、翻訳してみたけど、この組み合わせ今度自宅でやってみるか? -
こちらにはグルテンフリーのパンや、ハードブレッド。
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そしてこちらはクロワッサンやシナモンロール。
奥にはクッキーも・・・
そして別のエリアにはフルーツや野菜
ヨーグルトのコーナーには、一般的なヨーグルト、ビーガン用、カスピ海ヨーグルト風のラングフィル(Långfil / ロングフィール)、低脂肪、無脂肪と種類が豊富。
これはもう1週間いても飽きないね。 -
で、この日の朝食は・・・
黒パンの上にハム、野菜を載せて・・・
他にも横にハードブレッドのクネッケブロード(Knäckebröd)を持ってきて、鶏レバーを塗って・・・
食いしん坊の欲張り婆だから、ついついいろいろ盛ってしまう・・・ -
さてトラムに乗ってお出かけしてみる。
トラムに揺られて街を抜けていくと、観覧車が見えてきた。ヨーテボリの象徴ともいえる遊園地 Liseberg(リーセベリ) だ。トラムのチケットは90分有効なので、目的地はまだだけどちょっと途中下車。
リーセベリは 1923 年に開園した歴史ある遊園地で、北欧最大級の規模を誇る。リセベリー公園 テーマパーク・動物園・水族館・植物園
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緑のゲートと金色の装飾が並ぶ入り口は、どこかクラシックで、でもその奥には最新の絶叫マシンがそびえている。
が・・・ どうやらこの日はお休みのようす。 -
リーセベリの正面、遊園地の入口のすぐ横に建っているのがLiseberg Grand Curiosa Hotel。2023年にオープンしたばかりの新しいホテルらしい。
ちょっとトイレに行きたくなり、お邪魔してみることに。 -
さすがスウェーデン!
トイレはジェンダーフリー、男女兼用だ。
ホテルのトイレだからか、トイレという言葉よりなんだか化粧室といいたくなるような洗面台。 -
そして個室に入ると親子が使える仕様。
スウェーデンでは、こうした“誰でも使いやすいトイレ”が比較的多い。
ジェンダーフリーのトイレは珍しくなく、性別で空間を厳密に分けるよりも、「利用者が安心して使えること」 を優先する考え方が根付いている。
日本ではこの話題になると、いろいろな意見が出る。もちろん安全面の議論は大切だし、慎重になる理由も理解できる。ただ、異性の子どもを連れてトイレに入らなければならない親や、片親家庭、あるいはその日の保護者が一人だけという状況では、「どちらに入るべきか」という問題が現実的に起きる。
誰かに頼むのも、今の日本の空気では逆に気を遣わせてしまうこともある。そう考えると、家族や状況に合わせて柔軟に使えるトイレは、利用者にとって安心につながる仕組みだと感じる。 -
トイレを済ませて外に出ると、目的地まではもうすぐだったので、そのままトラムを降りて歩くことにした。ヨーテボリの街は歩くと細かい発見が多くて、移動そのものがちょっとした散策になる。
この日の目的は World of Volvo(ワールド・オブ・ボルボ)。
以前ヨーテボリを訪れたとき、郊外にあった Volvo Museum に行こうと思っていたのだけれど、スケジュールの都合で行けずじまいだった。その後、あのミュージアムは閉館し、展示内容を刷新して市内中心部へ移転。新しい施設として生まれ変わったのが、この World of Volvo だ。
このオシャレなThe・北欧っぽいデザインの建物ボルボミュージアム 博物館・美術館・ギャラリー
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エントランスを抜けた瞬間、思わず足が止まった。高い天井から木材の曲線が大きく広がり、北欧らしい柔らかい空気が空間全体を包み込んでいる。建物そのものが“ボルボの世界観”を表現しているようで、まるで美術館に来たような感覚になる。
目の前には、過去の Volvo が静かに展示されていた。赤いクラシックカーのボディが光を受けて艶やかに輝いている。
大きなガラス窓からは自然光がたっぷり差し込み、外の景色まで含めて“展示の一部”になっているようで、
北欧の建築らしい開放感が気持ちいい。
右奥には階段があり、そこを上るとレストランへ続いている。木材とガラスを組み合わせた空間は、上階から見下ろすとさらに美しく、展示と建築と光がひとつの世界としてまとまっているのがよくわかる。 -
こちらはPolestar。ボルボ傘下の電動車ブランドだ。
PolestarはもともとVolvoのレーシングチームが前身で、Volvoのスポーツモデルを担当。BMWのMとかMercedesのAMGのような立ち位置だったPolesarだが、2017年にPolestarを電動車専門ブランドとして独立させたという。 -
中央の吹き抜け空間にクラシックな Volvo が一台、静かに置かれていた。深い赤のボディがスポットライトを受けて艶やかに輝き、周囲の木材の曲線やガラスのエレベーターと見事に調和している。
この空間は、World of Volvo の“心臓部”のような場所で、建築そのものが展示の一部になっている。天井からは無数の光の粒が降り注ぐようなオブジェが吊られ、中央のガラスの塔はまるで未来の灯台のようにそびえている。
クラシックカーの存在感と、北欧建築の柔らかい曲線、そして現代的な光のインスタレーション。過去・現在・未来がひとつの空間でつながっているような、不思議な美しさがあった。 -
木材のアーチが大きく広がるホールに、クラシックな Volvo が数台並んでいる。白いセダン、濃紺のピックアップ、そして初期の Volvo を思わせる丸みのあるボディ。どれも時代を感じさせる佇まいで、最新モデルのミニマルな世界観とはまた違う魅力がある。
床はコンクリートでシンプルなのに、木の天井と曲線の梁が温かさを添えていて、“北欧の建築 × 自動車の歴史”という組み合わせがとても心地よい。 -
PV544 は 1958~1965年に生産されたモデルで、“Volvo が安全技術を本格的に進化させていく時代”の象徴的な車。
この車はボルボにとって特別視される存在。その理由はボルボの安全へのこだわりが本格的に形になった時代の車だから。
この時期、ボルボは以下の安全技術を次々と導入していく。
・強化されたボディ構造
・改良されたステアリングコラム
・衝突時の乗員保護を考えた設計
PV544 は 3点式シートベルトが搭載された最初期の車種のひとつで、「安全のボルボ」というブランドイメージの出発点になった車 -
PV544 は 3点式シートベルトが搭載された最初期の車種のひとつ。
1959年VolvoのエンジニアNils Bohlinが開発した3点式シートベルト。Volvoはこの技術は人類のために使われるべきと特許を世界中のメーカーに無償で解放した。
Volvo が「安全のブランド」と呼ばれる理由はここにある。 -
壁には歴代のボルボがミニカーとして並んでいて、丸みのある初期モデルから、角ばったシリーズ、そして最近のミニマルなデザインまで、
ボルボの進化がひと目でわかる小さなタイムラインになっていた。 -
壁に並んだミニカーを眺めていたら、その中に 240 や 740 の姿を見つけて、一気にテンションが爆上がりした。あの武骨で四角いスタイル。無駄のない直線で構成された、北欧らしい“実直なデザイン”。当時、街で見かけるだけで胸が高鳴った車たちだ。
ミニカーなのに、あの頃の空気がそのまま閉じ込められているようで、
「やっぱりこの形、好きだなぁ」と思わず立ち止まってしまった。
そして同時に、あの頃 Saab にも憧れていたことをふと思い出した。 戦闘機メーカーが作る車という独特のロマン、ターボの加速、ちょっとクセのあるデザイン。Volvo と Saab、どちらも“北欧の知性”を感じさせるブランドで、気づけば昔からスウェーデンのものに惹かれていたんだな、と改めて思った。
今こうして World of Volvo に来て、歴代の車を眺めながら当時の気持ちがよみがえるのは、なんだか不思議な気分。 -
World of Volvo には有料の Exhibition もあったけれど、今回は無料の展示とオシャレな Volvo グッズが並ぶショップを覗いただけで満足してしまった。レストランではちょうどランチブッフェが始まったようで、団体客が入っていくのが見えたけれど、朝食をしっかり食べたせいでお腹は空いていない。
そんなことを思っていたら、オンラインのミーティングが始まる時間に。World of Volvo を出て外を散策しながら、近くのベンチに座ってミーティングに参加した。旅先で仕事をする不思議な時間も、これもまた旅の一部だと思えてくる。
ミーティングを終えてトラムを待つ。
近づいてきたトラムは1980~90年代の車両がベース。
ヨーテボリでは、古い車両のトラムを丁寧に整備しながら長く使う文化があるらしい。そのおかげで、街を走るトラムを眺めているだけで、まるで歴代トラムの展示を見ているような気分になる。 -
乗り込んだトラムは、ヨーテボリでよく見かける 2両編成のタイプ。車内は黄色と青の組み合わせが北欧らしくて、どこか素朴で落ち着いた雰囲気がある。
そして何よりありがたいのが、行き先や次の停留所が車内モニターにしっかり表示されること。
スウェーデン語は発音がスペルと一致しないことが多くて、耳で聞いても「え、どこ?」となりがち。Göteborgがヨーテボリ(イェーテボリ)・・・どう見てもゴーテボルグ。英語だとGothenburg、これだってゴセンバーグ。ヨーテボリとは結び付かない。
だからこのモニター表示は本当に必須。あと何分で着くか、どの停留所が近いかが一目でわかるので、初めての街でも安心して乗っていられる。 -
そしてチケットはヨーテボリの交通アプリVästtrafik(ヴェストトラフィーク)を使う。このチケットはゾーン制で、トラム、バス、フェリー、電車すべてで利用可能。
シングルチケットは38kr(日本円で約640円)
バリデーションした時刻から90分有効。その間は乗り換え自由で料金は1回分のまま。
アプリの場合、トラム内の機械にピっとする必要はなく、チケットをアプリで購入した時点からカウント。トラム内はクレカでピッ! -
前日は徒歩でHagaエリアへ・・・
この日はトラムで向かってみる
Haga エリアに向かうと、また工事。
ヨーテボリは今、街じゅうが再開発中で、トラム停留所のすぐ横でも巨大な重機が動いている。古い街並みと工事現場が同居するこの風景は、まるで街が生まれ変わる途中の瞬間を見ているようだった。
次訪れるときはここに地下駅ができているのだろうか?
一応予定では2030年に完成というけれど、スウェーデンの公共工事は大概遅れるからね。 -
aga に来た目的はもちろん Café Husaren のシナモンロール。
巨大な Hagabullen は、ヨーテボリに来たら絶対に外せない名物
Hagabullen は とこの土地のHagaと、シナモンロールのカネルブッレ(Kanelbulle)を合わせた造語。Café Husarenの看板メニュー -
こちらのシナモンロールは本当に人の顔くらいの大きさがあって、初めて見たときは「いや、これは一人で食べるのは無理…」と思わず後ずさりした記憶がある。
前回訪れたときは、なぜか “持ち帰る”という選択肢が頭から完全に抜け落ちていて、そのまま諦めてしまったんだよね。今思えば、あれは完全に判断ミスだった。
今回は店先で食べられるわけがないサイズだし、迷わず お持ち帰りに。紙袋に入れてもらった瞬間、「そうだよ、これでよかったんだよ」と前回の自分を救済した気分になった。それにしても重い!!
Haga に来た目的をちゃんと達成できた満足感がじわっとくる。 -
ここのSmörgås(オープンサンド)も美味しそう
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Semlabullebakelse こちらはセムラをケーキにしたタイプ。
あー、これも買えばよかった。でもデカい! -
念願のKanelbulleいや、Hagabullenを買えて大満足。
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Haga の街を抜けて裏道の住宅街に入ってみると、観光エリアの賑わいがふっと途切れて、ヨーテボリらしい静かな生活の風景が広がっていた。
この街の住宅は、どれも落ち着いた色合いの外壁で、グレーやベージュ、淡いパステルカラーが多い。窓枠は木製で、北欧らしい温かみがあって、新しい建物でも木の質感を大事にしているのが印象的。
ほとんどのアパートには バルコニーがついていて、小さな鉢植えや椅子が置かれている。長い冬を過ごす北欧の人たちが、少しでも外の光を楽しむための“暮らしの工夫”が見える。
Haga の裏道は、観光地のすぐ隣なのに、急に生活の気配が濃くなるのが面白い。歩いているだけで、ヨーテボリという街の“日常の顔”が見えてくる。 -
aga の裏道を抜けると、裏山に Skansen Kronan が見えてくる。前日に訪れた Skansen Lejonet の双子の片割れで、ヨーテボリを守ってきた歴史的な要塞だ。
ただ今はシートがかかっていて、どうやら改修工事中らしい。
前回訪れているけれど、前日にSkansen Lejonetを訪れたからやっぱりここまで来たら上に登ろう!SKANSEN KRONAN 観光名所
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裏道を抜けて Skansen Kronan の裏山に差しかかると、シートに覆われた要塞を見上げながら立ち止まっているおじさんがいた。どうやら工事中らしく、登るべきか悩んでいる様子で、こちらを見る目が「どうする?」と静かに問いかけてくる。
でも、こちらが目を合わせるとスウェーデン人らしくそっと目をそらす。話しかけてほしいのか、スルーしてほしいのか、あの微妙な距離感。絶対にスウェーデン人だ。
思わずこちらから声をかけた。
「工事中かな?」
「それっぽいね」とおじさん。
「でも私、登るわ~」と言うと、
おじさんは少し笑って肩をすくめ、
「じゃあ、気をつけて」とでも言いたげに道を譲ってくれた。
でも、おじさんも後ろを歩いてついてきたけど・・・ -
上まで登ってみても、特に何かがあるわけではない。建物の内部に入れるわけでもなく、売店があるわけでもない。ただ広場があって、そこに古い砲台がいくつも並んでいるだけ。
でも、その“何もなさ”が逆にこの場所の本質を思い知らせてくれる。ここは観光用の展望台ではなく、街を守るために作られた本物の要塞だったのだと、砲台の存在が静かに語りかけてくる。
ヨーテボリの街並みを見下ろしながら、この丘の上で何百年も前に兵士たちが同じ景色を見ていたのだと思うとただの広場が急に歴史の舞台に変わる -
この景色を見ながら、再びミーティングに参加することにした。
実は今回の旅は、ミーティングの時間を常に頭に入れながら、訪れる場所とタイミングを細かく調整して動いている。
歩きながらの参加でもいいのだけれど、街の雑踏をバックにした参加はさすがに気が引ける。トラムのベルや人の話し声が入るのは、いくらリモート対応とはいえ落ち着かない。
それに・・・会社には「スウェーデンに来ている」と表立っては伝えていない。だからこそ、少しでも静かな場所を選びたい。観光地の喧騒より、丘の上の静寂のほうが都合がいい。 -
Skansen の砲台を眺めながら、ヨーテボリの街を見下ろすこの場所なら、風の音と鳥の声だけが背景になる。ミーティングの相手には、まさか自分が北欧の要塞の上から参加しているとは想像もつかないだろう。
旅と仕事が同時進行する、なんとも不思議な時間だった。
(そこまでしてスウェーデン行くか?って突っ込みはナシね) -
裏山を下りて街に戻ると、Järntorget の広場に出た。
真ん中には特徴的な噴水 Järntorgsbrunnen(イェルントリエットの噴水)があり、彫像のまわりで人々がのんびり座っている。
動物や人の形が混ざる象徴的なモチーフで、台座には装飾的なレリーフ。
ここは Järntorget(イェルントリエット)広場はヨーテボリの西側エリアの中心で、Haga・Linné・Masthugget・Järntorget の境界に位置する交通と文化のハブ。トラムが何本も交差するロータリー、カフェやバーも多く、若者が集まるエリアでもあり、文化施設や劇場も近い。
歴史的な要塞の静けさから一転して、街の生活のリズムが戻ってくる場所だった。 -
さて、ちょっと遅いけれどランチを食べようと、初日から楽しみにしていたFeskekörka(魚教会)の市場にやってきた。ヨーテボリは港町、シーフードが有名で、ここに向かうまでの道のりは「何を食べようかな」と頭の中がずっとぐるぐるしていた。
スウェーデン名物の小エビのオープンサンドもいいし、サーモンも捨てがたいし、濃厚なシーフードスープも魅力的。Feskekörkaに向かう足取りは、まさにスキップ気分だった。
……その瞬間、仕事の連絡が入る。嫌な予感。「確認したいことがあるので Call してもいいですか?」リモート対応期間中、仕事を任せている部下からの連絡。翌週から始まる大きなイベントに関する確認で、休暇ではない以上、対応しないわけにはいかない。
結局、Catch Up することが多すぎて思ったより時間がかかり、ようやく Call を終えて Feskekörka に入ってみた。市場の魚屋エリアはすでに掃除が始まり、閉店準備中。レストランに行ってみると、ラストオーダーまであと 30 分でクローズとのこと。
楽しみにしていたけれど、急かされて食べたり、周囲で掃除が始まっている中で食べるのは気が進まない。せっかくの魚教会なのに、今日は縁がなかったと諦めることにした。
旅のタイミングと仕事のタイミングが、ほんの少しだけ噛み合わなかった午後だった。 -
Feskekörkaに振られて空腹のまま歩いていると、花の壁画が鮮やかな Ostara の中庭といわれるところに出た。この一角にあるFiskbar 17に行ってみる。
春の女神の名を持つこの場所は、アートと光が満ちていて、旅の途中でふっと心が軽くなる。ここなら、少し落ち着いてランチをしてもいいかもしれない。 -
ランチ時間がすっかり終わってしまい、店内は閑散としていた。ピーク時間を過ぎて、スタッフもほぼ休憩モードに入っているのがわかる。
「食べられる?」と聞くと、「大丈夫よ」と笑顔で返ってきたものの、その後の動きがどうにも遅い。私しかオーダーしていないのに、誰も作っている気配がない。
しばらくすると、どこからか別のスタッフなのか、あるいは隣の店の人なのか分からない人物がふらっとやってきて、店のスタッフと楽しそうにおしゃべりを始めた。
その人は私の存在に気づくと、「注文した?」と確認してくる。注文はしたよ、ちゃんと。
だけど・・・作ってるの?
このゆるさ、北欧の午後らしいと言えばらしいけれど、空腹の身にはなかなかの試練だった。 -
ようやく注文したシーフードスープがやってきた。
北欧ではサーモンスープや、シーフードがごろごろ入ったスープが定番だけれど、これまで食べてきたものは大体クリーム系。ところが、ここで出てきたのは トマトベースのスープだった。
サーモン、白身魚、ムール貝、エビ・・・
器の中はシーフードがぎっしり詰まっていて、見た瞬間に「これは当たりだ」と思った。
ただ、少し煮詰まってしまったのか、スープはややしょっぱめ。それでも具材の存在感がしっかりしていて、“美味しいレベル”には十分達している。
これで 239Kr(約4,000円)。北欧価格だとわかっていても、やっぱりちょっとした贅沢ランチだ。
空腹で、シーフードの気分が最高潮だったこともあって、しょっぱさも含めてなんだかんだ満足してしまった。 -
そしてスウェーデン!
レストランに入ると日本のように無料でお水がサーブされるのもうれしい。 -
食事を終えて店を出ると、Ostara の中庭に広がるあの巨大な花の壁画のお店だった。
ヨーテボリはストリートアートが街の生活に溶け込んでいて、建物の壁が突然キャンバスになることが珍しくない。でも、この中庭の壁画はその中でも特別で、紫の花束が建物の外壁いっぱいに咲き誇り、まるで “庭そのものがアート作品” のようだった。
Ostara の庭は、ただの飲食スペースではなく、街のストリートアートが息づく “小さな美術館” のような場所だった。 -
ホテルに戻って、少し遅いけれど自分だけの FIKA。
時間的にはもう夜だけれど、北欧ではコーヒーを飲む時間に厳密なルールなんてない。落ち着きたいときに飲む、それでいい。
外でコーヒーを飲むと、ドリップで600~800円、カフェラテやエスプレッソ系だと800~1000円ちょっと。日本より少し高い程度だけれど、旅が長くなると毎回外で飲むのは地味に響く。
だから最近の私は、すっかり“自前コーヒー派”。Aliexpressで購入した欧州電圧のポータブルの湯沸かしポットとドリッパーをスーツケースに入れて、現地のスーパーでコーヒー豆を買い、ホテルの部屋で好きなタイミングで淹れる。
北欧のエコノミーホテルには、コーヒーメーカーも電気ポットも置いていないことが多い。「コーヒーはフロント横のサーバーからどうぞ」というスタイルで、たまに有料だったりもする。
でも、朝起きがけや夜寝る前に、化粧もしていない、髪もぼさぼさの状態で部屋を出るのは面倒。そんなとき、部屋で好きなときにコーヒーを淹れられるのは本当に最高だ。
今日も、買ってきた SKÅNEROST の豆をダイソーの折り畳みドリッパーにセットし、湯をゆっくり注ぎながら、旅の一日を静かに締めくくる。 -
コーヒーのお供には、昼間に Café Husaren で買ってきた巨大シナモンロール、
Hagabullen(ハーガブッレン)。サイズ感を伝えるためにマウスを横に置いてみたけれど、本当に顔の大きさくらいある。
ひと口食べると、ほんのりカルダモンが香り、シナモンはしっかり主張してくる。生地もしっとりしていて、甘さも絶妙。「これぞ北欧のシナモンロール」というパーフェクトなお味。マジで美味しい。
観光客で賑わっているカフェだしこの大きさ。正直味は期待していなかったけれど、私が北欧で食べたシナモンロールでナンバー1か2のお味。
夜のホテルで淹れたコーヒーと一緒に食べると、昼間の Haga の空気がふっと蘇るようで、旅の一日の締めくくりにぴったりだった。 -
この日の夜はこの一杯
Kopparberg(コッパルベリ) の プレミアムサイダー “Kir-ish”
大好きなブラックカラントとラズベリー。このサイダーはいわゆるカクテルの「キール風味」
スウェーデンのサイダーは、ちょっと面白い文化がある。中世から続く発酵飲料の歴史があるのに、現代では “甘くて飲みやすいフルーツサイダー” が主役になっている。Kopparberg や Rekorderlig のようなブランドがその代表で、スーパーで気軽に買える“日常のアルコール”としてすっかり定着している。
この Kir-ish は、ブラックカラントとラズベリーの組み合わせで、甘くてフルーティーで、ほとんどジュースみたい。ビールの苦味が得意じゃなくても飲めるし、北欧の夏の夜にぴったりの軽さがある。
一方で、最近はクラフトサイダーも人気で、アイスサイダーや白樺の葉を使ったサイダーなど、ワインのように複雑な味わいのものも増えてきている。“甘いサイダーの国”というイメージを覆すような新しい潮流だ。
でも、旅の夜に飲むなら、この甘くて軽い Kopparberg がちょうどいい。ホテルの静かな部屋で、今日歩いた Haga の街並みや、巨大シナモンロールの香りを思い出しながら飲むと、なんだかスウェーデンの生活に少しだけ溶け込めた気がした。
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